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こんな映画は見ちゃいけない! 

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怒り こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/09/22

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/9/22 Vol.1786    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
             「怒り」  です。

後ろ暗い過去があるのだろう、決して身の上話はしない。名乗った名
前も本名かどうか疑わしい。それでも世間とうまく折り合いがつけら
れない境遇は同じ、男に声をかけた人々は同類の匂いをかぎとり、い
つの間にか彼を受け入れている。しかし、逃亡中の凶悪犯に似ている
と知った時、築き上げてきた信頼が揺らいでしまう。夫婦惨殺事件か
ら1年後、物語は行き場のない男たちがやっとたどり着いた人間関係の
中での、息をひそめて生きる姿を描く。生まれてきたことが罪で、己
を罰するような苦境と絶望に苛まれている老若男女の孤独が、痛々し
いほど切ない。彼ら、彼女らが、相手を信じ切ってやれなかった弱さ
と狡さに自分を責め苦悩し後悔する表情が、見る者の胸に突き刺さる。

沖縄の無人島にこもる田中は島に渡ってきた泉と知り合いになる。東
京のゲイクラブで直人をナンパした優馬は一緒に暮らし始める。千葉
の漁港で働く田代は世話人の娘・愛子と仲良くなる。

田中。直人。田代。3人とも素性がしれないが、関わった者は訳アリの
彼らに対する警戒心を徐々に解いていく。その過程で、彼らは本心は
さらけ出さないものの、根っからの悪人や狂人にはないやさしさを見
せる。だが、重大殺人犯が整形手術をして市井に紛れているという警
察発表を見た優馬や愛子に、直人や田代への疑心暗鬼が芽生える。

3人のエピソードが頻繁に入れ替わりながら進行する構成は、実は3人
が同一人物で時制をシャッフルしているのかと思わせる巧妙な編集だ。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

               「怒り」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160919
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
           「エル・クラン」です。

監禁された人質がうめき声をあげている。ダイニングでは何事もなか
ったかのように家族が夕食のテーブルを囲んでいる。父と母、息子と
娘が2人ずつ、みな父親に敬意を示し、家長の父も妻子への思いを隠さ
ない。物語は誘拐をビジネスにする一家の歪んだ日常を描く。過去に
多くの人々が行方不明になったせいか、世間は当事者以外は誘拐事件
に関心が薄い。一方で軍事政権下で公安活動をしていた父にとって拉
致監禁はお手の物。そんな父に逆らえず不本意ながらズルズルと犯罪
を手伝う長男。人質の命だけでなく被害者の家族の気持ちを弄ぶこと
に何の痛痒も覚えない父の非情な態度と、友人を裏切って死なせた後
悔に沈み込む長男の表情が対照的。純粋な悪ほど心に迷いがないのだ。

ラグビー・アルゼンチン代表のアレハンドロはチームメイトの誘拐計
画に手を貸す。実行犯の父は身代金を受け取ると人質を射殺するが、
アレハンドロは分け前でサーフショップを開業する。

その後も誘拐をしては身代金を奪うと人質を殺す父に嫌気がさしたア
レハンドロは、恋人との結婚を前に足を洗おうとする。だがアレハン
ドロ抜きの誘拐が失敗すると父は激しくアレハンドロを責める。父の
異常さと、それを黙認している母や兄弟の精神構造に耐えられなくな
った弟は家を捨てるが、アレハンドロにその勇気はない。

蟻地獄のごとき人生が、この父が生きている限り、そして自身に良心
が残っている限り続くと悟ったアレハンドロの苦悩はさらに肥大する。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

               「エル・クラン」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160921

          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
      「THE BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」です。

目を覚ましているのは猫と酔っ払いだけ。真夜中は過ぎたけれど未明
にはまだ早い時間のロンドン、少女は3階建てビルほども身長のある男
と目が合ってしまい、毛布にくるまれたままさらわれてしまう。行く
先はは、人間が大好物の恐ろしい大巨人が住むところ、物語はひとり
ぼっちのヒロインが夢の中の危険で奇妙な体験を通じて、前向きに生
きる勇気と愛される希望を身に付けていく過程を描く。巨人もまた彼
の世界では取るに足りないちっぽけな存在でしかない。だから彼女と
友達になり、孤独と無力感にさいなまれる日常から抜け出したかった
のだろう。泉の中でカラフルな光を放ちながら舞う「夢」を捕獲する
ふたりの姿が息をのむほどファンタスティックだ。

孤児院で育ったソフィは、ある夜、捕まえた夢を人間に吹き込む巨人
・BFGを見てしまい、彼の家に連れて行かれる。だがソフィの匂いを嗅
ぎつけた邪悪な大巨人は、彼女を食べようとする。

理性的なBFGは様々な機械を操り道具を持っている。一方でBFGの2倍ほ
どの体格の大巨人たちは粗末な衣類を身に付けて地面に寝そべってい
る未開の野蛮人。いつも大巨人たちの顔色をうかがっているBFGは、ソ
フィが狙われていると知り命がけで彼女を守ろうとする。

今まで何人もの子供と親しくなったのに、みな大巨人の犠牲になって
しまった。救ってやれなかった後悔と自責の念からか、今度こそは子
供を助けようとソフィのアイデアを実行に移す。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

          「THE BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160920

          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
             「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」です。

周囲にいるのは無理解な大人たちといじめっ子ばかり。気持ちをわか
ってくれていた父は戦争に行ってしまった。そんな時、孤独な主人公
が出会ったのは“敵国”の老人。物語は、発達障害で身長が伸びない
少年が、自分と友人を信じ“奇跡”を起こすまでを描く。強く念じれ
ば願いは叶う。それがたとえマジックや偶然であっても、己の力で成
し遂げたと確信することで不可能を可能に導いていく過程は、ファン
タジックかつノスタルジックだ。前線とは遠く離れた平和な田舎町、
そこでも戦争は色濃く影を落とし、人々の心に憎しみを植え付ける。
男はタフでなければならなかった時代、非力で弱気だった彼が友情と
プライドを守ろうとする姿は、つい背中を押してあげたくなる。

第二次大戦中の米国西海岸の町、兄の代わりに出征した父の帰りを待
つペッパーは、日系人のハシモトに敵意むき出しにして投石する。司
祭にたしなめられペッパーは7つの善行を印したメモを渡される。

ペッパーは「ハシモトに親切にする」という項目を実行するために彼
に近づくが、なかなか許しがもらえない。それでもあきらめずにハシ
モトを尋ねるうちに2人は次第に打ち解けていく。日系人に対する偏見
が深まるなかでハシモトと過ごすペッパーは、ハシモトの言動から信
念を曲げずに生きるための知恵と勇気を学んでいく。

一歩踏み出し、運命と戦う決意をしなければ人生は変わらない、2倍近
い体格の悪ガキをぶちのめすシーンに彼の精神的な成長が凝縮される。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

                  「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160917

          を参考にしてください。
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        余|談|
        ━┛━┛

1年もたたずに壊れてしまったASUS製のパソコン、結局修理せずに戻っ
てきましたが、販売店のサポセンに相談するととても親切に対応して
くれました。

ASUSのサポセンよりも知識が豊富な上、いろいろと対応策を調べてく
れたりと何とか解決策を見つけようと努力してくれます。

的確なアドバイスのおかげで次善の策が見つかり、結局もう一度ASUS
に修理に出しました。

なんとか保証期間内に間に合ってよかった。まあ、二度とASUS製品は
買いませんが。。。

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      次回配信予定は9/24 作品は
         
               「ハドソン川の奇跡」
         
              です。

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創刊日:2002-12-02  
最終発行日:  
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