自然観察

北都留森林組合メールマガジン

山梨県にある北都留森林組合が発行するメールマガジンです。
山仕事の現場から山や森の話を発信していきたいと考えてます。また、森林・林業体験教室を開催し、たくさんの方々に森や山の自然について考えて頂く機会をつくっていきますのでよろしくお願いします。

全て表示する >

北都留森林組合メールマガジン VOL.023

2003/12/27

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

            北都留森林組合メールマガジン
 
               ―VOL.023―
 
              平成15年12月27日

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆△◆

皆さん、こんにちは。北都留森林組合です。

先日、山梨県北都留郡小菅村にて第一回全国源流フォーラムが開催されました。
小菅村は、東京都へ流れる多摩川の源流の村です。
多摩川は、ご説明するまでもなくあの「たまちゃん」が発見された有名な川です。
この多摩川流域に生活したり、利用したりとなんらかの関わりを持っている人は
年間1700万人にも及ぶそうです。これは、東京ディズニーランドを訪れる人
年間1730万人に匹敵する多さです。
その多摩川の源流の村である小菅村で行われました第一回全国源流フォーラムに
つきましてご紹介させて頂きます。

1.日    時:平成15年12月13日(土)〜14日(日)
2.場    所:小菅村公民館
3.主    催:小菅村・全国源流ネットワーク
4.内    容:

12月13日(土)13:00〜17:00
テーマ「源流の役割や価値と可能性の探求」
講師意見発表
高橋 裕(東京大学名誉教授)
内山 節(自然哲学者)
惠小百合(荒川流域ネットワーク代表)
海野脩司(国土交通省京浜河川事務所長)
 
12月14日(日)9:00〜11:30
テーマ「源流と上下流域連携・交流」
島根県 江の川流域会議   事務局長 小田博之
岡山県 国土交通省岡山河川工事事務所 武原和夫
奈良県 (財)吉野川紀ノ川源流物語  坂口泰一
川崎市 川崎水辺の学校        鈴木真智子


5.要    点:

佐藤寿延(環境省自然環境計画課課長補佐) 
「平成15年1月に施行された「自然再生推進法」の適用を受け小菅村の自然再生事
業を展開することになった。今後の小菅村の展開が楽しみである。」

高橋裕(東大名誉教授)
「30年前に都市化現象が起き、たくさんの問題が発生した。都市重視、農山漁村
軽視の流れができた。
 20年前ごろからダム問題が浮上した。農山村の問題を保証金で全て解決しよう
とした。
 人口が減ると有権者が減る→政治に反映されなくなるといった悪循環で国の政策
から村は見捨てられていった。
船が交通網だった時代には流域が大事で一体感が自然とあったが、鉄道が発達する
とその流域関係が薄れていった。
 これからは、改めてこの流域管理を考えていく必要がある。」

内山節(うちやまたかし)自然哲学者
「群馬県上野村に年の半分は住んでいる。哲学の始まりは、アリストテレスによる
と「人はどこから生まれてどこへいこうとしているのか」の答えを見つけたいとい
う願望であった。全てのものの大本を知ることが今こそ求められている。
 昔は、農山村的暮らしやすばらしさをみんなが知っていた。しかし、今は違い、
都会では社会の忙しさに埋もれ、流されている。今こそそうした病んだ人類の記憶
の中の継承すべき記憶を再生する場所が必要で、それが源流の役割である。源流地
域は、だから守っていかなければならない。」

海野脩司(国土交通省京浜河川事務所長)
「多摩川には1700万人/年の利用者・生活者がいる。これはディズニーランド
の1730万人/年に匹敵する。それだけ、重要な必要とされている河川である。
現在は、多摩川水系河川整備計画にそって整備をすすめている。」

惠小百合(NPO荒川流域ネットワーク代表)
「荒川は全長192kmある。活動は主に 1)清流を蘇らそう 2)あなたの家
も水源地 3)絶滅危惧種ミズガキ(川で遊ぶ子ども)を復活させよう    4)木遣い運動(木材消費拡大)など。」

・源流とは?
(内山)
「山村的暮らしのある場所」「ヤマメやイワナの住む場所」
(高橋)
「下流に影響をあたえる地域与える地域」
(惠)
「雲が湧く場所が源流」「はじめの一滴がある場所」

・山村(源流)の可能性?
(内山)
「山村へ都会人は何かを学びに来ている。上野村では、ヤマメの産卵見学、干し柿
づくり、動物の足跡探しなどばかばかしいと思われる企画に人が集まる。自然との
付き合い方を知らない下流域の人に村人が直接教えることが魅力となる。」
「これからの山村は居住人口より交流人口が大切である。」
「なぜ楽しいかというと物語性があるからである。」
「源流は都会の薬。継続して投与することが大切である。」
「山村は歴史を変えていく可能性を持っている。どのような物語を自分たちで書い
ていくかよく考えること。」
「合併問題が目前に迫ってきているが、住民自治(自分たちで村の仕事を行ってい
く)もひとつの方法。フランスの田舎などでは、既にNPOや年寄りが積極的に役
場の仕事を分担して自治を行っており、日本でも可能である。」

