ジャーナリズム

ゲンさんの新聞業界裏話

新聞拡張員ゲンさんが、悪質な勧誘員から身を守る方法、営業理念や人生勉強に役立つ情報、新聞業界の裏話などを語りかけます。全編関西弁で語られているゲンさんの軽妙で面白く、含蓄の深い世界をお楽しみください。


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第529回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■報道の危機……その12 特定の新聞社が批判される異常な国、日本

2018/07/27

■報道の危機……その12 特定の新聞社が批判される異常な国、日本


世界のすべての事象は、絶妙なバランス(均衡)の上に成り立っている。

そのバランス(均衡)が崩れた世界に、ワシら人間を含むすべての生き物は生
存できない。

それが、この地球上に住む全生物の絶対的な真理でありルールでもあると思う。

気象のバランスや食物連鎖のバランスは言うに及ばず、自分自身の身体、健康
のバランスを損ねて生きてはいけない。

気象のバランスが崩れれば、昨今世界中で起きている異常高温現象や洪水など
の大災害により多くの命を失うことに繋がり、食物連鎖のバランスが崩れれば
食糧危機に直面する。

それらは滅びを意味する。

加えて、人間にとっては政治や経済、主義主張、思想のバランスを失うことも
大変な危機が伴う。

それがもとで戦争に突入し、多くの人命を失ってきたという苦い歴史を人類は
抱えているしな。

今も戦争と言えるのかどうかは分からんが、紛争、テロという形で世界中で多
くの人々が殺し合っている構図などは、その最たるものやと思う。

すべてはバランスを失った故に起きていることやと。

人と人との間のバランスを保つには、一方だけの意志が優先されてはいけない。
他方の意志も汲むという姿勢がなければバランスなど保たれない。

単に人間(ホモ・サピエンス)と言っても肌の色や体格、言語などにより様々
な違いがある。

現在、世界には190ヶ国以上の国家が存在する。そして、その数以上に政治
や経済は疎か、思想、宗教、習慣、言葉の違いなど多種多様な人々が存在する。

例えば宗教一つとっても日本という同じ国家に住んでいてさえ、八百万(やお
よろず)と呼ばれるほど数多くの神様がいて、仏教、密教、キリスト教、イス
ラム教、その他無数の宗教が存在する。

もちろん、ワシらのような宗教とは縁遠い無神論者もいる。それでいて、なぜ
か日本では宗教に関連する争い事は起きていない。

もっとも、過去には織田信長の比叡山延暦寺の焼き討ちや江戸幕府によるキリ
シタン迫害といった歴史上の出来事があるにはあったが、それらは宗教的な意
味合いというより、政治的な思惑によって引き起こされた大虐殺事件といった
感が強い。

少なくとも、個人間の宗教思想、価値観の違いで引き起こされる宗教戦争とは
性質が違う。

なぜ、日本ではそうなのか。それは、それぞれの宗教、あるいは無神論を国民
が容認しているからやと思う。何でもアリやと。

そのバランスが取れているために争い事は起きていないのである。

政治も同じで、右翼的な考えの人もいれば左翼に傾倒している人もいるし、政
治にはまったく興味がないという人もいる。

経済にしても大企業から零細企業まで様々な形態があり、金持ちがいれば貧乏
人もいるし、中間層という人たちもいる。それについては多くの日本人は、
「仕方がない」、「そんなものや」と考え、容認している。
                                          
事ほど左様に、それぞれの立場の人が政治や経済、宗教、思想について「それ
もアリ」やと認めることによって、日本のように比較的安全な社会が成り立っ
ているのやと思う。

絶妙なバランスが保たれて。

何で、今更こんなことを言うのかというと、近年、この日本で、その絶妙に保
たれていたバランスが崩れ出しているのやないと危惧するからや。

このままやと危うい状況に日本が陥るのやないかと。

人それぞれに考えがある。それは尊重されるべきものである。という基本的な
ことを度外視して、自分と違う考えの人たちを批判したり、攻撃したり、排除
したりするという風潮が蔓延してきているように思えてならん。

