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売れたま!特別編Vol.146 2012/02/06 年末年始特別号:ソフト資源特集 13

発行日:2/7

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
 〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.146 2012/02/06
購読者:26,831 (まぐまぐ:16,685 メルマ!:943 めろんぱん:9,203)

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 ■■■■__年末年始特別号:ソフト資源特集 13__■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●過去の経験は増やせる。自分の「経験を増やす方法」で、経験を何
 倍にも増やそう!


┃売れたま!は、実戦マーケティング戦略の副教材です。売れたま!
┃単独でもお役に立てますし、本と併用されれば効果倍増!

┃図解 実戦マーケティング戦略 → http://tinyurl.com/a6ul5

┃戦略を考えるコツは実戦ケースで → http://ow.ly/3kb9T



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◆年末年始特別号:ソフト資源特集
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●「新人OLシリーズ」のヒロイン・売多真子とメンター・売多勝

好例の「年末年始特別号」は、今年もまた「新人OL〜」シリーズの
ヒロイン「売多真子」(うれた・まこ)と、その親戚にしてメンター
「売多勝」(うれた・まさる)の2人にご登場いただきます!


○「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著

売多真子が、勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
マーケティングの最初の1冊としてオススメ。
http://ow.ly/89pSR


○「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著

上の本の続編。真子が社長になり、ライバルと戦っていく! 戦略構
築から実行プロセスまで、社長の視点を物語で体感!
http://ow.ly/6s63d 



●戦略BASiCSの「A」は「独自資源」(Asset)

経営戦略・マーケティング戦略で考えるべきポイントは5つです。そ
の5つは……

 Battlefield:戦場・競合
 Asset:独自資源
 Strength:強み
 i
 Customer:顧客
 Selling message:メッセージ

戦略BASiCSは、この5つの視点でマーケティング戦略を考える
経営・マーケティング戦略の統合フレームワークです。

2番目のAは、独自資源(Asset)で、それは技術・設備などの
「ハード資源」と、組織能力などの「ソフト資源」に分けられます。

年末年始は、その「ソフト資源」について考えを深めていく、「ソフ
ト資源特集!」です。



●背景

毎年恒例の売多家の年末。今年は、年末から某有名温泉の温泉旅館に
売多家の一族が大挙して集まることになった。

日頃は忙しい売多真子・売多勝も、売多家恒例のこのイベントには、
何とかスケジュールをやりくりして集まった。

2人が会うと、時と場所を選ばずこんな会話に……


今回はその13回目です。



(最近ご購読を開始された方へ)

この号は連載記事の続きです。1回目はこちらです↓

http://archive.mag2.com/0000111700/20111226140000000.html

このページから 次の記事 >> をクリックしていただくと、続きが
お読みいただけます。



●ソフト資源のSHOP

今シリーズのテーマは、BASiCSのA、独自資源。独自資源はハ
ード資源とソフト資源に大別できますが、ソフト資源がメインテーマ
です。ソフト資源は4つに大別でき、頭文字をとってSHOPです。


 1)Skill:スキル
   会社の知識、経験、ノウハウなど

 2)Human resources:人材・組織
   人材、組織、評価体系、採用・教育など

 3)Outside relations:外部との関係
   お客様からの信頼、取引先との契約、政府との関係、など

 4)Philosophy:理念・文化
   企業理念、哲学、企業文化、など


*resources のスペルが今まで間違っておりました。上記は訂正済み
 です。ご迷惑をおかけいたしました。ご指摘いただいたSさん、あ
 りがとうございました!



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◆前号の復習
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年末年始、某有名温泉の大型旅館に集結した売多家。売多勝と真子も
その中にいる。

元日の昼前、初詣に行くことにした売多勝と真子……が、初詣に出か
ける前に旅館のカフェで話し込む2人。

(この世界では、まだ2012年1月1日の午前中です)


勝 :じゃあ真子、いつも通り……

真子:うん、前号の復習だよね。前号は、「普遍化」について色々と
   考えてみたよね。

勝 :普遍化するにあたっての、2つのポイントは?

