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ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン neoneo

映画関係者必読のメールマガジン。プロデューサー、監督、評論家、映画館支配人など、さまざまな立場からこれからのドキュメンタリー映画を熱く語ります。

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ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン neoneo 93号 2007.12.15

2007/12/15

 
 
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┃n┣━┫o┣━┫e┣━┓ ★ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン
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 †01 ■ドキュメンタリー映画のかたち
       京橋三丁目、映写室からの眺め(5−最終回)  岡田 秀則
 †02 ■ワールドワイドNOW ≪サンパウロ発≫
      ブラジルの日本語上映会のかたち    岡村 淳
 †03 ■列島通信 ≪埼玉発≫
       『デコチャリ野郎』について  村上賢司
 †04 ■映画時評
      『無用』(ジャ・ジャンクー監督、2007年)    萩野 亮
 †05 ■neoneo坐12月後半の上映プログラム
 †06 □広場
    ■新・クチコミ200字評!(65)
     ■新・クチコミ200字評!(66)
      『中学生日記』、『いのちの食べかた』、
      『愛と生を撮る〜女性映画監督は今』 (以上の評、清水浩之)
     ■投稿:ドキュメンタリー映画『追悼/アレクサンドル・リトビネンコ』
         と『暗殺・リトビネンコ事件』  岡田 一男
     ■上映:神戸映画資料館・12月のドキュメンタリー上映(12/1.2.8.9)
     ■「わが一押しのドキュメンタリー映画2007」アンケート大募集!
     ■募集:「自作を語る」などの原稿募集!
     ■上映の告知の有料化とカンパのお願い  伏屋 博雄
 †07 ■編集後記  伏屋 博雄


    ★バックナンバー閲覧はこちらまで
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┃01┃□日本のドキュメンタリー映画のかたち
┃ ┃■京橋三丁目、映写室からの眺め(5−最終回)
┃ ┃■岡田 秀則
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●映画は「重い」のか

最近、「若い人が映画を観なくなっている」と言われている。私もそんなことを言
う一人である。大学などで教えている方の悩みは大きいだろうし、現に映画の上映
を企画してきた私のような立場からも、やはり深刻になれる話題だ。先日、ある映
画雑誌で、今どき映画を見せる立場の人間はどう行動すべきかを語り合う鼎談に参
加した。
ミニシアター、公共の映画上映、大学というさまざまな場所での実例が述べられた
が、一つ救われた気持ちがしたのは、その「理由」をあれこれ探ることから語るの
をやめたことである。「理由」を問う前に、とりあえず何かやってみる方が有効だ
と思われているのだ。日本各地で子ども向けの映画上映に取り組んでいる方々を何
人も存じ上げているが、そこでも「理由」以前のフットワークが功を奏しているよ
うだ。

それでも、週に一度学生の前で5年もしゃべり続けていると、「理由」のようなも
のが感じられないでもない。個々の経済的な問題もあるだろうが、それだけではな
いらしい。また、映画館や上映会へ行かなくてもビデオやDVDを自宅で観る方が楽
だから、という言葉もこれまで大きな説得力を持ってきた。実際、一切スクリーン
に頼らず、自室で世界の映画に通暁しつつあるという人の噂も聞いたことがある。
だがごく最近は、一部のヒット作を除いて、DVDでさえ売り上げが一気に落ち始め
ているらしい。そうなると、作品をどの形態で消費するかがいちばん本質的な問題
ではないような気もする。

で、自分を振り返ってみると、初めてオーソン・ウェルズの『黒い罠』を観てしま
った日のことが思い出されてくる。友人たちと、それぞれ混乱した頭を抱えて喫茶
店に入ったのを憶えている。映画とはこれほどまでに人間の精神をブンブン振り回
せるものなのか…。現在、映画に関わり続ける自分を形作っているのは、この時の
体験を裏切ってはならないという思いだ、といっても過言ではない。そんな映画は
いくつかある。つまり、映画には人間を打ちのめす力があるから、いつまでも信じ
ていられるのだ。

ところが、最近繰り返し聞くようになったのが、「映画は面白いけど、疲れます
ね」という言葉だ。まあ、オールナイトに行ったり、映画館のハシゴなんてのをす
ればしまいには疲れてくるものだが、この「疲れますね」はそういう意味ではなさ
そうだ。
どうやらいまや、少なからぬ人たちにとって、映画という語りの形式そのものが
「重い」らしいのだ。ついこの間までは、映画が「重い」だなんて誰も思っていな
かったはずだから、これは青天の霹靂だろう。娯楽の中心が映画だった時代を生き
た人には、ほとんどナンセンスかも知れない。けれども、たった一つの作品を消費
するのにそれなりの時間を要し、それなりのエネルギーを費やすような芸術は面倒
だ、と言われたらそれはそれで否定できない気もする。確かに、映画や演劇は「効
率が悪い」のだ。やりきれない思いである。

そして、「重み」に反するこうした風土をもっとも積極的に形作っているのが、言
うまでもなくデジタルの映像媒体だろう。撮影監督の故・高村倉太郎さんは、デジ
タル撮影について「あれは、キャメラと被写体の間にある『空気』が写らないんだ
よね」とおっしゃっていたが、確かに遠いものも近いものもフラットに写るのがデ
ジタル映像の特性だ。かりに今後解像度がぐっと高まって、大スクリーンに映写し
てフィルムと遜色ない水準に達したとしても、あの平たい感覚だけは如何ともしが
たいだろう。
もちろんドキュメンタリーに関しては、その面が積極的に活かされ始めてもいる。
資金回収のめどが立ちにくい分野だから経費が安く上がるのがありがたい、という
実利ももちろんだが、山形映画祭などの趨勢を見ていると、もはや表現の問題とし
てデジタルの可能性が追求されているのが分かる。それは近年の中国ドキュメンタ
リーの躍進が証明した通りで、2007年の大賞を得た王兵監督の問題作『鳳鳴 中国
の記憶』では、もはやその「重み」の欠如を武器として、そのウルトラフラットな
感覚を逆用することで私たちを驚かせてくれた。

