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イタリア猫の小言と夢 第43号

発行日:12/27

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La Gatta Italiana: Rimproveri & Sogni

イタリア猫の小言と夢    N.43                 2004/12/27
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エッセイふうイタリア読本、イタリア案内のマガジンです。
“胸のすっとするようなことは大いに持ち上げ、不可解さにはしつこく
迫り、甘口・辛口で描くイタリアの日々……”

◇◇◇ sommario 第43号目次 
1. 連載『いま、話題!』 (32)  通勤はベルガモからロンドンへ
2. コラム『今日の掘り出しもの』 第30話 ナターレのパンドーロ
3.  コラム『イタリア語(迷)辞典』 “Cenone”
4. 連載『イタリア猫日記』 (37)
5. あとがき

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━< 連載 >━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
CRONACHE             『いま、話題!』(32)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

通勤はベルガモからロンドンへ

ヨーロッパも狭くなりつつある。やろうと思えば、わが街フィレンツェ
からフランクフルトへ、日帰りの出張も全然問題はない。
イギリス人の消防署員のフィリップスさんは、月曜の朝、北イタリアの
ベルガモ発の便でロンドンへ向かい、5日間の仕事のあと、ウィークエ
ンドはベルガモで過ごしていると、ある日の新聞に取り上げられていた。
もちろん、まだ多くはないが、ヨーロッパ間ではこれから増えていくラ
イフスタイルかもしれない。
40代で独身のフィリップスさんはベルガモの旧市街ベルガモ・アルト
の魅力にハマったらしい。通勤時間は1時間半の飛行だし、通勤費用は
毎回40ユーロ(6000円以下)だというから、パッションに突き動か
されてのこの選択、酔狂ともいえないだろう。
ベルガモでアパートを借りている彼は、その契約がそろそろ切れるので、
ベルガモの暖かい雰囲気を愛して、むしろロンドンの全てを処分してベ
ルガモにアパートを買い、ロンドンへは仕事しに戻るだけという生活も
考えているとのことだ。

そういえば、イタリアを舞台に小説を書く外国人の作家はいつの時代に
もいたが、その小説で文学賞を獲得する作家も出てきた。
その話題は来年の号で触れるとして、文化はよそ者が継承するとよくい
われるように、こうして自然に起こる潮流なら、ポジティブに機能して
行くに違いない。
「ヨーロッパ」も、果たして、どこまで平和に広がっていくのだろうか。

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SCOVATO OGGI〜     ★今日の掘り出しもの★ 
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第30話

ナターレ(クリスマス)のパンドーロ

今年も、ナターレから新年にかけて、お菓子屋やバール、スーパーなど
で飛ぶように売れたパン菓子は、パネットーネのほかにパンドーロがあ
る。
パネットーネはミラノの菓子職人が現在のような形にしたが、パンドー
ロは、北イタリアでも東よりのヴェローナが発祥といわれている。
この二つのドルチェ、同じようにフワフワとした食感は天然酵母で何度
も醗酵させ、バターと砂糖をたっぷり使って作られるが、違いは、パン
ドーロはパネットーネよりも細長く、八角形の星型をしていること。
だから、パンドーロの食べ方も違い、横に切って星型の一切れに粉砂糖
をうっすらと振りかける。見たところが雪のようで、妙にナターレ気分
が盛り上がるのだ。
パンドーロは、ブラジルなどの海外で菓子職人の経験を積んだルッジェ
ーロ・バウリが、第2次大戦前にイタリアに戻り、ヴェローナでクリス
マスの伝統的なドルチェだった五角形の星型のナダリンを、現在のよう
なパンドーロにしたといわれている。
名前の由来は諸説あり、ヴェネツィアの貴族が食べていた24金の金箔
で被われた円錐形のドルチェ”パン・デ・オーロ(金のパンの意味)“と
いう説や、オーストリア発祥のドルチェで、バターと卵で黄金色の”パ
ーリ・デ・オーロ(金のようなの意味)“から来るという説がいかにも、
と思わせる。

パネットーネ、パンドーロとも、いわゆるお菓子の見かけではないので
パン菓子と書いたが、天然の材料だけを厳選して職人的に作られたもの
の美味しさは、やはりドルチェ(菓子)というべきで、工業産のパンに近
い食感とは比較にもならない。ただ、それだけ栄養分もカロリーも高く、
ペロッと何切れも食べられるので、生活習慣病からみれば爆弾みたいな
ドルチェと思っていたほうがいい。

---------------------------------------------------------------
★PAROLE,PAROLE  イタリア語(迷)辞典☆
---------------------------------------------------------------

