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こんな映画は見ちゃいけない! 

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無限の住人 こんな映画は見ちゃいけない! 

2017/04/27

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2017/4/27  Vol.1844    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
               「無限の住人」  です。

老いない、斬られても突かれても死なない。まっとうな理由があった
とはいえ、大勢の人を手にかけた男は永遠の命を与えられる。それは、
相変わらず人と人が殺し合い、怒りと憎しみが連鎖する血なまぐさい
地獄を見続けなければならない“呪い”でもある。物語は、そんな主
人公が両親の敵討ちを願う少女の用心棒となって、手練れの剣客と勝
負を繰り返す姿を追う。ヤルかヤラれるか。そこには善も悪もない。
各々が己の信じる正義に則って行動し、立ちはだかる者を排除するの
み。彼らを利用しようとする者もいる。敵の中にも心通じる者もいる。
さらにそれらすべてを呑み込む強大な権力。一対一の決闘から複数を
相手にする殺陣、大軍団を向こうに回しての大立ち回りと、ダイナミ
ックな剣戟シーンの連続は時間を忘れさせてくれる。

剣術流派の統一を図る天津に父を殺された凜は、不死身の浪人・万次
を雇う。万次は天津が送り込む刺客を次々に倒すうちに、天津の部下
を暗殺する尸良率いる3人組と出会い、一時的に共闘する。

敵対する数十人をたった一人で斬りまくる万次。不老不死になってか
らは、刀だけではない、斧や異形の剣、柄頭をつないだ剣など多彩な
武器を手に、違った趣向のスタントを見せる。そしてそのたびに血を
流す痛みに耐えながらも、魔虫の力で回復、逆に相手にとどめを刺す。

同じ運命の刺客の、“もう生きるのは疲れた”という言葉は、哀しみ
を見すぎた心の叫び。人を殺す宿命を背負った彼らの思いが切ない。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                  「無限の住人」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20170325
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
      「ワイルド・スピード ICE BREAK」  です。

ドライバーの意図を無視した多数のクルマが突然動き出し、数十台の
奔流となる。NYを舞台に繰り広げられたカーアクションは、悪意ある
ハッカーが自動運転車を乗っ取り意のままに制御するという近未来の
悪夢を見事に再現していた。物語は、世界征服を企む謎の美女に人質
を取られ脅迫された主人公が決死のミッションに挑む姿を描く。敵は
かつての仲間たち、手の内を知っている以上に知られている。非情に
なり切れないままやむを得ずステアリングを握りアクセルを踏む彼の
瞳は、悲しみと苦悩に満ちていた。

サイバーテロリスト・サイファーから電磁波兵器の強奪を命じられた
ドミニクはホブスらチームを招集する。だがドミニクは装置を横取り
して遁走、ホブスたちは殺し屋のデッカードと組んでドミニクを追う。

圧倒的なパワーで相手を粉砕するホブスと、洗練された身のこなしで
危機を切り抜けるデッカード。自らの実力を誇示してけん制しあいな
がらも核ミサイル発射装置を狙うドミニクを阻止しようとするが、あ
と一歩のところでドライブテクニックにかわされ逃げられる。さらに
ロシアの雪原で展開する大バトル。

チューンアップされた乗用車同士のレースから、装甲を施した大型車、
トルクもスピードも桁違いのスーパーカー、そして軍用車が、町を、
基地を、氷の上を爆走。飛び交う銃弾砲弾は数知れず、車両だけでな
く商店施設、果ては潜水艦まで破壊の限りを尽くす。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

              「ワイルド・スピード ICE BREAK」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20170413

          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
         「フリー・ファイヤー」  です。

拳銃の小さな弾丸なら、急所を外れていれば被弾してもしばらくは生
きている。ただ適切な治療をしないと1時間半くらいで失血死するか、
傷口からの感染症で死ぬ。そんな会話をする男たちと1人の女は、いつ
終わるとも知れない戦いに次々と力尽きていく。物語は、銃売買のた
めに廃工場に集まったギャングと武器商人の銃撃戦を追う。交渉はう
まくいくはずだった。だが、チンピラたちの因縁がくすぶっていた不
満に火をつける。敵を皆殺しにしなければこの場を脱出できない状況
で負傷者ばかりが増えていく。手、足、胸……受けた銃弾の痛みに耐
えながらも引き金を引く彼らの姿は生き残りへの執念に満ちていた。

大量の自動小銃を購入するために取引場所に出向くクリス。ジャステ
ィンの仲介でヴァーノンが持ち込んだ銃を調べるが注文とは違ってい
た。調停役のオードが収めようとするが、クリスの子分が暴走する。

子分たちのトラブルは謝って済むほどの軽さではなく、ひとりが発砲
したのを機に臨戦態勢に入る。その上、謎のスナイパーに狙撃され双
方に重傷者が出る。こだわったのはあくまで銃撃戦のリアリティ。自
動小銃をぶっ放す大味なものではなく、武器は拳銃。それも射撃の腕
前が決していいとは言えない者同士がろくに狙いもせずに撃ちまくる。

