ジャーナリズム

ゲンさんの新聞業界裏話

新聞拡張員ゲンさんが、悪質な勧誘員から身を守る方法、営業理念や人生勉強に役立つ情報、新聞業界の裏話などを語りかけます。全編関西弁で語られているゲンさんの軽妙で面白く、含蓄の深い世界をお楽しみください。


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第546回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ゲンさんのよろず相談あれこれ Part 17

2018/11/23

■ゲンさんのよろず相談あれこれ Part 17


前回が、2015年3月20日発行の『第354回 ゲンさんの新聞業界裏話
 ■ゲンさんのよろず相談あれこれ Part 16』(注1.巻末参考ページ参
照)やったから、実に3年ぶりのシリーズ続編ということになる。

このシリーズでは主に、新聞業界以外の相談事を掲載している。

実際には、この3年間にその種の相談は数多く寄せられていたのやが、最近で
は「考えさせられる話」シリーズに振り分けることが多いため、このシリーズ
から遠退いていたということがある。

当初、このシリーズはメルマガ読者限定の相談ということで始めさせて頂いた
が、いつの間にか、法律のことなら何でも回答して貰えると勘違いされて相談
して来られる方が増えた。

ワシもハカセも過去の仕事柄、民事裁判に関わることが多かったさかい、人よ
りかは多少、法律に詳しいのは確かやが、言うても所詮は素人や。

法律家のような適切な回答やアドバイスができるという自信はない。また、知
っている法律の範囲も狭い。そう断ってもいるしな。

確かにワシらには、法律家の先生方がついておられるさかい、ワシらの知らん
法律について尋ねることは可能で、おそらくはどんな質問でも気持ち良く答え
て頂けるやろうとは思う。

しかし、その殆どの方が好意的に無料で法律顧問をして貰っている手前、新聞
関連以外での質問はし辛いということがある。

また、ワシらにそういう質問をすれば何でも答えると思われるのも困る。すべ
ての質問に答えられるわけでもないからな。

そういうこともあり、基本的には新聞業界以外の他業種に関しての相談や質問
は極力、お断りするようにしとる。

自信のない分野、よく知らない事案に対して、ええ加減な回答をしたくないさ
かいな。分からない事、知らない事は正直に「よく分からない」、「よく知ら
ない」と伝え、それぞれの専門家に尋ねるように勧めている。

特にサイトやメルマガ読者以外の初めての相談者の場合は、よほど情報価値の
高い相談、意義のある質問やとワシらが認めない限り、応じることはまずない。

しかし、それが昔からの熱心な読者、情報などを送って協力してくれている読
者などからの相談や依頼ということになると無下には断りにくい。

その質問内容によっても違うてくるが、そういう方たちには一応、ワシらので
きる範囲での回答、アドバイスをすることにしている。

それが「ゲンさんのよろず相談あれこれ」シリーズを始めたキッカケになった。

ここでは基本的にQ&Aのように投稿内容を、ほぼそのまま掲載するようなこ
とはしない。

投稿者やそれに関わる人たちに迷惑のかからないように編集し直して掲載させ
て貰っている。もちろん、相談者に断り許可を得た上でな。

目的は、相談者の方や読者の方々に役立て貰うためで、その事案の暴露や個人、
企業を糾弾することやない。

今回もそうやが、見方に寄れば、かなり問題になると思われる事例が含まれて
いるケースがある。そんなことまで言うてええのかというものも。

前振りはこのくらいにして、それではそろそろ始めさせて頂きたいと思う。

……………………………………………………………………………………………

事例1 クレジットカードの在籍確認について


実はちょっとお金が入用なので、ここ数ヶ月で様々な会社のクレジットカード
を計16枚申し込みました。全て発行され手元に届いてます。

短期間の大量申し込みだったので信用情報でハネられないかと危惧しましたが
杞憂でした。

ただ、在籍確認の電話がしょっちゅう会社にかかってきてるようです。上司か
ら「しょっちゅうカード会社から在籍確認の電話がくるがいったいなんだ?」
と訊かれたので「クレジットカードを大量に申し込んだだけです」と答えまし
た。

「なんでそんなに申し込む必要がある?」と訊かれたので「ちょっとお金が入
用なんです」と正直に答えましたら「いくらなんでも多すぎだ。事務員から苦
情が出ている。次にかかってきたら、そんなヤツはいない、と答えさせるから」
と言われてしまいました。

ま、確かに申し込み数が多すぎるという自覚はありますけど、在籍確認の電話
に虚偽の回答をすると言うのはいささか横暴じゃないですかね?