だが、動く映像が、ある時期ここまでの重量感を持つことができたという誇りを、
一度知ってしまった人間は忘れることはないだろう。現時点ではフィルム上映をミ
ュージアム・ポリシーとしているフィルムセンターの役割は何だろうか。恐らく、
他のどのスクリーンがデジタルのプロジェクターでしか上映されなくなっても、日
本最後のフィルム映写機はここで回り続けるだろう。例えば、2095年。私は到底生
きてはいられないが、もしその時も人々が「映画史」という言葉を使っていて、つ
いでに「映画生誕200年」を祝うとしたら、人々はフィルムこそが誇り高い映像媒体
だった最初の世紀をどう語るだろうか。1920年代のエルンスト・ルビッチの無声喜
劇を、「初期の稚拙な映像」だなんて評されることだけは断じて許してはならな
い! アーカイブ上映は、例えばそこに賭けられているのである。


■岡田 秀則(おかだ・ひでのり)
オフィスの壁に、カール・ドライヤーの『奇跡』のフランス版大型ポスターがかか
っている。これは私の個人蔵だ。主人公のヨハネスが、丘の上の草むらの中から朝
から晩まで私たちを指差している。このポスター、むかしパリで買って以来ずっと
眠っていたのだが、2003年のドライヤー特集の際には有楽町朝日ホールやフィルム
センター、ユーロスペースのロビーで活躍してくれた。今は、「働きなさい」と私
に無言の圧力を加えるのが彼の役目である。



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┃02┃□ワールドワイドNOW ≪サンパウロ発≫
┃ ┃■ブラジルの日本語上映会のかたち
┃ ┃■岡村 淳
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ここのところ、地元ブラジルでの拙作の上映会が続いた。
いずれも日本語バージョンの作品上映だったので観客は日本語がわかる日系人たち
が中心だったが、それぞれ趣が異なり、興味深いものがあった。うち3ヶ所での上
映についてご報告しよう。

まずはブラジル日系人の文化の殿堂ということになっている、サンパウロの東洋人
街にあるブラジル日本文化福祉協会の大講堂。老朽化が激しく、生けるミュージア
ムと化しているが、そのこと自体が現在のブラジルの日系社会を象徴しているとい
える。
年に一度の「老人週間」の催し物の一環として体験発表の講演をしてくれ、と依頼
があった。

こちらは海千山千の移民のお年寄りから話を聞かせていただく立場であり、とても
彼らに聞いていただけるような体験は持ち合わせていない。時間は50分とのことで、
移民にまつわる30分ほどの短編の拙作を上映して、その前後に補足的な話をするの
でよければ、ということでお引き受けした。

ブラジルでもシネコン時代となった今では、懐かしい古い映画館のすえた臭い。座
席数1200、腐っても大講堂だ。ステージの上からでは、ぎっしりと席を埋める日系
の老人たちの固体識別ができない。この舞台で行なわれた芸能や式典の撮影をした
ことはあるが、まさか自分が壇上の人となろうとは。前振りの話をそこそこにして、
上映に入る。案の定、音声が来ない。

そもそもスクリーンはなく、舞台の白壁への上映で、プロジェクターは台形補正も
利かない。上映のための集いではないので、このあたりは泣いたのだが、音響は専
門の業者が入っているのだ。壇上からポルトガル語で業者にクレームをしてしばし、
ようやく音声が響いた。

上映の間は客席から観よう、と舞台から降りる。と、さっそく一人の老人から私に
クレーム。「あんたの声が後ろまで聞こえてこない」。私の地声は家族から迷惑が
られるほど大きい。その私がマイクを使って話しているのであり、音響のプロの業
者が場内でボリュームの調整をしているのに講師に言われても困る。だが、こうい
う道理を上映中に説いても始まらない。もっと大きな声でしゃべりましょう、とそ
の場をかわすと、今度は別の女性が「スピーカーの位置が邪魔で見にくい」と講師
にクレーム。
最初からそこに設置してあったし、私一人で動かせる大きさではない。ただでさえ
先の講演から時間が押しているのに、ノーギャラどころか交通費まで持ち出しで参
加しているゲストの一講師にどうしろというのか。これはたまらない、と壇上の袖
に退避。

という訳で観客との距離があり過ぎ、数が多過ぎで反応をよく確かめられなかった。
そのまま会場に居残ると、これまでの経験からして「さっきのやつのビデオテープ
をくれ」「自分のことを取材させてやる」といった声に囲まれることが予想され、
他の予定もあったので早々に失礼させていただいた。

数日後のこちらの日本語新聞に、若い記者が上映後の声を会場で拾った記事が掲載
された。自ら移民となって移民を記録するドキュメンタリー屋冥利に尽きる声がい
くつも紹介されている。ああ、距離感がむずかしい。

