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こんな映画は見ちゃいけない! 

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サウスポー こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/06/02

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/6/2 Vol.1755     ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
                 「サウスポー」  です。

もらったパンチ以上の手数を相手に浴びせチャンピオンベルトを守る。
控室に戻ると妻の支えなしでは歩けない。それでも幼い娘の笑顔を見
ると苦痛を忘れる。物語は、短気ゆえに挑発に乗ってしまい、妻を失い
娘とライセンスを奪われたボクサーが、新たなトレーナーと共に再起
を図る姿を描く。プールつきの豪邸から狭いアパートに引っ越し、古
い施設の掃除係を引き受け、感情をコントロールする術を学ぶ。その
上で、防御を徹底的に反復練習し、“打たれずに打つ”洗練された戦
術を体に叩き込む。家族への愛とボクシングへの情熱を真正面からと
らえた映像は、力強さと優しさ、計り知れない熱量に満ちていた。

ビリーはライバルのミゲルと乱闘、銃弾を受けた妻・モーリーンが死
ぬ。さらに次の防衛戦で負けて破産、娘のレイラの親権も失くす。も
う一度やり直すためにビリーはティックのジムに入門する。

身の回りの世話はモーリーンが、マッチメイクはプロモーターが仕切
り、ボクシング以外は何もできなかったビリー。怒りを抑制できず、
裁判所でも怒鳴り散らす。そして、ひとりになった時はじめて自分と
向き合い、信頼できる人を探すことから始める。

ティックはボクシングのみならず礼儀や言葉遣いを教え、人望も厚い。
彼の下でビリーは厳しいが合理的なトレーニングに励む。それは己の
プライドとレイラを取り戻すための闘い。ジェイク・ギレンホールの
見事にシェイプアップされた肉体がビリーの決意を饒舌に語っていた。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

                「サウスポー」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160521
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
             「神様メール」  です。

突然スマホに届いた命の残り時間。もう少ししかない人もいる、まだ
まだ先が長い人もいる。ある者は平然と受け入れ、ある者はやり残し
た冒険に挑戦し、ある者は思いのままに過ごそうとする。物語は、神
のコンピューターから余命メールを送信してしまった神の娘が、地上
で自らの使徒をみつける過程を描く。孤独、怒り、絶望、悲しみ、あ
きらめ……。誰もが現状に不満を抱いているけれど彼女に話すと気持
ちが前向きになる。「あなたはひとりじゃない」、そう語りかけられ
て心は晴れ、視点をずらすだけで世界が違って見える。今を精一杯が
んばれば未来が開けてくると思わせてくれる作品だった。人間をもて
あそぶ神が横暴で意地悪で薄汚いオッサンなのがユニークだ。

暴力をふるう父=神に反抗して人間界に逃げたエアは、「新・新約聖
書」を作るためにホームレスのヴィクトールを従え6人の使徒を探す。
最初に見つけたのは左手のない若い女・オーレリーだった。

子供の頃の夢を事故で奪われたオーレリーは心を閉ざしたまま大人に
なってしまった。寂しさには慣れた、でも時々涙がこらえきれない。
そんな彼女に、体は不自由でも心は自由だと思い出させる左手のダン
スは、やさしさの中に切なさが宿る美しさに満ちたシーンだった。

そして、障害は不便だが不幸ではない、自分が気にしているほど他人
は気にしておらず、むしろ魅力に感じる男もいると、エアはオーレリ
ーに伝える。自信を持つ、それがよりよく生きる秘訣なのだ。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

               「神様メール」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160531
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
       「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」  です。

21世紀になって国力の低下に歯止めがかからない米国。原因はどこに
あるのか探るため映像ジャーナリストが欧州に送り込まれる。現地で
彼が目にしたのは、母国では考えられない、官民ともに市民を大切に
するお国柄だった。カメラはそんな、“人にやさしい民主主義”とは
何かを問う。従業員を家族のように扱う企業、子供から大学生までの
びのびと学べる環境を提供する公教育、厳罰ではなく他人の気持ちを
忖度できるように矯正する司法体系、そして女性の活躍を促す意識改
革。その国々の長所ばかり見ているともいえる。それでも、その根底
には人間が幸福を追求する権利を保証するという思想がある。自由競
争と自己責任、米国の理念が曲がり角に来ているのは確かだ。

米四軍の司令官たちから、政治的に安定している他国の社会システム
を盗んで来いと指令を受けたマイケル・ムーアはイタリアに上陸、そ
こは有給休暇等福利厚生が完備された労働者天国だった。

その後、フランス、フィンランド、スロベニア、ドイツなどでは教育
の現場を目の当たりにし、ポルトガルやノルウェイでは犯罪者と向き
合う国家の姿勢を知る。チュニジアやアイスランドでは女性の危機管
理能力に首を垂れる。

これらの国々では、人への敬意と人権の尊重が徹底されている。ムー
アはそういった価値観はすべて、かつて米国にも存在したと思い出す
が、いつ、だれが捻じ曲げてしまったかについては言及しない。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

           「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160530
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
             「スノーホワイト/氷の王国」  です。

邪悪な魂で国を治め人々をひざまずかせる姉。冷血になりきれない妹
はいつも姉の一歩後ろをついていくばかり。だが、いちばん大切なも
のを失ったとき、妹からは優しさが抜け落ちてしまう。物語は、氷を
操る能力で新たな王国を築いた女王と、彼女に拾われ育てられ鍛えら
れた男女の、魔法の鏡を巡る争いを描く。愛など人を苦しめるだけと
信じる女王に、愛こそが勇気と信頼と生きる喜びと訴える若い戦士。
さらに引き裂かれた恋人や利害が一致する者たちの思惑と複雑な感情
が入り乱れる。自国を繁栄に導いたとしても笑顔が消えた国に未来は
ない。人の心すら凍らせてしまう女王の魔術が、おぞましくも虚しい。

ラヴェンナ女王を倒したエリックは、魔法の鏡を狙うラヴェンナの妹
・フレイヤ女王の計画を阻止するために仲間と共に奥地に向かう。道
中、暴漢に襲われるが、かつての恋人・サラに救われる。

7年前、エリックはサラが殺されるのを見ていた。サラはエリックが裏
切ったと思っていた。ヨリを戻そうとするエリックをサラは相手にし
ない。それでも命がけの冒険を繰り返すうちに、エリックはサラの誤
解を解いていく。しかしいくら屈強の戦士とはいえ所詮は人間、せっ
かく手に入れた魔法の鏡をあっさりフライヤに奪われてしまう。

その過程で川を遡り、ジャングルをかき分けて、人面獣身の怪物やタ
ールの血が流れる類人猿を退治するのだが、映像にスピードもキレも
なくアクションとしては物足りなかった。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

                 「スノーホワイト/氷の王国」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160601

               
          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

北海道の山で小学校2年の男児が置き去りにされた事件、ついに自衛隊
にも出動要請が出されました。行方不明になって5日経ち、一刻も早く
無事救出されることを願うばかりです。

報道によると、両親がしつけのために男児をクルマからおろし、5分ほ
どして戻ると姿が消えていたと言っているそうですが、どこか核心部
分が隠されているはず。

子供が徒歩でそう遠くに行けるはずもなく、警察犬も匂いに反応して
いない。現場にいないなら誰かが嘘をついている気がします。

なにより、この捜索にかかった莫大な人件費をだれが負担するのか考
えると、釈然としない気持ちに拍車がかかります。。。

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      次回配信予定は6/4作品は
         
           「ロイヤルナイト」
         
              です。

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創刊日:2002-12-02  
最終発行日:  
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