ジャーナリズム

ゲンさんの新聞業界裏話

新聞拡張員ゲンさんが、悪質な勧誘員から身を守る方法、営業理念や人生勉強に役立つ情報、新聞業界の裏話などを語りかけます。全編関西弁で語られているゲンさんの軽妙で面白く、含蓄の深い世界をお楽しみください。


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第520回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■読者の訴え……その2 投函先の分からない新聞の処置に困っています

2018/05/25

■読者の訴え……その2 投函先の分からない新聞の処置に困っています


ある新聞読者の方から、

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はじめまして、関東在住のエムと申します。

ネットを検索していたら、そちらのHPのQ&Aに行きつきました。新聞のこ
とでとても困っているので相談に乗ってもらないでしょうか?

1ヶ月ほど前から同じ新聞が二部ずつ投函されるようになりました。

私は地方紙のK新聞を購読しているのですが、それが始まった日から、毎日二
部ずつ投函されるようになったのです。

私は、てっきり契約している販売店の方が間違えたのだと思い、販売店に連絡
しました。

その時は、「おそらくこちらのミスだと思います。明日からは、そういうこと
のないよう気をつけます」という返事をもらったので安心しました。

ところが、翌日も同じK新聞が二部入っていましたので、また販売店に連絡し
たところ、「おかしいですね。そんなはずはないと思うんですが、今から、そ
ちらに伺ってもよろしいでしょうか?」と言われるので、「どうぞ」と答えま
した。

その販売店とは比較的近いので10分ほどで販売店の人が来ました。

「投函された新聞を二部とも見せてください」と言われるので、配達されたま
まの新聞をそのまま見せました。

すると、「こちらの新聞は、うちが配ったものではありませんね」と、二部の
内の一部のK新聞を指して言われました。

理由は、中に入っている折り込みチラシの種類が違うからということでした。
確かに、二つの新聞に入っていた折り込みチラシを見比べると、三枚ほど違っ
ていました。

その販売店の人の説明では、新聞販売店によりそれぞれ入っている折り込みチ
ラシは違うそうなので、その新聞販売店が配った新聞ではないとのことでした。

私が購読しているK新聞はY新聞の販売店さんから配達してもらっているので
すが、他にもA新聞やM新聞、S新聞の販売店が配達することもあるそうです。

「ですので、そのK新聞を配達した新聞販売店に文句を言って止めさせるしか
ありませんね」と言われるので、「では、どうしたら、その販売店が分かるの
てすか」と尋ねると、「それは、うちでは分かりかねます」とのことでした。

折り込みチラシの違いだけで販売店を特定するのは難しいそうです。

Y新聞の販売店の人が言われるには、誤配の可能性が最も高く、次に投函した
新聞販売店の関係者が勝手に私の名前を使って契約書を作ったとも考えられる
とのことでした。

いずれのケースも新聞販売店を確定するのは難しいとのことですが、このまま
放置しても良いものなのでしょうか?

誤配だった場合は、それほど問題はないとは思うのですが、勝手に名前を使わ
れて契約したことになっているのではないかと思うと気が休まりません。

それにしても、先に同じK新聞が入っているのに、その上から、また同じK新
聞を入れる人の神経ってどうなのでしょうか?

いずれにしても、どうするのが一番良いのか、分からず困っているので、ぜひ
教えてください。

……………………………………………………………………………………………

という相談が寄せられた。
        
これと似たケースは他にも多い。特にK新聞による二重投函に関しては他の方
からも相談を受けとるしな。

もっとも、その方はサイト、およびメルマガ誌上への掲載を保留しておられる
ので、まだそれと知られていないだけでな。

取りあえず、今回のこの方へは、それらの事案を踏まえて回答することにした。

……………………………………………………………………………………………

回答者 ゲン


あんたの問題は、配達先の販売店が特定できれば比較的簡単に解決できるやろ
うと思う。

K新聞は、俗に「委託紙」と呼ばれていて、自社で販売店、および販売網を持
っていないため、他社の新聞販売店に配達と集金を任せているわけや。他にも、
こういう地方紙は幾つかある。

『折り込みチラシの違いだけで販売店を特定するのは難しいそうです』という
のは確かや。

それを調べるには、『三枚ほど違って』いた折り込みチラシを作成したそれぞ
れの業者に「あなたの会社(店)の折り込みチラシは、どこの新聞販売店に入
れていますか」と問い合わせるしかないが、殆どの場合、そんな質問には正確
に答えては貰えんやろうと思う。