次いで、サンパウロ郊外の農場での上映。私より後れてブラジルに移住した日本人
の主がぜひ拙作を見たい、とおっしゃってくださり、農場内のアトリエを会場にし
て、主の親戚や近所の日系人など10人ほどに寄り合っていただいた。作品はブラジ
ル内陸部の山峡の農場で暮らす明治生まれの日本人夫妻の晩年に寄り添った「ブラ
ジルの土に生きて」、2時間32分。世話しない町なかではなく、鳥のさえずりとフ
ィトンチッドがあふれるこうした場所でこそご覧いただきたい作品だ。

「自分は移住してからずっとこのサンパウロ郊外住まいなので、貴重なものを見せ
ていただいた」「自分も移住者だから、主人公と同じような生活をしてきているの
で、特に珍しくもない」。少ない参加者でも両極端の意見が出るのが面白い。上映
後の参加者の目の輝きが違っていた、という主催者の観察がうれしい。何よりもう
れしいのは、主催者が次は何ができるかと策を練りだしてくれたことだ。

最後に、サンパウロ市内の住宅街にある日本の農業系の大学の校友会館での「橋本
梧郎南米博物誌」シリーズをメインにすえた拙作2本立て上映。「岡村淳映像講演
会」と銘打ってくれた。昨年の上映が好評につき、今年も実施された。ホールは満
員御礼。すでに岡村トークに慣れた観客がいて、僕が口を開くだけで笑いが取れる
というアットホームな雰囲気が醸し出されている。

上映終了後、さっそく来年のプログラムは何にしようかといううれしいご相談をい
ただく。シリーズ次回作の完成を具体化せねば。ちなみに橋本梧郎氏は齢94歳の移
民植物学者。この会場の難点は、スピーカーがホールの4隅にあるのだが、いずれ
も小型で、現場の同時録音がメインのドキュメンタリー作品には音響環境が厳しい
こと。

15年ぐらい前までは、世界最大の日本人移民受入国であるブラジルは日本以外で最
も日本語が話されている国、とされていた。今日では移民一世の漸減、30万人あま
りの日系人の祖国への出稼ぎなどにより、その座を日本人の駐在や留学の多いアメ
リカあたりに譲り渡したことだろう。

それでもブラジルで、日本語のドキュメンタリーで新たに人の集う場を作ってみる。
日本国民の血税によるお役所の文化事業や、はじめに金儲けありき、の商売ではな
い、そしてバーチャルではない本来の出会いを楽しみに。そんな一方通行の逆走じ
みた行為に、少しは加速がついてきたようだ。


■岡村 淳(おかむら・じゅん)
記録映像作家。在ブラジル。1958年、東京都生まれ。日本映像記録センターの番組
ディレクターを経て、ブラジルに移住。小型ビデオカメラを用いたひとり取材によ
る自主制作を専らとしている。
11月に日本で最新作『あもーる あもれいら』第1部を完成、各地での上映会を経
てサマークリスマスを迎えるブラジルに戻る。次回は2月末に訪日、ふたたび日本
各地での上映に臨む予定。上映会の詳細は「岡村淳のオフレコ日記」
( http://www.100nen.com.br/ja/okajun )をご参照ください。



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┃03┃□列島通信
┃ ┃■『デコチャリ野郎』について
┃ ┃■村上賢司
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皆さん、「デコチャリ」というものを知っていますか?東映映画『トラック野郎』
で菅原文太演じる桃次郎が乗るような、ド派手なペイントや電飾を施したトラック
を「デコトラ」と言うのですが、そんなトラックに憧れた少年達が自転車にそれを
模した自作の装飾を着けたもののことです。まあ、百聞は一見をしかずなのでこち
らのサイト( http://www.geocities.jp/tontontotekan/film01.html )にある
『デコチャリ野郎』の予告編を見てください。

ご存知の方もいるかと思いますが、実はこの作品は私が監督したもので、予告編の
あるサイトは編集を担当してくれた市瀬裕士くんという新進の映像作家のものです。
私がこんな作品を監督した訳は前回の連載で報告した『工場萌えな日々』と一緒で、
トルネードフィルムという制作会社の叶井俊太郎プロデューサーの企画が、なぜか
私のところに来たわけです。ただ『工場〜』と違うところは私がデコチャリに関す
る知識がまったくなかったということ。ということで早速、インターネットで調べ
てみました。何人かはホームページを作って活動している人がいて、「デコチャ
リ」という文化の輪郭みたいなものは掴めました。ただ実際に本物を見ないとこの
ネタがちゃんと作品になるかどうかは判断できないわけで、しかしスケジュール的
にも、また予算的にも制約があり、仕方なくぶっつけ本番で最初にアポイントが取
れた茨城県周辺に住むデコチャリ野郎達を撮影に行きました。

ただぶっつけ本番と言っても、事前に撮影方針みたいものは考えていました。前回
の『工場〜』で実践して成功したなと思っているスタンスなのですが、このような
マニアックな題材の作品を制作するとき、それに対して興味がない人を想定される
「視聴者」として、彼らが楽しめるために「分かりやすく」、時には脱線して「笑
える」、バラエティー番組的な作風にしがちですが、出来る限りその題材にのめり
込み、客観的視点を排除して作った方いいと考えます。そうすることで、マニアの
人が喜ぶだけでなく、そうでない人も興味深く観賞できると思うのです。理想を言
えば作品そのものが、テーマになっているそのもの(工場萌え、デコチャリ)に同化
することでしょうか(ただ『デコチャリ野郎』の場合は私の勉強不足のため当初は
かなりとんちんかんな取材をしてしまい、反省しています)。

