ジャーナリズム

ゲンさんの新聞業界裏話

新聞拡張員ゲンさんが、悪質な勧誘員から身を守る方法、営業理念や人生勉強に役立つ情報、新聞業界の裏話などを語りかけます。全編関西弁で語られているゲンさんの軽妙で面白く、含蓄の深い世界をお楽しみください。


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第548回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞代金の先払い詐欺に注意を……その2

2018/12/07

■新聞代金の先払い詐欺に注意を……その2 


1年余り前の2017年10月27日に発行した『第490回 ゲンさんの新
聞業界裏話 ■新聞代金の先払い詐欺に注意を』(注1.巻末参考ページ参照)
で詐欺行為に関する話をしたが、今回は、その続編である。

これは読者の方から寄せられた相談に対して回答したもので、念のため先にそ
の『第490回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞代金の先払い詐欺に注意を』
の相談部分を知らせる。

……………………………………………………………………………………………

件名 この話、信用して差し支えないでしょうか?

投稿者 プチ株主さん  投稿日時 2017.10.16  PM 2:51 


はじめまして、プチ株主と申します。ウチの親のことでご相談があります。

ウチの親はS県H市内のS新聞販売店からA新聞を購読しているのですが、
10年以上担当している女性従業員のR・Sさんという方が、先日退職したそ
うです。

その方が先日、親のところに来て、A新聞の販売店を個人的に開業することに
なったと挨拶に来たそうです。

ついては、その方が先日まで在籍していたA新聞の販売店との契約が終わった
ら、そちらでの契約更新は断って、彼女が個人開業した店に契約を移して欲し
いと言われたそうです。

親は、長年つきあいのある方が個人開業したのなら、そちらで取ってあげよう
と思ったそうで、その方と快く契約したそうです。

そこまでは別に良いのですが、新規開業ゆえ資金繰りの問題があるため、3年
分の新聞代を前払いしてほしいと懇願されたそうです。その代わり、プラス1
年はサービスで配達すると言われたそうです

親は、そういうことなら是非応援したいと3年分の新聞代を払うことを快諾し
たそうです。

ただ、その時は手元にお金の用意がなかったため、用意が出来次第、お金を取
りに来てもらうということで話しがまとまったそうです。

ただ、こちらのサイトを見る限り、ひとつの地域にはひとつの販売店しか営業
できないんですよね? 

私が、開業するという彼女の携帯に電話して、そのことを訊くと「その情報は
古いです。規制緩和されたのでその制限はなくなった」との回答でした。

その割りに個人開業の店を見かけないことを尋ねると「誰でも開業できるわけ
ではなく、私のように10年以上ひとつの店で勤め上げた人間だけが開業でき
るんです!」と言われました。

この話、信用しても大丈夫でしょうか?

現在、購読中の店には間違ってもこの話はしないでほしい、営業妨害されるか
ら、とも言ってました。

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尚、これについての詳しい回答は『第490回 ゲンさんの新聞業界裏話 
■新聞代金の先払い詐欺に注意を』(注1.巻末参考ページ参照)を見て頂け
れば分かると思うので、ここでは紙面の都合上、その要点だけ抜粋して話す。

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回答者 ゲン


『この話、信用しても大丈夫でしょうか?』ということやが、大丈夫やない。
信用なんかしたらあかんと言うとく。

親御さんには、『用意が出来次第、お金を取りに来てもらう』てなことは絶対
にしないよう伝えてあげて欲しい。後で必ず「騙された」と分かり後悔するこ
とになるからと。

あんたの話を聞く限り、そのA新聞の販売店で『10年以上担当している女性
従業員のR・Sさん』とやらの話は、ほぼ100%の確率で詐欺行為を前提に
しているものと思われる。

その理由は六つほど挙げられる。

中略。

結論として、冒頭でも言うたように、その女性従業員のR・Sとやらの話は、
親御さんを詐欺にかけるための大嘘の可能性が大やから絶対に信用したらあか
んということや。

おそらく、R・Sとやらは、親御さんだけに、そんな話を持ちかけたのやない
と思う。他にも同じような話を持ちかけられた人が何人かおられるはずや。

近い将来、これは詐欺事件に発展することが考えられる。

ここから先は、そちらの判断に任せるが、R・Sとやらの行為を警察に通報し
て未然に防ぐというのもええし、「そんなことを続けていると詐欺行為で捕ま
りますよ」とR・Sに忠告するという方法もある。

