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日刊「SOHOのツボ!」

SOHOの集まる事業協同組合が日刊で発行。様々なSOHOとしての立場からのリアルな体験談から、マネジメントの話まで、業界重鎮からの熱いコラムをお届けします。

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★日刊「SOHOのツボ!」2004.8.2/「メディア論」

2004/08/02

【関西の元気なSOHOが熱く語る!】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2004.08.02 Vol.177 ━━━━━
 ☆☆★★★
 ☆☆★☆☆ 日刊「SOHOのツボ!」
 ★★★☆☆              http://www.soho-union.com/soho/
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                                   配信部数 0936部

「続・SOHOによく効く書籍」(#003)
                           咲本@時計台ネット

【○】本日のお題 「メディア論」━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

こんにちは!咲本です。

今回はメディア論についてのオススメ書をご紹介させていただきます。

いつものことですが、アホでもわかるノウハウ本なんて、紹介しません。

ある意味、アホでもわかるノウハウというのは、言い換えますと、「考えなくて
も効果が出る」ということでもありまして、そんな本を求めようとするくらいな
ら、少しは頭を使って考え抜くことに時間を使っていただきたい、そういった意
思をお持ちの方に、このコラムがお役に立てばと思っています。

「アホでも」とか「サルでもわかる」ようなことで、業績を伸ばすことなんて、
絶対にできません。

さて、メディア論といえば、私の中でイコールとして結び付くのが、何といって
もマクルーハンの存在です。

確か20年以上前に、マクルーハンの『人間拡張の原理』(サイマル出版会、現在
絶版)を読んだことがあります。

当時、「メディアはメッセージである」や「メディアはマッサージである」とい
ったマクルーハンの発言の引用を数多く目にしました。

で、気になって読んでみたという次第です。

でも、その当時は、ピンとくるところがありませんでした。

単に上記の紋切り型のコピーだけが一人歩きしているだけなのかなあと思ってい
ました。

その後、いつの間にかマクルーハンの存在も、あまり注目されなくなりつつあっ
た中、2002年にマクルーハン最後の著作が翻訳出版されました。

本書が発行されましたのが1988年のことですので、15年もの歳月を経て翻訳され
たという、マクルーハン・ブームは昔に終わったとの趨勢を反映した結果となり
ました。

こういう出版社の動向には、非常に首をかしげてしまいます。


▽ マーシャル・マクルーハン、エリック・マクルーハン『メディアの法則』
(NTT出版)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757100663/

これを読んで、初めてマクルーハンがなぜ注目される研究者であったのか、やっ
と理解できるようになりました。

書名からしてメディアを分析した本のように見えますが、本書を少し読み始め出
した時点で、これはメディアという狭い枠組のことだけを題材にしているのでは
ないということに、すぐに気づかされます。

なぜなら、過去の哲学者についてのコメント、ゲシュタルト心理学や言語学者か
らの引用などが散りばめられています。

まるで、体系的で普遍的な思想を樹立させようとの拡がりと深みを持った論議が
展開されていきます。

そして、昔読んだ時にピンとこなかった点も、主に本書の後半で展開されること
になる「テトラッド」と名付けられた思考の枠組を提示されることによって、や
っと納得がいくものとなりました。

テトラッドとはどういうものかをご紹介する前に、彼が便宜的にメディアと呼ん
でいるものの範囲を明らかにさせていただきますと、「人間が手を加えた人工物」
全てということになります。

つまりは、「ハードウェア」たる「フォークやスプーンといった道具類や、鉄道
宇宙船、ラジオ、コンピュータといった装置・機械等々」、また、「ソフトウェ
ア」たる「科学上の理論や法則、哲学的な体系、医学における治療法や病気その
もの、絵画や詩や演劇や音楽における形式や様式等々」のように、たいへん幅広
く捉えられた上での理論展開になります。(p.10)

このような「人間がつくったありとあらゆる人工物に当てはまる」法則が「テト
ラッド」と名付けられて紹介されているのです。(p.135)

「テトラッド」とは、4つの質問による形式を指します。

その4つ組(テトラッド)とは、
1「その人工物が強化したり、可能にしたり、あるいは加速されるものは何か?」

2「ある状況のある側面が拡張され強化されると、それとともに、古い状態ある
いは強化されなかった状況は、それに取って代わられる。新しい「器官」によっ
て追いやられ、廃れてしまうものは何か?」

3「以前にあった作用と便宜で、新しい形式によって再現ないしは回復されて活
動を始めるものは何か? かつて廃れてしまった古い地で回復され新しい形式に
内在するものは何か?」

4「潜在力が限界まで押しやられたときに、もとの性質を反転させてしまう傾向
がある。反転する新しい形式の潜在力とは何か?」(p.136)

通常のメディア研究は、1と4の側面だけを表面的に取り上げているだけであり
4つの側面から観察していくことによって、今まで見えてこなかった側面にも、
気づくというわけです。

本書内には、多数のテトラッドで分析された結果が掲載されています。

その事例の中から「電話」を分析された結果をご紹介させていただきましょう。

上記4つの側面を番号順に引用させていただきますと、

1「対話」

2「プライヴァシー」

3「利用者への瞬時のアクセス」

4「送信者が送信される」

という結果となります。

この4つの導かれた結果には、それぞれに詩的表現が附属します。

例えば、2「プライヴァシー」の場合には、

「地球を覆うケーブル・アクセスによるプライヴァシーの喪失

     物理空間のあいだにあったかつての障壁
       あそこはここであり、ここはあそこである」(p.202)