実はデコチャリを題材にした作品は以前にもありました。取材中に見ることができ
たのですが、まさにバラエティー番組として作られていて、一般視聴者には楽しめ
るものの、まったくデコチャリに向き合ってないため、マニアにとっては不満が残
ると思われる作品でした。取材された当人に聞いたところ、デコチャリとは関係な
い家族などのプライベートなことも取材され公表されたことに、傷つき、ひどく後
悔していました。事前承諾はしていたらしいのですが、リテラシーが未熟な未成年
への取材は公表後の反響を考慮しながら慎重に行うべきだと肝に命じました。あと
「映像作り」で生活している人間として、取材に応じてくれた人に謝礼をまったく
払っていなかったことにも驚かせれました。半日ぐらいならまだしも取材されたデ
コチャリの持ち主は夏休みのほぼ1ヶ月、断続的ではあったにせよ、撮影され続け
ていたのです。このことは私たちの取材後、当人に謝礼を渡す際に「えっ!お金貰
えるんですか?」と驚かれて判明したことで、こちらとしては少額で申し訳ない気
持ちでいっぱいだったので、複雑な気持ちになりました。ドキュメンタリー制作時
の取材対象者への金銭の授受については別の機会に問題を投げ掛けようと思います
が、今はいろいろな意見を聞きたい気持ちですいっぱいです。作品そのものの話題
に触れないまま、この辺で終わりにしようと思います。先入観無しで作品に触れて
欲しい気持ちだと思ってください。

『デコチャリ野郎』は発売後、3ヶ月ほど経ちましたが、じわじわと反響が広がり
嬉しいことにいくつかの媒体で紹介されるようになりました。ただ雑誌などは発行
前に私がチェックできるチャンスがあるため安心しているのですが、テレビ番組で
はそんな時間を作ることはまず不可能なので、目立ちたがり屋なデコチャリ野郎達
が暴走してしまい、後で悲しい気持ちにならないか、少し心配しているのです。


■村上賢司(むらかみ・けんじ)
映画監督・ここ最近自分ことばかりでスミマセン。埼玉に住む男が発する戯言だと
思って許してください。ちなみに今回の文章は来年公開予定の長編作品の撮影の間、
携帯電話で書いています。変なテンションになっているかもしれませんが、もう修
正できません…。



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┃04┃□映画時評
┃ ┃■『無用』(ジャ・ジャンクー監督、2007年)
┃ ┃■萩野 亮
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第8回東京フィルメックスが閉幕してから半月ほどが経つ。見ることのできなかっ
た作品も多いが、今回もコンペ、招待作品ともにすばらしく充実した映画祭だった
ように思う。やや話題が時機を逸している感はあるものの、三本が上映されたジ
ャ・ジャンクーのフィルムのうち、『無用』について記しておきたい。

フィルムに付された「無用」というタイトルについて予備知識をもたない者は、そ
の語にともすれば皮肉な響きを前もって聞き取っているわけだが、何のことはなく、
馬可(マー・カー)という気鋭の服飾デザイナーが立ち上げたブランド・ネームが
「無用」であるばかりだ。けれども、このフィルムのタイトルが、そのブランド・
ネームから採られているという保証はいささかもなく、事実、『無用』は、そのデ
ザイナーに寄り添った第二部を語り終えると、「無用」をあっけなく画面からしめ
出してしまう。

第一部は広州の服飾工場、第二部は馬可のパリでのファッション・ショー、そして
第三部では唐突に、ジャ・ジャンクーがこれまでも何度も画面に認めてきた山西省
の村が舞台となる。その唐突さは、同じく今回上映された『東』(2006)において、
それまで奉節にいた画家がバンコックの川を船で横切りながら再び出現することの
唐突さによく似ている。
広州の服飾工場での労働が、ユー・リクウァイによる滑らかな水平の移動撮影によ
って示され、キャメラと対象とのはざまにある夾雑物によって画面がたびたび黒さ
をしるしながら、その黒からそのまま次のショットに移行する冒頭において、圧倒
的な滑らかさの印象を与えていただけに、その唐突な空間移動がわたしたちを動揺
させる。

『東』ではしかし、画家の主人公がなおも画面の中心に存在し続けることでフィル
ムの連続性が保たれていた。画家のキャンバスに収められた、河岸でポーズをとる
男の風景をキャメラによって再び切り取りながら、さらにそこからふいに移動を始
める男をとらえた秀逸なショットが告げているように、フレームの入れ子構造によ
る〈深さ〉の感覚が『東』にあったとすれば、『無用』の三部構成が感覚させるの
は、衣服をめぐる三つの場所の差異が投げ出される〈表面〉だ。

広州、パリ、汾陽で観察されるその明らかな差異または経済格差は、しかし単に並
列されているわけではない。都市と農村、さらにその外部の大都市という三つの場
所の緊張関係は、『世界』(2004)においても垣間見られるものだったが、世界公
園で働くチャオ・タオたちにとって、故郷である農村や、同僚が旅立つウランバー
トルは、あくまで内面化されたものに過ぎず、画面に表れることはなかった。おそ
らくこれまでの彼の劇映画と『無用』が決定的に異なるのは、映画の特権的な視点
を〈場所〉の外に置いた点にあると考えられる。このフィルムは単に気鋭のデザイ
ナーの仕事に密着するものではないし、これまでのようにその〈場所〉に生きる人
間の内面化された世界を描くものでもない。三つの場所が共存する〈表面〉におい
て、ひたすら中国社会の現在形が観察されるのだ。