虚偽の回答をやめさせる、というかきちんと在籍確認に応じてもらう妙手がな
いでしょうか?


回答者 ハカセ


金融関係の事案については、ゲンさんではなく、私(ハカセ)がお答えします。

クレジット会社の在籍確認の件ですが、『虚偽の回答をやめさせる、というか
きちんと在籍確認に応じてもらう妙手がないでしょうか?』ということでした
ら、それほど問題はなさそうに思えます。

クレジットカード会社の在籍確認の多くは、個人名で「○○さんはおられます
か?」と訊いてくるはずです。

あなたは営業をされておられるということですから「私宛に顧客から電話がか
かってくるかも知れませんので、名前だけ聞いておいて欲しい。こちらから、
その人に電話をかけ直しますから」とでも事務員の方に言っておかられたらよ
ろしいのではないでしょうか。

そう言えば、その事務員の方は「○○は、ただ今席を外していますので電話が
かかってきたと伝えておきます」と言うでしょうから、在籍確認としては、そ
れでOKのはずです。

在籍確認の目的は、本当にその職場で働いているか、どうかを確認するだけで
すので。

もしくは、あなたが会社に確実におられる時間を相手方のクレジットカード会
社に伝え、時間指定で電話をかけて貰うという方法もあります。

その場で電話を代われば、如何にも顧客と話しているように装うことができま
すので事務員に怪しまれることもないでしょう。

また、それらの方法が上手くいかず、例えその事務員が上司の命令に従って、
金融会社やクレジットカード会社名を名乗った場合、『そんな人はいません』
と答えたとしても、あなたには「在籍確認が取れませんでした」とクレジット
カード会社から連絡があるはずです。

その場合、「うちの会社は、金融会社やクレジットカード会社からの電話には、
そんな人間はいないと答えることがあるので、申し訳ありませんが、個人名で
かけ直してみてください」と言えば、再度、そのようにしてくれる場合もあり
ます。

『そんな人間はいないと答えることがある』という理由を訊かれた場合は、
「以前いた社員がクレジットカード会社とトラブル起こしたため会社の方針で、
そうなったと聞いています」とでも答えておかれたらよろしいでしょう。

あるいは、収入証明書、納税証明書のコピーを送付することで、在籍確認を完
了するというケースもあります。それについては、それぞれのクレジットカー
ド会社に確かめてください。

何より『ここ数ヶ月で様々な会社のクレジットカードを計16枚申し込みまし
た。全て発行され手元に届いてます』ということでしたら、そもそも在籍確認
はクリアされているのではないでしょうか。

実際には、在籍確認なしでカードを発行するクレジットカード会社は、結構あ
りますし。

それには、在籍確認よりも、○○さんの信用情報が優良だったということが大
きいものと思われます。

ちなみに、信用情報を優良に保つ秘訣としては、「信用情報機関に登録された
会社名と申告の会社名が一致していること」、「延滞などがない良好なクレジ
ットカード利用状況であること」などです。

その場合でしたら、在籍確認よりも、そちらの方が優先されやすいので。

今後も信用情報を優良に保ち、キャッシングなどでの借り入れ金額が上限(年
収の4分の1)を超えていなければ、その他のクレジットカード会社の審査も
比較的通りやすいのではないかと思われます。

