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こんな映画は見ちゃいけない! 

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破門 こんな映画は見ちゃいけない! 

2017/01/28

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2017/1/28  Vol.1821    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
               「破門 ふたりのヤクビョーガミ」  です。

開店休業状態のぐーたらコンサルタントと、カネとメンツのためなら
出入りも厭わないイケイケヤクザ。表向きはお互い一緒にいたくない
のに、面倒事が起きると相手を頼ってしまう。コンサルタントにして
みればヤクザは無茶ブリばかりする顧客、ヤクザからすれば根性なし
のコンサルタントは堅気との唯一の接点。物語はそんな2人が詐欺にあ
い、さらに他の暴力団組織の債権回収を押し付けられて奔走する姿を
描く。先を読んでいる詐欺師は何度も彼らを手玉に取り、後手に回る
たびに別の組織から横やりが入る。騙し騙され、追い追われ、複雑に
絡まったヤクザ業界の人間関係を太い横糸に織りなされる活劇は、2人
の軽妙な会話と共にテンポよく展開する。何よりヤクザ以上にがめつ
い、人を食ったようなプロデューサーの悪知恵の数々が楽しめる。

映画の製作費を持ち逃げした小清水を探す桑原は、大組織のチンピラ
にけがを負わせ、落とし前をつけるために更なる金額の補填を命じら
れる。桑原は二宮を助手にして小清水の逃亡先・マカオに飛ぶ。

2人はホテルで首尾よく小清水を捕まえる。小清水がカジノに預けたカ
ネを引きだそうと桑原がカードゲームに興じるが、小清水を見張って
いた二宮は彼の口車に乗せられる。危うく小清水を取り逃がすところ
を桑原に抑えてもらった二宮は自らの甘さを思い知る。

その後も敵対組織との取引と駆け引き、小清水が仕組んだ小芝居など
に翻弄されながらも、桑原と二宮は目当てのカネに近づいていく。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

              「破門 ふたりのヤクビョーガミ」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20161026
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
           「キセキ ―あの日のソビト―」  です。

強く願っていたのに叶わなかった兄の夢。思いがけず現実になってし
まった弟の夢。ふたつの夢はひとつになって、兄弟はもっと大きな夢
に向かって走り出す。物語は厳しい学業を続けつつバンドを組み、掛
け持ちしながらも成功したミュージシャンの軌跡を追う。弟はずっと
父の敷いたレールの上を歩んできた。それが正しいと信じていた。だ
が、胸の奥から湧きあがる、日々の生活と人生を謳歌するフレーズの
数々をノートに書き出し曲をつけるうちに、自分が本当にやりたいこ
とに気づく。その姿は、思い描いているだけでは何も始まらない、人
は行動して初めて評価されると訴える。そして、医者は一度に一人の
体しか治療できないが、音楽は同時に大勢の心を癒すとこの作品は教
えてくれる。

メジャーデビューを果たせずバンドを解散したジンは、歯科大生の弟
・ヒデの歌を聞き、彼の才能に驚く。ジンはヒデのCDをプロデューサ
ーに売り込む一方で、アレンジとレコーディングを担当する。

プロデューサーが興味を示すとジンはヒデに本格的な曲作りを要求す
るが、ヒデは煮え切らない。それでもガールフレンドの言葉に両立を
決意したヒデは、授業にも音楽にも同等にエネルギーを注ぎ込む。そ
れは本人の覚悟や努力と並行して理解者を増やす過程でもある。

熱量の高い楽曲に対し彼らの日常をとらえた映像はあくまでクール、
温度差のバランスが数多の青春サクセスストーリーとは一線を画す。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

             「キセキ ―あの日のソビト―」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20161118
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
               「タンジェリン」  です。