画面の連続が、あらかじめタイトルにこだましていた皮肉な響きに追いついてゆく
かのように感じられるのはやはり第三部だ。馬可による「無用」では、いちど縫い
上げた服をいったん土に埋め、自然との関係のうちにデザインを完遂しようとする
プランがあったが、山西省の炭鉱労働者は、服を土に埋めるまでもなく、服を着た
身体ごと土へと入り、さらにはその土に汚れた服を脱ぎ捨てて、真裸にシャワーを
浴びるだろう。あるいは、あまりにジャ・ジャンクー的な鬱憤を抱えた若者たちに
とって、白いシャツは、振り回すことでその鬱憤を表に出す手近な道具でしかない
だろう。

土煙の舞う汾陽の裁縫屋では、あたかも『プラットホーム』の母親が息子に「都会
で流行っている」ラッパズボンを縫い上げていたように、ひとびとの衣服をひとび
とに合わせて紡いでいる。滑らかな横の移動に始まった『無用』は、ついにその滑
らかさを無用のものとして、いまや懐かしい足踏みミシンのステップをゆっくりと
踏み込む、つつましくもたしかな縦の運動を記録してエンドマークを迎える。

☆『無用』(2007年/中国/84分/HD/カラー)監督:ジャ・ジャンクー監督


■萩野 亮(はぎの・りょう)
1982年生まれ。和光大学表現学部卒。映画論。今回のフィルメックスで凄まじかっ
たのは何といっても万田邦敏監督の『接吻』。映画が享受しうる自由さを貫いた強
靭なフィルム、その自由さに泣きました。



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┃05┃□neoneo坐11月後半の上映プログラム
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会場はいずれも神田・小川町のスペースneo(都営新宿線小川町駅B5出口より徒歩1
分JR御茶ノ水駅聖橋口より徒歩5分)です。詳細と地図はneoneo坐のHPをご覧下さい。
  http://www.neoneoza.com/ 

■『月刊『もっちょむ』十二月集壕』〜あがた森魚月刊映画上映会〜

12月21日(金)
19:00〜『もっちょむうすけしぱあぷるへいず11月號』
上映後、トークあり
【料金】当日券…2,000円(『月刊映画11月號』DVD-R付)
【お問合せ】月刊ぱあぷる(倉科)Email: purple@agatamorio.com 


■『NEO Gallege BAR』

山崎幹夫「ムエン通信の動画宝庫より」
政見放送傑作選/某宗教のミュージカル公演/廃墟ロケハン映像」
12月20日(木)  20:00
【料金】1回参加… 2,000円(軽食付・アルコール類は別料金/1ドリンク300円)
【申込・お問い合せ】スペースneo E-mail: spaceneo@tcn-catv.ne.jp 
Fax:03-5281-5710



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┃06┃□広場
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■新・クチコミ200字評!(66)
■清水浩之(短篇調査団・新年1/16は鼠の巻! http://d.hatena.ne.jp/tancho/ )
オススメの作品を200字以内の短評で紹介してください!映画・ビデオ・テレビな
ど皆さんがノンフィクションだと思う作品だったらなんでも可!もちろん「オスス
メしない映画とその理由!」もOKです。
本文とは別に「あなたのお名前(ペンネーム可)/掲載確認のご連絡先(メールアド
レスor電話)/題名/制作年/監督/見た場所(よろしければあなたのプロフィール
や近況も)を付記してお送りください。ちなみにここでは稿料は出ません。
清水浩之 E-mail:shimizu4310@bridge.ocn.ne.jp /ファクス:03-3703-0839

B-250『中学生日記』
2005年/制作:ニューシネマワークショップ/監督:山下敦弘/漫画:Q.B.B.
DVD+BOOK;紀伊國屋書店より12月22日発売
渋谷アップリンクファクトリーにて1月12日〜18日上映
  http://blog.livedoor.jp/chugakuseinikki/ 
屁理屈をこねる、知ったかぶる、虚勢を張る、思い上がる、落ち込む、泣く…中学
時代は大人への入口であると同時に「人生で最もダサい季節」。誰にでもありそう
な失敗談の数々を、山下監督とワークショップ生16人が自らの体験から構成した抱
腹絶倒のスケッチ集は、世代を超えて身に覚えのある「恥のドキュメンタリー」と
言いたくなる世界。いくつになっても男子は学ラン、女子はセーラー服を着れば中
学生に見えるというのも不思議。(清水浩之)

B-251『いのちの食べかた』
2005年/オーストリア+ドイツ/監督・撮影:ニコラウス・ゲイハルター/
構成・編集:ウォルフガング・ヴィダーホーファー
渋谷シアター・イメージフォーラムほか各地で公開中
  http://www.espace-sarou.co.jp/inochi/ 
この邦題を付けた人に殊勲賞を!食糧生産の各現場を全編ノーコメントでストイッ
クに観察しつつメインディッシュ=お肉料理へ導く構成は周到ながら、絵ハガキの
ように美しい映像が90分続くのはやや単調…あらためてコンセプトを明確にした
“話の早い”邦題が「洗練されたヤコペッティ」として我々の興味を惹くのです。
食への覚悟にまで踏み込んだ松川八洲雄『不安な質問』(1979)、深作欣二『もの食
う人びと』(1997)の便乗公開も熱望!(清水浩之)