最後に苦言を一言。クレジットカードでの使いすぎや無理な借り入れはしない
方がよろしいかと思います。

せっかくの優良な信用情報に傷がつきますので。『実はちょっとお金が入用な
ので』ということで、世の中には、確かにお金がなければ仕方のない場合も多
々ありますが。

ただ、お金がなくても解決できることも結構ありますので、ダメもとで一度、
こちらに相談してみてください。

完璧に解決できるという保証は致しかねますが、一人で悩まれるよりかは、い
くらかマシだと思いますので。

それでは、何かありましたら、今後ともよろしくお願い致します。

……………………………………………………………………………………………

事例2 大手消費者金融Aの「裁判取り下げみなし」について教えてください


ゲンさん、ハカセさん、お久しぶりです。その節はありがとうございました。

今回は個人的な相談で、新聞関係とは違いますが、ぜひアドバイスをお願いし
たいと思いメールしました。

今年の初め頃、大手消費者金融Aの訴えで、簡易裁判所から呼び出しを受けた
ので期日に出頭しました。

ところが、大手消費者金融A側の人間や弁護士は誰も来ませんでした。

そのとき、調停役を名乗る人から「大手消費者金融Aから訴状にある金額を借
り受けましたか」と訊かれたので、「確かに借りました」と答えました。

「それで大手消費者金融Aから借り入れた事実と返済に関しては争いませんね」
と訊かれたので、「争いません。返済の意志はあります。但し、大手消費者金
融Aが主張する全額の一括払いは無理ですので利息は免除にしていただき60
回払いにしてください」と言いました。

実は、私は他にもクレジット会社から訴えられていまして、何度か簡易裁判所
に出頭し、「利息免除で60回払い」の調停が成立していましたので、それが
普通だと思い、同じように、そう提案しました。

それでしたら1ヶ月5千円ちょっとの支払いになり、他のクレジット会社との
支払いと合わせても何とかなると考えたからです。

そこで調停役を名乗る人が、その場で大手消費者金融Aの担当者に電話をして、
私の希望を伝えました。

すると、大手消費者金融Aの担当者は「そんな分割案は認められない。一括払
いしか受け付けない」と主張したそうです。私は「それは無理です」と答えま
した。

調停役を名乗る人が、「それでは調停は不調ということになり裁判官の判断に
委ねることになりますが、それでよろしいですか」と訊いてきましたので「そ
れで結構です」と答えました。

5、6分後、裁判官が部屋に入ってきました。調停役を名乗る人が、裁判官に
簡単な説明をした後、私は「どうして大手消費者金融A側の人は来ないのでし
ょうか? これでは話し合いにはならないじゃないですか」と尋ねました。

すると裁判官から意外な返事が返ってきました。「消費者金融Aの訴訟では、
よくあることです」と。

私には信じられませんでした。訴えた側が裁判を欠席することなどあるのでし
ょうか?

過去のクレジット会社との訴訟では必ず相手側の弁護士が来ていて、こちらが
返済する意志のあることを伝えると、とんとん拍子に調停が成立しました。

それが大手消費者金融Aだけは、まったく違ったのです。

その疑問を投げかけると、裁判官は「分かりました。それではもう一度、口頭
弁論の期日を指定します。それで消費者金融A側が来なければ、おそらくは来
ないでしょうが、その時は『訴訟を取り下げた』とみなし、本訴訟は終了とし
ます」と答えました。

そして、約1ヶ月半後、口頭弁論の期日が指定されましたが、裁判官が予想し
たとおり消費者金融A側の人間は誰も来ませんでした。

「それでは、これを以て原告側が訴訟の取り下げをしたものとみなし、本訴訟
を終了します」と裁判官が宣告しました。

私は「すると、どうなるのでしょうか。裁判が終わったということは負債を支
払う必要がなくなったと考えてもいいのでしょうか?」と裁判官に質問しまし
た。

「それは私からは何とも申し上げかねます。それはあくまでも当事者同士の問
題ですので。当職としましては、本訴訟は、これで打ち切りますとだけしか申
し上げられません」

私は、何か釈然としない思いが残りましたが、裁判官の「原告側が訴訟の取り
下げをしたものと見なし、本訴訟を終了します」という言葉を、そのまま受け
取り、大手消費者金融Aが債権放棄したのだと解釈して安心していました。