それはネット上で、より顕著になっていると。

ある読者の方から、

……………………………………………………………………………………………

いつも楽しく拝見させていただいています。

私は朝日新聞が好きで長年購読しています。今後も変えるつもりはありません
が、近頃朝日新聞に対して批判的な論調が度を過ぎているように思えてなりま
せん。

つい最近のことですが、SNSで「朝日新聞が好きでずっと読んでいます」と
投稿したら批判的なコメントが殺到してきて驚きました。

日本人は、いつから人のすることに干渉するようになったのでしょうか?

誰がどんな新聞を読んでいても自由で批判されるようなことではないと思うの
ですが、このことについてどう思われますでしょうか?

……………………………………………………………………………………………

というメールが寄せられた。

『誰がどんな新聞を読んでいても自由で批判されるようなことではないと思う
のです』というのは、そのとおりや。

ワシなら、そんな批判的なコメントをするような輩は、ほっとく。ただ、ネッ
ト上では、それでは済まんのかも知れんがな。

これについてワシからの忠告、アドバイスをするとすれば、ネット上では、あ
まり本音は表に出さん方がええということやな。

何を言うても書いても批判する連中は、どこにでもいるし、魚の目、鷹の目で、
そんなネタばかり探している者も少なくないと聞く。

本音は自身の心の中だけにしまっておくか、日常会話の中で、心易い人、仲間
内だけで交わしたらええのやないかと思う。

当たり障りのないことを言え、書けというのでは面白くないかも知れんが、事、
批判の対象にされて嫌な思いをするのが嫌なら、そうするのも仕方ないやろう
な。

第三者に知られる可能性のあるSNSへの書き込みは、公に発言しているのと
同じことやと割り切ることや。他者に知られれば批判されることもあると。

この方からメールを寄せて頂いた後で、ヤフーニュースに関連した記事がアッ
プされていたことに気がついた。

それを紹介する。

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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180724-00010002-binsider-soci     
より引用

朝日新聞はなぜこんなに嫌われるのか――「権力批判はメディアの役割」とい
う幻想の終わり


 世の中にはなぜこんなに「朝日ぎらい」が多いのか。朝日新聞のことになる
と、なぜ人はこんなに感情的になるのか。
  
 こうした問いには、「捏造するから」とか「反日だから」とか条件反射的な
コメントが即座に返ってくるわけですが、一つのメディアの動向にこれほど夢
中になれること自体が興味深い現象です。

 書店の店頭にも、「朝日ぎらい」の雑誌や書籍の煽情的なタイトルが並んで
います。その代表格が『月刊Hanada』『月刊WiLL』で、2018年8月号のタイト
ルは、前者が「敗れたり朝日と野党の倒閣運動」、後者が「朝日はアジビラど
ころかペットのトイレマット」といった具合です。

 特定のメディアへの批判が一つのマーケットを形成し、ビジネスになるとい
うのも日本でしか見られない珍現象でしょう。

 一方、両誌はいずれも「安倍総理は限界を突破せよ」「安倍首相はマジメす
ぎる」と、朝日新聞への対抗軸として安倍政権支持を強調しています。

 当の政権も、安倍首相が(別の自民党議員の)フェイスブックに「哀れです
ね。朝日らしい惨めな言い訳」と書き込めば、麻生財務相は記者に対し「朝日
新聞の取材能力のレベルが分かる」と述べるように、政権と支持者は「朝日ぎ
らい」で一致しているようです。
.
安倍政権支持の中核は「若い世代」
 
 そして、そんな安倍政権の支持層の中核は若い世代です。

 2017年10月の総選挙で比例区の投票先として自民党を選んだのは、世代別に
見ると10〜20代で52%、30代で43%、40代で42%。50代以上はどの世代も30%
台で、若い世代が一貫して高い。とりわけ、18〜19歳の男性は55%、20代の男
性が54%と突出しています。