・全国の源流事例発表
(島根県:小田)
「2000人の村。江の川は島根県で一番大きな川。1991年に江の川文化圏会議を
設立(36市町村、県、行政も加わる)。しかし、ほとんどが過疎の町で活動資金
がない。そこで広島市(源流の一部が広島市であるが川は日本海へ流れている)へ
働きかけて連携をとろうとしている。その他、村おこしでは、タタラ製鉄跡が発見
されており、人と川の付き合いをとことん調べたものを売りにしていくことを考え
ている。」
(岡山県:竹原)
「全長140kmの旭川を中心とした流域交流。ネットワークの大切さと継続する
活動をポイントに展開している。川に関心を持つ仲間を増やす努力を8ヶ月続くイ
ベントを毎年開催しながら続けている。」
(奈良県:坂口)
「吉野川を中心に展開。500年の歴史を持つ吉野杉の村。吉野川源流物語という
施設を作り、子供たちを中心に源流体験を展開している。また、基金を集め小学校
の副読本を出版して21000冊の源流の本を配布している。」

・その他
(奈良県:坂口)
「学校の先生は自分が自信がないと自然体験など指導できない。サポートが必要で
ある。」
(内山)
「群馬県では100年計画を立て、子供たちや孫たちへ何を残すのか?を考えなが
ら進めていくこととなる。川については、三面コンクリを自然河川へお金を掛けて
戻す計画を立てている。3世代かけて知恵をお金をかけて100年かけて自然河川
へ戻すことを誓った。」
「上野村では、世界の中心が自分の住んでいる村であると信じ誇りを持って生活し
ている。これは非常に大切なことで、全国にたくさんこのような村が出現すること
を願いたい。」

(高橋)
「日本国民が自然を忘れてしまった。復元させる、取り戻すことが今、求められて
いる。自然との付き合い方を今一度、見直すことが必要である。」

6.所見:
小菅村が何を考え、何で生きていこうとしているかをメルマガの購読者の方々に、
ぜひ知って頂きたいとの思いで紹介させて頂きました。
今回、小菅村で第一回全国源流フォーラムが開催されましたが、まだ点を繋げた全
国であり、まだまだこれからであると思われました。
しかし、参加したそれぞれの源流が持つ問題点(過疎少子化、生活基盤産業の崩
壊、地方交付金削減による財源減少、合併問題等々)は同じであり、解決策も模
索状態であることには変わりがないようであります。
あえて、キーワードを上げるとするとそれは「流域」であり、下流と上流の流域交
流を活性化することによりさまざまな問題を解決していくことがヒントとしてそれ
ぞれ認識されました。小菅村に関していえば人口1000万人という東京を相手に
多摩川源流の村としてどう展開していくかが今後の生きる道であると考えます。
グリーンツーリズムや自然体験(林業体験も含まれる)、スローフードによる雑穀
文化の見直しなど「自然」や「環境」にこだわりながら、内山氏のいう「居住人口
ではなく交流人口を増やしていくこと」が村の活性化の糸口となると思われます。
現状では、小菅村は他の市町村との合併が難しい状態であり、今後、単村で生きる
道を見出すのであれば内山氏がいう村民自身が自分たちで村の仕事を手分けしなが
ら生活していく「住民自治の可能性」を本気で検討していくべきであると思いまし
た。

以上

■ひとこと
最後までお読み頂き誠に有難うございました。年内これが最後のメルマガとなりま
す。発行が不定期となり、申し訳ございません。
これからも、北都留森林組合ならではの情報を発信していきたいと思います。
来年もどうぞよろしくお願い致します。

■ご意見をお待ちしております
───────────────────────────────────
当メールマガジンでは、皆様のご意見・ご感想をお待ちしております。
宛先は kitaturu@pluto.plala.or.jp  までお願いいたします。

■メールマガジンの転送について
───────────────────────────────────
このメールマガジンの転送はご自由にどうぞ。お知り合いの方へぜひとも
ご紹介ください!多くの方に読んでいただきたいと思います。

--------------------------------------------
〒409-0112
北都留郡上野原町上野原5273−2
北都留森林組合
【TEL】0554-62-3330
【FAX】0554-62-3474
【e-mail】kitaturu@pluto.plala.or.jp
  【HP】http://kitaturu.hp.infoseek.co.jp
--------------------------------------------

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2003-04-30  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: 70 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。