Cenone チェノーネ

種類:名詞

大晦日のカウントダウンまで、長々と続く盛大な晩餐のこと。夕食を意
味するcenaチェーナが大きくなった言葉。
リストランテでも家庭でも、家族や友人たちといっしょに4時間くらい
かけてご馳走を食べるこの習慣も、また食の爆弾で、年が明ければ、い
かに体重を落とすかが必ず話題になる。
数年前のローマの大晦日。取材・撮影が終わったTVクルーは翌日の元
旦の便で帰日することになったが、困ったのは大晦日の夕食だった。普
通のメニューで営業するリストランテが見つからず、何軒に電話をした
ことか。
前菜からフルコース以上の料理とワイン、そしてカウントダウン後に乾
杯するスプマンテ(イタリアのシャンパン)までを一括したチェノーネ
のお値段、いつもの夕食よりかなり高額になるのは、当然だ。
また、長時間をほかのお客さんにつきあって食べなければならない。そ
れが外国人ツーリストには敬遠されるのか、ツーリストの多い観光都市
では、チェノーネを止めていつものメニューで営業するところも増えて
いるようだ。
この夜くらいはファーストフードというのも侘しいので、ツーリストに
は歓迎されること必至。


◆〜◆〜◆〜◆〜◆ AGENDA イベント情報 ◆〜◆〜◆〜◆〜◆ 
        ガッタ・イタリアーナご推薦

お休みです。


*…< 連載 >…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*
DIARIO       『イタリア猫日記』 (37)
…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…

12月○日
ミラノ空港に予定の時間に着いたが、日本からの便が1時間も早く到着
していて、到着ロビーでTさんの方から声をかけられた。
数年前の視察旅行で顔馴染みだったので、すぐに私を見つけてもらえた
ようだ。
空港からターミナルバスでミラノのドゥオモ広場に近い三ツ星ホテル
にチェックイン。ここはよく取材のときにも投宿していたが、ツイン
の部屋に入って、内装が新しく、壁や調度品の色もすっきりしているの
にびっくり。そういえば、フロントの奥の朝食ルームも以前よりもテー
ブルや椅子がモダンになり、居心地がよさそうだった。
しかも予約したときにわかったのだが、日曜の1泊がウィークエンド価
格と、かなりコストダウンしているのもいい。
軽い夕食をとりにドゥオモ広場からガッレリーアに行く。道々、キラキ
ラしているクリスマスのイルミネーションをTさんは写しまくる。昼間
は市も立つようなので、仕事の前に覗けそうだ。

12月▽日
午前中、アポの前にドゥオモ広場近くの市を見た。ロシアや旧東欧から
も集めたような小物を売っていたが、シチリアの食品市もあった。時間
がたっぷりあったら、Tさんもゆっくり味見ができたのに…。
郊外のミラノ大学農学部へ微生物(酵母)の研究者に会いに行く。こうい
う仕事は初めてで、化学用語までは駆使できない。
メールや電話でコンタクトをとった研究者は、用件だけの電話の時より
も感じが良く、日本でも論文が紹介されている主任教授の女性に紹介し
てくれた。
同じ天然酵母から、北イタリアではパネットーネのようなドルチェを、
南イタリアではパンを作っていたという彼の説明に興味が沸いていく。
この農学部のキャンパスはあまり広くなかった。来年は近くに移転する
そうだが、今ではあまり感じられなくなった懐かしい大学の雰囲気がま
だあった。

12月◎日
今が旬の食べ物、パネットーネの製造工程は、それぞれの菓子職人に任
されている部分が多く、大体、丸2日はかかる。
その工程をフィレンツェ近郊の小さなパン・菓子工場で朝の5時から夕
方まで見せてもらった。
この工場にはどこにも椅子というものが置いてない。工場内はもちろん、
売り場にもない。立ちづめの職人さんでも夕方の6時には足が痛くなる
のだから、Tさんと私がどう我慢してもムリ。どこからか持って来てく
れた木の椅子に、座っていられる間は私はへばりついていた。
夕方6時、焼きあがったパネットーネを逆さにして翌朝まで冷ます、そ
れが仕上げ。見たものを買えないのが残念だが、昨日包装されたのをT
さんは研究の持ち帰りに買い、私もナターレのプレゼントとして何個も
買った。