 Business Insider Japanが2017年6月に掲載した記事「『やっぱり安倍政権
しか選べない』東大生はなぜ自民党を支持するのか」でも、こう書かれていま
す。

「東京大学新聞社が毎年新入生を対象に行なっている調査によると、自民党の
支持率は近年劇的に上昇している。今年4月の調査では36%に達し、過去30年
で最高を記録した。特に70%前後を占めていた『支持政党なし・わからない』
という無党派層の変化が大きい。2013年以降は10ポイント以上減り、その分自
民党支持が増えている」

日本は本当に「右傾化」したのか?
 
 こうした状況を見て「リベラル」な人たちは、「日本は右傾化した」と嘆く
わけですが、私はこの見方には懐疑的です。

 国会前で「民主主義を守れ」と気勢をあげている人たちの多くは1940年代後
半に生まれた全共闘世代、今日で言うところの「シニア左翼」です。

 彼ら団塊の世代がある意味、戦後日本の価値観を決めてきたわけですが、彼
らが今本当に守ろうとしているのは「民主主義」ではなく「年金」。

 なぜなら65歳以上の44%、70歳以上では60%が「年金以外の収入がない」の
ですから(厚生労働省「老齢年金受給者実態調査」、2016年)。

 それに対して若い世代は、自分たちがいくら年金保険料を払っても、将来ま
ともに年金を受け取れないと思っています。

 私は年金制度が完全に破綻するとは思いませんが、日本の年金は現役世代が
高齢者(引退世代)に仕送りをする「賦課方式」なので、急速な少子高齢化に
よって制度の支え手が減っていく以上、若い世代の不安には確かな根拠があり
ます。

 しかし、モリカケ問題や反原発には大きな声を上げるシニア左翼も、「年金
なしでどうやって生きていけばいいのか」と将来を心配する若者たちのために
は、一切動こうとしません。

 そんなシニア左翼が「リベラル」を自称するのですから、若い世代が胡散臭
いと感じるのも当たり前です。
.
既得権にしがみつく「シニア左翼」
 
 シニア左翼たちの「リベラル」がどのようなものかは、安倍政権が進める働
き方改革への評価を見てもわかります。

 年功序列・終身雇用の「日本的雇用」制度は、若い時の低賃金労働をキャリ
アの後半で取り返し、定年で満額の退職金を受け取ることで帳尻が合う仕組み
になっています。

 50歳は定年まであと10年(あるいは15年)で、そこから先、退職金受け取り
までのカウントダウンを待っている人たちにとって、今さら働き方を「改革」
されるのは迷惑以外の何物でもありません。

 一方、終身雇用の幻想を抱いていない若い世代、とりわけ就職氷河期に大学
を出て派遣や契約の仕事にしか就けなかった「ロスジェネ世代」にとっては、
中高年の正社員の生活を守るためだけの「日本的雇用」などさっさと壊しても
らったほうが、未来に希望が持てるでしょう。

 彼らが求めるのは労働市場の「改革」であり、高齢者の既得権の「破壊」で
す。

 このように考えると、50代以上の「リベラル」がひたすら日本的雇用を「保
守」しようとする理由がよく分かります。

 社会保障改革から働き方改革まで、ありとあらゆる「改革」に頑強に反対す
ることが、シニア左翼にとっての最大の利益なのです。

 リベラルを「進歩主義」であり「改革を求める政治思想」だとするならば、
若者たちは今も昔もリベラルのままです。それが「右傾化」に見えてしまうの
は、既得権にしがみつくかつてのリベラルの方が急速に「保守化」しているか
らです。

メディアの「権力批判」はネトウヨの論法と同じ
 
 安倍政権を批判する人たちは、「アベノミクスの失敗で格差が拡大した」と
主張します。

 しかし、内閣府の国民生活に関する世論調査(2017年)では、「現在の生活
に満足」との回答が73.9%と過去最高になり、18〜29歳の若い世代では79.5%
とほぼ8割に達しています。

