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こんな映画は見ちゃいけない! 

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こころに剣士を こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/12/22

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/12/22  Vol.1813   ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
             「こころに剣士を」  です。

ずっと息を潜めて暮らしてきた。怪しげな影がちらついていないかい
つも警戒していた。だが、子供たちの純真な瞳に見つめられた時、身
の安全よりも彼らの夢を叶えてやろうと決心する。第二次大戦でソ連
邦に組み込まれたエストニア、物語は新任教師と生徒たちのフェンシ
ングを通した交流を描く。青年・壮年の男たちは戦争でほとんどいな
い小さな町、彼に父親像を求める少年少女に対し、教師として応えな
ければならない。独ソに踏み荒らされた国土はまだ復興半ば、秘密警
察の不当逮捕も横行している。自由が禁じられた時代、それでも主人
公は剣を通じて美徳と礼節と希望を伝えていく。老人から託された剣
と防具が、生き残った者が背負うべき将来への責任を象徴していた。

レニングラードからきたエンデルは小学校体育教師の職を得る。課外
授業でフェンシング教室を始めると、数十人の子供たちが体育館に集
まってくる。ところが、エンデルの素性を疑う校長はいい顔をしない。

枯れ枝とダンボールで模造剣を作り稽古に励む子供たち。保護者会で
校長の反対を押し切ると、友人から人数分のフェンシング用具が送ら
れてきたりする。子供が苦手だったエンデルもコーチングの楽しさに
目覚め、相手の気持ちを慮って指導するようになる。

人を寄せ付けない雰囲気を持っていたエンデルが、子供たちから信頼
されて初めて前向きな姿勢を見せ、実は子供たち以上に変わっていく。
彼の背中は、人は誰かと関わってこそ成長できると訴える。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

              「こころに剣士を」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/201601028
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
             「バイオハザード:ザ・ファイナル」  です。

幾重にも張り巡らされたトラップ、断間なく襲い掛かってくる戦闘員、
大地を埋め尽くすゾンビ集団、牙をむく改造獣。行く手を遮るあらゆ
る障害を超人的な身体能力と的確な銃撃、ロープやナイフなどの小道
具を駆使した体術で排除していく。短いショットを積み重ねとショッ
キングな音響で緊張を促す映像の連続は、ホラーアクションの極北を
目指すこの映画の真骨頂。物語は救世主に指名されたヒロインが数人
の戦士とともに巨大な陰謀に立ち向かう姿を描く。問答無用で攻撃を
仕掛けてくる悪党をぶちのめしゾンビを駆逐し続ける一方、余計な感
傷はなし。殺戮の限りを尽くす単純な構成には潔さを覚える。そのス
タイルを貫き通したこのシリーズ、いつか評価される時が来るはずだ。

人工知能から48時間以内に抗体を散布なければ人類は死滅すると告げ
られたアリスは、ラクーンシティに向かう。道中、死んだはずのアイ
ザックス博士の罠にはまり、アンデッドの群れに放り込まれる。

廃墟となった地上、わずかな生存者も崩れかけた高層ビルに立てこも
ってアンデッドの襲撃をしのいでいる。彼らもアリスと共に戦う以外
に選択肢はなく、周到な準備でアイザックスとアンデッドを迎え撃つ。

生きる残る意志の弱い者やミスをした者は例外なく命を落とす、どち
らかが全滅するまで繰り広げられる妥協なき争いは、ジェットコース
ターのスピード感とシューティングゲームの爽快感にあふれ、見る者
の暴力や破壊の衝動を満たしてくれる。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                  「バイオハザード:ザ・ファイナル」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20161220
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
    「MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間」  です。