ところが、それから2ヶ月がすぎた頃、大手消費者金融Aから「通告書」と書
かれた書類が送られて来て、それは、借りた元金プラス利息に延滞損害金とし
て元金の3分の2ものとんでもない金額を一括で払えというものでした。

そして、「ご入金の確認がとれない場合はにおいては、不本意ではありますが、
裁判所の法的手段(支払い督促、訴訟、給与差押等強制執行)による解決を検
討させて頂きます」と書かれていました。

私は、これでは話にならないので、「裁判所の法的手段」を取ると言うのなら、
そのとき、こちらも、もう一度争えばいいと考えて無視することにしました。

すると、その3ヶ月後の11月15日に私が勤めている会社に見知らぬ名前の
業者から電話がかかってきました。その連絡を会社の総務から聞き、相手先の
電話番号が「077503****」だと教えられました。

念のため、その電話番号をネットで検索すると、大手消費者金融A関連の債権
回収業者だということがわかりました。

ここで質問です。まだ、その電話番号には気持ち悪くて連絡していないのです
が、電話するとしたら、現時点での大手消費者金融Aの返済条件には応じられ
ないので「裁判をするのならしてくれ。何度でも受けて立つ」と言おうかと思
っているのですが、どうでしょうか?

それとも、この電話も無視した方がいいのでしょうか?

裁判にも来ないで、こういうことをする大手消費者金融Aの行為は許されるの
でしょうか?

今後、どのように対応したらいいのか教えてください。


回答者 ハカセ


『この電話も無視した方がいいのでしょうか?』というのは、私の個人的な意
見を言わせて貰えれば、そうした方がよろしいかと思います。

特に『裁判所の法的手段(支払い督促、訴訟、給与差押等強制執行)による解
決を検討させて頂きます』という脅しとも受け取れる文言は、そうされては困
る、あるいは大変なことだと考える人には効果的かも知れませんが、実際に訴
えられて裁判所に赴いた、あなたには何の意味もないものですからね。

『裁判をするのならしてくれ。何度でも受けて立つ』という考えで良いでしょ
う。

今回の裁判では裁判官が、大手消費者金融A側の人間が二度に渡り欠席したこ
とにより『原告側が訴訟の取り下げをしたものとみなし、本訴訟を終了します」
と裁判官が宣告しました』ということでしたら、民事訴訟法第263条に則っ
て裁定されたのだと思います。

……………………………………………………………………………………………

民事訴訟法第263条(訴えの取下げ擬制)

当事者双方が、口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日に出頭せず、又は弁論若
しくは弁論準備手続における申述をしないで退廷若しくは退席をした場合にお
いて、一月以内に期日指定の申立てをしないときは、訴えの取下げがあったも
のとみなす。

当事者双方が、連続して二回、口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日に出頭せ
ず、又は弁論若しくは弁論準備手続における申述をしないで退廷若しくは退席
をしたときも、同様とする。

……………………………………………………………………………………………

擬制とは、「みなす」を法律的に言い換えた言葉で、「相異なる事実を法的に
は同一のものとみなし、同一の法律的効果を与える」といった意味で使われて
います。

例えば、失踪宣告を受けた者を死亡したとみなし、窃盗罪については電気を財
物とみなすなどといった具合です。

通常、窃盗罪とは他人の財物を故意に持ち去ることや無断で使用することを禁
止している犯罪で、主に有形の物品に適用されることが多いのですが、電気の
ように形の見える物でなくても個人、または企業や組織などが所有する敷地内
にある電気コンセントから無断で電気を使う行為も窃盗と「みなす」と規定し
ているわけです。

