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こんな映画は見ちゃいけない! 

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湯を沸かすほどの熱い愛 こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/10/29

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/10/29  Vol.1797   ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
              「湯を沸かすほどの熱い愛」  です。

夫は蒸発した。娘はクラスメートにいじめられている。自分がしっか
りしなければと自らを奮い立たせている女は、突然の末期がん宣告を
受ける。身の不幸を嘆いている暇はない、彼女は夫婦と親子の絆を取
り戻す決意をする。物語はそんなヒロインが夫を探し出し、娘に自信
をつけさせ、黙っていた秘密を話そうとする姿を描く。一度目は不信
と遠慮と腹立たしさに気まずい雰囲気が漂っていたのに、二度目は信
頼と思いやりに安心の笑顔が浮かぶ。夫の連れ娘を加えてリセットさ
れた一家がしゃぶしゃぶ鍋をつつくシーンは、いちばん身近な人間関
係だから良好な状態を維持するためには努力する必要があると訴える。
あくまでオーソドックスに感情を表出させる演出に、かえって新しさ
を覚えた。

バイト先で倒れた双葉は余命2か月と告げられ、夫の一浩と彼が外の女
に産ませた娘・鮎子を呼び戻し、娘の亜澄と共に休業中の銭湯を再開
させる。そして、学校で制服を盗まれた亜澄に戦えと発破をかける。

その後、居心地悪そうにしていた鮎子も双葉に心を開き、4人は本当の
ファミリーのようになる。生きる勇気をつかんだ亜澄に真実を語ると
きが来たと悟った双葉は、毎年カニを送ってくる女に彼女を会わせる。
それは亜澄にとって、知りたくないが知っておくべき両親の過去。

声ではない、手話だからこそ伝わる母親の思いと娘の当惑、それが深
い理解につながる過程は大いなる慈愛と寛容に満ちていた。

       お勧め度=★★★★(★★★★★が最高)

               「湯を沸かすほどの熱い愛」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160718
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
                「pk」です。

数多いる神々に祈り、献金し、修行してお願いしてきたのに、一向に
叶わないのはなぜ? 神様が行先不明になっているからなのか、それ
とも手違いで声が届いていないからなのか。ならば自分で直接願いを
伝えよう。物語は、風変わりな男が宗教指導者や偶像にひれ伏す信者
たちを見て、神の存在を確かめようとする姿を描く。嘘のない世界か
ら来た彼は、神が実在すると考えている。だからこそ不安に付け込ん
で金儲けに走る宗教団体の行いが“かけ違い”に思える。あくまでも
理性的な言葉で神と宗教の常識を覆そうとする過程は、偏狭な教義・
思想がいかに人々を不幸にしているかを訴える。ただ真実をつけたい、
むき出しの眼球で相手を見据える主人公の思いが上質のエンタテイン
メントに昇華されていた。

TVレポーターのジャグーは街で神様を捜すPKの取材を始める。PKは宇
宙船への連絡手段のリモコンの行方を追っていたが、それがある教団
の“宝物”に崇められていると知って、導師に返還を求めていた。

創造の神はひとりのはずなのに、どうして多くの宗教がお互いに憎し
み合うのか。特にイスラム教徒への偏見は根強く、ジャグーもかつて
裏切られた経験がある。宗教そのものの在り方を問うPKの態度に視聴
者は共感し、PKは世間に影響力を持ち始める。

希望としての神を否定するのではなく、預言者の胡散臭さを非難する
導師とPKの問答は、人は何を信じて生きるべきかを教えてくれる。

       お勧め度=★★★★(★★★★★が最高)

                    「pk」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160806
 
         を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
             「92歳のパリジェンヌ」です。

まだ感覚も意識もはっきりしているし、杖をついていても己の足でち
ゃんと歩ける。日常生活もヘルパーのおかげで苦にならない。でも、
クルマの運転をはじめこなせる作業が少なくなっている。物語は独立
心旺盛な老婆が92歳の誕生日に「この世を去る」と宣言したことから
起る、家族や医療機関との軋轢を描く。もちろん周囲は大反対、とこ
ろがヒロインの決意は揺るがない。やがて、他人の世話になりたくな
い彼女の気持ちを理解して協力する者も現れる。確実に肉体も反射神
経も弱っていく、決して回復はない「老い」との戦いに疲れた。だか
らこそ、意思の清明なうちに命への執着を断ち切ろうとする勇気に胸
が震えた。「死に方」は人間の尊厳に含まれるとこの作品は訴える。

一人暮らしのマドレーヌは集中力の衰えやおねしょにふがいない思い
を募らせている。ある日バスルームで気を失い火事になりかけたとこ
ろを娘のディアーヌと孫のマックスに助けられ、そのまま入院する。

医師に「死」の予定について話しても法律を盾に断られるマドレーヌ。
渋々おむつを着用するシーンは、プライドが傷ついても自由を選ぶ彼
女の生きざまが象徴されていた。そんなマドレーヌとの思い出を反芻
するうちに彼女の願いを叶えてやりたいと思い始めるディアーヌ。

愛する者の死は耐え難い、だが強い愛で悲しみを乗り越えられるとデ
ィアーヌは信じている。その後マドレーヌは折り合いの悪い長男にも
謝罪の手紙を書き、最期の心残りをディアーヌに手伝いで清算する。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

               「92歳のパリジェンヌ」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20161008
 
         を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

日本シリーズもいよいよ佳境に入り、第6では日本ハムの先発が予想さ
れる大谷の“リアル二刀流”がもう一度見られそうです。

第1戦ではつまづいたものの、第3戦ではサヨナラヒット、もし次戦で
勝利投手になって、結果的に日ハムが日本一になったら大谷のMVPは間
違いなし。

そうなると気になるのが来年の年俸。今年の2億円から倍増は間違いな
い上に、優勝ボーナスも上乗せされ、球団としては最低でも5億円を提
示せざるを得ないでしょう。

それだけの値打ちがあるのは間違いないけれど、他選手との兼ね合い
や球団の懐事情もあるはず。大谷のメジャー行きが早まったことは確
かです。。。


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      次回配信予定は11/3 作品は
         
            「ぼくのおじさん」
         
              です。

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創刊日:2002-12-02  
最終発行日:  
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