もっとも、後者の方法は、もう手遅れかも知れんがな。すでに被害者が出てい
ることも十分考えられるさかいな。

また、そんなことをして、そのR・Sとやらに恨まれるのが面倒やと言われる
のなら、ほっとくという手もあるがな。

但し、その場合でも、くれぐれも金は払わんことや。もっとも、人助けのつも
りで金が返って来なくても構わないと言われるのなら話は別やけどな。好きに
されたらええ。

ただ、言うておくが、詐欺師に、いくらそんな情けをかけても絶対に感謝なん
かせえへんで。

それどころか逆に「アホを騙して金を巻き上げてやった」と考えるのが普通や。

そういう連中なら今まで腐るほど見てきた。人は誰かを騙して金を巻き上げよ
うと考えた時点で終わっている。そうなってからでは最早救いはない。

そう考えとくことや。ワシからのアドバイスということなら以上になる。

……………………………………………………………………………………………

この回答に対して、投稿者の『プチ株主さん』さんから返信があった。

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はかせ様、ゲン様。プチ株主です。早速のご回答ありがとうございます。

やっぱり詐欺なんですね。ウチの親に良く言い聞かせ……る前に、当人が来て
お金を渡してしまったと言うことでした(苦笑)

『詐欺だから警察に届けるように!』と意見したのですが『あのひとがそんな
ことするハズない!』と耳を貸してくれません。

現在、購読中の販売店に『お宅の元従業員がしでかしたことだから』と解決を
求めたら『すでに退職しており、こちらに言って来られても如何ともし難い。
警察に相談を』と、けんもほろろな返答でした。

たまたま契約更新に来た店の従業員に『元従業員が詐欺行為を働いているのに、
お宅は見て見ぬふりか?』と問いただしたところ、

『代金を先に預かる行為は当店では禁止しているにも関わらず、元従業員は店
に一切報告せずにかなりの長期間、数十人の顧客相手にそれをやっていたよう
なのだが、それが発覚したため事実上馘首になった。

辞めた後も騙してまわっているらしいことは聞いているので、店主から直接本
人に警告はしている。

ただ本人が自分は与り知らぬこと、とシラを切っている状態。こちらは警察と
違うので、元従業員が関与を否定している以上、どうにも出来ないので、警察
に被害届を』との回答でした。

なんか逃げていると言うか、あまり関わりたくないのか? という印象でした。

顧客が困っているのだから、もうちょっと協力的な態度を取るべきじゃないか
と思いますが、元従業員と同じ穴の狢なんでしょうね、きっと。

さて……騙されたことがはっきりわかるまで放置するしかないでしょうか?

お金を渡した元従業員は地元に持ち家があり結婚していて子供もいます。

どこに住んでいるかも知っているので、イザとなれば直接、返金を要求すれば
いいかな? とも思っています。

……………………………………………………………………………………………

と。

これに対してハカセが、『プチ株主さん』さんに、いろいろお尋ねして情報を
仕入れた後、また回答させて頂いた。

……………………………………………………………………………………………

回答者 ゲン


『ウチの親に良く言い聞かせ……る前に、当人が来てお金を渡してしまったと
言うことでした』というのは残念やったと思う。

そうならんためにも、翌日早めに回答文を送らせて貰うたのやが、それでも遅
かったようやな。

『詐欺だから警察に届けるように!』と意見したのですが『あのひとがそんな
ことするハズない!』と耳を貸してくれません。

ということなら、ワシからの回答を親御さんに教えられたとしても同じような
結果になっていたかも知れんな。

そのR・Sとやらは、よほど親御さんに信頼されとるようや。もっとも、詐欺
師の大半がそうやけどな。

「この人に限って私を騙すはずがない」と考えているような人を選んで騙すの
が詐欺師の常套手段と相場が決まっとるさかい。

中略。

『さて……騙されたことがはっきりわかるまで放置するしかないでしょうか?』
というのは、そうでもない。それまでにできることが幾つかある。

ベストなのは、そのR・Sが自らの非を認めて、あんたの親御さんに謝罪し、
支払い済みの前払い金を返すよう促して説得することやが、それは難しそうや
な。

S新聞店の話では、『本人が自分は与り知らぬこと、とシラを切っている状態。
こちらは警察と違うので、元従業員が関与を否定している以上、どうにも出来
ないので、警察に被害届を』との回答でした』ということでもあるしな。