 完全失業率は2.5%と過去最低水準で、有効求人倍率は2018年2月に1.58倍と
バブル最盛期を超えました。

 これらをアベノミクスの成果だと一概に言うことはできないにせよ(これは
将来の検証に任せるほかないでしょう)、こうした事実を無視して「国民は安
倍政権にだまされている」と主張してもまったく説得力がありません。

 同様に「権力を監視する」という錦の御旗のもと、安倍政権のやることなす
こと批判するジャーナリズムはもはや説得力を持ちません。

 権力は「絶対悪」で、それを批判する自分たちは「絶対善」という偏狭なイ
デオロギーは、むしろ格好の批判のマトになっています。

 これは言うまでもなく、「反日メディア」は絶対悪で、それを批判する自分
たち「愛国者」は絶対善だというネトウヨ(ネット右翼)の論法と変わりませ
ん。

 かつて大学教授と並んで新聞記者は「知識人」として、上から目線で社会や
権力を批判する特権的な身分を与えられていました。

 しかし、言論空間の大衆化・民主化が進んだことで、こうした「知の身分制」
は崩壊しました。

 経済格差の拡大を批判し「弱者」や「貧困層」に寄り添うなどと言いながら、
平均年収1200万円超(朝日新聞、2016年)を受け取っていることの正当化は、
今やますます難しくなっています。

 自分たちが社会的・経済的な「勝ち組」である以上、それを前提とした「ネ
オリベ」(国家の過度な規制を排除し、自由で効率的な市場が公正で豊かな市
場をつくる)的な主張をしたほうが、ずっとすっきりするのではないでしょう
か。
.
メディアに裁量労働制を批判する権利はない
 
 私は、リベラルを蝕むのは「右傾化」ではなく、自らのダブルスタンダード
だと考えています。「リベラル」を自称するのなら、既得権を破壊する徹底的
な改革を求めなければなりません。

 安倍政権は「女性が輝く社会」を掲げ「2020年までに指導的地位に女性が占
める割合を少なくとも30%程度にする」ことを目標としていますが、安倍政権
を批判する「リベラル」な新聞社やテレビ局の役員・管理職の男女比率は、こ
の目標にまったく届いていません。

 朝日新聞のパブリックエディターを務める湯浅誠さん(社会活動家、法政大
学教授)は、「偽ニュース」を圧倒する説得力をもつためには「自分に都合の
悪い事実にも向き合う必要があります」として、裁量労働制をめぐる報道に苦
言を呈しています。

 裁量労働制には「際限のない長時間労働を招き入れるリスク」があると批判
しながら、当の朝日新聞記者はその裁量労働制で働いているばかりか、過労死
ライン(月80時間)を超える残業時間(81時間)を設定し、それをさらに上回
る残業をしていたとして労働基準監督局から是正勧告まで受けていたからです
(朝日新聞、2017年5月30日付)。

 こうした耳に痛い批判もちゃんと紙面に掲載するのは立派ですが、そうであ
ればこそ、この状態を放置するのではなく、働き手の健康に留意しながら仕事
の満足度を高め、労働生産性を上げる理想の裁量労働制とはどのようなものか
を身をもって示す必要があります。

 そうでなければ、「裁量労働制で残業が無制限になり過労死やうつ病が増え
る」のですから、まずは記者の仕事を時間給に変えなければなりません。

権力を批判しないと「許してくれない」読者
 
 健全な民主社会を維持するために、権力を監視し批判するのは大事なことで
す。しかしその一方で、批判だけしていても社会は良くなりません。

 朝日新聞の立ち位置が難しいのは、権力を批判しなくては許してくれない読
者層を抱えていることでしょう。

 経済学者で学習院大学教授の鈴木亘さんは、橋下徹・大阪市長のもとで特別
顧問を務め、日本最大のドヤ街を抱える「あいりん地区」の地域再生構想を、
住民たちと膝詰めでつくり上げました(『経済学者 日本の最貧困地域に挑む』)。