12月◆日
毎年、スーパーで買ったパネットーネを食べては、胸が焼けると嘆いて
いた義母に、製造工程を見た工場のパネットーネを昨日プレゼントした。
今夕は義妹の家へ行くので迎えにいったら、会うなり、「あ〜〜、なん
てパネットーネだろ、胸が焼けるどころか、おいし〜いこと、あと2、
3個ほしいくらだわ」。ドルチェには目がない人ならでは。

12月☆日
一人旅のK子さんがフィレンツェに到着し、会えない日は夜、様子を聞
くためにホテルに電話する。イタリア語なしでも、何とか美術三昧の
日々を過ごしているが、ちょっと歩きすぎると石畳が辛いようだ。私が
つい、あちこちと勧めてしまうので、かえって拷問の美術行脚になるの
では…と心配。
25日には義母を連れて、この間、結婚記念日で行った魚料理のレスト
ランへ。若いカップルが30人くらい集まったグループの隣の席だった
が、まぁ、節度あるクリスマスのはしゃぎ方だった。郷里が港町で魚が
好きな義母は外食も久しぶりで喜んでいた。
翌日の今日はサント・ステファノという祝日だが、さすがにもう普通の
食事。
インスタントだというラザーニャのパスタを買っておいたので、ベシャ
メルソースとラグー(牛の挽肉入りのトマトソース)を間に入れてオー
ブンへ。ま、硬い平べったいパスタから作るのとほとんど変わらない味
だった。
午後の晴れ間に、夫の友人一家に会いに行った。水球チームのメンバー
で毎日練習があるという11歳の息子に1年ぶりに会ったが、小柄で丸
みがあった体がちょっと鍛えられたように見えた。

12月□日
大晦日まであと幾日か、という時にまた大災害。インド、スリランカな
どの一帯に地震。津波が、アフリカはソマリアやケニアまで襲ったよう
で、もうすでに2万4千人の犠牲者だ。
年末のヴァカンスには5人に1人の割合でイタリア人も海外で過ごすよ
うだが、被災地のリゾート地から難を免れて帰国した人たちがTVでイ
ンタビューされていた。
最後まで、落ち着かせてはくれない年のよう…。

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@あとがき
ご購読ありがとうございます。
今年最後の号ですが、ここにいたって変なこと?に気づきました。
Googleで「イタリア猫」と検索しますと第1ページにヒットされ、気分
を良くしていたのですが、試しにYahoo Japanで検索してみましたら、
まぁ、「イタリア猫」というタイトルのブログが多いこと!
猫好きがイタリアにもいかに多いか、知らされました。
「イタリア猫の小言と夢」はさすがに、今のところ、本誌だけです。(真
似っこされませんように…。)検索で、このタイトルでブログがヒット
されますが、まだ準備中ですので何もご覧になれません。ご容赦くださ
い。
次号はもう新年ですねぇ。世界はまだ混沌としていくようです。
少し早めに次号をお届けできたらと思っております。
それでは、みなさま、お元気で良いお年を!!!

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ので、そこからもバックナンバーをご覧になれます。

〜創刊号から第30号まで略してあります。〜
2004/06/27発行 N.31「ミケランジェロの十字架上のキリスト像」
2004/07/13発行 N.32「ロバート・ブラウニング夫妻の家」
2004/07/27発行 N.33「イタリア式円満裁定」
2004/08/08発行 N.34「サッカー“チャンピョン、それが夢!”」
2004/08/29発行 N.35「閑古鳥の夏休み」
2004/09/13発行 N.36「ヴェネツィア映画祭短信」
2004/09/29発行 N.37「マーケットは中国!」
2004/10/13発行 N.38「牡蠣(カキ)のセンチメンタルな伝記」
2004/10/30発行 N.39「恋しきは、トリュフ味のタリアテッレ」
2004/11/13発行 N.40「スローフード大学は桃源郷?」
2004/11/28発行 N.41「メディチ家のDNAを探る〜大公と大公夫人
          エレオノーラ」
2004/12/12発行 N.42「元気なミラノ、ぴかぴかのスカラ座」

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エッセイふうイタリア案内『イタリア猫の小言と夢』
発行日:  隔週(13・27日)
発行者:  Gatta Italiana ガッタ・イタリアーナ
ご意見、ご感想などお寄せください。my-dreams@libero.it
Copyright(C)2003-2004 Noriko Amamiya All Rights Reserved
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雨宮紀子( ガッタ・イタリアーナ Gatta Italiana )

雨宮紀子( ガッタ・イタリアーナ Gatta Italiana )

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『メディチ家 ルネサンス・美の遺産を旅する』(世界文化社)刊行。[本]のメルマガ、25日号に<甘くて苦いイタリア>を連載中。

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