物理学

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生きていく上で現れるあらゆる物事は研究とみなせます。
ビジネスで売り上げが上がらない、家族・恋人・上司などとの人間関係で悩んでいる、健康の悩みなどなど。
私が理論物理学の研究を通して身に付けて来た研究方法を、これらの問題に適用します。

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タピオカ

2019/11/09

日本では最近タピオカが流行っていますね。

私はそんなハイカラな飲み物は知らなかったのですが、タピオカ好きの妻が教えてくれました。

この経験によって私の世界に「タピオカ」が出現すると、中国(上海)にもたくさんタピオカを売っているお店があることを認識できるようになりました。

英語ではbubble teaなどと呼ばれていますので、タピオカがお好きでしたら海外ではそう伝えると買うことができます。

タピオカは上海で買う場合は日本に比べてずっと安いです。

日本で買うと700円ほどしますが、上海では10元ほど、日本円にすると170円ほどで買えます。

約4分の1の値段です。

日本に今年の夏滞在していたとき、妻と一緒に何度か飲みましたが、割と美味しく感じたので、上海に戻ってからも安いことを口実にしばしば飲んでいます。

大抵の食べ物は本場が安いので、中国が本場かと思っていたこともありますが、何かの機会に台湾が発祥らしいと知りました。

芥川龍之介の芋粥ではありませんが、一度本場台湾のタピオカを飲んでみたいものだ、と思っていたところ、実は今出張で台湾に来ています。

毎年行われている、主に東アジアの研究者たちが集まる研究会に参加・発表するためです。

去年からこのメルマガを読んでくださっていたら覚えていらっしゃるかもしれませんが、去年は同じ研究会で韓国へ行きました。

そこで知り合った天才物理学者も今年の台湾での研究会に来ていました。

研究会がどのようなものか、一般の方はあまり見当が付かないかもしれません。

規模にもよりますが、今回私が参加したものは60人ほどの参加者だったので、大学の講義室(一般の方のイメージだと会議室が近いと思います)ひとつだけを使用し、そこに机を3列、それを部屋の後ろまで並べた会場で、前のスクリーンや黒板を使って講演者が自分の論文の話をしていきます。

それを朝の9時半から午後は5時半まで、講演者2,3人毎に30分間のコーヒーブレイクを挟みつつこなしていきます。

招待講演者の持ち時間は30分間、私のように招待をされているわけではない研究者たちは自分で講演をしたいと申し込み、15分間の時間を与えられてショートトークをします。

トーク中に自発的に質問が出ることもあれば、トークの要約をした後に取る質問時間に質問がまとまって出ることもあります。

トークやそれらの質問を私は朝から夕方まで何日間も聞いて来たわけですが、そうすると韓国で知り合ったトップレベルの研究者と、私のようなそれ以外の研究者の違いが見えて来ました。

端的に言えば、一流は大局観を持っており、それ以外は視野が狭い傾向にあります。

言い換えると、前者は何か明らかにしたいゴールがあってそれに向かって探求を進めていますが、後者はそんなに遠くまで見えておらず、自分が見えている範囲でできることを行なっているだけです。

具体的には一流は物理の理解に貢献し、二流は技術的発展に貢献している、という図が見えて来ました。

思い返してみれば私のこれまでの論文は、「これはやられていないからやってみよう」という動機で行なった研究ばかりでした。

私の周りにはいないレベルの一流の研究者と接する機会は、ちょうどタピオカのように、以前の私の世界にはなかった認識を与えてくれました。

もう一つ今回の研究会を通して得た収穫は、コピーライティングが研究発表にも使えるということです。

読者はどう感じるか、どんな順番だと混乱を避けられるか、そのために何を見せ、何を見せないか、日々このようなことを考えるようになりましたので、講演のスライドを作っている時も、「この式は話で使わないから隠そう」など判断できるようになっていました。

(最初は黒字で書いていた式を、白文字に変えて文字通り隠した部分があります。

研究会のホームページを確認したところ、スライドがアップロードされていましたので、ご興味がありましたら以下から見ることができます:

https://drive.google.com/file/d/1Z7UQ0ni99XuPe2V6ZKO1YqSeeYkUjHB3/view

そしてセールスレターのように流れるストーリーを作って臨んだ発表は好評でした。

3名がコメントをくれましたが、最初の方は間違いなく一流の研究者で、そんな彼に斬新や面白いというコメントをいただきました。

(その前の質問には8割がたきちんと答えたのですが、後々考えているとおかしなことを伝えてしまったことに気付いたので訂正のメールを送りました。

面白い質問をしてくださったので、そこから研究が生まれたら、と思っています。)

二人目はexcellentだかwonderfulだか忘れてしまいましたが、「大絶賛してくれるな」と感じるコメントをくれました。

(それに続いた質問に答えられなかったのも収穫です。)

最後はボスで、「nice talk」と言ってくれました。

ボスは私がした話の共同研究者なので、私の話を聞く前から全て理解しており、わかりやすさを測る対象にはなりませんが、ストーリーを評価してくれたのかもしれません。

そう言えば、ボスも物理を理解しようとしている研究者であった、と一流の研究者の特徴に思い至った時に気付きました。

P.S. 先週はVPNが繋がらずにメルマガの送信予約ができませんでした。

楽しみにしてくださっていたらすみませんでした。

そんな事情で、「今台湾に来ている」と書いた上記の内容は先週のことでした。

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メルマガ情報

創刊日:2018-09-25  
最終発行日:  
発行周期:毎週火土曜日  
発行部数:9  
総発行部数:1010  
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