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こんな映画は見ちゃいけない! 

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デッドプール こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/05/28

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/5/28 Vol.1754    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
        「デッドプール」  です。

死の運命から逃れるために禁断の取引に手を染めた。不死身の肉体を
手に入れた代償に顔も体も醜くただれてしまった。恋人と再会するた
めにはこの姿を元通りにするしかない。そう決意した男は、自分を欺
いた悪党に復讐を誓う。物語はミュータント手術で再生・治癒力を身
に着けた元傭兵が、同じく超人加工された敵と壮絶なバトルを繰り広
げる様子を描く。 “地球を救う”とか“人々のため”といった偽善っ
ぽいテーマにはもう飽きた。“正義”などという言葉が嘘くさく聞こ
えるようになった21世紀、戦う理由に私利私欲私怨を優先させる彼の
ポリシーは極めて人間的で共感を呼ぶ。時制のシャッフルも、ストー
リー展開にリズムを持たせスピード感を与えている。

テロリストの車列を追うデッドプールは、ハイウェイで先頭車両を襲
撃、武装した私兵を排除する。標的のフランシスを生け捕りにするが、
ミュータントのコロッサスとネガソニックに妨害され逃げられる。

銃口を向ける相手には躊躇なく引き金を引く。射撃の腕だけでなく剣
の扱い、素手での格闘にも熟達し、特殊部隊で鍛えられた無駄のない
洗練された身のこなしを見せるデッドプール。ヒーローものにありが
ちな、思いがけず能力を持ってしまった苦悩や葛藤とは無縁で、敵対
する者を情け容赦なく殺し一切後悔しないあたりが非常にクールだ。

血を流し命を削るのは、すべて恋人との時間を取り戻すため。そう、
彼が口にするとおり、これは愛の映画なのだ。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

                「デッドプール」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160409
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
             「ひそひそ星」  です。

蛇口から水が滴り落ちるだけの日もある。ガスコンロで湯を沸かすだ
けの日もある。掃除するだけの日もある。古いアパートを模した狭い
空間、時間はあり余っている。物語は、惑星間宅配アンドロイドが見
た人類の終焉を描く。天災なのか人災なのか、破壊されたままの居住
エリアは終末感が濃厚に漂い、未来への希望をもてない人々はうつろ
な視線を泳がせている。もうこの人口では文明もコミュニティも維持
していけない、食料も満足に手に入らない。そんな諦観に支配されて
いても、人々は大切な人には自分の気持ちを伝えたいと願っている。
感情が抑制されたモノクロ映像に込めた“人の思い”と“人への思い”
は、人は他人との関係に縛られてこそ生きていけると教えてくれる。

とある惑星に配達に寄ったアンドロイド・鈴木洋子は、数日後に戻っ
てきた家人に荷物を渡す。他の惑星も人間の暮らしの痕跡は残ってい
ても人影はまばら、洋子はほとんど言葉を交わすことはない。

別の惑星で洋子は、踏みつけた空き缶を靴に嵌めたまま歩く男と出会
う。彼の乾いた足音は無人の通りに虚しく響くのみ。男は洋子の気を
引こうとするが洋子は彼の寂しさを理解できない。男に誘われても冷
たく突き放す洋子の瞳は“心”とは何かを考えさせられる。

その後、たどり着いた最後の惑星では、人々が活気に満ちた生活を営
んでいる。だがそれらはすべて影絵、失われた平和な日常はもはや記
憶の中にしか存在しないと訴える。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

               「ひそひそ星」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160526
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
               「更年奇的な彼女」  です。

あんなに手ひどくフラれたのに、まだあの男に未練がある。鬱屈した
恋心は肉体の老化を早め、20代半ばにして更年期の症状が出始める。
物語は、そんなヒロインが、転がり込んできた男から介護を受ける姿
を描く。彼女のを蝕んでいるのは愛の欠乏、実は学生時代から彼女を
密かに好きだった彼は無償の献身こそが真実の愛と信じ、彼女のそば
を離れない、次第に感情が抑えきれなくなる彼女を根気よく励まし、
なだめ、少しでも改善させようとする彼は、母親の面倒を見る息子の
よう。映画はふたりのやり取りをコミカルに再現しようとするが、エ
ピソードや設定にリアリティがなく、笑いも共感も抱けなかった。

卒業式で恋人にプロポーズするも拒否されたチー・ジアは、4年経って
も失恋の痛手から立ち直れず、生理が止まってしまう。ある日、ホー
ムレスに絡まれているところを元同級生のユアンに助けられる。

ユアンはチー・ジアのアパートに住み着き、彼女の更年期障害の進行
を遅らせようとする。さらにチー・ジアの元恋人の結婚式に乗り込み
花婿強奪作戦まで練って協力する。このあたりコメディに必要な「日
常の体験をデフォルメした面白さ」でもなく、不条理なシチュエーシ
ョンをディテールの積み重ねて見せるといった工夫もない。

いっそのこと願いが叶い幸せに酔いしれるチー・ジアの笑顔を写し、
それが彼女の妄想だったくらいの飛躍があれば、その落差が悲劇とし
て作用したはずだ。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

                 「更年奇的な彼女」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160527

               
          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

「婦人公論」の最新号で見事復活を果たした小保方晴子。瀬戸内寂聴
を全面的に味方につけ、相変わらずの“小保方節”を披露してくれま
す。

驚いたのは彼女の容姿の変化。一瞬、黒木華と見間違えるほどのメー
クで額を出したヘアスタイルは別人のよう。

対談は、小保方の言い分を寂聴が代弁する形で、「STAP細胞はありま
〜す」という叫びが行間から読み取れます。

夢は言葉にすることで現実になる、とよく言われますが、彼女の妄想
が現実になる日は来るのでしょうか。。。

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      次回配信予定は6/2作品は
         
           「サウスポー」
         
              です。

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創刊日:2002-12-02  
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