B-252『愛と生を撮る〜女性映画監督は今』
2007年/制作:パク+NHKエデュケーショナル/ディレクター:森信潤子
放映:2007年12月9日・NHK教育「ETV特集」
  http://www.nhk.or.jp/etv21c/ 
河瀬直美・西川美和・荻上直子…30代女性監督が第一線に躍り出た現状を紹介する
番組かと思いきや、中盤登場する“成人映画歴300本”浜野佐知監督の「意地で歩ん
だ映画人生」が他を圧倒!愛用するサングラスが年々濃くなっていったのは「涙を
見せないため」…なんてエピソードは出来過ぎの感さえありますが、似たような体
験は社会人なら思い当たるのでは?各監督の存在を認めつつ肯定はしない(!)案内
役・李鳳宇氏のスタンスも絶妙。(清水浩之)


    ◇────────────────────────◆◇◆     


■投稿
■ドキュメンタリー映『追悼/アレクサンドル・リトビネンコ』と
           『暗殺・リトビネンコ事件』  岡田 一男

今年初め、ヨーロッパでは、2006年秋、ロンドンで発生したロシア連邦保安庁
(FSB)元将校アレクサンドル・リトビネンコ暗殺事件に関するドキュメンタリー
が、相次いで公開され大きな注目を集めた。一つは11月23日、東京におけるリトビ
ネンコ追悼集会で初公開された、オランダ公共放送VPROによる『追悼/アレクサン
ドル・リトビネンコ』で監督はヨス・デ・プッター。 彼の『踊れ、グローズヌ
イ!』(2002年)は、全国で自主上映されているので、ご覧になった方もいられる
かと思う。この作品は2003年の第1回シカゴ国際ドキュメンタリー映画祭でグラン
プリを受賞しているが、今年のシカゴ映画祭は開会式に新作を上映してデ・プッ
ター監督をたたえた。もう一つの『暗殺・リトビネンコ事件』は、ロシアのアンド
レイ・ネクラーソフ監督による。彼は、1999年秋にモスクワをはじめロシア各地で
おこった連続集合住宅爆破事件を扱った前作『不信』(2003年)で一躍知られるこ
とになった鬼才である。この作品は、アメリカのサンダンス映画祭で初上映され、
2004年にカラチ国際ドキュメンタリー映画祭のグランプリ受賞でも知られる。新作
は、今春のカンヌ映画祭でサプライズ上映されて注目された。12月22日から東京渋
谷の映画館ユーロスペースで商業上映される。また、これをきっかけに『不信』の
自主上映の可能性も浮上した。『踊れ、グローズヌイ!』は、日本では、アムネス
ティ・インターナショナル日本が、2007年はじめに人権映画祭を催した際に、その
目玉として選ばれ、筆者らにより日本語字幕が付けられた。その際、第一候補だっ
たのは、『不信』で、残念ながら当時は、配給元との権利交渉がまとまらず第二候
補を選んだのだった。

ドキュメンタリー映像というものは、被写体、最近では、特にその発言を通じて、
作者自身の考えを展開するものであって、事実をただ羅列するものではない。従っ
て、この2作品は、作者たちの個性が、それぞれに異なった光輝きを与えている。今
回ご覧いただくヨス・デ・プッター作品は、端正に報道映像と関係者証言を交錯さ
せつつ構成していく。発言者の多くが、リトビネンコと親しき人びとであったこと
は、リトビネンコの葬儀のとき彼の棺桶の右側を担いだ4人の人びと全員、前から
異論派作家ブコフスキー、家族のスポークスマンを務めたゴリドファルブ、チェチ
ェン独立派指導者ザカーエフ、それに映像作家ネクラーソフが、この作品の中で、
印象深い証言を行っていることでもうかがい知れる。そして作品に暖かみを与えて
いるのが、リトビネンコの父、ワリテルの想い出と、細君マリーナの回想だ。また、
『暗殺・リトビネンコ事件』編集中に親友を語るネクラーソフ、ブレジネフ時代か
らソ連反体制運動に従事したブコフスキーの証言、リトビネンコ暗殺のおよそ一ヶ
月前に、モスクワの自宅の集合住宅内部で殺害された女性ジャーナリスト、アン
ナ・ポリトコフスカヤのインタビューは、作品を奥行き深いものにしている。

またこの作者のしたたかさは、『踊れ、グローズヌイ!』でも見られるのだが、話
を複雑にしかねない要素は、注意深く省いている。それは事実上のリトビネンコの
パトロンであり、棺桶の先頭左側を担いだ亡命オリガルヒ(政商)のベレゾフス
キーを作品に登場させていないことにも見られる。

一方、『暗殺・リトビネンコ事件』の作者、アンドレイ・ネクラーソフはナイーブ
な感性で、自分の思考と永年にわたって格闘しつつ、作品を作って行ったようだ。
この作品のテレビ放映用短縮版(英国BBC放送)は題して『我が友サーシャ(注:
アレクサンドルの愛称)』となっている。また、作品の原題は、『反乱/リトビネ
ンコ事件』となっていて、ネクラーソフがFSBというロシアの民衆を抑圧する機関
の中からでてきた内部告発者として主人公に注目してきたことを物語っている。と
りわけ筆者が注目するのは、ネクラーソフが、リトビネンコの天敵プーチンロシア
連邦大統領と同じレニングラード(現サンクト・ペテルブルク)出身であることだ。

プーチンの知られたくない過去が、『暗殺・リトビネンコ事件』の方には、たっぷ
り盛り込まれている。プーチンがKGB(ソ連国家保安委員会)とつながりを持った
のが、レニングラード大学学生時代であったこと、その時の恩師で、後にレニング
ラード市長となったペレストロイカ期の民主改革派指導者のひとりアナトリー・サ
プチャークのひきで、彼はレニングラード副市長となって、中央政界入りのチャン
スを掴むのだが、その裏で犯罪集団タンボフ・マフィアや、そのダミー企業と癒着
していたことをこの作品は、容赦なく暴いている。ソ連崩壊後の大混乱の中、食糧
危機にあたってサンクト・ペテルブルク市は、ドイツから膨大な食料輸入をするこ
とになるが、副市長とタンボフマフィアの息のかかった諸企業の介在する中、気の
遠くなるような高額の公金が闇に消えたというのだ。

