医学・薬学

ハナヤマ通信

『からだの異常はなぜ左に現れるのか』(廣済堂出版)でおなじみの花山水清が、医者も知らない重大疾患の前兆「アシンメトリ現象」や、その解消法「モルフォセラピー(R)」についての最新情報をわかりやすく解説。読むだけで病気の不安から開放。あなたの知識が家族の健康を

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ハナヤマ通信 379 ダ・ヴィンチ作品に見る「アシンメトリ現象」3

2018/05/02

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┃\/┃ 月刊「ハナヤマ通信」379号 2018年5月2日 http://www.hnym.jp ♪
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  このメールマガジンは、花山水清(はなやますいせい)の独自の医学理論
 をできるだけ多くの方にお伝えしようと、2003年5月から発行しております。

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        花山水清の「モルフォセラピー(R)」とは
       ─────────────────────

 <現代医学における形態学・発生学>を基礎として研究開発した、
 花山独自の理論による、全く新しい施術法です。

 関節の「ズレ」に起因する、さまざまな現象に対して、
 「1kg未満のソフトな力」でアプローチしていきます。

 実証主義に基づく施術法ですから、東洋医学でもサイキックでもありません。

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■ 目 次 ■
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 【1】テーマ『 ダ・ヴィンチ作品に見る「アシンメトリ現象」 』後編


 【2】花山水清 手技DVD『 おうちでできるモルフォセラピー 』発売中♪

 
 【3】編集後記



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 【1】ダ・ヴィンチ作品に見る「アシンメトリ現象」(後編)
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  ◆前々回からの当メールマガジンでは、レオナルド・ダ・ヴィンチの
   作品「サルバトール・ムンディ」の発見をきっかけに、美術の世界で
   表現された「アシンメトリ現象」を探ってみることにしました。
   今回もその続きになります。


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  20世紀初頭のドイツ医学界で、近代解剖学の祖はレオナルド・ダ・ヴィ
 ンチかヴェサリウスかという議論が起こったことがある。

 その結果は、はっきりとはわからない。

 多分、ガレノス以来の旧説を覆した功績で、ヴェサリウスが創始者だという
 ことになったのだろう。

 だが、近代解剖図を創り上げたのは、間違いなくダ・ヴィンチだ。


  確かに、ヴェサリウスが『 ファブリカ 』という解剖図の本を著した功績
 は大きい。

 しかし、『 ファブリカ 』の解剖図を実際に描いたのはティツィアーノの弟
 子であり、ヴェサリウス本人ではない。

 その点ダ・ヴィンチは、自らの手で解剖をおこなうのと同時に、解剖図も自
 分で描いている。

 それまでの解剖図といえば、図としての体裁すら整っていなかった。

 そんな解剖図を、歴史上初めて、図法として確立したのがダ・ヴィンチなの
 である。

 この業績において、かつて彼を超えた解剖学者はいないはずだ。


  また、彼の作図に対する意識の高さも、他に類を見ない。

 作図の本来の目的は、建築図面のように平面から立体を再現することにある。

 そのため、立体を意識していない図など、何の役にも立たない。

 それは解剖図においても同じことなのである。

 ダ・ヴィンチ以前の解剖図からは、立体という意識などほとんど感じられな
 い。

 現在のように、CGで立体が表現できるようになるまで、その傾向は変わっ
 ていなかったのだ。


  そもそも解剖というのは、死体を切り分けていく作業である。

 解剖の目的のなかに、切り分けたパーツを元の状態に戻す作業など、全く想
 定されていない。

 バラバラにして終わりなのだ。

 そのため作図においても、図として最も大切なはずの、立体を再現して見せ
 るという意識が薄い。

 これは、現在使用されている解剖図についても、同じことがいえる。


  例えば、少し前までかなり評判の良かったネッターの解剖図ですら、あれ
 は図ではなく単なる絵でしかない。

 その絵としてのレベルも、ダ・ヴィンチの足元にも及ばない。

 ネッターに限らずほとんどの解剖図は、脈管系など、どこがどうつながって
 いるのか不明で、不親切な路線図のようなのだ。


  その点、ダ・ヴィンチの解剖図は、500年も昔の技術でありながら、正
 面、側面、断面を描き分けて見せることで、見事に図としての機能を果たし
 ている。

 透視図法などの遠近法に留まらず、短縮法まで駆使して、より緻密に立体を
 再現しようと試みているのだ。


  また、彼の解剖図(『 解剖手稿 』)の一部には、8角星形(※1)が描
 きこまれている。

 8角星形は、体を45度ずつ8回転させることで、360度の立体を表現す
 ることを意味しているそうだ。

 図によってはもっと細分化して、22.5度ずつ回転させて描いたものまで
 あった。

 これらの表現は、解剖図だけでなく前回紹介した「モナ・リザ」、「サルバ
 トール・ムンディ」、「イザベラ・デステの肖像」、「白貂を抱く貴婦人」、
 「美しき姫君」の連作と同じ手法だ。

 そのため、ダ・ヴィンチの作品は、平面であっても立体以上に対象を正確に
 捉えているのである。

 そしてこれが、彫刻より絵画のほうが立体を表現する上で優れている、と彼
 が力説する根拠でもある。(※2)

