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こんな映画は見ちゃいけない! 

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ラ・ラ・ランド こんな映画は見ちゃいけない! 

2017/02/23

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2017/2/23  Vol.1828    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
             「ラ・ラ・ランド」  です。

渋滞で動きが取れなくなったハイウェイ、しびれを切らしたドライバ
ーたちが次々とクルマを降り、歌い踊りだす。まるでマジックのごと
きめくるめく映像、ワンショットに収められたプロローグは、これぞ
ミュージカルというべき世界にいざなってくれる。物語は女優の卵と
しがないピアニストが恋に落ち、互いに目標を追いながらもやがてす
れ違っていく過程を描く。甘美なメロディと軽やかな振り付けは、ふ
たりでいるだけでロマンティックな時間が流れる恋の高揚と愛の喜び
を全身で表現、映画の持つ“観客を幸せにする力”に満ちていた。

オーディションに落ち続けるミアはジャズピアニストのセブとパーテ
ィ帰りに意気投合する。その後、セブと映画を見る約束をしながら他
の男と食事に出かけたミアは、途中で席を立って映画館に駆け付ける。

出会いは最悪、だが二度三度と再会するうちに必然に思えてくる。話
してみると似た境遇、相手の立場が自分のことのように理解できる。
ほどなく恋人同士になったふたりは一緒に暮らし始めるが、セブが加
入したバンドが売れ出すと微妙な隙間風が吹く。忙しくて会う間がな
い上に、ミアにはセブが妥協したように見えるのだ。

あくまで理想を追求すべきか、現実と折り合いをつけるべきか。彼ら
が言い争う姿は今も昔も変わらぬアーティストのジレンマ。目まぐる
しく表情が変化するエマ・ストーンの顔の筋肉の柔らかさが、女優と
いう職業の奥深さを教えてくれる。

       お勧め度=★★★★(★★★★★が最高)

              「ラ・ラ・ランド」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20170119
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
           「一週間フレンズ。」  です。

電車のドアが閉まるその一瞬に見せた笑顔が忘れられない! 彼女に
一目ぼれした少年はさっそく友達になってくださいと頼むがあっさり
撃沈、その後も追いかけ続けるがまったく相手にされない。そして教
えられた秘密。物語は、友人関係の記憶だけが1週間で消える心因性障
害を持つクラスメイトを好きになった高校生が、彼女の心を開こう奮
闘する姿を描く。困難なのはわかっている。でも、あきらめたら終わ
る。決して嫌われているわけではない、いつかは願いが叶うという希
望にすがりつき彼はチャレンジを繰り返す。やっと努力が実りかけた
時、明かされた彼女の真実。惚れた女のために潔く身を引いて、顔で
笑って心で涙を流す主人公の背中は、「カサブランカ」を彷彿させる
ダンディズムが漂っていた。

高2の春、図書館で出会った美少女・香織と同じクラスになった祐樹は
思い切って告白するが「無理」としか返ってこない。事情を知った祐
樹は、リセットされても思い出してくれるよう交換日記を申し込む。

自分の症状を理解したうえで気にかけてくれる祐樹に少しずつ表情が
緩む香織。友達を傷つけたくなくてひとりでいたのに、やっぱり誰か
と一緒いるのは楽しい。祐樹との言葉を忘れても交換日記があるから
大丈夫という思いが、高校生活をエンジョイする余裕を取り戻させる。

昇降口ロッカーの裏、図書館テーブルの下、祐樹と秘め事を共有する
香織のときめきに揺らぐ瞳が、彼女に芽生えた祐樹への恋を象徴する。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

        「一週間フレンズ。」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20170220

          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
          「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」  です。

