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こんな映画は見ちゃいけない! 

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エクス・マキナ こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/06/11

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/6/11 Vol.1758    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
                「エクス・マキナ」  です。

顔と手先・足先だけが人工皮膚で覆われ、他の部位は金属の骨格が透
けて見えるロボット。“彼女”とのやり取りは、教養と慎みのある人
間との会話と遜色ない。そして“彼女”は薄々自分の運命にも勘づい
ている。物語は女性型人工知能の性能テストを託された男が、徐々に
“彼女”に共感し、その“心”に触れようとする姿を描く。AIが自我
に目覚め、生き残るために防御行動をとる。AIの“人格”を認めるな
らば当然の作用だが、これは人間に対する反乱にほかならない。自律
したAIは知識やその応用には長けていても、善意や良心・愛といった
魂の領域までは手が届いていないからだ。無機質だがクールでスタイ
リッシュな映像が、神と人間の関係を問い、AIの未来像を予言する。

山奥の研究室に招かれたプログラマーのケイレブは、社長のネイサン
から最新型AI・エヴァの実用化レベルを測る実験を任される。エヴァ
はもはや外見以外はほとんど人間と変わらない水準に達していた。

AIであるのは分かっている。しかし憂いを湛えたエヴァの瞳に見つめ
られ、停電中に告げられた疑念がネイサンの真実だとミスリードされ
るケイレブ。エヴァをあくまで研究の対象物と扱うネイサンこそが、
AIの“生きる権利”を侵していると考えるようになるのだ。

さらに人間とAIの違いが何なのかわからなくなり、アイデンティティ
にすら自信を持てなくなったケイレブが、腕を傷つけ血が流れるのを
確認するシーンは“人間”の定義とは何かを問う。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

             「エクス・マキナ」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160423
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
               「二ツ星の料理人」  です。

天才肌で完璧主義、自分の流儀にこだわって不完全なものは床にぶち
まける。酒もドラッグも女も絶った、だが自己中心的な考え方は変わ
っていない。物語は、不祥事で表舞台を去った料理人が再起をかけて
奮闘する姿を描く。出資者を見つけ仲間を集めメニューを考案し客を
待つ。ところが料理への思い入れが誰よりも強いために、つい部下を
怒鳴り、高圧的な態度で反論は一切許さない。その振る舞いはまさし
く独裁者。支配人は彼を宥めるばかりで、他のコックはビクビクしな
がら厨房に立っている。そんな男が同僚の気持ちを知りライバルの優
しさに触れ、料理には何が一番大切なのかに気づいていく。

パリの料理界を追放されたアダムは3年のブランクを経てロンドンに現
れ、迷惑をかけたトニーにレストラン開店を承諾させる。声をかけた
コックの中には強引に引き抜いたシングルマザーのエレーヌもいた。

食べるのではなく味わう料理を提供する、妥協を許さないアダムはオ
ープン初日から料理の出来に不満が爆発。コックたちも低温真空調理
法のトレンドに否定的なアダムに反感を抱く。さらに娘の誕生日にさ
えエレーヌを休ませないなど、アダムはますます傲慢になっていく。
それでも、日々新レシピを研究するうちに店の評判も上がり、いよい
よミシュラン調査員らしき客を迎える。

そのあたり、仕事は愛せても人は愛せないアダムの偏った性格が、職
場の空気をいかに悪くするかという教訓になっている。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                   「二ツ星の料理人」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160414
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
               「サブイボマスク」  です。

アツく、クドく、ウザい。でも心の中では純粋に人々が笑顔になるの
を願っている。彼のエネルギーはいつしか周囲に伝播し、少しづつ元
気にさせてくれる。物語は、寂れた町のシャッター商店街を活性化さ
せようとストリートライブを定期的に開く歌手崩れの男の奮闘を描く。
父の形見の覆面を被って口ずさむ歌は時代錯誤的なまでに真正面から
人生の意義と目的を問い、ストレートに訴えかけるメッセージは新鮮。
ネットを通じて配信された彼の動画は一躍話題になっていく。主人公
のKYぶりにコミカルな演出を施さず、あくまで正攻法でとらえた映像
がかえって笑いを誘うというひねりの利かせ方がユニークだった。

サブイボマスクとなってマメカラを熱唱する春雄は、幼馴染のシング
ルマザー・雪の提案でその姿をネットに公開する。鳥肌が立つほどの
サムさとイタさがウケ、アーケードに客が集まってくる。

数人だったギャラリーが数十人になり、サブイボグッズを売る店も出
るなど商店主たちもやる気を取り戻す。ところが、ほどなく春雄は調
子に乗り始め、行儀の悪い輩も現れるようになる。さらに肉屋のおっ
さんが暴走族に殴られたり、マスクの男による空き巣や放火が起きる
と春雄が疑われ、商店主たちが離れていく。

このあたり、熱しにくく冷めやすい、他人任せで事なかれ主義が蔓延
する商店街と、“町おこし”を継続させる難しさが再現され、小市民
の本質をついていた。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                     「サブイボマスク」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160525

          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
              「夏美のホタル」  です。

将来を迷っているヒロインは亡き父との思い出を探す旅に出る。そこ
は、緑豊かな小さな村。ひと夏の出会いと別れを通じて、生まれてき
た理由と生きる意味を彼女は見つけていく。物語は、被写体を求めて
山間の集落にやってきた写真学科の学生が、地元の雑貨屋の老母子の
世話になるうちに失われた家族の関係を学んでいく姿を描く。あの日、
父は何を伝えたかったのか、どんな思いだったのか。大人になった今
でもわからない。だが、人の優しさに触れるうちに少しだけ理解でき
た気がする。それは誰かを愛することができる幸せ。“生まれてきて
くれてありがとう”の台詞に命への感謝が凝縮されていた。

恋人の慎吾を残し父のバイクでツーリングに出た夏美は、山奥の河原
でテントを張り蛍を撮ろうと夜を待つ。翌日、子供たちから地蔵と呼
ばれる恵三と彼の母・ヤスエの家でスイカをごちそうになる。

恵三は事故で下半身がマヒしていて、ヤスエが面倒を見ている。中年
を過ぎた障碍者と老いた母、未来がない彼らにとって夏美は希望の光
に見えたのか、彼女をあたたかく迎えもてなす。彼らは夏美を追って
きた慎吾も受け入れ、家庭のような賑わいがこの家に戻ってくる。

夏美たちに親切にするのは恵三にとって、不自由な体になった自分を
介護する不幸を背負わせたくない気遣いから追い出した妻子に対する
贖罪。本当は一緒にいたかった、でも彼らの負担にはなりたくない。
“家族のために働ける幸せ”という言葉に恵三の苦悩がにじみ出る。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

                   「夏美のホタル」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/2016422
               
          を参考にしてください。

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        余|談|
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つい先日、サッカー日本代表・長友佑都から大勢の記者の前で「アモ
ーレ」と呼ばれ幸せいっぱいの平愛梨。

そして今週はファンキー加藤がお笑い芸人の元妻と不倫していると報
道され、加藤が謝罪会見を開いています。

でもよく考えると、加藤と平は本日公開の映画「サブイボマスク」に
主人公と恋人役で出演しています。

このタイミングで二人が恋愛問題でマスコミを騒がせるのって、やっ
ぱり映画の宣伝ではないでしょうか。。。

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      次回配信予定は6/16作品は
         
             「64-ロクヨン-」
         
              です。

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