真子:んっとね……この2つ。

 1)個別事例を「抽象化」「構造化」する!
 2)「前提条件」を明確にする!


勝 :じゃあ1つ1つ説明して。

真子:まずは、当然「抽象化」すること。枝葉の部分はそぎ落として
   「要は何やったの?」って単純な言葉で考える。

勝 :そうだな。もう1つの「前提条件」は?

真子:その事例が「あてはまる場合」というのを明らかにしないと、
   「マネすべきではないこと」をマネしちゃう!

勝 :例えば?

真子:例えば、密着軸で差別化しようとしているのに、手軽軸の成功
   事例をマネしたら、失敗する!

勝 :OK。それで、普遍化のメリットは?

真子:他業種の成功事例から学べるようになる!

勝 :正確に言えば、他業種の「適切な成功事例」から学べるように
   なるってことだな。マネしちゃいけないものはマネしない。

真子:うん。マネすべきものをマネできるようになる。

勝 :ここまでの「ソフト資源」という観点では?

真子:他社の「S:スキル」を自分に取り入れられる! だから自社
   の「ソフト資源」が手っ取り早く強化できる!

勝 :そうだな。「手っ取り早く」ってことは無いが、近道にはなる

真子:あと思ったのは、自分の課題もわかりやすくなるな、って。

勝 :どういうことだ?

真子:ほら、ポーラの「マニュアル化して共有」するっていう施策は
   「共有できてない」っていう課題があったからやったんだよね

勝 :ああ、それか。

真子:うん。普遍化すると「これはうちの課題と同じかな?」って考
   えやすいから、自分の課題が浮き彫りににされるっていうか…

勝 :そうだな。逆に気づいてない課題に気づくこともあるだろうな

真子:あ……そうだよね。

勝 :だから、「前提条件」を洗い出すことは結構大事。ここは意外
   に盲点だけどな。

真子:世の中の成功事例本とかも、「こういう場合に限って有効」っ
   て但し書をつけてくれればいいのにぃ。

勝 :まあ色々な事情でムリだな。だから自分で考えて自分で選ぶし
   かない。

真子:はーい。



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◆「前提条件」を考えるコツの1つは「上位概念」
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真子:でも、「前提条件を明確にする」ってムズカシイですよね……

勝 :そうか?

真子:そうですよー。何かコツってないんですか?

勝 :1つのポイントは、「上位概念を考える」ってことかな。

真子:はいー? わっかりませーん!

勝 :例えば、さっきの「成功事例を考えるときには、差別化軸が同
   じかどうかをチェックする」っていうのがあったろ?

真子:ええ。

勝 :成功事例の「上位概念」が差別化戦略だろ? 逆に言えば、差
   別化戦略、っていう大きなハコの中に個々の事例が入ってる。

真子:ええっと……いろんな成功事例が、3つの差別化軸っていう、
   3つのハコの中に入ってる?

勝 :それでいい。それで「この成功事例はどこのハコに入ってるん
   だろう?」って考える。それが「上位概念」ってことな。

真子:あれ? 「3つの差別化軸」ってBASiCSでいう「強み」
   とかの話ですよね?

勝 :強みだけじゃないけど、それで?

真子:いえ、3つの差別化軸の上位概念もあるのかな、って……

勝 :そう! そういう意味で言えば、3つの差別化軸は、「強み」
   と「独自資源」の3つのパターンだから、その上位概念は?

真子:「強み」と「独自資源」だから……BASiCS!

勝 :そうだな。BASiCSの「強み」というハコの中に、3つの
   ハコ、つまり差別化軸があって、その中に……

真子:マトリョーシカみたいだ!