それにしても、そのR・Sとやらは、『代金を先に預かる行為は当店では禁止
しているにも関わらず、元従業員は店に一切報告せずにかなりの長期間、数十
人の顧客相手にそれをやっていたようなのだが、それが発覚したため事実上馘
首になった。

辞めた後も騙してまわっているらしいことは聞いているので、店主から直接本
人に警告はしている』というところからして、相当図太い性格の持ち主のよう
やな。

こういう人間には、普通にいくら理詰めで、その非を突いたところで、のらり
くらりと愚にもつかない言い訳で躱し、逃げようとするだけで埒が明かんやろ
うと思う。

そこで、最も効果的なのは警察署に相談することやが、 詐欺事件やからと言う
て、いきなり近くの警察署の刑事課に話を持って行かん方がええ。

すべてとは言わんが、刑事課というところは少しでも仕事を減らしたいと考え
る場合が多く、なるべくなら告発や被害届けなどの類は提出させないように、
し向けるというさかいな。

S県警察本部には『けいさつ総合相談センター』というのがあるさかい、まず
は、そこに相談することを勧める。ここは原則として電話又はメールによる受
付けということになっとる。

中略。

ただ、警察に相談する前に、上記のことをR・Sに対して、あんたが直接、ぶ
つけて親御さんへの謝罪と返金を要求してみるという手もある。

それに応じて貰えない、あるいはR・Sに直接言うのが面倒、恨まれて危険を
感じるというのであれば、そのまま、警察に相談するという方向でも構わない
と思う。

どうするかは、あんたの方で決めて頂きたい。

中略。

以上やが、他に何か疑問に思うこと、知りたいこと、確認されたいことがあれ
ば遠慮なく、また連絡してくれたらええ。

……………………………………………………………………………………………

と。

回答では、当然のことながら相談者には相談者への利益を中心にアドバイスし
たが、ワシらとしては他にも被害者がおられる可能性が高いと思うので、その
方々も助けてあげたいという気持ちが強い。

その方たちが、このメルマガを見てくれていれば、ワシらに連絡してくれるこ
とで何とかしてあげられるかも知れんのやけどな。

……………………………………………………………………………………………

実は、この後、『プチ株主さん』さんについては、後日、改めて相談があり、
その回答もすでに知らせていたのやが、メルマガへの掲載は保留にしたままに
していた。

それには、『プチ株主さん』以外の人からの情報が欲しいと考えていたという
ことがある。

こういった事案の場合、メルマガ誌上で呼びかければ、必ず複数の情報が入る。
それを待っていた。

案の定、幾つかの情報が届けられた。もっとも、それについては情報提供者か
ら不掲載を希望されておられるので、その詳しいことを公開するわけにはいか
んが、それでワシらには、この事案について確かな裏付けが得られた。

そのことを前提として、『プチ株主さん』さんに送らせて頂いていた回答を、
遅ればせながら知らせようと思う。

……………………………………………………………………………………………

件名 販売店の管理責任は問えないのでしょうか?


ゲンさん、ハカセさん、プチ株主です。ご回答ありがとうございます。

ご回答を元にR・Sに「あなたのやってることは詐欺だ」と本人の携帯に電話
をかけて言ったところ、本人は拍子抜けするぐらいあっさりその事実を認めま
した。

「ホンの出来心でした。どうしてもお金を工面する必要があったので、申し訳
ないと思いつつ騙すような真似をしてしまった」と当初はしおらしく言ってま
した。

「ヨソでもあちこちで似たようなことをやってるんじゃないのか?」と言った
ら「お宅だけです」

そこで、ハカセさんから聞いた話をぶつけると、饒舌だった口調がだんまりに
変わりました(笑)

なので、親が渡した12万円の返金を要求したところ、自宅に返金に出向くと
のことでした。

もしも返金せぬ場合、警察に通報する旨、言いましたところ、必ず返金すると
言うので、一旦通報は保留にしました。

翌日、私が仕事を終えて帰宅したところ、留守中にR・Sが来たそうですが、
とんでもないことを持ち出したそうです。

新聞は今まで通り、現在購読しているA新聞を取るなり、Y新聞に替えるなり
好きに契約してくれれば良い。

そして1月から4年間、毎月新聞代相当額を届けるので、それで新聞購読料を
支払ってほしい。

そうすれば4年間新聞代金の心配をする必要がないのだから、それで良いでし
ょう、と。

親もうまく丸め込まれてしまったらしく、了承してしまったとのこと。

もしも返金が滞ったら、そのうえで警察に相談すれば良いだろう、と。

親が納得してしまった以上、しょうがないかな(苦笑)

