映画

こんな映画は見ちゃいけない! 

映画批評系メルマガで読者数No.1! プロの編集者が簡潔な文章と的確な表現で書き下ろす「1分で読める新作映画批評」です。映画紹介だけのメルマガにはない「本物の批評」を堪能したい方だけご登録ください。

全て表示する >

ポエトリーエンジェル こんな映画は見ちゃいけない! 

2017/05/25

■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □

☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2017/5/25  Vol.1849    ☆
   
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■

 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
           「ポエトリーエンジェル」  です。

上っ面のフレーズは響かない。魂のレベルから絞り出した言葉のみが
聴衆の胸に突き刺さる。普段感じている不満や憤り・己の弱さを叫べ
は共感を、自然や人間の美しさを詠めばやさしさを呼び覚ます。物語
は閉塞した日常から脱却するために詩にのめりこんでいく若者と、詩
によって孤独から救われる女子高生の交流を描く。一応原稿用紙には
向かっているが頭に浮かぶのは妄想ばかり。それを文章に昇華する技
術も情熱もない“小説家志望”のニート男は、展望を見出せず鬱々と
している。そんな時出会った、思いを全身で表現し聞いてもらえる快
感。まるで自分を縛っていた軛から解放された気分でもある。そして、
その素晴らしさを少女に伝える過程は人とつながる喜びに満ちていた。

梅干し生産農家で雑草取りに明け暮れる勤は市役所主催の「詩のボク
シング講座」を受講する。仲間は3人、講師兼世話役の林の指導のもと
簡単な講習を受け、まずは練習試合と近隣の高校に出向く。

経験者はいない上、あまり練習も講評もしないまま試合に臨んだ勤た
ちは、部活として真剣に取り組んでいる高校生たちに惨敗。詩の内容
に切実さや生きざまを反映させなければだれも感動させることはでき
ないと気づく。一度やる気をなくした勤も中島という老人の助力で復
帰、お互いを細かく観察して本性を見抜く訓練に励む。

その後、勤は吃音ゆえ人付き合いを拒んできた杏を誘い今と未来を変
えようとする。熱くなりすぎず適度に肩の力が抜けた演出が心地よい。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

                  「ポエトリーエンジェル」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20170524
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
          「たたら侍」  です。

練った土を方形に固めて大きな浴槽状の炉を作り、大量の木炭に熾火
を点す。その上から少しずつ砂鉄を振りまき、たたらを踏んで空気を
送り続けると炉の底から溶融した純度の高い鉄が流れ出す。鍛えれば
強くしなやかな名刀となり、鉄砲の銃身に鋳ることもできる。物語は
戦国時代末期、上質の玉鋼を生産する村を守るために奮闘した男の挫
折と再生を描く。弓矢や槍・刀の時代は終わった。火筒を用いた集団
戦法こそが天下統一への近道。権力者の意向を酌んだ商人たちが押し
かけ、彼らの鉄を独占しようとする。だが、鉄は作れても武器を持た
ない村人は斬られるか逃げ惑うのみ。そんな中、本当の強さを知ろう
と彷徨する主人公は、自分探しで自分を見失う21世紀の若者のようだ。

製鉄法継承者・伍介は見聞を広めるために山奥の村を出て、豪商・与
平の口利きで蜂須賀軍に志願。初めての合戦で己の無力と火筒の威力
を思い知った伍介は村に逃げ帰り、与平の下で火筒づくりを始める。

頑なに旧来の事業に固執する長老や村人に火筒の重要性を説く伍介。
ところが火筒づくりが軌道に乗ると与平は傭兵を雇い入れ村の支配権
を奪ってしまう。伍介が気づいたときにはすでに手遅れ、いつのまに
か女子供を含む村人が戦闘員として訓練され、反対者は隔離される。

このあたり中国・北朝鮮による軍事的脅威から“安保関連法”、テロ
リスト対策から“テロ等準備罪法”が生まれた安倍政権下の日本を暗
喩する。耳に心地よい言葉ほど恐ろしいのだ。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

              「たたら侍」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20170522

          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
          「潜入者」  です。

米国に流入するドラッグを封印するために資金の流れを追う。汚れた
カネを洗浄する銀行家、投資家、会計係に巧みに近づき、親交を結び、
すべての会話を録音して証拠を残す。物語は、コカインの売買を撲滅
するためにカルテルをだまし続けた捜査官の活躍を描く。実業家を偽
装し末端の組織員に接触、少額の取引からはじめ、さらに幹部の知己
を得るとより大きなビジネスを展開する。何度も命を狙われた。正体
がばれそうになった。小さな嘘で引き返せなくなった。そして心配す
る妻子との葛藤。まだテクノロジーよりもマンパワーに頼るの1980年
代、大胆かつ繊細な主人公の言動が人間味あふれていた。一方で、妻
と食事中にターゲットと鉢合わせする脇の甘さも時代を感じさせる。

潜入捜査を拝命したメイザーは同僚のアブレヴと偽装の身分を作り、
密売人とコネをつけ、米国内のカルテル幹部・ロベルトにたどり着く。
並行してパナマや欧州の銀行の不正を突き止める。

少しでも疑われると拷問されて殺される、そのプレッシャーに押しつ
ぶされそうになるメイザー。時にヒットマンに銃撃され、頭に銃を突
き付けられても、決して動揺を目に宿してはいけない。そんな胆の据
わった態度がロベルトに認められ、婚約者役のキャシーと共に家族ぐ
るみの付き合いをするまでに関係を深めていく。

信頼こそが最も大切という裏社会の掟を逆手にとって忠実なパートナ
ーを演じるメイザーの苦虫を噛みつぶしたような鉄面皮が印象的だ。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

               「潜入者」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20170523

          を参考にしてください。


==============================================================

        余|談|
        ━┛━┛

高校野球関東大会は浦和学院が優勝。注目の早実は清宮の本塁打もむ
なしく準々決勝で4-8敗れ、東京で勝てても上のレベルでは通用しない
ことを露呈しました。

問題は投手力。昨秋の明治神宮大会決勝と今年のセンバツ2回戦は11失
点で敗れ、春季大会決勝は勝っても17失点と、いくら打ってもそれ以
上に打てないと負ける展開です。

トーナメントの連戦を勝ち抜くには完投能力があるエース級を2人用意
しないと無理な時代、早実には有望な1年生も入学しなかったそうです。

今年の夏、清宮の雄姿は甲子園では見られないかもしれませんね。。。

==============================================================

      次回配信予定は5/27作品は
         
            「家族はつらいよ2」
         
              です。

---------------------------------------------------------------

このメルマガは、週2回発行です。

皆様からのご意見、ご要望、感想をお待ちしています。

            otello.com.ua@gmail.com

                         までお願いします。

いただいたメールはこのメルマガで紹介させていただくことがあり
ます。

なお、相互紹介の依頼は受け付けておりません。

最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは、よい一日を!


規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2002-12-02  
最終発行日:  
発行周期:週3回  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。