勝 :ちょっと待て、この話って少し前にしたぞ。 「真子、社長に
   なって会社を立て直す」シリーズでやったばっかだぞ。

真子:あれ? そういえば……


真子の手が、ノートのページを繰り戻していく。あるページで勝が叫
んだ。


勝 :それだそれ! 曼荼羅だ、曼荼羅。

http://archive.mag2.com/0000111700/20110919190000000.html


真子:そうだそうだ、BASiCSはいろんなフレームワークの入れ
   物だ、って話だ。

勝 :オマエ、忘れてたな?

真子:う……す、すみません……で、でも、勝さんだって忘れてたく
   せにぃ。でもそれが「前提条件」と関係あるの?

勝 :だから、上位概念に存在する他の要素が、「前提条件」になる
   ってことだよ。

真子:え?

勝 :「3つの差別化軸」だって、戦場にいる競合と比べて、だから
   な。差別化軸の「前提」として、「競合」が存在するだろ?

真子:えーっと……??

勝 :あーもう、じれったい! それ貸せ!


勝が真子のノートを取り上げ、図を書き始める。「あー、もっとキレ
イに書いてくださいよー」という真子に「うるせー、後で自分で書き
直せ」と言いながらノートに書き殴っていく。

 
 最上位概念: BASiCS
  ↑
 上の概念 : A:独自資源=ハード資源とソフト資源
  ↑
 上の概念 : ソフト資源のSHOP
  ↑
 ある概念 : S:スキル =知識、経験、ノウハウ


勝 :例えばこういう階層構造になってるだろ?

真子:ええっと……あ、はい、ここまでは。

勝 :だから、「どんなS:スキル」が必要か、っていうときは、1
   つ上の階層のSHOPの他の要素をチェックする。

真子:それが「前提条件」になるの?

勝 :「このS:スキルがあったら成功した!」って言う場合でも、
   それが可能な「H:人材」の存在を「前提」としてたら?

真子:ええっと……あ、そうか! そういうH:人材がいなかったら
   そのS:スキルが成立しないかもしれない!

勝 :そうそう、だから1つ上の上位概念に登って、そこでの他の要
   素をチェックしていく。

真子:ええっと……じゃあ、ソフト資源のSHOPを考えるときは、
   ハード資源を考えて……ってこと?

勝 :そう。ある「スキル」の存在は、ある「ITシステム」ってい
   うハード資源を「前提」としてるかもしれない。

真子:そっか……ITシステムの存在を「前提」としているスキルも
   ある、ってことだぁ……

勝 :そういうこと。そうやって1つ1つ上位概念へと登って行って
   チェックしていく。

真子:1つ1つ登って行って……結局BASiCSまで戻るじゃない
   ですか!

勝 :だからそう言ってる。BASiCSレベルでの「戦略」が同じ
   なら、成功事例をマネしても、そう悪いことは起きない。

真子:なるほどぉ。じゃあ自社のBASiCSがわからなかったら?

勝 :どの成功事例をマネしていいかがわからない、っていうことに
   なるな。

真子:じゃあ、いつもBASiCSを考えるってこと?

勝 :戦略という意味ではな。「こういう戦略で、こういう独自資源
   があって、こういうときに、成功した」っていうのを考える。

真子:えー……これ、結構大変ですよね……

勝 :だから、3つの差別化軸で代用してもいいってこと。差別化軸
   さえ外さなきゃ、そんなにメチャクチャにはならないだろ。

真子:だから差別化軸、って言ってたんだぁ。

勝 :そうだよ。

真子:ね、「前提条件」を探す方法って他にはないんですか?

勝 :あるけど、まずはこの「上位概念」が出来るようになってから
   だな。

真子:はーい。じゃあ、BASiCSを構成する曼荼羅を整理した方
   がいいですよね。誰かやってくれないかなあ……

勝 :あのなあ……この「ソフト資源特集」がそれだろうが。ソフト
   資源を徹底的に整理してるんだぞ?

