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こんな映画は見ちゃいけない! 

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ターザン:REBORN こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/08/04

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/8/4 Vol.1773    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
        「ターザン:REBORN」  です。

ゴリラは家族、ライオンは幼馴染み、ゾウは友達、そして人間は敵。
ジャングルで生まれ獣たちと育った男は、文明の洗礼を受けてもなお
野生の本能と超人的な身体能力を失わず、大切な仲間を守るために故
郷の大地に戻る。下生えを駆け抜け、巨木の枝を跳び、ツタからツタ
を伝う、道なき樹海を重力を味方に目まぐるしいスピードで移動する
シーンは体験型アトラクションのよう。物語は、未開の自然と人々を
征服する計略を暴く主人公が、妻を取り返すために奮闘する姿を描く。
腹の底から絞り出す雄叫びは怒りと悲しみに満ち、周辺の部族と動物
たちに危機を知らせ団結を呼びかける。だが、彼もまた国家間の駆け
引きの材料という現実が、19世紀のスーパーヒーローの限界を示す。

英国貴族のジョンはベルギー王のコンゴ進出の真意を探るために現地
に渡る。しかし、ベルギー人指揮官のロムに妻・ジェーンを拉致され
た上、森林が破壊され原住民が奴隷にされている事実をつかむ。

ジョンに同行する米国人・ジョージが、英国人もアフリカの蚕食につ
いて無実でいられないことを象徴する。黒人ゆえに白人に迫害された
過去を持つがジョージ自身もインディアン虐殺には手を貸している。
結局、ジョンの父親も植民地から莫大な利益を得ていた上に、ジェー
ン一家もアフリカに来ていたのは人道的理由だけではないだろう。

アフリカではあらゆる西洋人は簒奪者、一度、英国人のアイデンティ
ティを手に入れてしまったジョンもその分類からは逃れられないのだ。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

           「ターザン:REBORN」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160802
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
            「ロング・トレイル!」です。

世界中を旅してきたが、故郷の大地には背を向けてきた。老境を迎え
た男は初めて避けてきたことに対峙する。それは長く険しい山道の踏
破。物語は引退寸前の紀行作家が大きなリュックを背負い、森の小道
をひたすら歩く姿を描く。道連れは疎遠だった旧友。感情のしこりが
残ったまま仕方なく出発するが、いつしか2人はお互いに頼り頼られる
関係になっていく。自分探しの若者のようなストイックさはないが、
毎日十数時間進み、山の空気を吸い、必要な食事をとり、悪習を絶つ。
大自然に親しむのがこれほどまでに好影響を与えるのかと、人間の順
応性の高さに驚かされた。もうジジイだがまだ枯れてはいない、でも
頑張りすぎるのはイヤ。そんな、気ままに振る舞う彼らが微笑ましい。

何年も新作を発表していないビルは、全長3400キロの山岳トレイルへ
の挑戦を思い立つ。ひとりでは危険と、やっと見つけた同伴者・ステ
ィーブンは、タラップを降りるのも苦労するほど太っていた。

意気揚々とスタートする2人、ところが急な登り坂に早速弱音を吐くス
ティーブン。さらにおしゃべりな女に付きまとわれてうんざりすると、
ヒッチハイクで逃げたりする。テントで夜を明かすばかりではなく、た
まにはロッジで手足を伸ばし、モーテルで文明世界に戻ったりもする。
あくまでも、急がず無理せず安全を重視する2人。

その過程は、冒険の醍醐味や新たな発見こそないが、小さな出会いの
積み重ねが気持ちを豊かにすると教えてくれる。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

               「ロング・トレイル!」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160803

          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
             「シン・ゴジラ」です。

数十人もの政治家・高級役人が雁首を並べて、「何をすべきか」では
なくしてはならない理由を口にする。抜き差しならない状況に追い込
まれて初めて若手の意見を採用し、自分に累が及ばないように手を打
ってから指揮権を与える。その間、機関銃のごときテンポで交わされ
る言葉の数々は現実的かつ具体的で、一刻の猶予もならない事態の緊
迫感を漂わせる。物語は東京を襲った巨大生物に翻弄される政府中枢
の人々の人間模様を描く。総理大臣の権限が強大ではない日本、自衛
隊の武力行使には膨大な会議と手続きが必要な上、各省庁の思惑が一
本化しない。その上優柔不断な総理代行の態度に米国が口出しを始め
る。仮想敵国の武力侵略へのシミュレーションを見ているようだ。

東京湾で異変が起き、ほどなく巨大生物が上陸、工業地区・住宅地区
を蹂躙した後、海に戻っていく。一方総理官邸の危機管理センターで
は、内閣官房副長官・矢口をリーダーとした対策本部が組織される。

ゴジラと名付けられた巨大生物は進化・成長し、二足歩行で鎌倉に再
上陸、東京に向かって歩を進める。重火器・戦車砲・ロケット弾、自
衛隊の武力攻撃はことごとくゴジラに跳ね返され、やがてゴジラは省
庁が集中する霞が関付近にまで到達する。

矢口たち公務員の、仕事への誇りとか国家への忠誠とか家族への思い
など個人の苦悩や感情的な動きという「ドラマ」を一切排した潔さは
かえって新鮮だったが。。。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

               「シン・ゴジラ」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160801

          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

岩波ホールといえば東京のミニシアターの先駆けともいえる存在。日
本・海外を問わず、日の当たらない良品を発掘・上映していました。

その地位は相対的に低下しているものの、いまだに岩波ブランドは一
部ファンに支持されています。

それだけに残念なのが、上映中も点灯したままの非常口誘導灯。何度
も映写効果の妨げになるから消してくれとクレームをつけましたが、
全く改善の様子は見られません。

入居しているビルもそろそろ50年、老朽化しているだけに、このまま
何の手も打たれないままなのでしょうか。惜しい。

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      次回配信予定は8/6 作品は
         
           「太陽のめざめ」
         
              です。

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創刊日:2002-12-02  
最終発行日:  
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