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こんな映画は見ちゃいけない! 

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淵に立つ こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/10/13

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/10/13  Vol.1792   ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
              「淵に立つ」  です。

妻と一人娘に恵まれ平和な日常を送ってきた町工場社長の前に、突然
現れた過去からの亡霊。人前では礼儀正しく柔和な表情を崩さない男
は、巧妙に妻と娘に近づき心の隙間に忍び込む。物語は出所した元殺
人犯がかつての友人に対し、静かに、そして残酷な方法で復讐を果た
していく過程を描く。本能が警報を発しているのに男に意見できない
社長、敬虔なプロテスタントゆえに男を疑ったことを恥じている妻。
それぞれが口には出せない本心を隠しながら、張り付いた笑顔の奥か
ら陰湿な本性をのぞかせる男に無邪気な娘が懐くのを見守っている。
不吉な空気の重苦しさに押しつぶされそうな映像が悲劇を予感させる。

金属加工場を経営する利雄は11年ぶりに訪ねてきた八坂を住み込みで
雇い入れる。八坂は利雄の妻・章江に犯歴を語り、誠実な態度に章江
は好感を持つ。同時に八坂は娘・蛍にもオルガンを教えて歓心を買う。

しきりに手を出してくる八坂に章江の気持ちは揺れる。利雄も気づい
ているが見て見ぬふり。だが、章江がきっぱりと拒んだとき、八坂の
暴力は蛍に向かう。自分の代わりにのうのうと幸せをむさぼってきた
利雄に死ぬまで終わらぬ地獄を与えた八坂は、そのまま姿を消す。

れから8年経ち、八坂の仕打ちに苛まれる利雄の、家族の犠牲の上に
成り立つ利己的な贖罪は続いている。章江との間も冷え込むが、彼女
もまた己を罰している。八坂の行方を追いつつも、本当は真実を避け
ている利雄の振る舞いが人間の弱さを象徴していた。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

               「淵に立つ」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20161010
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
           「お父さんと伊藤さん」です。

己の流儀にこだわり他人の意見には耳を貸さない。細かいことに口出
しして一緒にいるだけで気詰まりしてしまう。それでも実の父だから
放ってはおけない。物語は年の離れたフリーターカップルが同棲する
アパートに女の父親が転がり込み、奇妙な同居生活のなかで心地よい
距離感を模索していく姿を描く。オッサンが娘の恋人にはふさわしく
ないと、元小学校教員の父は考えている。娘もそう思われているのは
承知している一方で、迷惑なのを隠そうとはしない。にもかかわらず
オッサンは父に理解を示す。なんでも丸く収めてしまう、そんな不思
議な優しさを持つ男をリリー・フランキーが飄々と演じている。

彩と伊藤が暮らす部屋に押しかけてきたお父さんは、毎日出かけては
夕食の時間まで帰ってこない。ある日、お父さんを尾行した彩は小学
校の校門で寂しそうにしている背中を見て、一日遊びに連れ出す。

せっかく彩と伊藤が気を遣ってもしかめ面を崩さないお父さん。とこ
ろが工具や植物の種などを物色するうちに伊藤と意気投合する。むし
ろ自分をかまってくれる伊藤に対しお父さんは親近感すら抱く。家庭
をうまく築けなかった伊藤は、ケンカしながらもやっぱり最後には父
と娘に戻るお父さんと彩にうらやましそうなまなざしを送る。彩は伊
藤が引き出したお父さんの意外な一面を発見して少し驚いている。

3人が互いに新たな関係を深めていく過程は、面倒くささの先にある共
通の思い出が家族を形成すると教えてくれる。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

               「お父さんと伊藤さん」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20161011
 
         を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

ここ数年、ノーベル賞の受賞者発表シーズンになると決まって盛り上
がるのは「村上春樹が受賞するか否か」の話題。

特にノミネートがあるわけでもないのに、“ハルキスト”と呼ばれる
(自称する)ファンが当日残念会を開くニュースがかなりの時間を割い
て伝えられてきました。

ただ、彼らが語る作品論はどこか鼻につき、「私たちは村上作品のエ
スプリを理解する都会的かつ知的な人種なのよ」と、大衆文学を見下
しているよう。

あくまでTVのニュースから受けた感想ですが、ニュースの編集者もそ
う思っているに違いありません。。。

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      次回配信予定は10/15 作品は
         
               「スター・トレック BEYOND」
         
              です。

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