真子:あ、そっか。

勝 :大体、オマエの宿題のためだろうが。広岡会長からの。

真子:え? あ、そうだそうだ。忘れてた、宿題よ、宿題。きゃはは

勝 :勘弁してくれよ……



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◆「経験」を増やす方法その1:他人の経験から学ぶ
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勝 :でさ、真子って今何歳?

真子:えー、20ウン才。花も恥じらうオ、ト、メ♪ もう、知って
   るくせにぃ。真子の誕生日、忘れちゃダメだぞ、っと。

勝 :経営者としては若いよな。悪く言えば経験が浅い。

真子:そんなのしょうがないじゃん。だって若いんだもーん♪

勝 :そう。しょうがない。ちなみにオレも言われる。「先生、若い
   ですよねぇ」って。

真子:えー、何が若いの? オヤジじゃーん! きゃははは。

勝 :オレもそう思ってたんだけど「若い」って言われるときの「比
   較対象の先生」は、60才とかのベテランコンサルの方、な。

真子:あー、なるほどぉ。競合が変われば、ってことかぁ。勝さんは
   私よりは年上だけど、ベテランの方と比べれば……

勝 :それそれ。そうなんだけど、でも「若いから経験が浅い」って
   言われたことは多分無い。

真子:え……確かに、勝さん、色んなこといっぱい知ってるよね……

勝 :もちろん、年配の方に比べれば、年数としての経験は少ないに
   決まってる。

真子:そりゃそうだよね。でも「経験」が無いとダメなの?

勝 :個人レベルで考えると、「経験」は貴重な「ソフト資源」だか
   らな。

真子:じゃあ、勝さんみたいなコンサルタントなんかだと「経験」が
   無いとダメじゃん。

勝 :そうなんだけど、「経験からの学び」はそんなに負けてないと
   思う。

真子:ど、どういうこと?

勝 :実はな、経験を増やす方法があるんだよ。

真子:え、そんなのカンタンじゃん。色々な経験を自分ですればいい
   んだよ。

勝 :そりゃそうだけど、経験の絶対量はみんな同じだから、それじ
   ゃ「独自資源」にならない。それにその方法だと時間がかかる

真子:え? 経験しないで経験を増やすの?

勝 :ああ。

真子:え、ええ?? どうやるんですか!?

勝 :まず1つは、「他人の経験」から学ぶ。他人の経験を自分の経
   験にする。

真子:あ、なるほど。自分自身で経験しなきゃいけない、ってことは
   ないってことかぁ。

勝 :そうしないと、オレが知らない業種業態のコンサルティングな
   んかできないことになる。

真子:そっか……勝さん、イタリアンレストランで働いたことないの
   に、うちの業界のこと、私よりわかってる……

勝 :正確に言えば、業界のことをわかってるんじゃなくて、「経営
   課題」をよりわかってるってこと。

真子:どういうことですか?

勝 :イタリアンとか飲食店の知識は全然無いよ。でも、経営上の課
   題は共通するから、真子の課題はわかる。

真子:そっかあ……どうするとそういうことができるようになるの?


真子が思ったままに素朴な疑問を口にする。


勝 :はあ?? 何で今その質問が出てくるよ? 今の今まで話して
   きたことは何だったんだよ……

真子:え? あれ? あ! そ、そうか! 「普遍化」だ! 普遍化
   すれば、他業種の経験を自分に活かせる!

勝 :それそれ。オレの場合は、他業種の知見を普遍化して、別の業
   種にあてはめられる。

真子:そうかあ……だからわかるんだぁ……。

勝 :そうじゃなきゃ、「新人OL〜」とかの本は、飲食店にしか使
   えないことになるだろ?

真子:ち、ちがうの?

勝 :当たり前だ。「開発」と「営業」の対立なんて、どの会社でも
   程度の差こそあれ、ほぼ必ず起きる。

真子:えっと……うちの店だと、開発がシェフの清川さんで、営業が
   望ちゃんってことだよね?