リトビネンコは、東京での追悼会冒頭で上映したフリー・ジャーナリスト常岡浩介
のインタビュービデオで、レニングラード閥のKGB=FSBとタンボフ・マフィアの関
係を語り、サプチャークの謎の死についても触れている。この証言と『暗殺・リト
ビネンコ事件』の内容からすれば、消したい過去を知る恩師サプチャークが、大統
領選挙応援を名目に亡命先のフランスからおびき寄せられ、新大統領ともとりわけ
縁の深いドイツの旧領土カリーニングラードで、永久に口を封じられてしまったと
考えても何の不思議もない。

圧倒的な暴力の闇の世界を前にして、民衆が出来る最大の抵抗は、忘れないという
ことである。我々は、民主主義の理想に忠実であったアンナ・ポリトコフスカヤや
アレクサンドル・リトビネンコのことを、絶対に忘れない。その記憶がやがては、
新しい世界への希望につながっていく。二つの作品に共通するのは、その明日への
希望である。


■岡田  一男(おかだ・かずお)
1942年生まれの映像作家。1961年から66年まで、モスクワの全ソ国立映画大学(VGI
K)の劇映画監督科で学んだ。帰国後は、東京シネマ新社において科学映画製作に従
事し、現在はその代表を務める。また国際的な学術映像資料の収集運動であるエン
サイクロペディア・シネマトグラフィカ(本部:ドイツ、ゲッティンゲン)の日本
支部(財団法人下中記念財団EC日本アーカイブズ)立ち上げに参画して、現所長。

ソ連崩壊前後からは、シベリア、中央アジア、バルト諸国、コーカサスなど、ロシ
アを取り囲むユーラシア地域での不当に抑圧された市民や民族の権利回復の動きに
関心を寄せてきた。

追記:科学映像館というウェブサイトをご存知でしょうか?
 http://kagakueizo.org/ 
4月に立ち上げたNPO法人ですが 東京シネマとヨネ・プロの作品を中心に、既に
80作品をストリーミング配信しています。
 http://kagakueizo.org/movie/sonota.html 
 http://kagakueizo.org/movie/kagaku.html 
当初は 医学・生命科学系のものが中心でしたが、最近はジャンルを広げてきまし
た。また来年1月31日には、京橋の映画美学校第一試写室で、ハイビジョン・ネガ
テレシネであらたに作成した数本で上映会を行います。
 http://kagakueizo.org/about/02ibent.html 


    ◇────────────────────────◆◇◆     


■上映
■神戸映画資料館12月〜2008年1月 ドキュメンタリー上映予定

12月21日(金)・22日(土)・23日(日)・24日(月・祝)
小川紳介監督全作品上映・オープニング

山形国際ドキュメンタリー映画祭の生みの親であり、ドキュメンタリー映画作家と
して世界的に著名な小川紳介監督の全作品を順次上映する計画です。関西では上映
の機会に恵まれず地団駄踏んでいたファンのみなさんの要望に応えて大英断の上映
です。ご期待ください。

13:00 / 17:00
『ニッポン国古屋敷村』(1982/210分/16mm)
監督:小川紳介 撮影:田村正毅 現地録音:菊池信之
ベルリン映画祭国際批評家連盟賞(フォーラム部門)を受賞し国際的な評価を得た
作品。山形県上山市に定住した小川紳介とそのスタッフは、気候条件の悪い古屋敷
村の稲作りを凝視し、そこに住む人々の生き様やそれぞれの個人史を描く。

料金:一般(非会員):1500円
   会員一般:1200円 会員学生・シニア:1000円

*************************************************

1月12日(土)〜14日(月・祝)
『カメラになった男 写真家 中平卓馬』
(2003/91分/DV)監督:小原真史

1月12日(土)・13日(日)13:00 / 14:45 / 16:30 / 18:15
14日(月・祝) 13:00

1970年前後に、カリスマ的な写真表現の旗手として脚光を浴びた中平卓馬の現在を
追うドキュメンタリー映画。当時、中平は森山大道らと切磋琢磨し、その先鋭的な
写真と言葉によって、当時の若者らに大きな影響を与えていたが、1977年に病いに
倒れ、過去の記憶と言葉の大部分を失った。今回初監督の小原真史が、ビデオカメ
ラを片手に、中平の毎日に3年近く密着。

料金:一般(非会員):1400円
   会員一般:1200円 会員学生・シニア:1000円
*************************************************

1月18日(金)・19日(土)・20日(日)
まちの記憶EURムム・/font>震災前・震災後

阪神大震災から13年の月日が流れた。[私たちの震災の記録]では、神戸映画資料
館の「被災者が撮影した震災の映像」を、という呼びかけにより集まったビデオや
フィルムを上映させていただく。大地震という大きな災害に遭いながらも、カメラ
でそれを記録した被災者や支援に駆けつけた人々の残した映像を見た後、撮影した
人々とそれぞれの当時の状況や個人的な体験、思いなどを語り合いたい。

私たちの震災の記録]上映ビデオ募集
1月20日(日)2時〜 会場:アスタくにづか2番館106スペース(参加無料)

1995年の阪神大震災から13年の月日が流れました。少し落ち着きを取り戻しつつあ
るころ、ふと見回したまちのあまりの変貌に驚き、それをビデオカメラで記録した
人もおられるのではないでしょうか。そういう映像を持ち寄り、みんなで見て、震
災体験について語り合いたいと思います。

応募に際してのお問い合せ:神戸映画資料館:078-754-8039
Web: http://u-go.to/planet1     http://roo.to/planet1 


■「わが一押しのドキュメンタリー映画2007」アンケート大募集!