“ジャズではない、ソーシャルミュージックだ”。絶対的なオリジナ
リティがあると確信する男は、他人の音楽と同じ範疇にくくられるの
を嫌う。反面、セックスやドラッグに溺れ、スランプ時にはカネに困
り愛した女にも見捨てられた私生活は、人気ミュージシャンがたどる
典型的な転落の軌跡をなぞっている。物語は、米国音楽業界のスーパ
ースターだった主人公の活動休止期間に何が起きたかを描く。かつて、
彼のトランペットは聴衆を魅了した。だが一度しぼんでしまった熱意
はなかなか取り戻せない。それでも自分に興味を示す記者や憧れる若
者と交わるうちに、眠っていた情熱が目覚める。そう、スポットライ
トを浴びるのがパフォーマーにとって最高の栄誉なのだ。

1970年代後半、休養中のマイルスは取材に来た雑誌ライターのデイブ
を連れレコード会社まで金策に行く。その夜、パーティに忍び込んで
きた音楽プロデューサーのハーパーに未発表の録音テープを盗まれる。

即興演奏のようにランダムに交差する現在と過去、もっと遠い若き頃。
麻薬中毒者のように曖昧な現実と幻覚の境界。それら奔放な時制と虚
実のなかで繰り広げられるエピソードの数々は、米国ではまだ芸能か
スポーツの世界でしか黒人が活躍できなかった時代の名残を見せる。

特に出演中のライブハウスの前でマイルスが白人警官に逮捕されるシ
ーンなど、先進的な大都会でも差別がまかり通っていたのが衝撃的。
成功した黒人への、当時の白人の嫉妬心の強さを象徴していた。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

        「MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20161021
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
   「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」  です。

鋭敏な感覚は飛び道具を察知し、洗練された武術で数人の戦闘員をま
とめて秒殺する。フォースこそが生命の源と信じている盲目の戦士、
その圧倒的な存在感が慣れ親しんだ世界観に新風を吹き込んでいた。
物語は、破壊兵器開発に携わった研究者の娘が、父の思いを受け継ぎ
戦いに身を投じていく姿を描く。圧政を敷く側には権力闘争があり、
寄せ集めの反乱軍は意見がまとまらない。どちらも一枚岩ではなく、
内通も内紛もある。情報戦とゲリラ戦とロボット兵士と爆弾テロと大
義、それら21世紀の混迷を盛り込んだエピソードの数々は、「スター
・ウォーズ」を身近な戦争のメタファーだと思わせる。

帝国の労働キャンプから救出されたジンは反乱軍と合流。非戦派が主
流を占める中、ジンの父が送った伝言をもとに、彼女はキャシアンら
十数人の同志とともにデス・スターの設計図を盗み出す任務に旅立つ。

帝国幹部の娘ゆえ、反乱軍分派のソーが身分を保証してもスパイと疑
われるジン。それでもキャシアンたちと行動を共にするうちに自由を
奪い力ずくで支配しようとする帝国の統治に怒りを覚え、さらに父が
反乱軍に託したメッセージを見て運命に目覚める。

意思のある所に道は開ける、クローン大戦の生き残りもいるのだろう、
命令違反とわかっていても彼女に同行する古強者たちの意気の高さは、
死ぬべき時に死ねなかった戦士の勇気を象徴していた。ジェダイはも
ういない、ならば自分たちが立ち上がる時であると。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

        「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20161219
               
          を参考にしてください。


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        余|談|
        ━┛━┛

年末のこの時期になるとデパートの高級おせちが話題になります。ち
ょっと豪華なものだと3万円も超える商品も。すっかり、自宅で料理す
るものからお店で買うものに変貌しました。

1970年代ころまでは正月三が日は商店が休みなので、その間の保存食
として家庭の主婦が年末に作り置きしていました。

ただ、電子レンジのなかった時代、冷暗所で保管されていた料理を温
めずに食べるのはあまり好きではありませんでした。

現在では年中無休で飲食店も営業しています。もう30年以上おせちを
食べていないなぁ。。。

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      次回配信予定は12/27作品は
         
            「MERU」
         
              です。

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創刊日:2002-12-02  
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