勝 :そうそう。そういう「対立」は、どんな会社でも起きる。業種
   が違うと「見え方」は違うけど「構造」は同じ。「構造」な。

真子:「構造」……あ、だから普遍化の1つめが抽象化、構造化、っ
   ってことかあ……

勝 :だから、自分の経験を増やす方法その1は、「他人の経験から
   学ぶ」ってことだな。

真子:はい!

勝 :だから、「若いから経験が浅い」なんていうのは、言い訳にな
   らないからな。もちろんオレも含めて、だけどさ。

真子:う……頑張って勉強します。ってことは、他業種を知ってる勝
   さんが私の独自資源ってことか……よろしくお願いします!


嬉しそうに言う真子に、勝は「う……そう来たか……」と苦虫を噛み
つぶしたような顔をした。その顔には「しまった」と書いてある。


勝 :そんなの知るか。普遍化のやり方は教えたんだから、自分でや
   れ。

真子:でも、他業種の経験を知るのは難しいじゃん。だからこれから
   もずっとお、ね、が、い、ね、勝さん♪


勝が珍しく黙り、視線をそらした。


真子:だから、真子が「経験」が浅かったら、その師たる勝さんの責
   任だよ、はーと♪


たたみかける真子に、勝が話題をそらすかのように平然と言い放つ。


勝 :いや、自分の経験を増やす方法はまだある。

真子:えー……勝さんが教えてくれればいいのにぃ……



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◆経験を増やす方法その2:抽象化・構造化の「切り口」
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勝 :過去の経験を数倍にできる方法がある。将来の経験じゃなくて
   「過去の経験」を、だぞ

真子:へ? ど、どうやって? 過去を変えられるの?

勝 :さっきやった、ポーラの施策を普遍化したアレ、もう1回見て
   みろ。


真子が「え? あ、アレね……」と言いながら、ノートの該当部分を
開いた。


    抽象化             ポーラの施策

 1)実際に試してみる       FCを営業所に派遣
     ↓
 2)成功した理由を考える     データを使った目標管理
     ↓
 3)みんなでやる         マニュアル化して共有


勝 :この「抽象化」のときに、どんな「切り口」を使った?

真子:え? 「切り口」って?

勝 :質問を変えると、この抽象化したものはどんな「構造」になっ
   てる?

真子:えっと……流れ? 時間の流れ、かな、あはは。

勝 :そう。

真子:え? そ、それでいいの?

勝 :このとき、真子は無意識に「時間軸」という「構造」を使って
   抽象化したな。

真子:「時間軸」?

勝 :ああ。「試す→考える→やる」、っていうのは、時系列的な
   「構造」であり「切り口」だよな。

真子:それはそうですけど……

勝 :で、なんで「時間軸」を切り口として使った?

真子:な、なんとなくですけど……

勝 :だよな? 「なんとなく」やっちゃうと、1通りで終わる。で
   も、「切り口」はそれだけじゃないだろ?

真子:え? 他にはどんなのがあるの?

勝 :だから今やってるSHOPとか。

真子:あ、そっか。「S:スキル」と「H:人材・組織」の施策だもん
   ね。

勝 :あと、例えば「売上5原則」*で切ってもいいぞ。

*売上を上げる5つの方法:
 客数: 1)新規顧客獲得 2)既存顧客の維持
 客単価:3)購買頻度向上 4)購買点数向上 5)商品単価向上


真子:え? そのことはポーラの記事に載ってませんでしたよね?

勝 :記事には、な。でも実際にやった人にはわかってるよな? そ
   れに推測もできる。この場合は売上5原則では何が上がった?

真子:多分「購買頻度」と「購買点数」じゃないかな?

勝 :なんで?

真子:CMとかを増やしてるわけじゃないから、新規獲得とかは増え
   ない。商品単価も値上げできないし……

勝 :そうそう、そう考えていけばいい。すると、この施策は、何の
   「学び」につながる?