一応、私もR・Sに対して「話が違う」と言いましたが、「ご両親にはご納得
いただいたので」の一点張りでした。

「話がウソだったのだから全額返金するのがスジ」と畳み掛けましたが、「今、
手元にない。元々、4年分の新聞代金として預かったのだから、4年間、新聞
代の負担がなければ同じことでしょう?」と開き直りました(怒)

ま、ホントにそれが実行されれば、確かにトクなんですが、あちこちで似たよ
うなことをやってるんじゃ、いずれパンクするんじゃないか、とその点は心配
してます。

ま、両親もあっさり信用し過ぎたことを反省してたので、次からは気をつけて
くれると思います。
        
……………………………………………………………………………………………

この相談に関して、ハカセは、

……………………………………………………………………………………………

白塚です。

やはり、私たちの思っていたとおりになったようですね。

頂いたメールをもとに、その後についてゲンさんと話し合った結果をお知らせ
します。

結論から先に申しますと、R・Sの『1月から4年間、毎月新聞代相当額を届
ける』という約束は、99%の確率で守られない可能性が大だと思います。

守られたとしても、良くて最初の1、2ヶ月程度のものでしょう。

これと似たケースで、爆行為と呼ばれるものが新聞業界にあります。

勧誘員が購読を嫌がる契約者に「新聞代金分は自分が払い、その額を毎月届け
るから形だけで良いので契約して欲しい」というものです。

この約束が守られたのは、当方に寄せられてくる話から、3ヶ月契約の数例く
らいのもので、殆どは守られず、また1年契約以上の場合は皆無だという報告
ばかりです。

『もしも返金が滞ったら、そのうえで警察に相談すれば良いだろう』と考えて
おられるようですが、その時には「詐欺罪」で警察が被害届けを受理しないケ
ースが予想されます。

それは、その方法でR・Sが『必ず返金する』と言い、契約者である親御さん
が了承した時点で、刑法の詐欺行為が民事の金銭貸借行為に移行するものと考
えられるからです。

つまり、親御さんがR・Sに支払った『12万円』は、個人的な貸し金という
ことになってしまったわけです。

そして『最初の1、2ヶ月程度』の返金があり、その後、かなりの期間、その
支払いが滞ったとしても、それは単に『借金の返済が遅れているだけで、必ず
払います』という主張をR・Sがすれば、それが法的にも認められる可能性が
高くなります。
                    
十中八九、R・Sは、そう主張するでしょう。

そうなってから、警察に「詐欺罪」で訴えたとしても「民事不介入」を理由に
取り合って貰えない可能性が高くなります。

安価で比較的簡単に起こせる少額損害賠償訴訟を提起したとしても「約束の4
年」が経過していない時点では、損害そのものが発生していない、確定してい
ないと見られます。

その少額損害賠償訴訟を起こせるのは4年後で損害額が確定した時ですが、そ
の裁判の場でも、「これから数年に分けて少しずつでも必ず返金します」とR
・Sが言えば、嫌でも、そうなってしまいますので、さらに返済期間が延長さ
れることが考えられます。

『今、まとまった金がないから少しずつでも必ず返金します』と言われてしま
えば、裁判所の裁判官もその方向で調停するしかなく、それ以上は、どうしよ
うもないのが現実ですからね。

そして、結局は、その支払いも滞り、被害者側が諦めて終わるというパターン
が大半を占めることになります。

タチの悪い詐欺師、人間はその事を良く知っています。

私はR・Sを知らないので、そこまで悪質か、どうかは何とも言えませんが、
親御さんがR・Sの申し出に応じて了承した段階で、今回の被害金額『12万
円』が返ってくる可能性は限りなく低くなったと言わざるを得ません。     

それでは、現時点では、どうしようもないのかと言われると、残念ですが、そ
ういうことになります。

少なくとも、R・Sが親御さんとの約束を破った、履行しないと分かるまでは。

事前に、そのR・Sが、その約束すらも守らないという明確な証拠でもあれば
別ですが、おそらくそんなものは何も出て来ないでしょう。私の言っているこ
とも第三者から見た単なる憶測にすぎませんしね。

