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こんな映画は見ちゃいけない! 

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生きうつしのプリマ こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/07/16

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/7/16 Vol.1768    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
         「生きうつしのプリマ」  です。

ふとネットで見つけたオペラ歌手のポートレイト。彼女は亡くなった
母と同じ顔をしている。ただのそら似なのか、何か事情があるのか。
物語は、家族の秘密を探る人々が思いがけない事実にたどり着くまで
を描く。頑固で横暴な父は脅えている。オペラ歌手は不機嫌さを露わ
にする。ところがオペラ歌手の母はヒロインの母の名を覚えている。
優しかった母も情熱的なひとりの女だったと知る展開は、ミステリア
スかつスリリング。他人の心の奥をのぞき見する後ろめたさが、複雑
にもつれた運命の糸が解きほぐされていくことで愛に昇華されていく
過程は、真実は人を自由にすると教えてくれる。

父・パウルに頼まれてNYにやってきたゾフィは、オペラ歌手のカタリ
ーナに面会するが相手にされない。だが、カタリーナの認知症を患う
母・ローザは、ゾフィの母・エヴェリンの写真に激しく反応する。

エヴェリンとカタリーナの線はつながった。それでもカタリーナがな
ぜエヴェリンの元を離れたのか、そしてカタリーナの本当の父は誰な
のか、すべてはエヴェリンが墓の中まで持って行ってしまった。その
裏にはパウルと彼の兄・ラルフの長年の確執が隠されている。

そもそも、パウルがゾフィにカタリーナを調べさせたのは、自分の疑
念が杞憂だったと確認するためだったはず。にもかかわらず心配して
いた結果になっていちばん動揺しているあたり、パウルの性格の悪さ
が象徴されていた。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

        「生きうつしのプリマ」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/2016011
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
            「神のゆらぎ」です。

神の教えを守るために他人を見殺しにできるのか。輸血をすれば愛す
る人は助かる。だが聖書に背いた者はコミュニティに居場所がない。
一方で彼女は人の命を救うナースという職業。物語は、エホバの証人
信者のヒロインが苦悩と葛藤の末に苦渋の決断を下すまでを追う。並
行して、小さな幸せを夢見る老不倫カップル、ギャンブル狂の夫とア
ル中妻の冷え切った夫婦、そして運び屋の男とその兄の3組のドラマが
描かれる。誰もが現状に満足していないが、何が足りないのか具体的
には分からない。冷たく突き放すカメラの視点と、“飛行機が落ちる
のは全能の神がいないから”の言葉に神への不信感が充満していた。

白血病の婚約者を見守るジュリーは、飛行機墜落事故で病院に呼び出
される。負傷者が運び込まれジュリーは献身的に看護するが、回復手
術に希少型血液が必要とされると、適合する彼女に献血が求められる。

昏睡状態の患者は墜落事故唯一の生存者、絶対に死なせたくない。他
方、ジュリーの婚約者は深く帰依し輸血を拒んでいる。敬虔な信徒と
して祈りをささげてきたのに、婚約者が奪われる。それが神の意志な
らばもう神なんかいらない。布教先の男に神の不在を突き付けられて
いたジュリーは、信仰よりも大切なものに気づく。

映画はエホバの証人をことさら狂信的に扱っているわけではない。そ
れでも戒律と仲間同士の結束を重視し破戒者に冷淡な態度を取る信者
の姿に、この宗派の排他的な一面が凝縮されていた。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

               「神のゆらぎ」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160609

          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
                  「暗殺」  です。

爆弾、狙撃、銃撃戦。祖国を奪われた愛国者は自由と独立のためにテ
ロを繰り返す。標的は極悪非道の日本軍人と親日派の朝鮮人、数十人
の武装兵に囲まれてもなおひるむことなく抵抗を続け、生への突破口
を見つけようとする。物語は日本支配下の京城、要人暗殺を命じられ
た3人のスペシャリストと彼らを追う殺し屋、そして日本軍に内通する
朝鮮人スパイの暗躍を描く。上海の国際色豊かで雑然とした租界から、
京城の整然とした街並みと賑わいを見せる百貨店まで、ディテールた
っぷりに再現されたセットや背景のCGが時代の空気を醸し出す。朝鮮
人志士の銃裁きの前に間抜け面の日本兵が駆逐される中、大義や人情
では動かない、あくまでカネのために命を張る“殺し屋の相棒”を演
じたオ・ダルスが相変わらず強烈な存在感を示していた。

大韓民国臨時政府の幹部・ヨムは、日本人要人・川口と親日派・カン
を爆殺するために女スナイパー・オギュンら3人組を京城に送り込む。
一方で、彼らの抹殺を殺し屋のハワイ・ピストルに依頼する。

ヨムはかつて独立派闘士だったが日本に協力するようになった転向者。
カンは日本人有力者に取り入って私腹を肥やそうとしている。裏と表、
2人の売国奴は、どんな理由があるにせよ日本人に魂を売るのは万死に
値するという、現代韓国が唱える反日意識そのもの。

公に親日的な発言をするだけで炎上する、言論が制限された韓国社会
の未熟さと息苦しさを象徴していた。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                    「暗殺」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160623

          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

天皇が生前退位する意向を固めているとの報道が駆け巡りました。ま
だ50代の皇太子が皇位を継げば、1988年下半期から89年年初のような
事態にはならないと思います。

皇后とともに80歳を過ぎても国内外を訪問する姿は、安心するととも
にちょっと心配。もう少し公務をセーブしてはと思います。

で、やっぱり譲位後は「上皇」と呼ばれるようになるのでしょうか。
さらに「上皇の妻」となる美智子皇后はなんと呼ばれるようになるの
か。

まあ、平安時代のように、天皇と上皇が争うなんてことはないと思い
ますが。。。

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      次回配信予定は7/21 作品は
         
           「ヤング・アダルト・ニューヨーク」
         
              です。

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