 だからこそ、ダ・ヴィンチの作品に登場する「アシンメトリ現象」は、正確
 な資料になるといえるのだ。


  さらにおもしろいのは、「チェーザレ・ボルジアの肖像」(※3)にも、
 はっきりとした「アシンメトリ現象」が読み取れることである。

 左目は小さく、左頬がこけ、鼻は左に傾き、左口角が上がり、そして、左肩
 も上がっている。

 まさに「アシンメトリ現象」の見本のような姿なのである。

 この「チェーザレ・ボルジアの肖像」はスケッチ(素描)なので、対象を正
 確に写し取った段階で、まだ修正は加えられていない。

 ダ・ヴィンチが目にしたそのままの姿だと考えてよい。

 そこに、これほどはっきりと「アシンメトリ現象」の特徴が現れていること
 は、歴史的な資料としても価値がある。

 だが、彼の体をこれほど左右非対称な形にしたのは、一体何だったのだろう。


  この時代は、マキャヴェッリの『 君主論 』にも書かれているように、権
 力闘争の真っ只中であった。

 毒薬による暗殺なども頻繁におこなわれていたようだ。

 『 ボルジア家の毒薬 』という映画があるほどだから、チェーザレ・ボルジ
 アが毒薬と無縁だったとは考えにくい。

 ボルジア家の毒薬は、チョウセンアサガオを使ったアルカロイドだったとい
 う説もある。


  当時は、1453年にコンスタンティノープルがオスマントルコの手に落
 ちた結果、先端のアラビア医学がヨーロッパに流れ込むことで、薬の開発が
 盛んになった時代でもある。

 また、大航海時代の幕開けによって、ヨーロッパ中に梅毒が広がり始めたた
 め、薬としての水銀の使用も増えていた。

 あのイザベラ・デステが、歯のホワイトニングのために水銀を調合した薬を
 使っていた、という記述まである。

 裕福な貴族ほど、そういったさまざまな薬を服用していたはずだ。

 その影響で、彼らの体に「アシンメトリ現象」が増えていたのかもしれない。

 絵画を通してであっても、ダ・ヴィンチほどの天才の作品であるがゆえに、
 そういった史実を読み取ることもできるのだ。


  さて、今回は「アシンメトリ現象」の歴史をたどる目的で、たまたまダ・
 ヴィンチの作品を調べてみたわけだが、どうやら彼自身も、「アシンメトリ
 現象」の存在を意識していたようだ。

 逆に、彼ほどの人物が、この現象に気づかないわけがない。

 ダ・ヴィンチは、画家として有名な割に、実際の作品数は少ない。

 その数少ない作品のなかに、これほどの「アシンメトリ現象」を発見できる
 のは、決して偶然ではないだろう

 ダ・ヴィンチが人体を実測することによって完成させた、あの「ウィトル
 ウィウス的人体」(※4)にしても、不思議なことに、そこに描かれている
 人体は左右対称ではない。

 理想の人体比率を表現しようとしたのだから、この絵だけは左右対称でなけ
 ればならないはずだ。

 それなのに、明らかにアシンメトリになっている。

 私はここにも、ダ・ヴィンチからのメッセージを感じる。

 ダ・ヴィンチの研究者たちは、なぜこのことに疑問も関心も持たないのだろ
 うか。


  他にも興味深いのは、彼の代表作ともいわれる「最後の晩餐」(※5)
 である。

 この作品は、イエス・キリストが使徒とともに食卓を囲んでいる絵であり、
 一点透視図法で描かれていることでも有名だ。

 その画面の中心である消失点が、なんとイエスの左目に置かれているのであ
 る。

 しかもその左目が、右目よりも小さく描かれている。

 ここまで執拗に、「アシンメトリ現象」を作品に埋め込むことで、彼は何を
 訴えようとしていたのだろうか。


  私は以前、「アシンメトリ現象」は死へのメタモルフォーゼである、と本
 にも書いた。

 ダ・ヴィンチもまた、人体に規則的な左右差があること、そしてこの現象が
 死を内包していることを感じとっていたのではないか。

 もし、私が『 ダ・ヴィンチ・コード 』のようなミステリーを書くとしたら、
 ダ・ヴィンチが、「最後の晩餐」でイエスの左目に消失点を置いたのは、イ
 エスの死を予言した構図なのだ、と結論づけることだろう。
                             (花山 水清)


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  *ダ・ヴィンチ(レオナルド・ダ・ヴィンチ 1452年-1519年)

   ダ・ヴィンチの故郷イタリアでは、歴史上の偉人は通常、ファースト・
   ネームで表記するそうですが、今回は「ダ・ヴィンチ」と表記しました。

  * ガレノス(129年頃 - 200年頃)

  * ヴェサリウス(=アンドレアス・ヴェサリウス、1514年-1564年)

  *『ボルジア家の毒薬』(1953年 仏伊合作映画)


  ※1「8角星形」(=八芒星)      https://tinyurl.com/y96zs88m

  ※2「絵画は触わることのできぬものを触われるように、平らなものを浮
     き上がっているように、近いものを遠いように思わせること、奇跡
     さながらである」
               〜『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』より

  ※3「チェーザレ・ボルジアの肖像」   https://tinyurl.com/yacaga54

  ※4「ウィトルウィウス的人体図」    https://tinyurl.com/ya62k8nz

  ※5「最後の晩餐」          https://tinyurl.com/ydgpdguz



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 【3】編集後記
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 ●ハリウッド・スターと「アシンメトリ現象」

  アカデミー賞の特殊メイク部門で日本人初の受賞者となった方が、「俳優
 さんたちの顔が左右非対称になってくるのは、彼らが苦労しているからだ」
 というようなことを話していたそうです。苦労とはいわないまでも、睡眠不
 足だとてきめんに「アシンメトリ現象」が悪化しますからね。(ハナヤマ)



     ★次回「ハナヤマ通信」は6月6日(水)午前10時配信予定です★
  
 

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