親御さんが認めて了承したという事実は、それくらい重いのです。

最悪の場合、『両親もあっさり信用し過ぎたことを反省してたので、次からは
気をつけてくれると思います』と言われているように、教訓の一つになって終
わることが考えられます。

もっとも、R・Sが約束を守るという可能性も現時点ではゼロではないかも知
れません。私たちとしては百に一つの確率もないことだとは思いますが。

お子さんの立場では腹立たしいでしょうが、今後は、これ以上、被害が拡大し
ないことを考える方に留意してください。

と言いますのは、そのR・Sがタチの悪い詐欺師だった場合、某かの理由をつ
けて、親御さんから再度、金を引き出そうとするかも知れないからです。

「今、私は困っています。このままでは破産宣告しなくてはならないかも知れ
ません。そうなると、毎月のお金を支払うこともできなくなりますので、助け
ると思って、どうかお金を貸してくれませんか」と。

これも典型的な詐欺の手口で、一度、こんな形で了承した人に対しては、「助
けて貰った」などと感謝することはなく、「こんな騙せそうで、おいしい客は
いない」と考えるのが普通です。この先も騙せると。

ですので、そんな手口に乗ってはいけません。一度でも、それに乗ってしまえ
ば、こういう輩は、次から次へと様々な方法で親御さんから金をむしり取ろう
としますので。

例えば『12万円』の返済が滞るのを恐れる余り、5万円を貸したとすると、
さらに、今度は『17万円』の返済ができないとして、10万円貸してくれと
言ってきます。それが際限なく膨らんでいくのです。

そんなバカな話はないと当事者ではない人は考えがちですが、その当事者は詐
欺師に上手く言いくるめられ、唆(そそのか)されると疑心よりも「損をした
くない」という気持ちの方が勝り、更なる深みに落ちていくのが詐欺被害の常
なのです。

そういうケースは、世の中にいくらでもあります。

ですので、事、ここに至っては、今回の被害金額『12万円』は、返って来な
くても仕方ないと、諦めておくことも大事です。

例えいくらかでも返って来たら「儲けもの」くらいに考えて、それを取り返す
ために「盗人に追い金」的なことは絶対にしないように親御さんに言っておい
てあげてください。

いきなり、こんなことを言われると、「何で諦めなければいけないのか」と言
われるかも知れませんが、冷静になって私の説明を聞いて頂ければ納得される
はずです。

R・Sも今まで10年も同じ販売店で勤め、親御さんの信頼を得ていたのは、
それまでは、それなりに真面目に仕事をしていたからでしょう。おそらく、こ
んな形で嘘をつくこともなかったのではないでしょうか。

R・Sに何があったのかは窺い知れませんが、金銭で困るようなことがあった
というくらいは容易に推測できます。

普通、金に困ったからといって、根っからの詐欺師でもない限り、初めから詐
欺を働こうとは考えないものです。

最初は銀行なり、消費者金融なりで金を工面しようとします。おそらくR・S
もそうしているでしょう。闇金に手を出しているかも知れません。

それでも足りない場合、あるいはそれらの返済に困った場合は親戚縁者、友人
知人を頼って借金をします。

それで金を借りるアテがなくなり、どうにもならなくなって、最後の手段とし
て詐欺を働くことを考えるものなのです。

もちろん、そんなことを肯定しているわけではありません。同情もしていませ
ん。どんなに困っていようと、人を欺いて、金銭を得ようとするのは人間のク
ズですからね。

ただ、私は、そんな人間から金を取り返すのは限りなく難しいと考えますので、
『事、ここに至っては、今回の被害金額『12万円』は、返って来なくても仕
方ないと、諦めておくことも大事です』と言っているわけです。

これ以上の被害を出さないためにも。

それと、『ホントにそれが実行されれば、確かにトクなんですが』とは、絶対
に考えないでください。そう考えることが、後で、とんでもない「しっぺ返し」
を受けることになるかも知れませんので。