「みなす」の言葉自体には「確定した」との意味合いまでは含まれませんが、
法律で「擬制」という言葉に置き換えた場合、それが「確定と同じこと」を意
味するのです。

それからすると、『原告側が訴訟の取り下げをしたものとみなし』というのは
法的にも『原告側が訴訟の取り下げた』ことと同じ効果を生むと考えて間違い
ありません。

ただ、『大手消費者金融Aが債権放棄したのだと解釈』というのは、今の段階
では、まだ違うのではないかと考えます。

債権放棄とは、法律的には「債務免除」と言い、債権者の一方的な意思表示に
より債務を消滅させることです。

「債務免除」をするには正式な手続きが必要で、一般的には債権放棄通知書を
内容証明郵便または配達証明郵便で、債務者に通知しなければいけないことに
なっています。 

電話や口頭、あるいは普通郵便で通知したと言っても法律上の「債務免除」と
は認めて貰えません。

あなたの場合は、その「債務免除」通知が届いていないようですから、大手消
費者金融Aは、現時点までは、まだ債権放棄をしていないものと考えられます。

債権放棄をしていなければ、法律で許される範囲内での催促行為は可能だとい
うことになります。

ちなみに、法律で許されない催促行為、取り立て行為としては、「貸金業の規
制等に関する法律」の第21条に「取り立て行為の規制」というのがあり、そ
れに取り立て行為の禁止事項が明示されています。

『暴力、及びその類似的な態度をとること』、これは実際に暴力行為を行なわ
なくても手を振り上げて殴る仕草をしただけでも適用される場合があります。

『脅迫、威圧的な大声をあげたり、乱暴な言葉や罵声を浴びせたりすること』、
『午後九時から午前八時までの間、その他不適当な時間帯に、電話・電報・フ
ァクシミリで連絡したり、訪問したりすること』、

『弁護士への委任、調停や訴訟手続きをした旨の通知を受けた後に、借主に直
接請求すること』、『「意見聴取書」や「自己破産申立の通知書」の送付後』
も同じです。

『複数の人数で押しかけること』、『勤務先を訪問し、債務者や保証人の立場
が悪くなるような言動をすること』、『債務者の借り入れに関する事実やその
他のプライバシーなどに関する事項を第三者に公表すること』では、玄関口に
「金返せ」などの張り紙をするのがこれに当たります。

『他の金融業者からの借り入れやクレジットカードの使用などによって弁済を
強要すること』、

『法律上支払い義務のない者に対して支払い請求したり、必要以上に取立てへ
の協力を要求したりすること』、これは親兄弟、親戚に支払いの代理弁済を要
求することですが、上記のすべてが禁止されています。

『それから2ヶ月がすぎた頃、大手消費者金融Aから「通告書」が送られて来
て、それには、借りた元金プラス利息に延滞損害金として元金の3分の2もの
とんでもない金額を一括で払えというものでした』と文書で請求する分には、
上記の『「貸金業の規制等に関する法律」の第21条「取り立て行為の規制」』
要件には該当しないと考えられます。

『裁判にも来ないで、こういうことをする大手消費者金融Aの行為は許される
のでしょうか?』と言われる気持ちは分かりますし、私も如何なものかとは思
いますが、事、法律的な観点から言えば『許される行為』の範囲内ということ
になります。

ただ『許される行為』の範囲内であったとしても、その文書の請求に応じるか、
どうかは、あなた次第です。

結論として、その文書に対し、『「裁判所の法的手段」を取ると言うのなら、
そのとき、こちらも争えばいいと考えて無視することにしました』という、あ
なたの考えは間違いではありません。

私も支持します。納得いかないことに対して、裁判の場で争って決着をつけよ
うというのは法治国家の国民として正しい考え方だと思いますので。

『その3ヶ月後の11月15日に私が勤めている会社に見知らぬ名前の業者か
ら電話がかかってきました』、『大手消費者金融A関連の債権回収業者』だと
いうことが分かったとのことですが、『債務者の借り入れに関する事実やその
他のプライバシーなどに関する事項を第三者に公表』したのではない限り、電
話自体をかける行為は違法とまでは言えません。

但し、大手消費者金融A関連の債権回収業者名をあなたの会社の総務の事務員
さんに名乗ったということであれば微妙です。『債務者の借り入れに関する事
実』の公表を禁じた項目に違反する可能性があります。

