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こんな映画は見ちゃいけない! 

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ドント・ブリーズ こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/12/15

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/12/15  Vol.1811   ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
             「ドント・ブリーズ」  です。

保険のかかった高額品のみを盗む。重罪になることには手を出さない。
そんな空き巣稼業の若者たちが最後のヤマと定めたのは盲目の老人が
金庫にしまった札束。物語は、荒廃した地域の住宅を狙った窃盗団が
家の主から思わぬ反撃を受け、追い詰められていく過程を描く。目が
見えなくても聴覚や嗅覚は抜群、元軍人ゆえに腕っ節は強く銃の扱え
る。そしてため込んだ怒りは、侵入者を絶対に許さないという敵意に
あふれている。一方コソ泥たちは老人を傷つけまいと狭い家中を逃げ
回るが、出入り口をふさがれる。クローゼット、物置、地下室、天井
裏……。どこに身を隠してもわずかな気配で居場所が察知される。そ
の映像には、暗闇の中で増幅していくリアルな恐怖が満ち溢れていた。

ロッキー、マネー、アレックスの3人は、深夜古い一軒家に忍び込むが、
目を覚ました老人に気づかれる。銃を振り回すマネーはあっさり殺さ
れ、ロッキーとアレックスにも銃口が向けられる。

障害者の財産に手を付けるのに気乗りしないアレックス、どうしても
カネが必要なロッキー。彼らに同情の余地はあるものの怖い目に遭う
のは自業自得でもある。視点は彼らでも、やはり虎の子の現金を盗ま
れた老人に共感を覚え始める。

ところが、地下室で見つけた老人の真実。この男もまた異常者とわか
った時、善悪の彼我が崩れてしまう。このあたり、いずれの登場人物
にも感情移入を拒む設定が、罪深い人間の業を浮き彫りにしていく。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

              「ドント・ブリーズ」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/201601125
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
             「ヒッチコック/トリュフォー」  です。

スーパースターよりも監督名が大きくクレジットされる映画がある。
監督のネームバリューは世界中に浸透し、普段映画を見ないような人
々でも知っている。ゆえに新作の興行的成功はある程度約束されてい
る。そんな映画監督はヒッチコック以降、スピルバーグしかいない。
映画はトリュフォーのインタビューをもとに、現代の映画監督たちに
ヒッチコックから受けた影響を語らせる。さらに、恐怖と緊張を表現
するテクニックを俳優の演技からカメラワーク、照明や音楽の使い方
までワンショットずつ分析する。結果として“エンタティナー”だっ
たヒッチコックはトリュフォーによって“アーティスト”に格上げさ
れる。その神髄は21世紀になっても決して色あせることはないのだ。

1962年、トリュフォーからのヒッチコックは取材依頼を快諾、50時間
にも及ぶインタビューが実現する。すでに“サスペンスの巨匠”と呼
ばれていたが、批評家からの低評価はヒッチコックを苛立たせていた。

「めまい」の、俳優のわずかな表情の変化、カメラアングルが示す不
穏な空気、何より主人公のアップが多用されたねっとりとした映像は、
幻覚と現実の間を行き来する彼の心象を的確に再現する。「サイコ」
では窃盗OLの逃亡劇と思わせて実は二重人格がテーマという、見る者
の予想を裏切りつつ期待を超える効果を上げた作劇術に考察を加える。

この2本には特に、“観客を驚かせ不安にさせそして楽しませる”哲学
が凝縮されているとこの作品は訴える。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

                  「ヒッチコック/トリュフォー」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20161214
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
                「海賊とよばれた男」  です。

戦争は終わった。だが敗戦の焼け野原で悲しんでいる暇はない。生き
残った店員を養い、復員してくる店員の居場所を確保しなければなら
ない。ならば面子もプライドも捨て商売敵に頭を下げる。どんな発注
でも喜んで受注する。それが従業員の生活に責任を負う経営者の務め。
物語は、地方都市の石油商が一代で大手元売り会社に成り上がる過程
を描く。何をやっても既得権益者の妨害に合うがゆえ、誰もやらない
分野に手を出してみる。進取の気性と即断即決を兼ね備えた主人公の
生き方は起業家の教科書だ。“仕事がなかったら作れ”という言葉は
あらゆるビジネスの基本であることをこの作品は教えてくれる。

門司の油売り・鐵造は関門海峡で漁船に燃料を売って頭角を現す。そ
の後、対米戦争中は陸軍に食い込み事業を大きくする。そして終戦、
石油輸入を止められた鐵造は人生最大のピンチを迎える。

他の石油商社が断った米軍の依頼を引き受けた鐵造は、南方帰りの古
株社員・東雲に割りふる。穴倉の底を浚う汚れ作業、それでも銃弾飛
び交う戦場よりはマシと東雲らは立派にやり遂げる。現場を視察に来
た鐵造も思わず手伝うほどの士気の高さは、志を同じくする者が力を
合わせる喜びにあふれていた。

先頭に立って走るだけでなく、懸命に働いて結果を出そうとしている
部下の姿をきちんと見て評価している。そんな“リーダーの理想像”
を鐵造は演じ続ける。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                     「海賊とよばれた男」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20161212
               
          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

11月の新車販売台数で日産車としては30年ぶりにトップに立ったノー
ト。エンジンで発電しモーターで駆動する新しいハイブリッド方式が
受けたようです。

モーターによる加速は想像以上にパワフルで、アクセル操作だけで減
速もできるため、運転も楽になりました。

なにより、電気自動車の弱点である充電の面倒くささと航続距離の短
さを克服したことが評価のポイントになっています。

要するに、先行して発売されている電気自動車・リーフの買い替え需
要だったということか。。。

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      次回配信予定は12/17作品は
         
            「ヒトラーの忘れもの」
         
              です。

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創刊日:2002-12-02  
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