今回のアドバイスとしては、支払った『12万円』については、R・Sとの間
で、金銭貸借契約を結ぶようお勧めします。

市販されている金銭貸借契約書を使うのでも良いですし、一般的な用紙に一筆
として書いても構いません。

R・Sが親御さんに『12万円』受け取り、それを毎月定額(新聞代金相当額)
で返金するという内容が明記されていればよろしいかと思います。

ただ、4年間新聞代を支払い続けた場合、貸し金『12万円』に対する支払い
総額が、

A新聞1ヶ月の新聞代4,037円×12ヶ月×4年=193,776円にな
り、

193,776円−120,000円=73,776円が利息分、または不労
所得分と見なされる可能性があります。

これを利率計算すると、73,776円÷4年=18,444円が1年分の利
息になります。年利にして15.37%。

貸し金業であれば認められる利息の範囲内ですが、商行為でない個人間での金
銭貸借は、今回のように金利の約定がないものについては民法第404条で無
利息が原則となっています。

もっとも、返済期限内に支払わなければ、金利の約定がなくても、残額部分に
ついては、民法第415条および第419条の規定で、5%の損害賠償(遅延
損害金)が発生しますが。

ただ、その場合、R・Sが異議を唱えれば揉めることが考えられます。親御さ
んの貸し金『12万円』には最初から利益分が含まれていたと。儲けを考えて
いたから商行為に該当すると。

もちろん、これはR・S自身が言い出したことですから法律的には認められな
いでしょうが、損害賠償訴訟の場合、保護の対象は元金ですので利息分はカッ
トされた裁定が下ることも珍しくありません。

あまり知られていませんが、消費者金融などで支払いが困難になって訴えられ
裁判になった場合、裁判の場では利息分については業者側が放棄し、元金残金
分の分割払い(原則60回払いまで)で決着することが多いのです。

ですので、実質的には利息分に該当する金銭は得られないと考えておかれた方
が良いでしょう。もっとも、親御さんには最初から、その気などなかったとは
思いますが。

結論として、現時点ではR・Sの出方を待ち、支払いが滞った時点で金銭貸借
契約書を交わすくらいしか方法はないでしょう。

親御さんがR・Sの承諾して和解した今となっては「詐欺罪で警察に通報しま
す」と言うのは、脅しとしては使えるかも知れませんが、先にも説明したよう
に、例え警察に詐欺罪として通報しても警察が、それで動くとは考えにくいの
で実質的な効果は期待できないと思われます。

後は、R・Sの良心に期待して返金されるのを待つしかないでしょう。そして、
例え返金されなかったとしても、事前に予想していれば、それほど落胆しなく
ても済みます。

それより何より、これ以上の被害を出さないことです。それが、このような詐
欺被害に遭遇した時の最良のリスク回避だと言えるかも知れません。

このようなアドバイスしかできないのは、私たちとしても残念ですが、タチの
悪い詐欺に遭った場合には、こう言うしかないのも事実なのです。

尚、この回答に関しましては、当分の間、サイトやメルマガには掲載しないつ
もりです。悪用されても困りますので。

それでは、今後、何か動きがありましたら教えてください。

……………………………………………………………………………………………

と回答した。

これに対して、すぐに『プチ株主』さんから返信があった。

……………………………………………………………………………………………

はかせさん、プチ株主です、ご回答ありがとうございます。

私としては非常に腹立たしいことですが、仕方がないのかも知れませんね(苦
笑)親は未だ騙されたことを信じきれていないようです。

逆にRSの弁護を私に対してしてくる始末です。たちの悪い宗教みたいですね。

そしてですね、親が言うには彼女を馘首した販売店に責任を取らせたいと言う
んです。

彼女がこのような行為に手を染めたのは、やはり馘首されたせいなのじゃない
か? だったら販売店の責任も追及したいと言うことのようです。

実際、彼女が持っていた契約書はA新聞の正式なものでした。だから販売店の
管理責任を問えるようにも思えます。

もちろん12万円全額を販売店に負担させるのは無理でしょうけど、交渉次第
で多少は肩代わりさせることも可能ではないでしょうか?

アドバイスいただけたら、と思います。

……………………………………………………………………………………………

これについても、ハカセは、

……………………………………………………………………………………………

白塚です。

お答えします。

『そしてですね、親が言うには彼女を馘首した販売店に責任を取らせたいと言
うんです』ということですが、今となっては法律的に、そうするのは難しいと
思われます。

親御さんがR・Sの承諾して和解した以上、この件は親御さんとR・Sの個人
的な金銭貸借問題に移行してしまっているからです。

実際、お金は、その販売店に一銭も入らず、すべてR・Sが手にしていること
でもありますしね。

もし、その販売店に責任を問うのであれば、R・Sが最初に話を持ちかけてき
た時点で、その販売店に、この話は間違いないのかと確かめられるべきでした。

3年間の新聞代金を先払いすれば1年間新聞を無料で配達するといったことが、
その新聞販売店で恒常的に行われていたのなら別ですが、そうでなければ、き
ついようですが、親御さんの方にも未確認だったという落ち度があります。

