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こんな映画は見ちゃいけない! 

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スノーデン こんな映画は見ちゃいけない! 

2017/01/26

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2017/1/26  Vol.1820    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
               「スノーデン」  です。

テロリストを憎む愛国者だった。特殊部隊には入れなくても、プログ
ラムの知識で国を守ろうとすべてを捧げてきた。だが、安全保障の名
目で行われるあらゆるデジタルデータの収集と悪用は、米国政府によ
る経済と社会の支配に他ならないと気づいたとき、彼の良心はきしみ
始める。物語は情報機関による個人情報の不正使用を暴露した青年の
半生を描く。いまやネットワークこそが対テロ戦争の最前線、抜群の
能力で頭角を現した主人公はより高度なアクセス権を手に入れるが、
守秘義務が恋人との溝を深くしていく。一方で自分の開発したシステ
ムが勝手に改良され、さらなるプライバシー侵害に加担しているとい
う事実。あれほど衝撃的な告発だったにもかかわらず、日本でも国民
管理の目が張り巡らされつつある現実が恐ろしい。

映像ジャーナリストと記者の前に現れたエドは、CIAやNSAが全世界の
通信を傍受し分析をしていると暴露する。同時に、なぜ国家を裏切っ
てまで命がけの行動に出たのか、自らの過去を語り出す。

911以後、米国人の危機感は強く、エド自身CIAに入局したころはネッ
ト履歴を洗うのは弱みを見つける作戦の一部だと思っていた。しかし、
一般市民も積極的に監視する組織の方針に徐々に違和感を覚えていく。

そして、ドローンカメラがとらえた子供と思しき自爆テロ予備軍を別
のドローンに攻撃させ、その子供の葬式に集まった家族ごと爆殺する
米国軍のやり方に、己の仕事ははたして正義なのかと疑問を持つ。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

              「スノーデン」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20161105
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
           「マグニフィセント・セブン」  です。

夫は殺された。教会は燃やされた。このままでは苦労して開拓した土
地や築き上げた町まで奪われてしまう。人殺しを厭わない資本家に対
抗するために立ち上がった女は、座して死を待つより町を守るために
闘う決意をする。物語は彼女に雇われた賞金稼ぎが腕利きの男たちを
集め、資本家の軍団を迎え撃つ姿を描く。武器をまともに扱えるのは
7人の男と町の女1人だけ、敵は武装した100人超の荒くれ者。圧倒的に
不利な状況下で、地の利とアイデアを生かした戦術を立て、労働者に
奮起を促し、訓練して、罠を仕掛ける。その過程はこれから始まる命
がけのゲームを楽しみにしているよう。

チザムの腕前を見込んだエマは、町の乗っ取りを企むボーグを阻止し
てくれと彼に頼み町の全財産を差し出す。チザムはファラデーら6人の
男を仲間に加え、エマの町に入るなりボーグの手下20人余りを倒す。

リーダーは黒人、メンバーもメキシコ人・東洋人・インディアン・南
軍くずれなど、多様な混成部隊。彼らに人種や出自を根拠にした偏見
はほとんどなく、団結と協力・自己犠牲こそが勝ち残る定石と理解し
ている。一方、ボーグはすぐに報復の準備を整え、自ら指揮する大軍
を町に派遣する。ボーグの配下もカネで徴募されているとはいえ士気
は高いプロ、反撃を恐れず突撃してくる。

集団対集団の銃撃戦はまさに戦争、銃弾飛び交うなかでひとり弓矢を
手に暴れまわるインディアン戦士が異彩を放っていた。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

             「マグニフィセント・セブン」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20161213
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
               「沈黙-サイレンス-」  です。

拷問は試練、結果としての死も名誉。だが、自分が原因で他人が苦痛
にさいなまれる姿を見せられるのは耐えがたい。それは己の弱さでは
ない。信者への思いが強すぎるがゆえ。いくら祈っても神は答えを返
さない。物語は江戸時代初期の日本に密入国した修道士が体験した、
幕府によるキリスト教徒迫害を描く。修道士たちは神が唯一の真理と
信じて疑わない。開明的な長崎奉行は日本人の精神性を論理的に説明
する。そして明らかになる、“神は救いを求める人を救わない”真実。
見識の高い高位の武士が修道士という西欧知識人の価値観を論破する、
苦悩する主人公とは裏腹に、その過程はある意味痛快だった。

日本で棄教したフェレイラ神父の消息を追うロドリゴとガルペは、キ
チジローの手引きで長崎の漁村にたどり着く。そこは隠れキリシタン
の集落、2人は村人に匿われながら、厳しい弾圧を目の当たりにする。

ガルペと別れたロドリゴはキチジローの裏切りで捕らえられ、長崎奉
行・井上のもとに移送される。牢獄では多数のキリシタンが絵踏審問
を受けている。井上は決して居丈高な態度は取らない。むしろ民百姓
の安寧を願い合理的な考え方をする英明な役人で、丁寧な言葉で日本
にキリスト教は根付かない理由をロドリゴに諭す。

対するロドリゴの論拠は“神を確信している”ことのみ。ストレスか
ら、時にキリストの顔を見、囁きを聞くようになるが、その現象は彼
の主観に過ぎない。その客観性のなさが一神教の限界を示していた。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

              「沈黙-サイレンス-」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20161123
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
            「ザ・コンサルタント」  です。

父は転勤族、母は家を出た。自閉症の少年はサバイバル術を叩き込ま
れ、やがて腕利きの殺し屋になっていく。物語は数学的才能を持つ主
人公が裏社会で暗躍する姿を描く。沈着冷静に無防備な女を守り、迫
りくる追っ手を確実に始末していく。ほとんど感情を表出させず、コ
ンピュータ並みの計算能力と精密機械のような肉体を駆使して、人数
に勝る敵を狩っていく。一方で、冗談が通じすスモールトークにも乗
ってこない不器用な対人関係。コミュニケーション障害の彼にとって
孤独こそが安息の時、そんな男の無機質な日常がリアルに再現される。

大手電機メーカーから会計記録のチェックを依頼されたクリスは、不
透明なカネの流れを一日で解明する。直後に経理担当重役が殺され、
クリスと彼を手伝っていたデイナの元にも刺客が放たれる。

同時に、国際犯罪組織の資金洗浄を一手に引き受ける謎の会計士を追
う財務省捜査官・メディナは、わずかな手掛かりからクリスにたどり
着く。いまや武装集団と官憲に狙わわれる身となったクリスはトレー
ラーで移動しながら襲撃者の正体を探り反撃のチャンスをうかがう。
トラウマと障害を抱えながらもひとりで生きてきたクリスがデイナの
ために身を危険にさらす。

怒りでもない、正義でもない、ましてややさしさでもない。それでも
他人に無関心だったクリスが閉ざしていた心をほんの少しだけ開いて
いく。彼の変化は、誰かと関わることで人生は豊かになると訴える。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

              「ザ・コンサルタント」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20170124
               
          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

やはりきっかけは電通社員の過労自殺、長時間労働規制のために残業
時間の上限を80時間にする法整備が始まりました。

あらゆる企業で表面化してきた長時間労働、時に月200時間以上の残業
をこなしている会社員もいる実態をふまえた上でのことでしょう。

ただ、報道現場にいる記者や取引先が海外の商社マンなど、本人が好
きでやっている仕事もあります。厚労省のキャリア職員もその中に含
まれているはず。

自営業や経営者になればなおさらのこと。そのあたりの線引きはどう
なるのかな。。。

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      次回配信予定は1/28 作品は
         
            「破門 ふたりのヤクビョーガミ」
         
              です。

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創刊日:2002-12-02  
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