 その後、小池百合子都知事に請われて東京都顧問に就任し、待機児童の削減
に取り組んで一定の成果を上げています(『経済学者、待機児童ゼロに挑む』)。

 こうした社会改革は、権力の懐に飛び込んで、カリスマ的な首長と直談判で
きるような立場でなければ実現できません。

「橋下と手を組むなんて何ごとだ」「小池とベッタリ」などと批判するだけで
は、「あいりん地区」の貧困問題も東京都の待機児童問題も何一つ改善しませ
ん。

「リベラル」は権力の内側に入って成果を上げている人たちを毛嫌いしますが、
社会問題が解決せず悪化したほうが権力批判には好都合なので、「より良い社
会」をつくるために実践的な努力をする人たちの足を引っ張り、バッシングす
る必要があるわけです。
.
何でこんなくだらないことでこじれてるの?
 
 こうした党派性は「右」も「左」も同じです。なぜなら読者は党派的な記事
を求めており、それが商売になるから。

 ネットにおける炎上とは、メディアや知識人、言論人が提供する党派的な主
張を大量にコピペし、シェアしていくことです。

 これは日本だけの現象ではありません。アメリカのトランプ現象やヨーロッ
パの「極右」台頭を見てもわかるように、世界的に「保守」と「リベラル」の
党派(部族)対立が激しさを増しています。

 自分が「善=光」の側に属して「悪=闇」を叩くという党派性は分かりやす
く、アイデンティティ(社会的な私)を安定させてくれるし、何より気持ちい
いのです。

 ギリシア・ローマの時代からハリウッド映画まで、人々が善悪二元論の陳腐
な物語をえんえんと語り続けてきたことからもこれは明らかでしょう。

「何でこんなにくだらないことでこじれてるの?」「たった一つの新聞のこと
を何でこんなに熱く語れるの?」と不思議に思う人もいるでしょう。

 しかし「朝日」によってアイデンティティを脅かされていると感じる人にと
って、これは自らの実存に関わる重大な問題なのです。

 社会が不安定化すればするほど、人々は安心感(アイデンティティの安定)
を求めて偏狭で排他的な党派性を求めるようになります。

 残念なことに、私たちはいまだに部族対立の呪縛から解き放たれてはいない
のです。

 インターネットやSNSが言論空間を大衆化・民主化したことによって、今や
どんな権力批判も党派性に収れんされてしまいます。

 朝日新聞の役割が権力を批判することであるというのなら、社会に蔓延する
憎悪に満ちた執拗な「朝日ぎらい」も、戦後日本に大きな影響力を持ったこの
メディアの「運命」ということになるのでしょう。

……………………………………………………………………………………………

全体として、この記事には納得できる部分の方が多い。もっとも、納得できる
から同調できるとは限らんがな。突っ込みどころも、それなりにありそうやし
な。

『世の中にはなぜこんなに「朝日ぎらい」が多いのか。朝日新聞のことになる
と、なぜ人はこんなに感情的になるのか』という書き出しは実に上手い。

この記事を書かれた筆者は小説家で、もと大手の雑誌編集者をされていたとい
うだけのことはある。さすがやと、ハカセがしきりに褒めていた。

物書きは最初の一文、一行に全神経を注ぐというが、この書き出しを読むと、
それがよく分かる。読者に読んで貰うためには、どう書けば良いかということ
がよく表れている。