真子:えっと……あ! そうか、購買頻度とか購買点数を増やすため
   の施策になる!

勝 :そうそう。同じ施策でも、「入れ物」を変えると、違うことが
   「学び」になる。

真子:「入れ物」って? こういう「切り口」のこと?

勝 :そう。正確に言えば「構造」だな。今回は「SHOP」ってい
   うソフト資源の「構造」に入れたが、それだけじゃなくて……

真子:「売上5原則」っていう入れ物に入れてもいいんだぁ……1つ
   の「経験」でも、色んな見方ができるんだねぇ……

勝 :あとは、「課題解決」って入れ物もあるな。「問題→原因→施
   策」っていう「切り口」は使いやすい。

真子:あ、そうか、このときに解決したかった課題は何か、ってこと
   か……それも「入れ物」なんだぁ。

勝 :切り口が変わると、切り口ごとに色々なことが学べるだろ?
   するとどうなる?

真子:するとどうなる? あ! 経験が増える!

勝 :そうそう。厳密に言えば、経験からの「学び」が増える。さっ
   き真子が使った「時間軸」だと「進め方」の学びだし……

真子:SHOPだと「ソフト資源」の学びで、売上5原則」だと、
  「売上の上げ方」の学びで……どんどん学びが増える!

勝 :そうなんだよ。最終的には、どれくらいに増やせると思う?

真子:えっと……入れ物の分だけ増えるよね?

勝 :その入れ物はいくつある?

真子:今出てきた分だけで、「時間軸」「SHOP」「売上5原則」
   「課題解決」ってあって……ね、これ、無限にあるよね?

勝 :そういうこと。こういう「入れ物」、つまり「構造の切り口」
   を持ってると、その分だけ「学び」が増える。

真子:そうか! だから同じ経験でも、学びが何倍にもなるんだ! 
   切り口を変えて色々見られる!

勝 :これが「同じ経験から学びを数倍に増やす魔法の方法」。

真子:わあ、ホントに「魔法」だあ……



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◆「普遍化」スキルを高めて、学習能力を高めよう!
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勝 :「学習能力の高さ」の1つの例がこれ。他人の経験を使ったり
   1つの経験から、色々なことを学習する。

真子:あ、前にやった「学習能力はおカネで買えない」ってヤツ!

勝 :お、よく覚えてたな。普遍化スキルが高いと、学習能力が高ま
   るんだよなあ。

真子:そういうスキルがカンタンに身につけばいいのになあ……

勝 :普遍化スキルが高まる「護石」とか「珠」があればいいんだけ
   どな。10個装着すると「普遍化スキル」が発動する。

真子:それなに?

勝 :いや、モンハンの話。ともかく、これは「普遍化」の方法って
   いうか方向も無限にあるってことだからな。

真子:あ! そうか! 普遍化って一方向だけじゃないんだ!

勝 :真子、普遍化の2つのポイントは何だった?

真子:うん、これだよーん。


今度は真子がノートをスムーズに開く。

 1)個別事例を「構造化」「抽象化」する!
 2)「前提条件」を明確にする!


勝 :「学習能力を高める」ポイントがこの2つ。今の「切り口」
   が、1)の構造化、抽象化の話。

真子:2)の前提条件の話も、「学習能力」なの?

勝 :そう。「学び」を得るときには、必ず「前提条件」を考える。
   最初の話に戻ると、「上位概念」を明確にしておく。

真子:うまくいったときでも、そのときの状況を記録に残しておくっ
   てこと?

勝 :そう。しかも細かく克明に。人間は忘れる生き物だから、全部
   書いておく。これこれこういった状況で……っていうのを。

真子:そうかあ……それが、そのときの成功の「前提条件」になって
   るかもしれないからだよね?