今年も残りわずかとなりました。そこで本誌では恒例の「わが一押しのドキュメン
タリー映画2007」アンケートを募集致します。皆さん、奮ってご応募ください。下
記3問のうち1問でも構いません。締め切りは2008年1月10日です。1月15日号に新年
特集として発表します。
(伏屋博雄、本誌編集長)

(1)「わが一押しのドキュメンタリー映画2007」
2007年にご覧になった作品のうち、これこそドキュメンタリー!と思う作品とその
理由。旧作でも構いません。(200字以内)

(2)「ドキュメンタリーの現状について」
「どう思うか、どうしたいか、どうなるといいと思うか?」を、制作・上映・批
評・宣伝・観客・映画祭…いろいろな角度からご意見を求めます。(200字以内)

(3)「私の2007年」
印象に残った出来事など、映画に限らず思いを新たにすることは?(200字以内)

各問いは200字以内(1問でも可)。氏名とお仕事を明記のうえ、2008年1月10日ま
でに送信ください。 送信先: visualtrax@jcom.home.ne.jp  伏屋まで。


    ◇────────────────────────◆◇◆     


■募集:「自作を語る」などの投稿歓迎!「自作を語る」欄は、監督自らが作品に
ついて語るコーナーです。制作した動機や撮影のポイント、編集で心がけたこと等
を内容に盛り込んで頂きたいと思っています。その他の投稿も歓迎します。「自作
を語る」は1600字程度。監督のプロフィール(150字)、作品の仕様(制作年度、
時間、ビデオ又はフィルム、スタッフ等)、上映スケジュール、HP等をお知らせく
ださい。原稿締め切り:配信日(1日&15日)の3日前までに、下記に送信ください。
E-mail: visualtrax@jcom.home.ne.jp  伏屋まで稿料:無料。


    ◇────────────────────────◆◇◆     


■上映の告知の有料化とカンパのお願い■伏屋  博雄(本誌編集長)

neoneoの購読は無料ですが、経費を(その大部分は稿料ですが)賄うため、上映等の
告知は有料にしています。なお皆様にカンパもお願いしていますので、ぜひご協力
ください。

(1)上映等の告知の有料化 40字×30行(行数の空きも計算)以内につき、2,000円
です。それ以上の行数の場合は加算します。

(2)カンパのお願い 一口2,000円。何口でも。送金方法:郵便振込み:

00160-8-666528 neoneoの会、又は、
みずほ銀行池袋支店、普通口座、2419782   (有)ネットワークフィルムズ
(銀行振込の場合は、その由を visualtrax@jcom.home.ne.jp 伏屋宛に
 お知らせください。)

以上、neoneoの継続ため、よろしくお願い致します。



┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃07┃■編集後記 伏屋 博雄(ふせや・ひろお)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●好評だった岡田秀則さんの連載が今回で終わった。フィルムセンターでの仕事を
さまざまな角度から検証した論考は、いつも映画の多様性を触発するものだったが、
今回の原稿の中で、映画の魔力にとりつかれるのは何故かを自ら問うた言葉に刺激
された。その岡田さんの言葉とは…

「映画には人間を打ちのめす力があるから、いつまでも信じていられるのだ。」
そう、映画を仕事として選択するのも、あるいは観客として劇場に足を運ぶのも、
やはりこの「「映画には人間を打ちのめす力があるから」に違いない。その魅力に
とりつかれた者は映画から離れられない。その経験を持つ者は映画と終生交わるこ
とになる。つまり、映画によって人は自らを解体する心地よさを味わうことにもな
る。これは、今やフィルムからデジタルキャメラの時代に移行し映画の風土が一変
した今日においても変わらない。そうした契機となった映画を人は持つ。

●今号は、次の方からも寄稿いただいた。サンパウロを基点にして活発に作品を発
表されている岡村淳さんからは自作のブラジル各地での反響について。長編を制作
中の村上賢司さんからは村上流の映画術を。気鋭の評論家、萩野亮さんからはジ
ャ・ジャンクーの新作『無用』の映評を。そして、neoneo創刊当時から連載する清
水浩之さんの「新・クチコミ200字評!」を掲載した。さらに嬉しいことに、科学
映画の重鎮、岡田一男さんから、ロシアの元将校アレクサンドル・リトビネンコ暗
殺事件に関する2本のドキュメンタリーを紹介する投稿があった。いずれも恰好な
読みものである。

●さて、今年も「わが一押しのドキュメンタリー2007」のアンケートを募集する時
期になった。読者にとって、今年の打ちのめされた映画は何だったのだろうか?
3問を提示していますが、1問のみの回答でも構いません。締切は1月10日ですが、
詳細は、「広場」欄をご覧のうえ、ご応募を心よりお待ちしています。このアン
ケートは、明日のドキュメンタリー映画を展望する一助になると確信しています。

●今年もご愛読のほど、ありがとうございました。来年もneoneoをよろしくお願い
します。正月は休刊しますが、1月15日号から再開します。では、よいお年をお迎
えください。



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■責任編集:伏屋 博雄
■編集デザイン:能川 悦子
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