妻が突然死んでしまった。不思議と怒りや悲しみは湧いてこない。彼
女を愛していたのだろうか。生活に満足していたのだろうか。物語は
交通事故で妻に先立たれた男が、理解できない反応を示す自分の感情
をパーツに分け、ひとつずつ検めていく過程を描く。この気持ちを誰
かにわかってほしい、誰かと共有したい。そんな時かかってきたシン
グルマザーからの電話。そして見つけた、胸の内をさらけ出せる安ら
ぎ。それは高給取りには味わえない、人と人が本当に心を通わせられ
る関係だ。深い喪失感がわずかな希望に変わるまでの遠い回り道は、
人生に必要なものは何かを教えてくれる。

妻が息を引き取った病院の自販機に不具合が出て、デイヴィスは管理
会社に抗議を思い立つ。デイヴィスの身上と心境が綴られた数通の手
紙は顧客係・カレンに届けられ、深夜、デイヴィスのスマホが鳴る。

それをきっかけにふたりは距離を縮めるが、カレンには息子のクリス
と恋人がいる。恋人の出張中にカレンの家に出入りするようになると、
むしろ大人びたクリスと意気投合する。同時に、止まらない破壊衝動
は機械や設備の分解だけでなく住宅の解体に駆り立てる。

家では妻、会社では彼女の父と、合理的な考え方の人々に囲まれた暮
らしにずっと息苦しさを感じてきた。たまっていた鬱憤と鬱屈を発散
させる姿は、どっぷりつかった価値観をぶち壊すことでしか未来に進
めないデイヴィスの不器用な生き方が象徴されていた。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

            「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20170222
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
      「世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方」  です。

忙しいパパやママの代わりに、おじいちゃんやおばあちゃんは楽しい
話をいっぱい聞かせてくれた。面白いものをいっぱい見せてくれた。
幼稚園に通う子供たちは、想像力を働かせればなんでもできると信じ
て無理解な大人たちに抵抗する。物語は、世界一普通で平凡な村で、
モニター会社に毒される大人たちの目を覚まさせようとする6人の幼稚
園児と1頭のハナグマの奮闘を描く。自由な発想の老人たちは養老院に
閉じ込められた。残された大人たちは空気を読むのに精いっぱい。で
も、子供たちは、規制だらけの生活なんか大嫌い。クレーンのコース
ターから蒸気船の潜水艦、トラクターの音楽マシンから清掃車の自転
車製造まで、豊かなイマジネーションが童心に帰らせてくれる。

退屈で画一的になってしまった村を救うために6人の園児が立ち上がる
が、あっさり制圧される。ハナグマのクアッチのアイデアで世界記録
を作ろうと思い立った彼らは世界一長いソーセージを作り始める。

次にパンや牛乳を直接家に届けるシステムを実現しようとする子供た
ちは、大人たちを睡眠薬で眠らせ、その間に計画を実行に移す。だが
所詮は幼児の浅知恵、早々に破綻をきたすが、清掃車を横転させたの
をきっかけに、子供たちは村のあらゆる乗り物を暴走させる。

追ってくる警官にあっかんべーするようないたずらの数々は、合理性
も脈絡もなく、子供たちの空想の中の冒険の過ぎないけれど、“現実”
というものを理解できない彼らの発想力が鮮やかに投影されていた。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

        「世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20170221
               
          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

ますます謎ばかりが膨らむ金正男暗殺事件。人ごみの空港で襲うなど
手口がいかにも素人っぽくて驚きました。

暗殺者といえば、ジェイソン・ボーンやジャック・ライアンJr.のよう
に敵地に乗り込み鮮やかな手口でターゲットを始末した後、速やかに
姿を消すものと思ていました。

でも、実行犯の女は逃走経路も用意せず、あっさり逮捕され、わけの
わからない供述をしています。

まあ、金正恩政権の寿命が縮まったことだけは確か。あの国が崩壊し
たら大量の難民が日本に押し寄せてくるはず。トランプ大統領のよう
な政治家が支持されるようになるのでしょうか。。。

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      次回配信予定は2/25 作品は
         
            「百日告別」
         
              です。

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創刊日:2002-12-02  
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