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こんな映画は見ちゃいけない! 

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ダーク・プレイス こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/06/23

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/6/23 Vol.1761    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
                「ダーク・プレイス」  です。

あの日なぜ嘘をついたのか。なぜ兄は否定しなかったのか。子供だっ
たとはいえ見たこと聞いたことは覚えている。だが大人たちが認定し
た“事実”を追認してしまった。物語は幼少時に家族を惨殺された女
が、28年の歳月を経て事件の真相を探るために当事の関係者を尋ね歩
く姿を追う。その過程で知った衝撃の真実とかけがえのない愛。すっ
かり怠け癖が身についたヒロインが、わずかなカネのために他人の好
奇心にさらされる現実が切なく哀れだ。一方で刑務所の中でも誇りを
失わず、自らの運命を受け入れている兄。塀の中と外、惨劇の後、ど
ちらで過ごすのがよりマシだったのかを考えさせられる。

8歳の時に母と2人の姉を殺害されたリビーは兄のベンが犯人と証言、
ベンは認めて有罪が確定する。36歳になったリビーは古い犯罪を再調
査するグループから連絡を受け、いまだ服役中のベンに面会に行く。

ベンはリビーの偽証に何の恨みも持っておらず、むしろ過去を掘り返
されるのに違和感を抱いている。並行して彼の交友関係や家を出た父
などの話を集めるうちに、ベンにはディオンドラという恋人がいたと
判明する。ふたりはともに悪魔崇拝にはまり、世間に背を向けていた。
同時に救済を求めていたようにも思える。若かった彼らの小さな希望
は、未来のない田舎町からの脱出。

当時の農村の疲弊と現代のホームレスを登場させて、映画は社会問題
化して久しい貧困を浮き彫りにしていく。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

             「ダーク・プレイス」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160406
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
          「帰ってきたヒトラー」  です。

ゆるぎなき信念と歯切れのよい言葉、そして明確な主張。第二次大戦
後、“20世紀最大の悪”と評せられた独裁者が、口にできなかった国
民の思いを語る。もはや首を垂れる時代は終わった、ドイツとドイツ
民族は再び栄光を取り戻すべき時が来た、と。物語は、現代に蘇った
ヒトラーがネットとテレビを通じて人気者になっていく過程を描く。
EUの枠内でがんじがらめにされ、自国の繁栄を犠牲にしてまで債務国
の尻拭いさせられるドイツ。域外外国人の流入が不満に拍車をかける。
良識派は口をつぐみ、右翼は行動が伴わない。そんな、腑抜けになっ
たドイツ人に遠慮なく喝を入れ自信を回復させる。ブラックユーモア
とは言えないほどのリアリティは欧米先進国共通の本音を代弁する。

TVディレクターのファビアンは自称ヒトラーを連れて全国行脚に出る。
意外にも人々はヒトラーに好意的で、最初は興味本位でも、日常の諸
問題の解決策を明示する彼のスピーチに次第に耳を傾け始める。

完璧な理論武装で異論を論破し明快な話術で陶酔させるヒトラー。彼
のメディア戦略は大衆心理を巧みにつかみ、いつしか世直しの改革者
に祭り上げられる。そっくり芸人と思っていたテレビ局も視聴率を稼
げるヒトラーに頭が上がらない。彼のプロパガンダは、実は国民を幸
せにする素晴らしいヴィジョンではなかったのかと視聴者を洗脳する。

大いなる理想を提示しそれに向かって邁進する姿勢が、有権者が国の
リーダーに求めている資質であるとこの作品は訴える。

       お勧め度=★★★★(★★★★★が最高)

               「帰ってきたヒトラー」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160620

          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
          「10 クローバーフィールド・レーン」  です。