さらに『一つのメディアの動向にこれほど夢中になれること自体が興味深い現
象です』と客観的に書いておられるところが良い。

これだと、朝日新聞嫌いの人も、そうでない人も両方「この先を読んでみよう
かな」という気にさせるさかいな。

『書店の店頭にも、「朝日ぎらい」の雑誌や書籍の煽情的なタイトルが並んで
います』というのは、ワシらもたまに書店に行くから良う知っとる。

まあ、書籍になっているのは一定数売れるからやと思うので、それについては
特に問題はない。需要があって供給に応えているだけのことやから。

『特定のメディアへの批判が一つのマーケットを形成し、ビジネスになるとい
うのも日本でしか見られない珍現象でしょう』というのは、ワシもそのとおり
やと思う。

当たり前やが、新聞メディアというのは朝日新聞1社だけやない。日本には大
小合わせて120社以上もの新聞社が、存在する。

朝日新聞に掲載された記事と似通った内容の記事は他の新聞にも数多く載って
いるはずや。

特に昨今は、政府御用達新聞とまで言われていた読売新聞や産経新聞まで、こ
ぞって朝日新聞の政府批判に同調するかのような記事が、それらの紙面上に踊
っているさかいな。

新聞、テレビメディア業界が一丸となって安倍内閣、政府批判をすることにな
ろうとは、つい1年ほど前には考えられんかったが、現実に、その考えられん
ことが起きているわけや。

政府与党の支持、擁護を鮮明にしていた読売新聞、産経新聞の2社が反旗を翻
したことで、『オール新聞』同盟が自然に出来上がったと言える。

キッカケは、安倍内閣が推進しようとしている『放送法4条の撤廃論』にあると
されている。

現状の放送法4条を死守したい新聞、テレビのメディア業界側と撤廃したい安
倍内閣側との熾烈なつばぜり合いが、その原因やと。

その挙げ句に、麻生氏の『自民党の支持者は新聞を読まなくていい』という発
言まで飛び出しているから、事はより深刻度を増していると言える。

政府は完全に、新聞、テレビメディア業界を敵に回したと。

現在、朝日新聞と似たような政府に対する批判的な内容の記事が、ほぼすべて
の新聞に掲載されている。

『放送法4条の撤廃論』の他に、森友、加計問題疑惑で全紙が足並みを揃えて政
府批判に終始した報道をしているのを見ても、それがよく分かる。

それにも関わらず、朝日新聞1社だけが批判され、嫌われているという摩訶不
思議な現象が起きている、いや起こされているわけや。

もっとも、それだけ安倍政権支持者、擁護派の連中にとって朝日新聞が怖い、
脅威に感じているという裏返しでもあるわけやがな。

本当に嫌いなら無視して読まなければ良いだけの話やと思うが、無視するには、
あまりにも危険な存在ということなのやろうな。

現在、朝日新聞の発行部数は640万部ほど。実売部数は、もっと低いやろう
が、それにしても一定の売り上げがあるのは確かや。それに比した購読者も多
い。

一般の書籍で100万部も発行できれば大ベストセラーとして多くの人に認知
される。

その数倍を日々売り上げているというのは、驚異的なことやと思う。それから
すれば、その影響力は、相当なものになると考えられる。

安倍政権支持者、擁護派の連中が脅威に考え、攻撃して批判したくなる気持ち
も分からないではない。

ただ、世の中には、誰がどこで、どんな批判を展開しようが、好きな物は好き
という方が一定数おられるもんなんや。

俗に言うファンやが、コアなファンは何があってもファンであることを止めは
しない。

「朝日新聞ぎらい」がいる反面、この投稿者のように「朝日新聞が好き」とい
う方もおられるといった具合にな。

ワシは、どちら側であってもええと思う。ただ、その一方を批判して、それで
良しとする姿勢は頂けんがな。

日本人の美徳の一つ、相手に対する許容と尊重の精神に反する行為やさかいな。

『安倍首相が(別の自民党議員の)フェイスブックに「哀れですね。朝日らし
い惨めな言い訳」と書き込めば、麻生財務相は記者に対し「朝日新聞の取材能
力のレベルが分かる」と述べる』というのは、

そのご本人たち、またそれを好んで見ておられる人たちにとっては好ましいこ
となのかも知れんが、俯瞰的な見地から見ているワシらのような人間にとって
は、これほど滑稽で、ご自身たちの値打ちを下げている下劣な物言いはないと
感じるがな。