当然ですが、大手消費者金融A関連の債権回収業者名を名乗って、あなた宛て
に電話をかければ、あなたに借金があり、その返済が滞っていると、あなたの
勤め先の会社が知ることになりますからね。

『ここで質問です。まだ、その電話番号には気持ち悪くて連絡していない』の
であれば、冒頭で申し上げましたように無視された方が、よろしいかと思いま
す。

『電話するとしたら、現時点での大手消費者金融Aの返済条件には応じられな
いので「裁判をするのならしてくれ。何度でも受けて立つ」と言おうかと思っ
ているのですが、どうでしょうか?』というのは、そうしても構いませんが、
止めておかれた方がよろしいかと考えます。

『現時点での大手消費者金融Aの返済条件には応じられない』ということを、
あなたは裁判の場で主張されておられるのですから、大手消費者金融A関連の
債権回収業者にも、そのことは伝わっているはずですので、改めて伝える必要
はないものと考えます。

『裁判をするのならしてくれ。何度でも受けて立つ』というのも、そう言いた
い、あなたの気持ちは分からなくはありませんが、それを言っても無駄です。

変に敵対の意志を示すより、相手の出方を冷静に見守る方が、今の段階では得
策だと思います。

あなたが、このまま無視をし続ければ、大手消費者金融Aとすれば、再度、訴
訟を提起するか、債権放棄通知書を内容証明郵便または配達証明郵便で、債務
者であるあなたに通知しなければいけないことになります。

法治国家の日本では、それ以外の選択肢は考えられませんから。

刑事裁判には、「一事不再理」と言って、確定した判決がある場合には同じ事
件について再度、審理をすることは許されないとする刑事手続上の原則があり
ます。 

民事訴訟には、その「一事不再理」がありませんので、理論的には何度でも同
じ請求で訴訟を提起することは可能です。

但し、「既判力」といって、すでに確定した裁定がある場合、その目的とした
事項に関する判断につき、当事者は後の裁判で別途争うことができず、前の裁
判における判断内容が後の裁判への拘束力になるという考え方があります。

つまり、同じ判断材料を用いて行われる民事裁判では、すでに判決の出ている
裁判結果に拘束されるということです。

「一事不再理」とは違いますが、内容は似たようなものです。

あなたの場合、『裁判官の「原告側が訴訟の取り下げをしたものと見なし、本
訴訟を終了します」という言葉』が確定された判決になっているのか、どうか
は分かりませんが、少なくとも裁判記録には、その事実が残っているはずです
ので、大手消費者金融Aが再度、あなたに訴訟を提起するのは難しいのではな
いかと思います。

例え提訴したとしても受理されない可能性の方が高いでしょう。自らが提訴し
た裁判に出頭せず二度もすっぽかしたのですから当然と言えば当然ですが。

とはいえ、100%そうなるという保証はないと一応、申し上げて起きます。
それぞれの事案の内容次第、担当裁判官次第では違った判断が下され、再審が
認められることも皆無ではありませんので。

大手消費者金融Aが債権放棄をするために『債権放棄通知書を内容証明郵便
または配達証明郵便で、債務者であるあなたに通知しなければいけないことに
なります』というのは、一見なさそうに思えますが、あながち、そうとも言い
切れません。

このままでは、あなたから負債を回収できなくなる可能性が高くなります。 

そのままにして放っておくと、会計処理上、債権は資産として計上され、貸
倒損失として計上できなくなるので、大手消費者金融Aは税務上を損をする
ことになります。 

そこで債権を放棄して、放棄した金額を損金として処理する必要が出てくる
のです。少しでも損失を軽減する方法として。 

もちろん、これは大手消費者金融Aの判断次第なので確実に、そうなるとい
う保証もできません。そうなったとしても、この先、かなり時間がかかるも
のと思われます。

私が、そう言えるのは、大手消費者金融Aの内情に詳しいという人から知り
得た情報があるためです。

大手消費者金融Aとしても、あなたが勤めている会社に電話をかけるという
リスクを冒したくないのが本音です。

先ほど『大手消費者金融A関連の債権回収業者名を名乗って、あなた宛てに
電話をかければ、あなたに借金があり、その返済を滞っていると、あなたの
勤め先の会社が知ることになります』と申しましたように、