それに『彼女がこのような行為に手を染めたのは、やはり馘首されたせいなの
じゃないか?』と言われるのは、確かな経緯を知っているわけではありません
が、

プチ株主さんが販売店従業員の方からお聞きした話では『代金を先に預かる行
為は当店では禁止しているにも関わらず、元従業員は店に一切報告せずにかな
りの長期間、数十人の顧客相手にそれをやっていたようなのだが、それが発覚
したため事実上馘首になった』ということでしたね。

それが事実とすれば『彼女がこのような行為に手を染めたのは、やはり馘首さ
れたせい』ではないということが裏付けられます。

解雇には正当な理由があったとして法律的にも問題はないと判断されるでしょ
う。

『実際、彼女が持っていた契約書はA新聞の正式なものでした。だから販売店
の管理責任を問えるようにも思えます』という点については、解雇された販売
店の契約書を使用していたという事実で、R・Sの詐欺行為が確定することに
なります。

したがって、親御さんが、そうすることで却ってR・Sを追い詰める結果にな
りかねないと伝えてあげてください。

ですので、『もちろん12万円全額を販売店に負担させるのは無理でしょうけ
ど、交渉次第で多少は肩代わりさせることも可能ではないでしょうか?』とい
うのも、まったくの望み薄だと考えます。

今となっては、このままR・Sが約束を守ることを信じるしかないでしょうと、
親御さんに伝えてあげることです。

それが、私のアドバイスということになります。

それでは何かあったら、よろしくお願いします。

……………………………………………………………………………………………

と回答した。

この案件は、やはり行く着くところまで行かな終わらんやろうと思う。

RSが自滅するのは自業自得やから仕方ないが、それにより読者の方が巻き込
まれ被害に遭われるというのはワシらとしても耐え難いものがある。

とはいえ、ワシらが『プチ株主』さんから教えて頂いた、また他から知り得た
情報を持って「お上(警察)」にお恐れながらと通報するわけにもいかんしな。

ワシらにできることは、せいぜい、こうやって警鐘を鳴らすくらいのことや。
少しでも多くの人に知って貰うために。

続編というか、次は結末になりそうやが、その情報が入り次第、またこのメル
マガ誌上で知らせることにする。いつになるかは分からんが。



参考ページ

注1.第490回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞代金の先払い詐欺に注意
を』
https://archives.mag2.com/0000265583/20171027081000000.html

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『第5話 新聞大逆転の法則』完結

『第6話 黎明期の新聞拡張物語 神武梅乃の伝説』完結

『第7作 新聞業界暗黒物語 悪い奴ら』完結

『第8作 黎明期の新聞拡張物語 受け継がれる伝説』完結

『第9作 カポネによろしく』2017. 4.15 配信開始


著者 白塚 博士

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書籍販売のお知らせ 

作品題名『ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集 電子書籍版パート1』
http://siratuka.sakura.ne.jp/newpage21.html

Kindleストア
http://www.amazon.com/dp/B00EA0NDFU

honto電子書籍ストア(「ゲンさん」で検索)
http://honto.jp/ebook.html

ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集 電子書籍版パート1
http://honto.jp/ebook/pd_25182317.html

著者 白塚 博士
出版社 みずほ出版
販売価格350円
購入はPCでも可能。但し、PCでは今のところ読めません。
対応端末 
Kindleタブレット、iPhone、iPad、Androidスマートフォン、
Androidタブレット、Androidタブレット大


作品題名『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集』
著者 白塚 博士
出版社 みずほ出版
販売価格 1,470円(税込み)

販売方法 インターネット
Amazon(アマゾン)での販売は在庫が少なくなったため終了しました。
今のところ増刷の予定はありません。
代金引換郵便……2010年9月1日より日本全国送料、代金引換手数料無料。

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メールマガジン:ゲンさんの新聞業界裏話
発行日:毎週金曜日

発行責任者:ハカセ
公式サイト:『新聞拡張員ゲンさんの嘆き』
URL  :http://siratuka.sakura.ne.jp/
Mail  : hakase@siren.ocn.ne.jp

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創刊日:2008-05-25  
最終発行日:  
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