トランスジェンダーと女と男。同性愛と異性愛と中性愛。ファックと
フェラと手コキ。様々な性的嗜好を持つ人々が入り乱れるクリスマス
の裏町、主人公とともにストリートを移動し続けるカメラは、表には
出ない大都会の風俗を活写する。そこで売買されるサービスは“性”、
ところがストレートな男女の取引はほとんどなく、他人には言えない
プレイを楽しむ人ばかり。物語は、街に戻ってきた女装男娼が、拘留
中に浮気したボーイフレンドとその相手を探して徘徊する姿を追う。
嫉妬と怒りに任せて暴走するのを止める親友もまた同業者で、世間の
“普通”からはみ出しているからこそお互いに助け合い、慰めあう。
守ってくれる家族はもういないけれど、頼れる友人はいる。心配して
くれる誰かの存在がその人の居場所であるとこの作品は教えてくれる。

出所したばかりのシンディは、オカマ街娼仲間のアレクサンドラから
恋人の裏切りを知らされる。相手の女を見つけ恋人のもとに連れだそ
うとする途中、アレクサンドラがステージで歌うライブに立ち寄る。

アレクサンドラは歌手を目指しているがプロのレベルではない。だが、
その日暮らしの今が本当の自分ではないと思い込もうとしている。夢
があるから現状に耐えられる、そんな彼女の本心が切ない。

それでも、最低の環境にいても福祉の世話にならず自活しているプラ
イドが、彼女をみじめには見せていない。心と体の性が一致しなくて
も胸を張って生きる姿が少しずつ美しく見えていく。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

              「タンジェリン」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20161130
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
               「新宿スワンII」  です。

殴る蹴る投げる絞める。タイマンから集団乱闘までスポーツを楽しむ
かのごとくケンカに明け暮れる若者たち。生傷は勲章、包帯は勇気の
証、一昔前の不良学園ドラマのように、姑息な駆け引きよりも腕力で
片を付けようとする潔さがかえって心地よい。物語は横浜進出を目論
む歌舞伎町のスカウトマンたちが思わぬ逆襲にあい、絶体絶命のピン
チから起死回生の機会をうかがう姿を描く。敵陣で孤立し後ろ盾を失
った彼らは結束だけを武器に消耗戦を強いられる。金髪天パー、短気
で手も早いが常にポジティブ。義理人情に篤く、自分のことはいつも
後回しにして他人のために働く。そんな主人公を綾野剛が熱演、単純
だがまっすぐな男の魅力を余すところなく再現する。

縄張りを拡大するために歌舞伎町から横浜に送り込まれた龍彦たちは、
地元を仕切る滝の子分・ハネマンらと早速もめ事を起こす。ところが、
滝が新宿のやくざにケツ持ちを頼んだために、龍彦たちは破門される。

新宿横浜総勢数十人が入り乱れての夜の街での大立ち回りは、肉体と
肉体が激しくぶつかり合い、プリミティブな闘争本能が全開になる。
誰もが傷を負いボロボロになりながらも相手を探し求め、警察が来る
までは手を止めない。場所を変え繰り返される集団抗争は、“思いっ
きり暴れてみたい”男の欲望を大いに発散させてくれる。

1対1の決闘は根性の勝負。洗練された格闘技ではない、どちらが強い
かを競う「ケンカの原点」に帰った映像にはすがすがしさすら覚えた。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

              「新宿スワンII」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20170127
               
          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

「南京大虐殺」や「従軍慰安婦」を否定する内容の本を部屋に置いて
いたことがSNSに投稿されたアパホテル。その本を撤去する予定はない
そうです。

読んでいないので内容については何とも言えないのですが、そもそも
「南京大虐殺」も「従軍慰安婦」も朝日新聞社が出もとで、被害者の
人数は不確実。

それに異論を唱えるのは言論の自由。アパ側の態度は間違っていない
と思います。

何より中国からアパホテルのネット予約ができなくなったという事実
が、中国政府にとって国民に知られたくない“不都合な真実”である
証拠ではないでしょうか。。。

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      次回配信予定は2/2 作品は
         
            「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」
         
              です。

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創刊日:2002-12-02  
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