勝 :そのときに解決したかった課題とか、時代背景とか、とにかく
   書き残しておくといいな。

真子:そうしないと、自分の経験からも間違った学びをしちゃうって
   ことかあ……

勝 :それだよ! 「こうしたらうまくいった」じゃなくて「こうい
   うときにこうしたら」うまくいったって考えないとダメ。

真子:うーん……メモは取るようにしてたけど、そこまではしてなか
   ったなあ……望ちゃんにもそう言っておこうっと。

勝 :あ、望ちゃんならオレが店に行って教えてやるよ。じっくりと
   ていねいに、な。2人きりで。

真子:ふーんだ。ダメですー、ちゃんと私が望ちゃんに教えるから結
   構ですよーだ。それより真子にちゃんと教えてくださいよー。

勝 :ともかく「前提条件」まであっての「普遍化」だからな。場合
   分けをきちんとしておく。

真子:あれ? さっき、勝さん、「結局はBASiCSだ」って言っ
   てませんでしたっけ? なのに売上5原則とかって……?

勝 :いいポイントだ。「上位概念」は1通りじゃない。

真子:へー、そうなんだ! ピラミッドみたい、上に行くと小さくな
   る構造をイメージしてたけど、違うんだ!

勝 :むしろ逆。「戦略」という方向に登って行くと、この場合は
   SHOPを経由してBASiCSになるってだけ。

真子:「売上」の方向に登ると?

勝 :「売上5原則」だろ。「売上」の上位概念は「利益」になるこ
   とが多いだろうな。

真子:そうか、登る方向がたくさんあるんだ……

勝 :でもまあ、BASiCSにまで戻っておけば、大抵の場合は大
   丈夫だけどな。

真子:うん!

勝 :で、経験を常に「普遍化」できていれば、その経験はどこへ行
   っても使える。

真子:あ……だから勝さんは業種業態を選ばないんだ……

勝 :それもある。さらに「こういうときには、こうやって成功」っ
   ていうパターンが蓄積されると……どうなる?

真子:え? えっと……あ、成功するパターンがわかるんだ。

勝 :そうそう。将棋で言う「定跡」がわかるようになる。「セオリ
   ー」がわかるんだな。

真子:「定跡」って例えばどんなのがあるの?

勝 :だ、か、ら、3つの差別化軸なんて、BASiCSにとっては
   「定跡」なんだよ。こういうときにはこう、っていう。

真子:なるほどぉ。例外が出たら?

勝 :例外が余りに多ければ、「定跡」を書き直して改善すればいい

真子:そっか……そうやって進化していくんだ……でも、「こういう
   ときにはこう」っていう考え方って、マンネリにならない?

勝 :マンネリっていうか、当たり前のこと。「お客様が低価格を求
   めてる時には低価格で提供」っていうようなことだからな。

真子:そりゃそうですけど……

勝 :定跡を踏み外してもいいよ。わかってて踏み外すなら、それは
   「実験」だから、リスクを管理した上でどんどんやればいい。

真子:踏み外してるってわかってないと?

勝 :無謀な冒険。定跡を知らないと、戻りようがない。恐すぎる。

真子:きゃははは、なるほどぉ。

勝 :自分の会社の「ノウハウ」を増やしていくときも、同じだから
   な。「ノウハウ」は、「S:スキル」の一部だぞ。

真子:え……え!? この方法なら、うちのノウハウを無限に増やせ
   るじゃない!

勝 :だからそう言ってる。学習能力が高いと、トクだぞ。

真子:すごいなあ……ってことは、自分の経験が少なくても、たくさ
   んの経験ができる、ってことだよね? 変な表現だけど。

勝 :そうそう。オレ、今でも、過去の経験を振り返るよ。「あのと
   きはどうすれば良かったんだろうか」って。

真子:うわあ、未練がましい……

勝 :「振り返り」だっつってんの。その度にいい訓練になる。

真子:なるほどぉ……

勝 :さらに「普遍化スキル」が高まれば、日頃のちょっとしたこと
   も「経験」にできる。

真子:例えば?

