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こんな映画は見ちゃいけない! 

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さざなみ こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/04/09

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/4/9  Vol.1742    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
             「さざなみ」  です。

情熱的な気持ちこそ消えたが、お互いを人生の一部として大切にして
いる老夫婦。だが1通の手紙が、重ねてきた年月以上の思いを夫の胸
によみがえさせる。それは若き日に氷漬けになった愛。物語は、夫の、
事故死した元恋人の遺体が発見されたことから起きる、夫婦間の心理
的葛藤を描く。夫は動揺しているだけと思い込もうとする妻。一方で
元恋人への思慕を隠さない夫。恋愛を「上書き」する女に対して「保
存」する男の未練が切ない。ところが、いつの間にかふたりが住む家
に濃厚に漂い始めた元恋人の気配に、夫は気もそぞろになり、妻は不
安に駆られていく。見えない影に怒り、脅え、嫉妬する妻の微妙な感
情の揺れをシャーロット・ランプシングが繊細に演じる。

ケイトとの結婚45周年パーティを5日後に控えたジェフの元に、氷河に
滑落死したカチャの身元確認依頼が来る。その日からジェフの頭の中
はカチャの事ばかりになり、ケイトは苛立ちを覚えていく。

“ぼくのカチャ”と呟いたり、“カチャと結婚するつもりだった”と
断言するジェフ。一度も聞かされなかったジェフの本心を吐露され、
ケイトは不意を突かれる。それ以上に、悪びれもせずカチャへの愛を
口にするジェフのデリカシーのなさにケイトは傷ついている。

長年一緒に暮らしていたのにジェフが見知らぬ人に思えてくる、その
背後でカチャが糸を引いている。勝手に膨らむ疑心暗鬼にケイトが苦
しむ姿は、上質のスリラーのような緊張感に満ちていた。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

                 「さざなみ」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160201
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
             「ボーダーライン」  です。

警告も威嚇もない。武器を手にした奴らを発見したら容赦なく銃弾を
ぶち込む。たとえそばに民間人がいても躊躇しない。全員死亡を確認
したら振り向きもせずその場を去る。法の手続きなど無用、カルテル
の構成員というだけで殺しても誰にもとがめられない。物語はFBI強襲
部隊の女性隊員が対麻薬戦争の最前線で目にした真実を描く。政府の
統治が及ばず殺人や拷問が日常的に行われる町が国境越しに見えてい
る。その光景は自由な先進国に生まれ市民権を持つのがいかに幸運か
を思い起こさせる。そこでは、侵食してくる暴力と悪徳を食い止める
には甘ちょろい正義などまったく役に立たない。きれいごとでは解決
しない、毒には毒をもって臨むのが残された唯一の手段だと訴える。

メキシコ人アジト摘発の活躍で、ケイトは対カルテル部隊の指揮者・
マットにスカウトされ囚人護送任務に帯同、一方的な掃討戦にショッ
クを受ける。さらに資金洗浄現場を告発でカルテルの罠にはまる。

謎めいたコンサルタント・アレハンドロに救われたケイトは、自分の
常識が全く通じない世界にいるのを痛感、無力感に打ちひしがれる。
周囲はアフガン帰りの屈強な男ばかり、マットもアレハンドロも作戦
の詳細は説明してくれない。本当はどんなことが起きていて、どんな
行動をとればいいのか、わからないまま現場で右往左往するケイト。

混乱と不安、それでも作戦の成否を見届けるために進み続けるしかな
い彼女の心情が、息詰まる緊張感を孕んだ映像でリアルに再現される。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

                 「ボーダーライン」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160229
               
          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

年老いた登場人物が若返り、死んだ人と再会する。小説や映画・TVド
ラマなどではそれは天寿をまっうしたという意味で使われる、いわゆ
る“お約束”的な設定です。

「あさが来た」の最終回でもヒロインが同様のラストを迎え、人生讃
歌として締めくくっていました。

ところが、このシーンを「あさは生きている」という思っている人が
いるとデイリースポーツが報じていてビックリ。

見た映像をその通りにしか解釈できない、そんな想像力の欠如は、や
はり読書離れから来ているのでしょうか。。。

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      次回配信予定は4/14作品は
         
         「ルーム」
         
              です。

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