これは批判ではなく、ただの「悪口」や。人が誰かの悪口を言っている様とい
うのは、見聞きして気分の良いものでも楽しいものでもない。

人の悪口を言えば言うほど、その人の品位とか人間性といったものが疑われ、
損なうだけにしかならんと考えるがな。それが分かっていない。

『2017年10月の総選挙で比例区の投票先として自民党を選んだのは、世代別に
見ると10〜20代で52%、30代で43%、40代で42%。50代以上はどの世代も30%
台で、若い世代が一貫して高い。とりわけ、18〜19歳の男性は55%、20代の男
性が54%と突出しています』というのは事実やろうから、それはそれでええ。

ただ、自民党支持者である若者の多くが安倍内閣だから支持しているというの
は、今は良くても将来的には、あまり意味がないように思えるがな。

当たり前やが、今の安倍内閣の中心メンバーは若者たちからすれば、爺さんや。
先は短い。内閣も長く持って1、2年。早ければ今年の9月の総裁選で退陣と
いうこともあり得る。

いずれにしても、若者たちがいくら入れ込んでも近い将来、消える運命にある
のは間違いない。

現在、安倍首相が退陣した後、その後継者と目される人間が誰か分かるやろう
か?

大半の人間には皆目、見当すらつかんやろうと思う。当たり前や。そんな人間
は、どこにもいない。それが現実やと思う。

安倍首相と競えるほどの若手の実力者と言えば小泉進次郎氏くらいしか思いつ
かんが、氏は安倍首相とは一線を画しているようなところが見受けられるから、
後継者になることはなさそうや。

氏に安倍首相の後継者になりたいという気持ちがあるのなら、側近、あるいは
副大臣、政務官といった閣内の要職に就いているはずやが、そうはなっていな
いしな。

つまり、何が言いたいのかと言えば、安倍首相が退陣したら、現在の政治体制
や仕組みは、そこで終わるということや。

少なくとも安倍首相並の実力者が後継者になり、現状の政治、および体制がこ
の先も続くということは、まずあり得ないやろうと思う。

今の若い人たちが、いくら安倍内閣を支持していたとしても退陣すれば新たな
政権が生まれる。

新たな政権は、その常として前政権の踏襲は、まずしない。安倍首相が、そう
だったように。

新しい首相は、必ず自分の色、存在感を世に示したいと考えるのが普通やさか
いな。

近い将来、必ず、そうなる。その時、安倍首相に抱いていた期待感が、そのま
ま継続するか、どうかは甚だ疑問やと言うしかない。

人は現在の状況が、この先も長く続くと考えがちやが、それは絶対にない。必
ず変化する。それが良い方へか悪い方へなのかは、その時が来るまで誰にも分
からんがな。

この筆者の主張されていることは概ね理解できるが、『朝日新聞の立ち位置が
難しいのは、権力を批判しなくては許してくれない読者層を抱えていることで
しょう』というのは少し言い過ぎなような気がする。

『権力を批判しなくては許してくれない読者層』が、すべてであるかのように
聞こえる。

当然やが、朝日新聞の読者の方にも様々な考えの人がおられる。数百万人もの
人たちが、同じ方向ばかりに目を向けているとするのは無理がある。

また『権力を批判しなくては許してくれない読者層』とは、別の言い方をすれ
ば『権力を監視する役目を負っている新聞』とも言える。だからこそ、多くの
読者がついていると。

物の捉え方には、いろいろある。その原点に立てば、『権力を批判しなくては
許してくれない読者層もいる』とするのが正確な表現やろうと思う。

それなら一部、もしくは一定数の人たちが、そう思っているということで特に
突っ込む必要はなかったんやがな。

何事もそうやが、「○○層の考えは○○だ」と決めつけるのは間違っていると
断言する。人は、そう簡単にグループ分けされるものやない。

同じような考えの人たちが集まっているコミュニティでさえ、意見の相違は普
通に起き、論争になることも、それほど珍しくはないさかいな。

すべての人はオンリー・ワンで他の誰とも違う。それが紛れもない真実や。

少なくとも、ワシは他者から、「あんたのような、おっさんは○○だ」と決め
つけられたら良い気はせん。反発したくなる。そんなことはないでと。

まあ、これも筆者が、そう感じていることやろうから、それも意見の一つ、見
解の一つとして見れば、それもアリなのかも知れんが、その点だけが引っ掛か
って仕方なかった。