勝 :例えば、日常のどんな一言で人が動くか、とか。マーケティン
   グも、普遍化すれば「人を動かす」ってことだからな。

真子:そっか、部下を動かすのも、お客様を動かすのも、「構造」と
   しては一緒ってことかぁ。

勝 :その意味では、人事もマーケティングも一緒。

真子:ってことは、難敵の勝さんを動かせれば、私のマーケティング
   スキルも高まるってこと?

勝 :そういうことにはなるが、オレを実験台にするのはやめろ。

真子:実験じゃないもーん。そうかあ、勝さんのココロが動かせれば
   いいんだあ……

勝 :オレじゃなくて、自分の部下とかでやれよ。

真子:それじゃ意味がないんだもーん♪ にゃふふふぅ……

勝 :うわ……何だその毒々しい笑顔は……ドス黒い想いが見えるぞ

真子:ドス黒くないもん。とってもピュアだもん。うふふぅ、がんば
   るぞー、覚悟しといてねー。


(次号に続きます!)



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◆今日のまとめ
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▼今日の日記▲

今日は、新人OLシリーズ(つまり売多真子シリーズ)の編集者さん
と久しぶりの打ち合わせ。話題は、自ずと電子出版のことへ。色々と
裏話もあり、出版業界がどうなるのか、どうすべきなのか、非常に興
味深いですね。

で、メインの話題は……マーケティング本としては異例の売上を誇る
売多真子シリーズの次回作。「そーれ・しちりあーの」の物語は、ド
リル→仕組み(新人OLでは、まかされる→立て直す)で、基本的に
は完結しているので「そーれ・しちりあーの」の続きにはなりようが
ありませんし、やる気もありません。

変な話、この「ソフト資源特集」に味付けをすれば、質・量ともに十
分1冊の本になりそうな気はしますが、それもやりたくありません。

でも、真子も勝も、まだまだ暴れ足りないでしょうし、このシリーズ
に出てくる真子を見ても、まだまだ成長の余地はありそうです。


となると、どうするか、というところですね。やり方としては色々あ
り、私もしばらく考えていたのですが、、物語の骨格(これを考える
のが一番大変)として、何とかできそうなものが1つ出てきました。

ということで……「私に余裕がある」という前提(極めて危うい前提
ではありますが)で、「続き」が出る「かも」しれません。

その前に書かないといけない本がありますので大分先のことにはな
りますが、あの「真子と勝がいる世界」にご共感いただける方は、も
うしばらくお待ちくださいね。それまでは、この「ソフト資源特集」
をお楽しみいただければと思います。



●今日のiPod Tune:冬のJ−POP 2011

もう2月!

外は寒いですが、ココロの中はあたたかく、冬のJ−POP特集とい
きましょう!

何となくではありますが、少し気温も上がってきたように想います。

ということで、今日の曲は……


○ひだまりの詩 by Le Couple


1997年の大ヒット曲。割と最近の曲ですね(80sに比べれば、
ですよ)。

そろそろ気温も上がり、まだ「ひだまり」というほどではありません
が、お日様にあたると暖かいですよね。

言行一致というか、本当に「ひだまり」のようなメロディでした。残
念ながら活動はもうしていないようですが、後世に伝えて行きたい曲
ですね。



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 佐藤義典著 朝日新聞出版

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●「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
 マーケティング入門:読みやすい小説
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●「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
 上の本の続編。主人公が社長になり、戦略構築から実行プロセスま
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●「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
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●「図解 実戦マーケティング戦略」 佐藤義典 著
 マーケティング戦略入門:戦略はここから
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●「マーケティング戦略実行チェック99」 佐藤義典 著
 マーケティング戦略実践:実行のためのチェックリスト
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●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」 佐藤義典著 毎コミ新書
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆次号予告:ソフト資源特集 14
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●次号は、「S:スキル」と「H:人材・組織」とさらに「ハード資
 源」との関係を考えていきましょう!


▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!

▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!

▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!

▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!


売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……

〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓

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