訊かれた側は、あんたが一般読者、一般市民やとは考えんかも知れんしな。

企業や会社、店舗にとっては、どのような折り込みチラシを作成して、どの新
聞販売店に配布依頼をしているかというのは企業秘密に属するものや。

そんな企業秘密をペラペラ外部の人間に喋ることなどまずない。そういった質
問をしてくるのは競合他社しかないという先入観もあるやろうしな。

あんたが、いくら「新聞がどこの販売店から投函されているのか知りたいだけ
なのです」と言ったところで、それすら方便やと受け取るのやないかな。企業
秘密を聞き出すための。

Y新聞の販売店以外の他の新聞販売店に一軒ずつ当たって確かめるという手も
なくはないが、それも相当な手間がかかるやろうと思う。

新聞には宅配制度というのがあって、一つの新聞社には地域毎に一つの新聞販
売店しか存在できないことになっている。

せやから、各新聞社毎に、あんたの家に配達することのできる販売店は、それ
ぞれ一店舗しかないということになる。

それなら、それを1店舗ずつ当たれば良いから簡単やと思いがちやが、その特
定が結構難しい場合がある。

新聞販売店の営業エリアの取り決めは、その範囲の大小がまちまちで、行政の
ように市長村、住所などで区分けされていないことの方が多い。

極端な話、すぐ近くにある新聞販売店が、あんたの地域を管轄しているとは限
らんケースもあるわけや。

道を挟んで真向かいにある新聞販売店であっても、あんたの家が、その販売店
の新聞宅配制度上の営業エリアに含まれていないケースが往々にして起きる。

また、同じ新聞社系列の販売店同士であっても、その境界線で揉める場合も結
構あり、どっちの販売店に権利があるのか分からないことも多い。

そんな場合は、たいてい新聞社の裁定で決まるのやが、それを素人のあんたに
探し出せというのは酷やわな。

とはいえ、基本的には「私は○○町に住んでいる者ですが、そちらの販売店で
配達して貰えますか?」と訊けば答えてくれる可能性が高いとは思う。

ただ、その場合、確実を期すのなら、一つの新聞社に対して、あんたの地域が
含まれる販売店を周囲4個所程度当たる必要があるのやないかと思う。それが
3社なら12個所の新聞販売店に問い合わせなあかんということになる。

ただ、K新聞新聞では扱っている販売店の割り当てをしているということやか
ら、K新聞本社で尋ねられるのでも、ええかも知れん。

K新聞本社に問い合わせられるのであれば、無購読者を装い「○○市○○町に
住んでいて、K新聞の購読を検討している者ですが、どこの新聞販売店から配
達して頂けるのでしょうか?」と訊けば答えてくれる可能性がある。

新聞社は、購読してくれさえすれば、どの新聞販売店であっても関係ないので、
該当する販売店が、1店舗だけなのか、3店舗なのかくらいは教えてくれるは
ずや。「その新聞販売店からの購読になります」と。

『扱っている販売店の割り当て』が、現在の新聞販売店1店舗だけだった場合
は、他社での配達は不可ということになるから、現在、配達されている新聞は
「誤配」の可能性が高くなる。

ただ、毎日配達され続けているのであれば単なる「誤配」ではなく、配達員は
その店から「配達指示」を受けて配達しているものと考えられる。

つまり、間違っているのは、その配達員個人ではなく店舗の可能性が高いとい
うことやな。

その場合、新聞を投函しているポストに『Y新聞の販売店以外の他の新聞販売
店の方にK新聞の投函はしないようにお願いします』という張り紙をしておく
という手もある。

普通なら、配達員が、その貼り紙を持ち帰り、当該の販売店から何らかの連絡
があるはずや。

ただ、その普通のことに気がつかない、例え気づいていたとしても面倒な手間
はかけたくないと考えスルーする配達員がいるのも事実や。指示されたとおり
のことをやっているだけだということで。

配達員は、1部の配達に費やす時間をできるだけ短縮したいという思いが強い
ため、その場に立ち止まって確認しないケースも多々ある。

張り紙をしていても「何だろう」という程度に考えてスルーしてしまうわけや。
先に他紙が入っていたとしても2紙以上購読している人など配達員にとっては
珍しくもないので殆どの人が気にすらしない。

さらに言えば、そんな張り紙など、あっても見ないというケースもある。新聞
配達員は1分1秒でも早く新聞を投函することしか考えない者も多く、例え何
らかの張り紙をしていても邪魔臭いから無視するというのは結構あると聞く。

また配達時間が深夜のため暗くて、その張り紙自体が見えにくい読みにくいと
いうことも考えられる。

もちろん、ちゃんと確認する者も多いがな。

あんたは『それにしても、先に同じK新聞が入っているのに、その上から、ま
た同じK新聞を入れる人の神経ってどうなのでしょうか?』と言われ、そのこ
とに疑問を持たれているようやが、そもそも配達員の多くは、先に投函されて
いる新聞の銘柄など確認したり、気にしたりすることの方が少ないのが普通な
んや。