全体として納得できる部分が多かっただけに残念やと。

結論として言えるのは、朝日新聞1紙が批判される世の中というのは、どう考
えても普通やないということや。

何度も言うが、人間には様々な思想、思考が存在する。そのすべてを許容する
ことで世の中のバランスが保たれているのやと思う。

そうであるなら、特定の対象のみを批判し、排除するべきやない。その批判や
排除は「差別」に繋がりかねん。

「差別」をする者に正義はない。どんな理屈を並べ立てようが正論にはならな
い。

それさえ、理解して貰えれば、朝日新聞1紙やその読者が批判の的に晒される
謂われなどないということも分かって頂けるものと思う。

せやからと言うて朝日新聞が正しいと言うつもりはない。このメルマガでも散
々言うてきたが不祥事も結構あるさかいな。

その不祥事について批判するのは構わない。それだけのことをしたということ
でな。

ただ、朝日新聞が日本の歴史に多大なる貢献をしてきたというのも事実や。批
判するのなら功罪合わせてするべきやが、残念ながらそんな記事にお目にかか
ったことはない。

批判する者は批判できるネタしか探さないし、それしか取り上げようとしない。

それが良いことか、どうかなど考えるまでもないことやと思うのやがな。

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■HP『新聞拡張員ゲンさんの嘆き』新着情報

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小説選集』
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月額 216円  配信予定日 毎週土曜午前中。 
登録にはクレジットカードが必要  登録当月無料。 

PC、携帯、スマートホン、iPad のメールアドレスから登録可能

『第1話 新聞販売店残酷物語 恩讐の彼方から』完結

『第2話 我ら、やもめ団ここにあり』完結

『第3話 大津坂本人情街道秘話』完結

『第4話 狙われた男たち』完結

『第5話 新聞大逆転の法則』完結

『第6話 黎明期の新聞拡張物語 神武梅乃の伝説』完結

『第7作 新聞業界暗黒物語 悪い奴ら』完結

『第8作 黎明期の新聞拡張物語 受け継がれる伝説』完結

『第9作 カポネによろしく』2017. 4.15 配信開始


著者 白塚 博士

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書籍販売のお知らせ 

作品題名『ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集 電子書籍版パート1』
http://siratuka.sakura.ne.jp/newpage21.html

Kindleストア
http://www.amazon.com/dp/B00EA0NDFU

honto電子書籍ストア(「ゲンさん」で検索)
http://honto.jp/ebook.html

ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集 電子書籍版パート1
http://honto.jp/ebook/pd_25182317.html

著者 白塚 博士
出版社 みずほ出版
販売価格350円
購入はPCでも可能。但し、PCでは今のところ読めません。
対応端末 
Kindleタブレット、iPhone、iPad、Androidスマートフォン、
Androidタブレット、Androidタブレット大


作品題名『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集』
著者 白塚 博士
出版社 みずほ出版
販売価格 1,470円(税込み)

販売方法 インターネット
Amazon(アマゾン)での販売は在庫が少なくなったため終了しました。
今のところ増刷の予定はありません。
代金引換郵便……2010年9月1日より日本全国送料、代金引換手数料無料。

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メールマガジン:ゲンさんの新聞業界裏話
発行日:毎週金曜日

発行責任者:ハカセ
公式サイト:『新聞拡張員ゲンさんの嘆き』
URL  :http://siratuka.sakura.ne.jp/
Mail  : hakase@siren.ocn.ne.jp

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創刊日:2008-05-25  
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