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こんな映画は見ちゃいけない! 

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64-ロクヨン-後編 こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/06/16

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/6/16 Vol.1759    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
                「64-ロクヨン- 後編」  です。

指先にできたマメ、手垢で汚れた電話帳、数字がすり減った公衆電話
のプッシュボタン。犯人の声は絶対に忘れない、警察が頼りにならな
いからこの手で探し出して見せる。物語は、15年前の誘拐事件で娘を
殺された父親の復讐を描く。同じ手口で子を持つ親の苦しみを味あわ
せてやる、同じ手順で闇に葬った失態を思い出させてやる。そして、
彼を担当した広報官は、組織内の軋轢に手足を縛られたままマスコミ
に対応する。そんな、男も女もギリギリの選択を迫られる過程でエゴ
をむき出しにして消耗していく映像は、壮大な疲労感をもたらす。人
間とはかくも哀しい生き物なのか、立場は違えども娘への思いを共有
する2人の男の背中は哀愁に満ちていた。

警視総監視察の直前、ロクヨンを模した誘拐事件が起きる。マスコミ
に突き上げられる三上は情報を得られず焦燥が増すばかり。同時にロ
クヨン被害者遺族の雨宮に会いに行くが、かえって身を案じられる。

当時を知る者はみな、事件のカラクリに気づいている。だが、それに
言及するのは刑事部の秘密を知られることでもある。ノンキャリ警察
官は自分たちの聖域を守るためにも真実を隠蔽しつつ落としどころを
探っている。その態度に憤りつつ、組織の理論を優先させる三上。

誰もが煮え切らない、誰もが責任を取らない。その状況で、孤独な雨
宮と上申書を握りつぶされた香田の怒りと恨みの深さが浮き彫りにな
っていく。失うものがない者はこれほどまでに強くなれるのだ。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

             「64-ロクヨン- 後編」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160613
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
               「教授のおかしな妄想殺人」  です。

人はなぜ存在し、生きているのか。長年その問いを己に投げかけてき
た男は答えを見つけられないまま絶望の淵であがいている。妻に裏切
られ、友情も壊された。対人関係に疲れた彼からは虚無感ばかりが漂
っている。物語はそんな大学教授が、ふと耳にした“不正義”を正す
ために暗殺を企む姿を描く。対象となる人物を尾行して生活パターン
を分析し、薬品室に忍び込んで毒を手に入れ偶然を装って盛る。頭に
ひらめいたアイデアをひとつひとつ実現させていく過程で、彼の心と
肉体は再び生の実感をみなぎらせていく。その間に絡んでくる同僚の
妻と美しい女子大生。考えるだけでは意味がない、行動に価値がある。
法や道徳よりも、困っている人を助けるべき。その実証に殺人を選ぶ
あたり、思い通りにならない人生の皮肉が象徴されていた。

哲学を教えるエイブは、投げやりな態度で授業に臨んでいた。ある日、
教え子のひとり・ジルとデート中に、悪徳判事に親権を取り上げられ
た母親の悲嘆を聞き、判事を殺す決意をする。

「哲学とはほぼ言葉による自慰である」と言うエイブにとって、もは
や言葉で語られた倫理は虚像でしかない。いつしか子を奪われたか弱
い母に希望を与えるのが生きがいになっている。自分が愛を失ったか
らこそ彼女の愛を取り戻してやろうとするのだ。

ところが、彼の短絡的な思考回路は深い思索を繰り返すべき哲学者の
ものとは思えない。このあたり少し理論武装が必要ではないだろうか。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

                   「教授のおかしな妄想殺人」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160614
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
      「白鳥麗子でございます! THE MOVIE」  です。

“恋人の父は自分の父の敵”。そんな障害もなんのその、彼女はジュ
リエット気取りで彼が救け出してくれるのを待つ。だが、父の事業の
内情を知るうちに、ふたりの思いを貫き通すべきか、家族と従業員を
守るために政略結婚すべきかの二者択一を迫られる。物語は、婚約者
と引き裂かれたヒロインが、ユニークな発想と大胆な行動力で、身に
降りかかった難題を解決していく過程を描く。執事がいる豪邸で育て
られたおかげで世情には疎い。それでも、何事もポジティブに考え己
の信じた道を突き進む彼女の姿には、愛に生きる決心をした女の強さ
が凝縮されていた。

同棲相手の哲也に下田に住む両親を紹介すると言われた麗子は、プロ
ポーズを意識して有頂天になる。ところが、麗子の父が進めるリゾー
ト計画に反対する哲也の父は、麗子を追い返す。

麗子は父に開発を止めるように直訴するが、あっさり丸め込まれたう
え自室に軟禁される。救出に来てくれた哲也と一時は逃亡するが、哲
也が父を批判すると喧嘩別れ、ビジネスパートナーである桐生と合流
する。そこでカジノ構想を盗み聞きしたり、元見合い相手に協力を頼
んだりと、事態は二転三転。さらに、腐れ縁の留美に哲也が押し倒さ
れているところを麗子が目撃したりと、次々と小さな事件が起きる。

このあたりの強引で場当たり的な展開はいかにもラブコメマンガが原
作らしく、そのなんでもありぶりは“世界の白鳥麗子”にふさわしい。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

               「白鳥麗子でございます! THE MOVIE」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160615

          を参考にしてください。


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        余|談|
        ━┛━┛

イチローがピート・ローズの通算安打数に迫っています。でも、メジ
ャーだけで積み上げたローズの記録を、日米合算で抜くことにどれほ
どの意味があるのでしょうか。

もしイチローの安打数が「世界一」と認定されたら、米国民は違和感
を覚えるでしょう。もしかしたら怒り出すかも。

それを認めると、台湾や韓国のプロ野球界で打った安打数もカウント
しろと言い出す選手が必ず出てくるはず。

そのうち米日台韓通算5000本で「安打数世界一」なんて選手が生まれ
るかも。。。

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      次回配信予定は6/18作品は
         
             「ミスター・ダイナマイト」
         
              です。

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創刊日:2002-12-02  
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