先に他紙が入っていたとしても同じ2紙以上購読している人など配達員にとっ
ては珍しくもないさかい、殆どの配達員は気にすらしない。

新聞を入れられるスペースがあると見れば無理にでも押し込もうとするのが普
通や。

これについても『1部の配達に費やす時間をできるだけ短縮したいという思い』
の方が優先される。

というのも、新聞の最終配達時間は遅くとも午前6時〜6時30分頃までと決
められているのが普通なので、それまでにはどうしても終わらせる必要がある
と配達員は考えるからや。

加えて、現在は、どこの新聞販売店でも配達員が不足しているため、一人の配
達員が配達する部数が、かなり多くなっているので、よけい急ぎがちにならざ
るを得ないという事情もある。

通常の配達ペースでもギリギリの時間しかないという配達員も多い。

新聞配達員にとって最も重要なのは店からの「配達指示」で、それに逆らって
「誤配」をすると罰金などのペナルティを受けることもあるので、ある意味、
必死なわけや。

もっとも配達員の都合や事情など、あんたにとっては関係のない話やけどな。

それらの方法で、その販売店が特定できれば、新聞の投函を止めるよう申し入
れることや。

その場合、あんたが、どこの誰であるかを、その販売店に伝える必要があるさ
かい、それぞれで個人情報を知らせることになるがな。それでないと新聞の止
めようがないしな。

その販売店が特定できない場合は、クレームという形で、「K新聞新聞本社」
に苦情を伝えるしかないやろうな。「契約した覚えのない御社の新聞が投函さ
れて困っています」と。

新聞社は、通報者の身元を証さないクレームには本気で対処しない傾向が強い
ので『個人情報の漏れを覚悟』されてでも通報するしかないものと考える。

新聞社から、関係の販売店には、当然のことながら、あんたの個人情報を知ら
せるやろうからな。

『新聞販売店の関係者が勝手に私の名前を使って契約書を作ったとも考えられ
るとのことでした』というのは、俗に『てんぷら(架空契約)』と呼ばれてい
るものや。

これについては、あんたが勧誘を受けたという事実がなければ、たいていの場
合、不法行為に属することやから、多少揉めることがあったとしても最終的に
は解決できると思う。

もっとも、その場合は、すぐに連絡してくれたらええがな。

結論から言うと、新聞社にしろ、新聞販売店にしろ、契約していない新聞を止
めさせるには、あんた自身が積極的に動くしかないということや。

最後に、これはあんたからの質問には入っていないが、一般的な疑問として
『この先も新聞が投函され続けた場合、その分の新聞代を払わねばならないの
か』というのがあるが、その分の新聞代を支払う必要はないと言うとく。

それに対して、その販売店は文句など言えないはずや。そもそも、契約もして
いない新聞を勝手に投函する方が悪いんやからな。

普通の販売店なら「誤配」もしくは「てんぷら(架空契約)」と分かった時点
で謝罪するやろうし、新聞代の請求をすることもまずないものと思われる。

もし集金に来た場合でも「そちらとは契約をしていないので新聞代など支払え
ませんし、今後も新聞は投函しないでください」と言えば、それで法律的にも
新聞業界的にも通る。

ごく希に、例え「てんぷら(架空契約)」であっても「契約している」と言い
張る販売店が中には存在するかも知れんが、その場合は「私が契約をしたと言
われるのでしたら、その証拠である契約書を見せてください」と言えばええ。

「てんぷら(架空契約)」の場合は、契約書に書かれた字は、あんたの筆跡と
は違うはずやから、容易に契約していないということが分かるさかい、争いに
すらならない。

例え争いになったとしても100%あんたの勝ちですから何の心配もいらない。

現在は、当メルマガ『第286回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞購読契約
ガイドライン決定……今後のQ&Aでの影響について』(注1.巻末参考ペー
ジ参照)で話したように、一般消費者側にとって有利な裁定を新聞社、および
新聞公正取引協議会がするケースが多いので、その点でも心配する必要はない
と思う。

ワシからのアドバイスは、以上や。何か他にも、ご心配な点や不明な事柄があ
れば、気軽にまた相談してくれたらええ。
                                         
……………………………………………………………………………………………

その後、しばらくして新聞の投函が止まったとのことや。

そのため、誤配やつたのか、「てんぷら(架空契約)」やったのかは分かって
いないが、いずれにしても、この程度のことなら簡単に解決のつく問題やと思
う。

もっとも、当事者としてはそんな気持ちにはなれんかも知れんがな。ワシらに
とっては何でもないようなことでも、そういう事態に始めて直面する人にとっ
ては、とても『この程度のこと』とは思えんやろうしな。

                                                 

参考ページ

注1.第286回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞購読契約ガイドライン決
定……今後のQ&Aでの影響について』
http://siratuka.sakura.ne.jp/newpage19-286.html  

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