目覚めたら地下室でつながれていた。手当てしてくれた男は外界が攻
撃されたと言う。善意の救出者なのか狂気の変質者なのか、彼の態度
からは計り知れない。物語は堅牢なシェルターに監禁されたヒロイン
が脱出しようとする姿を描く。男が告げた“世界の崩壊”はどうやら
本当らしい。一方で、シェルター内には、“消えた少女”の痕跡も残
っている。神経をすり減らす会話と駆け引き、騙しているつもりなの
に騙されているのか、騙されたフリをして騙しているのか。疑念と不
安、怒りと焦り、メアリー・エリザベス・ウィンステッドがわずかな
表情の変化で微妙な感情を演じ分ける。

交通事故で重傷を負ったミシェルはハワードと名乗る男に助けられと
知る。食糧庫にいたエメットはハワードの話を裏付けるが、ミシェル
は外出を絶対に許さないハワードの真意を疑い始める。

隙を見て逃亡を図ったミシェルは顔がただれた女を目撃し、地上は汚
染されていると知る。危機が去るまでと一旦はシェルター暮らし受け
入れたミシェルだったが、ハワードの娘の写真が別人であるとエメッ
トに教えられ、その確証を得て再び自由になるチャンスを待つ。

元々若い女を物色中に偶然エイリアンの襲来と重なったのか、エメッ
トを生かしておいたのはなぜなのか。ハワードは事実に嘘を巧みに織
り交ぜ真実を隠そうとする。肥満体には似合わぬ細心さと抜け目なさ
を見せるハワードには、思考を読めない恐ろしさがみなぎっていた。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

               「10 クローバーフィールド・レーン」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160619

          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
          「クリーピー 偽りの隣人」  です。

挨拶に行っても素っ気なく対応される。近所付き合いが希薄な住宅街、
相手の事情には深入りしない。そんな都会の盲点を突き、その男は寂
しさに付け入りいつしか心を支配してしまう。物語は、心理学者と彼
の妻が、不気味な隣人に不審を抱き、脅え、安心し、操られるまでを
描く。怒った後に愛想がよくなり、不機嫌かと思えば親切に接してく
れる。とらえどころのない謎の男に夫婦は翻弄され、身動きが取れな
くなっていく。そして未解決の一家失踪事件。あらゆるプロファイリ
ングを超越した前例のない異常犯罪者を香川照之が怪演、悪意の深淵

をのぞき込んだ時に覚える、深淵に見つめ返される恐怖を表現する。

犯罪心理学を教える高倉は、家族が行方不明になった早紀にインタビ
ューし、彼女が蓋をした記憶をよみがえらせようとする。一方、専業
主婦の妻・康子はいつの間にか隣に住む西野と親しくなっている。

予想もしない反応をする西野を高倉も康子もどう扱ったらいいのかわ
からず事を荒立てないでおこうとする。偶然なのか西野の罠なのか、
康子は西野と何度も顔を合わせるうちに様子が変わっていく。その間、
高倉は元同僚の野上と西野の過去を洗い、不可解な点に気づく。姿を
見せない西野の妻、支離滅裂な西野の娘・澪、さらに隣家の西野の評
判。やがて野上の死が高倉の西野への疑念を決定的にしていく。

焦りや苛立ちが爆発しそうな高倉が西野の発する死の腐臭に呑み込ま
れていく過程は、はらわたを圧迫される不快感を放っていた。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

               「クリーピー 偽りの隣人」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160621

          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

不眠症を解消するために安眠マットレスを買いました。高反発から低
反発まで何種類もある中で選んだのは“点で体を支える”タイプ。

まだ数日しかたっていないので、効果てきめんとは言えないのですが、
寝つきがよくなったのは確かです

ただ、高額な上、店頭販売ではどこでもメーカー希望小売価格で値引
きは一切ありません。でもネットショップだと、クーポン利用で1万円
引き。もちろん送料無料、ポイントも2倍つきます。

こんな客が増えたら、お店の経営者はたまらないでしょうね。。。

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      次回配信予定は6/25 作品は
         
             「WE ARE YOUR FRIENDS」
         
              です。

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