映画

こんな映画は見ちゃいけない! 

映画批評系メルマガで読者数No.1! プロの編集者が簡潔な文章と的確な表現で書き下ろす「1分で読める新作映画批評」です。映画紹介だけのメルマガにはない「本物の批評」を堪能したい方だけご登録ください。

全て表示する >

天使にショパンの歌声を こんな映画は見ちゃいけない! 

2017/01/19

■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □

☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2017/1/19  Vol.1818    ☆
   
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■

 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
            「天使にショパンの歌声を」  です。

朝の礼拝、質素な朝食、そして神をたたえる歌。清貧を旨とする修道
院、そこで学ぶ少女たちは厳格なシスターたちと寝食を共にしている。
だが、そこにも近代化の波は押し寄せ変化を余儀なくされる。物語は、
経営危機にある修道会系の音楽専門女子校で、教員生徒が一丸となっ
て学校の存在価値を訴える姿を描く。音楽は神の意志だと信じている、
ところが本部は良妻賢母を育てよという。一方で、公立学校との競争
を勝つには寄付を集め補助金を獲得しなければならない。そんなとき
現れた転校生は超絶テクニックで周囲を魅了する。自由や権利を得る
ためとは違う、学園の独立を守る彼女たちの戦いは、ピアノと歌声を
武器に受け継ぐべき伝統と捨てるべき因習をふるいにかけていく。

政府による教育改革のあおりを受け生徒が減少、廃校の瀬戸際に立た
されている学校の校長・シモーヌは、コンクールでの入賞実績を作り、
地元住民相手のミニコンサートで運営資金を集めようとする。

姪のアリスに特別な才能を見出したシモーヌは彼女に特訓を施すが、
奔放なアリスはなかなか素直になってくれない。それでも根気よく
手ほどきするうちに、アリスも自らの夢に近づこうとする。同時に
教職員の意識変革を進め、そりの合わない上司との交渉にも臨む。

お堅い修道服とベールを脱いだ修道女たちが新しい制服に着替え髪
を露出したときの表情は、個性こそが人間らしさの第一歩であると
再認識させてくれる。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

              「天使にショパンの歌声を」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20170116
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
     「キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち」  です。

豪快にして痛快、大胆にして細心。ある時は王宮の黄金を盗み出し、
ある時は悪徳商人から財宝を脅し取り、ある時は汚職役人の密輸品を
狙う。入念な準備と丹念な偽装、相手を安心させ信じ込ませた挙句金
品をせしめて逃亡する。颯爽と支配階級を懲らしめる手際はまさに伝
説の中のヒーローだ。物語は17世紀の朝鮮で、全土をまたにかけて詐
欺と窃盗を繰り返した主人公とその仲間の活躍を描く。戦場で拾った
命、残りの人生は好きなように過ごすと反権力を貫く姿は、閉塞感に
覆われた21世紀の韓国社会が求めている英雄像なのだろう。接収した
土地の小作人を焼き殺すシーンが、朴政権下の“ヘル朝鮮”に通じる
ものがあった。

指名手配中のイノンとポウォンは清に内通する国家の裏切り者・ソン
が管理するタバコ強奪を計画。護衛や見張りをだまして大量のタバコ
を運び出すが露見、子分のキョンがイノンの身代わりに処刑される。

タバコの増産を図るソンは農地を買い占めるうちに近くの河川で砂金
が取れると知り、河川の所有権を手に入れようとする。だがそれはキ
ョンの敵討ちを誓ったイノンの策、印鑑を偽造しダムを造り公文書を
すり換えるなど、周到に仕込まれた餌を撒き、ソンを罠に誘い込む。

その間、派手なアクションはあるものの、イノン自身はあくまで仕掛
けと駆け引き、機転と逃げ足で危機を切り抜けようとする。暴力に訴
えない姿勢が心地よかった。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

       「キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20161215
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
            「ネオン・デーモン」  です。

“美はすべてではない、唯一だ”。モデルを前にして、ファッション
ショーディレクターが口にする言葉は,そのままこの作品にも当ては
まる。闇に浮かび上がる光は、LEDのシャープさはなく、どこか輪郭の
ぼけた蛍光灯のよう。けばけばしくはないが心の奥に突き刺さる、ま
るで甘美な悪夢を見ているごとき映像は波に揺らぐ小舟の浮遊感に満
ちていた。それは、自分自身の未来に確たる自信が持てないティーン
エージャーの心情。物語はファッションモデルを目指して大都会に出
てきた少女が体験する成功と嫉妬を描く。野心なのに黄金の輝きが似
合う、そんなヒロインをエル・ファニングが儚げに演じる。

撮影会でルビーと知り合ったジェシーは連絡先を交換、パーティに顔
を出し先輩モデルを紹介してもらう。その後面接に合格、テスト撮影
やオーディションで次々と仕事が決まっていく。

場末のモーテルのジェシーの部屋が荒らされても暴漢に襲われそうに
なってもモーテルの管理人は不快な対応をとる。世の中はカネと打算
だけと言いたげな態度は、愛や友情などといった甘っちょろい感情に
溺れていてはこの世界では生き残っていけないことを象徴していた。
このオッサン、笑顔の裏で他人の足を引っ張るチャンスをうかがって
いるモデルたちよりもよほど正直に思えた。

死とセックスと暴力に彩られるクライマックスは思わず目をそむけた
くなるほど悪魔的なグロテスクさを放っていた。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

              「ネオン・デーモン」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20170115
               
          を参考にしてください。

==============================================================

        余|談|
        ━┛━┛

いつもスーパーに買い物に行くときは折り畳み式のかごを持参して、
レジを通した商品を買い物かごから直接移してもらっていました。

ところが今年から、指定のかご以外には移さないという通達。これで
は一度店のかごに入れたものをまた移し替えなければなりません。

レジ係の手間は同じなのにどうしてそんな面倒なことをさせるのかと
聞いても「すみません」という答えしか返ってきませんでした。

でも翌週、以前のように持参かごに入れてもらえるようになりました。
やっぱりよほど客の評判が悪かったに違いありません。。。

==============================================================

      次回配信予定は1/21 作品は
         
            「惑う」
         
              です。

---------------------------------------------------------------

このメルマガは、週2回発行です。

皆様からのご意見、ご要望、感想をお待ちしています。

            otello.com.ua@gmail.com

                         までお願いします。

いただいたメールはこのメルマガで紹介させていただくことがあり
ます。

なお、相互紹介の依頼は受け付けておりません。

最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは、よい一日を!

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2002-12-02  
最終発行日:  
発行周期:週3回  
Score!: 98 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。