それが『債務者の借り入れに関する事実やその他のプライバシーなどに関す
る事項を第三者に公表』したということなり、『「貸金業の規制等に関する
法律」の第21条の「取り立て行為の規制」による取り立て行為の禁止事項』
に抵触する可能性があるからです。

そのリスクを承知で電話をかけたのは、そこまですれば支払いに応じるだろ
うと考えてのことだと思われます。誰しも消費者金融に取り立てられている
ことを他人や会社に知られるのは嫌ですからね。

大手消費者金融Aと関連の債権回収業者の関係性が、どのようなものかは分
かりませんが、一般的には債権回収業者の回収員にはスタンドプレイをする
者が多々いるそうです。

消費者金融会社や債権回収業者の回収には、成果主義というのがあります。
回収員は滞納者からどれだけ回収できるかで評価されるのです。信賞必罰。
これが徹底されていると言います。

回収率の高い回収員にはボーナスが多く貰え、出世も約束されます。反対に
回収率の低い者には、過酷な叱責が待っているそうです。

回収率を高くするには客の言い分ばかり聞くわけにはいかないと考える回収
員が多く、また、そのように指導され追い込まれるのだと言います。

その債権回収業者で生きていこうと思うのなら、心を鬼にしなければ我が身
が危ないと真剣に考える回収員が圧倒的に多いと言います。

必然的に、取り立て行為の禁止事項などに構っていられないと考え、スタン
ドプレイに走る者が現れるわけです。

また、そういう金融会社や債権回収業者では、滞納者は人間のくずだと徹底
した教育を受けて、そう叩き込まれるのだそうです。

くず相手には少々何をしても構わないという理屈で。それが高じると、滞納
者への直接訪問という形になるのです。というか、それ専門の回収員もいま
す。

電話でなら1日200件前後の督促が可能ですが、直接訪問の場合、滞納者
と会える確率は、電話での催促の5、6%もあればラッキーな方で、実際に
滞納者から回収できる、または返済の約束を取り付けるとなると、その1%
もないのが実状だそうです。

それでは効率が悪すぎます。その悪い効率の中で回収率を上げる必要性があ
るため、中には、違法な行為に走る回収員もいるとのことです。

実際に暴力行為を行なわなくても手を振り上げて殴る仕草をしただけでも違
反が適用される場合があると言いましたが、それに近い態度で迫る者もいま
す。

また『脅迫、威圧的な大声をあげたり、乱暴な言葉や罵声を浴びせたりする』
違反行為についても、それと疑われても仕方のないことをする回収員もいま
す。

なぜなら、それにより債務者が支払いに応じるケースがあるからです。それ
には借金を返済していないという負い目と訪問してきた回収員への怖さから
応じるわけですが、それについては、その当人次第なので何とも言えません。

基本的に借りた金は返さなければいけないと思いますので、返済に応じるの
は間違いではないと考えます。ただ、その回収員の行為は限りなく違法性の
高いものです。

あなたの場合は、その認識を強く持って、毅然とした態度で「あなたのやっ
ていることは『貸金業の規制等に関する法律』の第21条『取り立て行為の
規制』の取り立て行為の禁止事項に該当する行為ですから、お引き取りくだ
さい」言えばよろしいかと思います。

「そちらとの争いの決着は裁判所でつけましょう」と言って。

まあ、そこまでする者は殆どいないでしょうが、大手消費者金融Aと関連の
債権回収業者の回収員の中には、希にそういう者もいるとのことですので参
考程度で結構ですから覚えておいてください。

ただ、違法な取り立て行為が発覚した大手消費者金融Aは2006年に財務
省から業務停止命令を受けたことがあるので、そのことを指摘し、毅然とし
た対応をすれば、そのような真似は二度としなくなるものと思います。

