おしゃべり

六津姐の「そして今夜も言ッ気のみ」

不景気ゆえのヒマに耐えかねて、本業棚上げ、放言、断言、無責任発言…つれづれ綴る気ままな&お気楽エッセイ。目指したいぞ、遅咲き!熟女咲き!

全て表示する >

今宵も六津と/貸借関係の、ある現実。

2007/09/12

●貸借関係の、ある現実。

景気が少し持ち直しているなどど一部政治関係者は言っているようだが、個人的には少しもその実感がないこの頃。私と同感の人々はまだまだ多いようで、道に大金の入った財布が落ちているという話は、ついぞ聞かない。
しかし、財布は落ちてなくても、けったいな話というのは、ちょこりっと落ちていたりする。これが金にはならなくても、ネタになったりするのはちょっとうれしい。

ここに一人の男がいる。ハッキリ言ってバンスキング。ストーリーの便宜上、A山とでもしておこう(なお、この仮名は実名とは何の関係もなく、あからさまな伏字でもない)。
時をさかのぼっての来し方はともかく、このところはけっこうマジメに働いている。しかし、実質日雇い仕事とはいえ、給料は月給制。ゆえに時として、真夏の最中でも財布の中にブリザードが吹きすさぶ。

しかもそんな時に限って、何かしら要り用ができたるする。そして、この日もそうだった。仕方なく、A山クン、古いつきあいの非合法金融機関に借金を申しこんだ。ちなみに、この非合法金融機関、またの名を「ヤミ金(=闇稼業の金融機関の略称)」という融資機関の利息はトイチ…ではなく、週2。

10日で1割を表す「トイチ」という言葉も、最近では知らない世代が主流になってきつつあるが、この非合法金融世界でも、「トイチ」は今や死語に近いらしい。極めて良心的(?)なところで「月2」(トイチより安い超良心的利息!)、たいていは「週1」、ディープなところでは「週2」というのがこの業界の昨今の一般常識らしい。

「週1」「週2」といっても、当然ながら休業日のことではない。
1,2の後ろに「割」がついた利息がかかるということであり、元金を一気に返済できない限り、毎週利息をキチキチ払い続けることが求められるという方式のこと。

それでもって、合法金融と違うところは、必ずしも元金返済を求められないところにある。そして、できるだけ長い間、利息だけを払い続けることが優良な客なのだ。その理由が高い高い金利というわけ。余談ながら、合法金融関係にありがちなリボルビング返済というヤツは、効かない。

何もそんな非合法金融機関を利用しなくても…と、いうあなた。あなたは、たぶんこれまで、住宅ローンか、車のローン、精々クレジットによるショッピングという、世間から白い眼で見られることのない借金しかしたことがないはずである。さらに言うなら、消費者金融、俗に言う「サラ金」すらも無縁の生活を送っていると思われる。幸せなことです。神様と親に感謝しておきましょう。

しかしながら、世の中には神様にも親にも、さらに世間にすら半分見捨てられている手合いもいるわけで。でもって、こういう手合いは、往々にしてサラ金の顧客リスト…ではなく、サラ金がその順調な営業上欠かせないもう一つのリストに入っていたりする。ゆえに利用できない。

しかもA山クンに特化して語れば、その名前は、そのもう一つのリストの最頂部で黒いダイヤのように燦然と輝いているうえ、ヤミ金のリストにおいてすら、限りなく黒に近いグレーゾーンに横綱のごとく鎮座していたりする。

しかしそれでも。ネバい交渉の結果、A山クン、保証人をつければ、何とか1口(5万円)は貸してもらえることになった。そこで彼は考えた。只今現在、同じ工事現場の仲間のオッサン・B川。生き様を見ている限り、話が通じそうな気がする、と…。

《CMタイム》
笑える法廷傍聴記

「裁判!」鑑賞主義    (※「 」と!が不可欠)
 
ヤフーブログで展開中!   CM終わり

グッドタイミングというか何というか…。返事は誠に良好であった。というのも、実はオッサンも給料日前でふところはサビシかった。にも関わらず、目前の週末には、オッサンが飯より好きな競艇が開催されるという。そこでオッサン、あわよくば、自分もその軍資金を「借りちゃおっかな〜♪」と思ったのだ。その保証人は…A山クンその人。

ちなみに、こういう行動をその筋の業界用語で『もたれあい』というそうな。まぁ、『人』という字の姿形から言えば、なかなかに本質を突いた考えとは思われるが、このパターンでそれを証明するのはいかがなものか…などと考える人間は、そもそもこの状況の中に自分を置かないわけである。

え?そんなんで借りられるの?疑問の向きもあるかもしれない。しかし、業界用語が存在するということは、そのシステムの利用者が(非凡な自体ではなく)存在することの何よりの証明である。

「大丈夫!日曜(の競艇)は絶対勝つからの!アナ取ったら返済も楽勝じゃ!」というのがオッサンの快諾の理由だった。できれば、良い子は真似をしないほうがいい予定の立て方である。

話はまとまった。勇躍、ヤミ金の事務所に乗り込む2人。前もっての電話連絡で先方も保証人ともどもの訪問は充分承知。窓口担当が口を開く。
「(保証人の)B山C夫さんですか?」
聞かれたオッサン、胸を張って、厳か〜に、言った。

「如何にも!」

この瞬間、その場にいたオッサン以外の全員の肩が一斉に30度は傾いた、らしい。束の間の静寂の後、貸し手の責任者のオニイサンがA山クンに小さく手招きをしてパテーションの陰に導いた。そして、深く深くため息をつきながら言ったという。
「ほかに…おらんのか…?」
言わずとしれた保証人のことを指す。かくして貸借交渉は不成立に終わった。さすがのヤミ金といえども、最低限、客とその保証人は選ぶようである。

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2003-03-01  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。