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こんな映画は見ちゃいけない! 

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ヤング・アダルト・ニューヨーク こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/07/21

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/7/21 Vol.1769    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
      「ヤング・アダルト・ニューヨーク」  です。

妻とふたりのの気ままな時間を楽しみ、まだまだ若いつもりの中年男。
大人になるのを拒むかのように過去の栄光にしがみつき、純粋なまま
でいようとする。そして、時流に遅れまいと目新しいものに次々とチ
ャレンジしては、迫りつつある老い実感する。物語は、「万年制作中」
のドキュメンタリー映画作家と彼の妻が、ひと世代若いカップルと交
流するうちに新鮮な気持ちを取り戻していく過程を描く。iPodよりも
レコード、DVDよりもビデオ、何より効率よりも心の在り方を重視する
若者たちに感化された男は、やがて大きな陥穽に堕ちたと気づく。ア
ダム・ドライバーが、油断ならない“好青年”を胡散臭く演じている。

映像講座の聴講生・ジェイミーから声を掛けられたジョシュは、ジェ
イミーの褒め文句に有頂天になる。その後も夫婦ぐるみで交際は続き、
精神的にも肉体的にも刺激を受けたジョシュの世界は色づき始める。

SNSに連絡がきた高校時代の友人の“現在”を取材するジェイミーの企
画を手伝うようになったジョシュは、カメラを回し続けて得られる幸
運な偶然こそがドキュメンタリーの醍醐味とジェイミーに伝える。予
想外の展開がアフガン問題にまで発展し、ジェイミーの切り口は対テ
ロ戦争に変わり、ジョシュもコメンテーターを紹介したりする。

自分の指導で伸び盛りの青年を育てる快感に浸るジョシュ。カネでは
ない、輝きだした彼の日常は、他人に認められ尊敬され役に立つこと
が生きる原動力になると教えてくれる。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

        「ヤング・アダルト・ニューヨーク」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160511
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
            「HiGH&LOW THE MOVIE」です。

ケンカとバイクに明け暮れた日々は過ぎ、微妙な均衡の上で平和を保
っている街。そこに、かつてカリスマリーダーとして一目置かれた男
が舞い戻ってきたことから、ストリートに再び暴力の嵐が吹き始める。
物語は、束縛されない生き方を選んだ若者たちがそれぞれの夢とプラ
イドを賭けて戦う姿を描く。走り跳び回転しながら繰り出すパンチや
キックは激しいダンスをのよう。軽快な動きはいかに派手に見えるか
に徹している。疾走感あふれる映像からはエネルギーがほとばしり、
作り手の熱い思いと共に壮大なスペクタクルに昇華される。もはやス
トーリーやキャラクターの掘り下げなどは二の次、ただただ登場人物
を暴れさせる構成には潔さを感じた。EXILEメンバーの身体能力の高さ
が生み出す、空間を立体的に使った格闘アクションに目を見張る。

無名街に割拠する5つのチームを排除する計画に乗った琥珀は、韓国系
ギャングに命じて次々と対立チームをつぶしていく。裏には巨大な利
権と、琥珀の個人的な思惑が絡んでいた。

映画はその間、5つのチーム各々の内部事情と韓国人勢力との抗争を逐
一描写していく。同時に琥珀と無名街の再開発を目論むヤクザグルー
プとの交渉をからませ、20人以上にも及ぶ複雑な人間関係を俯瞰する。

常に誰かがパイプを振り回し、誰かが血を流している。粗暴極まりな
いが、多様なカメラワークとクールでスタイリッシュな絵作りは、ミ
ュージックビデオのようなスピード感に満ちていた。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

               「HiGH&LOW THE MOVIE」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160719

          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
                  「ファインディング・ドリー」  です。

数秒前の出来事も思い出せない上、忘れたこと自体を覚えていない。
それでも、心の片隅に残っている愛された思い出と、時折浮かぶ言葉
の断片が、彼女がひとりで生まれてひとりで育ったのではないと示し
ている。物語は、記憶機能に障害を持つ子魚が、生き別れた両親と再
会するまでの長い冒険の旅を描く。経験に依らない分直感は鋭く、と
っさの判断はいつも正しい道に彼女を導く。先入観がないから恐れや
迷いもなく思い切った行動がとれる。そんなヒロインの姿は、ひたむ
きな願いが周囲に伝染すればきっと誰かが手を差し伸べてくれると説
く。一方で認知症患者が徘徊を繰り返すかのような目が離せない危う
さは、元気な肉体を持ちながら理性が通じない者の無謀な行為が、い
かに当事者のみならず見守る者までを危険にさらすかを示唆している。

両親の言葉を聞かなかったせいで孤児となったナンヨウハギのドリー。
成長後はマーリンとニモ父子と仲良く暮らしている。ある日両親にも
う一度会いたい気持ちを抑えきれずマーリンたちと共に海流に乗る。

海洋生物保護センターに入ったドリーは両親が別の区域にいると聞く。
そこで知り合ったタコのハンクと取引して両親が待つ水槽を目指すド
リー。他にもジンベエザメやシロイルカなどがドリーの背中を押す。

困ったときは見知らぬ他者でも良心を信じて助けを求める、頼られた
側はできる範囲で力を貸してくれるはず。ドリーと彼女の協力者の関
係は、リアルなつながりこそが信頼と友情を深めると教えてくれる。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

                    「ファインディング・ドリー」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160720

          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

第二次大戦後のドイツでは「アドルフ」という名はすっかり不人気に
なっていると朝日新聞が報じました。19世紀には普通にいたようだか
ら、独裁者のイメージが嫌われたのは明らかです。

さらに「ヒトラー」姓に至っては、血縁を疑われるのが嫌でほとんど
の人が改姓。名乗り続けて生きた人はあまりいい人生を送れなかった
そうです。

日本でA級戦犯として死刑になった人の姓名は特に忌避されていないの
は、やはり悪名の轟き方が違うからでしょう。

ただ、1990年代以降、娘に「貞子」と名付ける親はいなくなったと思
いますが。。。

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      次回配信予定は7/23 作品は
         
           「ミモザの島に消えた母」
         
              です。

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