今後、完全に決着するまでにはもう少し時間がかかるでしょうから、その道
中で、あなたの考えが変わり大手消費者金融Aの要求を呑む、または思いが
けない事態に陥るかも知れません。

万が一、そうなった時は遠慮なく、また相談してください。

……………………………………………………………………………………………

今回は、ここまで。

時折、読者の方から、ワシらが法律について助言、アドバイスするのは弁護士
法に違反するのやないかという指摘が寄せられることがあるが、その点は十分
心得ているので、ご心配には及ばないと、この場ではっきり言うておく。

「弁護士法第72条」で、弁護士でない者が法律事務を行うことが禁止されて
いる。

……………………………………………………………………………………………

弁護士法第72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止) 

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び
審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般
の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱
い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。

ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

……………………………………………………………………………………………

これを分かりやすく言うと、弁護士資格のない者が、報酬を得る目的、または
報酬を貰って、法律事務全般を行ってはいけないということや。

これに照らすと、ワシらは常に無報酬で相談に乗っているから違反にはならな
いはずだと考えている。

敢えてワシらに対する報酬と言えば回答した後に頂く「ありがとうございまし
た」、「参考になりました」の一言くらいかな。それで十分や。

加えて、ワシらは、相談者からの一方的な相談に答えているだけで、その相手
方と交渉するようなことなど一切していない。

例え、相談内容にウソや間違いがあったとしても、その真偽を確かめることも
なく、その相談内容に沿った回答をしているだけや。

当然、相談内容にウソや間違いがあったとしたら、相談者にとっては見当違い
の回答、アドバイスになる。それは仕方ない。ワシらがしているQ&Aという
のは、本来そういうものやしな。

さらに言えば、ワシらの回答でのアドバイスをどうするかの決定は常に相談者
の判断に委ねてもいる。

せいぜいが「こうした方が良いと思いますよ」と言う程度で、相談者の行動を
指示したり強制したりするようなこともない。あくまでも参考意見、選択肢の
一つとして考えて貰うたらええというスタンスで回答しているにすぎない。

そもそも、日本の法律というものは日本に住む者であれば、すべての人が知っ
てなあかんもので、その法律を知っている者が、知らない人に教えたら違反に
なるというのは普通に考えて、おかしな話やしな。

確かに、これを仕事、生業として金を受け取ってやったら違反になるやろうと
は思う。それは法律に限らず、あらゆる業界で言えることや。

特に日本は資格社会という側面が強いから、資格のない者が好き勝手にやった
ら収拾がつかんようになるさかいな。

弁護士に限らず、自動車の無免許運転、医師免許のない医者、飛行機の操縦士
など資格のない者が、それらしくやっているというだけで怖いわな。当然、そ
れらの無資格者は法律で罰せられる。

資格のある者には責任が伴う。裏を返せば、資格のない者に責任など負えるは
ずがないから勝手なことはするべきやないということやな。

ただ、人助けは別やと思う。助けを求めている人がいて、助けられる可能性が
あるのなら、人として助けてあげるべきやと思う。もちろん、善意による無報
酬でな。

それであれば、どんな法律があっても抵触することなどないと考える。無償の
善意が違法に問われるようなことにでもなったら世も末やしな。



参考ページ

注1.第354回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ゲンさんのよろず相談あれこ
れ Part 16
http://siratuka.sakura.ne.jp/newpage19-354.html

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『第2話 我ら、やもめ団ここにあり』完結

『第3話 大津坂本人情街道秘話』完結

『第4話 狙われた男たち』完結

『第5話 新聞大逆転の法則』完結

『第6話 黎明期の新聞拡張物語 神武梅乃の伝説』完結

『第7作 新聞業界暗黒物語 悪い奴ら』完結

『第8作 黎明期の新聞拡張物語 受け継がれる伝説』完結

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ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集 電子書籍版パート1
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著者 白塚 博士
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著者 白塚 博士
出版社 みずほ出版
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