との表現が加えられます。

すなわち、一枚の紙を縦横に1本ずつ線引きして四等分し、その一コマずつに、
主要キーワードと、それを補足する詩的表現が加わるという表現の仕方で、分析
対象を明らかにするという方法です。

で、私が思いましたのは、これは単なるメディア論に関心のある方だけが読まれ
たら良い本というわけではなく、コピーライティングを仕事として行われている
方には、大いに応用可能でしょうし、「ある意味においては」、自社の事業構想
をお考えになる際にも、かなり使えるツールとなるのではないかと思いました。

このことは、ホントは、内緒にしておきたかったです(笑)

ただ、哲学書をむさぼり読んだり、現代思想をかじったりしたことのない方にと
っては、読まれてもチンプンカンプンで、偏頭痛を起こしかねない内容であるか
と思いますのでご注意下さい(笑×2)

とはいえ、メディア論にご興味のある方は多いと思いますので、
ここで【緊急告知!!】
「WEB」というお題で「テトラッド」によって分析された結果を大募集します!

今から初めて本をお読みになる方も多いかと思いますので、分析結果をお送りい
ただくのは、1ヶ月後でも1年後でも、全く構いません。

いくつかの結果が集まりますと、面白いことになること間違いなしです。

お送りいただいた方には、全ての分析結果を総合した結果をご報告させていただ
くことをお約束させていただきます。

皆様からのご投稿をお待ち申し上げております。


【プロフィール】
咲本 勝巳(さきもと かつみ)
1965年京都生まれ。京都在住。eビジネス、組織論、創業、ベンチャー、経営戦
略、現代思想にとても高い関心を持つマーケティングのコンサル屋。

関西ベンチャー学会 理事 http://www.kansai-venture.org/

大阪市立大学・大学院創造都市研究科アントレプレナーシップ研究分野
「創業アドバイザー」 http://www.gscc.osaka-cu.ac.jp/

起業・マーケティング・eビジネスによく効くメルマガ「週刊☆ビジマ」発行人
http://www.mankai.biz/


【長〜い、あとがき】

7月30日に最終回を迎えました京都商工会議所での3回シリーズのWEB販促セミナー
は、無事終了いたしました。

参加費用が比較的高額だった(一般参加1回8,000円)にもかかわらず、多くの方に
ご参加いただき、この場をお借りしまして、感謝申し上げます。

今回のセミナーシリーズも、WEB販促を大きなお題としながらも、各講師の話す
内容は、「WEB以外」についての重要ポイントをたっぷりと提供する経営者向け
の内容とさせていただきました。

例えば、私の講演の中でも、ブランド・ポートフォリオとかを取り上げていたり
したくらいです。

そのお陰で、経営者中心にお集まりいただいた講演のアンケート結果からします
と、どうやら大成功だったようです。

8月の私の講演は、クローズドなものばかりですが、唯一、私が企画・司会進行
を行いますイベントを「関西ベンチャー学会」で開催します。

デジハリの杉山校長にあつく語っていただきます。
学会会員以外の方も、ご参加大歓迎です。

2004年8月 関西ベンチャー学会 例会

【日時】 2004年8月27日(金)18:30〜20:30 20:30〜懇親会
【場所】 大阪産業創造館 6F 会議室A、B
【テーマ】  『デジタルコンテンツ・ビジネスの現在と未来』
【プログラム】
18:30〜19:10  基調講演「IT教育ベンチャー企業の挑戦と今後の課題
    〜ワンソース・マルチユース時代におけるプロデューサー育成とは〜」
    杉山 知之氏(デジハリ学校長)
    (デジタルハリウッド大学院学長・主任教授 、工学博士)

19:10〜19:20  休憩

19:20〜20:30  パネルディスカッション 
テーマ 「デジタルコンテンツビジネスの現在と未来」
司会:咲本 勝巳 氏 (時計台ネット代表/本会理事)
パネリスト:
杉山 知之 氏
稲垣 耕作 氏(京都大学 情報学研究科 助教授/本会理事)
稲木 俊一 氏(?プロスパー総合経営代表取締役社長)
渡邊 一史 氏(?エフワン インタラクティブ コンテンツ 代表取締役社長)
野村 卓也 氏 (?スーパーステーション代表取締役社長)

20:30〜 16Fレストランで懇親会
http://www.kansai-venture.org/07_event/katsudo.html


ご意見・ご感想は→ mailto:sakimoto@tokeidai.net
私についてご興味のある方は硝子張り公開→ http://www.tokeidai.net/works/


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▽編集発行/関西ソーホー・デジタルコンテンツ事業協同組合
 「SOHOに良く利くツボ」を提供!
【執筆者】<隔週で変更になります>
 月曜日:咲本勝巳、村上肇
 水曜日:渡辺康一、折笠僚洋
【編集者】
   稲木俊一、村上肇、石井研二、咲本勝巳

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創刊日:2003-07-11  
最終発行日:  
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