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こんな映画は見ちゃいけない! 

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ミラクル・ニール! こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/04/02

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/4/2  Vol.1740    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
          「ミラクル・ニール!」  です。

気が付くと身についていた全世界を支配するパワー。遅刻の言い訳す
らまともにできないダメ男は、それをつい暴走させてしまう。だが、
好きになった女が危機に立たされたとき、はじめて自分のためではな
く他人の役に立てようとする。物語は突然“全能の力”を手に入れた
主人公がペットとともに巻き起こす騒動を描く。口にした願いが意図
せぬ形で実現したり、予想以上に過激になったりと、決して望むよう
な結果は出ない。しかし愛犬と思いを寄せる彼女の存在が少しずつ彼
を強くしていく。それでもさえない人生が劇的に好転はしない。人間、
身の丈に合った生き方がいちばんと、この作品は教えてくれる。

地球を破壊するかどうか話し合うエイリアンの評議会は、英国の教師
・ニールにパワーを与え、彼の振る舞いを見守る。ニールは思わぬ能
力に驚き戸惑うが、現実逃避のしょぼい使い道しか思い浮かばない。

徐々にパワーをコントロールできるようになったニールは、飼い犬の
デニスを話せるようにする。ところがデニスは、ニールの本音を代弁
するような下品な言葉を吐くばかり。せっかく階下の美女・キャサリ
ンに接近してもぶち壊されてしまうが、米国軍大佐に付きまとわれる
彼女を救おうとしたことから好意を持たれる。

このあたり、普段身の回りで起きる些細な出来事をデフォルメしたハ
プニングの数々はばかばかしさに満ち、パワーのより効果的な用法を
なかなか考えつかないニールの小市民的な葛藤が共感を呼ぶ。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                「ミラクル・ニール!」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160114
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
         「無伴奏」  です。

狭い階段を地下に降りると、聞こえてくるのはクラシックの名演奏。
充満するたばこの煙とコーヒーの香りの中で、背伸びしたい女子高生
は影がある大学生に惹かれていく。物語は学生運動が盛んだったころ
の仙台、既成の価値観を打ち破ろうとするヒロインが、人間関係のは
ざまで、傷つき迷いながらも成長していく姿を描く。反抗するのがア
イデンティティの発露だった、禁止されたことをするのがクールだっ
た。それでも、最後の一線を越え完全にドロップアウトする勇気はな
い。社会を変える以前に身の回りの変化を理解するのが精いっぱい、
そんな彼女の懸命だが中途半端な生き方を成海璃子が繊細に表現する。

制服廃止闘争を進める響子は友人に誘われた名曲喫茶で渉と出会う。
いつも祐之介やエマとつるんでいる渉のガールフレンドになった響子
は、「愛しているよ」と言う渉の心がほかにあると疑い始める。

目の前でいちゃつく祐之介とエマに戸惑いつつも、渉との仲を深めて
いく響子。一方で姉の勢津子と腕を組み恋人といるようにふるまう渉。
渉を中心にした不思議な人物相関図に翻弄されながら、恋や愛、セッ
クスといった世界を垣間見た響子は大人になった気分になっている。

ところが、渉が本当は誰を一番大切にしているのかを知り、愛のため
に己を犠牲にする覚悟を目の当たりにしたとき、自分は何も見ていな
かったと気づく。青春の蹉跌と苦悩、響子のつらく哀しい記憶の数々
は、「カノン」の甘い旋律と共に切ない思い出に昇華されていく。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

                 「無伴奏」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160330
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
             「スイートハート・チョコレート」  です。

雪山で出会った日本の青年と中国の娘はたちまち恋におち、国籍の違
いも問題にせずゴールに向かって突っ走る。ところが突然の事故がふ
たりを引き裂き、彼女は深い悲しみを抱えたまま10年の時を過ごす。
物語は、そんな彼女をずっとそばで見守ってきた男の愛と苦悩を描く。
青年が彼女のハートで生き続けているのは分かっている、だが、男は
その思いを含めて彼女を受け止めようとする。そして、 どんなにつら
くても、口の中でとろけるチョコレートが癒してくれるから耐えられ
る。ひと粒ひと粒作り手の心が込められているからこそ、香りを楽し
み舌で転がした時に一息つけるのだ。日本と中国、純白の雪原と近代
的な大都会、登場人物それぞれが相手の国にいるときはその国の言葉
を話し、俳優が会話と発音を習得していることに好感が持てた。

絵画を学ぶために日本に来たリン・ユエはスキー場で菓子職人の守に
声を掛けられる。大みそかの深夜、チョコを一軒ずつ配って歩く守に
リン・ユエはチョコレートのレシピを教えてもらう。

10年後、上海でリン・ユエはチョコレート店を経営、守の親友だった
総一郎も上海で画商をしている。ふたりは固い信頼関係で結ばれてい
るが、守との過去にきちんと向き合うのを避けてきたリン・ユエは、
総一郎の気持ちに気づきながらも態度を決めかねている。

そのあたりのもどかしいまでの心理描写が“大人の恋”の雰囲気を醸
し出していた。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

                  「スイートハート・チョコレート」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160401
               
          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

高速道路走行中にパトカーに止められてしまった。反則事項は通行帯
違反。追い越しレーンを走行したという理由です。

特にスピードを出しすぎていたわけでもなく、追い越しレーンから走
行レーンに戻らなかったというだけ。まったく実情に合わない取締り
に開いた口がふさがりませんでした。

この程度で違反を問うていたら、渋滞中の追い越しレーンはすべてア
ウトのはず。警察のダブルスタンダードには怒りすら感じます。

これでますます警察に協力する気はなくなってしまった。。。

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      次回配信予定は4/7作品は
         
         「蜜のあわれ 」
         
              です。

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創刊日:2002-12-02  
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