ギャングも武器商人も仲介者を挟んでいるために、裏切者がいるので
はと、そこにいる全員が疑心暗鬼になっていく。やがて、自分に銃口
を向けてくる奴が敵という認識でさらなる泥沼に足を取られていく。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

              「フリー・ファイヤー」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20170310

          を参考にしてください。



 本日はもう1本
 
         「3月のライオン 後編」  です。

中学生でプロ、高校生になっても破竹の勢いが止まらない。代償は家
族も友人もいない孤独。映画は、そんな天才棋士が祖父と暮らす三姉
妹と交流するうちに、心を許しあいお互いを思いやる気持ちを育てて
いく姿を追う。幼くして両親を亡くした彼は家庭の温かさとは無縁で、
学校でもひとりぼっち。ところが三姉妹の家に通ううちに一緒に食事
する幸せに目覚め、彼女たちを安心させるのが己の使命であると思う
ようになる。対局中心で躍動感に欠け停滞気味だった前編に比べ、将
棋盤から離れて劇的に動き出すという皮肉な展開になった後編、将棋
しか頭になかった主人公が啖呵を切るシーンは、守るべき者の存在が
人を成長させると訴える。2016-17年の話なのに皆ガラケーを使ってい
るのは「三浦九段スマホ冤罪」の影響なのか。

宗谷名人に敗れた後川本家を訪ねた零は、次女のひなたがクラスでい
じめられていると知り力になろうとするが、無力さを思い知らされる。
だが、復縁しようと戻ってきた三姉妹の父には毅然とした態度を取る。

零の周りの人はみな何かしら傷ついている。もちろん零も様々な悩み
を抱えているが、将棋で克服している。その過程で、疎遠になってい
た人々にも声をかけてやることで彼らを救えると学んでいく。

三姉妹の父に向かって“人間のクズ”と言い放ちかえって気まずくな
るあたりまだまだ忖度が足りなかったりするが、将棋以外の雑事にも
ひとりできちんと向き合っていけるようになった零は、間違いなく棋
士として以上に人間的にひとまわり大きくなっている。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

              「3月のライオン 後編」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20170425

          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
      「美女と野獣」  です。

本を読み、知恵を蓄え、まだ見ぬ広い世界を想像の中で旅する。男は
勇ましく女は慎ましくといった古い価値観が支配する時代、進歩的な
父に育てられた彼女はいつもひとりで魂の自由を謳歌している。だが
保守的な村人から見れば彼女は変人。物語は父の身代わりに囚われの
身となったヒロインが、野獣の姿をした男の胸に真実の愛を芽生えさ
せていく過程を描く。恐ろしい容姿をした者は邪心を持つという偏見
のなか、コンプレックスを抱く男は怒りと悲しみで本来の優しい自分
に戻れないでいる。一方で人間の美しさは内面に宿ると信じている彼
女は、男の外見ではなく孤独を不憫に思う。お互いに何の予備知識も
ない、そんな相手から受け入れられたいのなら、まず何を望んでいる
かを忖度するのが大切であるとこの作品は訴える。

野獣の城で虜になったベルは、魔法で家具調度になった家臣たちの協
力で気を持ち直し、彼からの夕食の誘いを受ける。村人とは違って教
養深い野獣との会話を、ほどなくベルも楽しむようになっていく。

魁偉な容貌に怯まないどころか卑屈な態度もとらないベルに、野獣は
新鮮な驚きを隠せない。彼女に命令調は逆効果、気持ちを押し付ける
のではなく意思を尊重することを学んでいく。

家臣との一方的なコミュニケーションだけだった野獣にとって対等な
立場の人間と語り合うのは敬意の初歩、図書館でベルが目を輝かせる
あたり、読書の情報や感情の交換が人生を豊潤にすると教えてくれる。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

              「美女と野獣」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20170424

          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

「土曜日も給食を出している」と、監督する横浜市に対して虚偽の申
告をしていた認可保育所が、今度は教材費を一気に7.5倍に値上げした
という報道がありました。

先日姫路市で、60人以上園児を預かっているのに40人分の給食で賄っ
ている保育園が摘発されたばかりです。

こんなところに子供を預けるのはすごく心配だと思いますが、結局は
保育の質も「安かろう悪かろう」ならざるを得ません。安心するには
多少の負担もやむを得ないのではないでしょうか。

むしろ、おそらくかなり悪い待遇で働いているであろう保育士たちの
ストレスが心配です。。。

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      次回配信予定は5/11 作品は
         
            「八重子のハミング」
         
              です。

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最後までお読みいただきありがとうございます。
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創刊日:2002-12-02  
最終発行日:  
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