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こんな映画は見ちゃいけない! 

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Mr.ホームズ こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/03/17

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/3/17  Vol.1735     ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
          「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」  です。

ちょっと前の約束を忘れている。人の名前を思い出せず袖口にしるし
た文字を見る。杖をついても足取りはおぼつかなく、不測の事態が起
きても咄嗟に身を守れない。あらゆる分野に精通した博覧強記、鋭い
観察眼から導かれる洞察力、殺し屋並の格闘術、それらを誇った主人
公も今は昔。寄る年波には抗うものの、気力は萎えつつある。物語は、
最晩年を迎えた名探偵が引退のきっかけになった事件を再検証する姿
を描く。脳の働きを補う栄養食品を常用し、帽子もパイプも虚像と、
従来のイメージを映画は切り捨てる。同時に、独身を貫き、相棒以外
とは親しい関係を築いてこなかったゆえの孤独を浮き彫りしていく。
かつて勇名をはせた男の、長く生きすぎた寂寥感がリアルだ。

1947年、93歳になったホームズは養蜂の研究に勤しみながら、30年前
にある男から依頼された妻の素行調査の顛末を手記にまとめている。
ある日、その草稿を家政婦の息子・ロジャーに盗み読みされる。

ロジャーは好奇心旺盛で利発な少年。彼と問答を繰り返すうちに、き
ちんと教育を受け、考察することがいかに大切かをホームズは教えて
いく。一方で米軍占領下の日本、いまだ焼け野原のままの広島を訪れ
た旅での出来事も整理しなければならない。

現在と過去、英国と日本、様々な時間と空間に意識を飛ばすうちに、
ホームズの頭の中では記憶が錯綜する。肉体の衰えは我慢できても思
考力の減退は耐えられない、そんな老人の気持ちが切ない。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160204
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
           「エヴェレスト 神々の山嶺」  です。

他人がなしえなかったことを成功させるのが己の進むべき道。そう胸
に誓った山男はひとり峻険な山肌に足を踏み入る。かつて所属してい
たチームを追われ、パートナーも失った。だが山への思いは誰にも負
けない。物語はそんな男が前人未到のコースでエヴェレストに挑戦す
る姿を描く。カネや名誉のためではない、自分が生きた証を残そうと
高峰を目指す主人公の孤高は崇高な狂気すら感じさせる。垂直の氷壁
に打ち付けるピッケル、オーバーハングの岩場からぶら下がったザイ
ル、死と紙一重の冒険は、一方で自らの心を見つめ自問する過程でも
ある。“お前はこの山の頂に立つに値する人間なのか”と。

カメラマンの深町は、カトマンズの古物商で伝説のクライマー・羽生
と出会う。日本で羽生の過去を調べ直した深町は彼のエヴェレストア
タックに密着取材する決意をし、再び羽生に会いに行く。

「そこに山があるから」ではない。「オレがここにいるから」山に登
ると言い切る自信と確信。そこには愛や友情が入り込む余地はない。
羽生の頭にあるのは目の前のエヴェレストを未踏のルートから攻略す
る計画だけ。その上で、死んだらゴミ、生還してこそ意味があると、
絶対にあきらめない精神力と体力が登山家には必要だと説く。

ところが深町にそこまでの技量も覚悟もなく、結局足手まといになっ
てしまう。計り知れない羽生の大きさを理解しようとして跳ね返され
た深町の、凡人としての哀しみがリアルにだった。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

                 「エヴェレスト 神々の山嶺」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160315
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
                      「桜ノ雨」  です。

言いたいことを口に出せず、いつも人の後ろに立っていた。でも、あ
の歌を聞いたとき、歌いたい衝動を抑えきれなかった。物語はそんな
少女が仲間と共に合唱コンクールを目指す過程を描く。憧れの先輩、
厳しい練習に一緒に耐えた同級生、頼りないけれど可愛い後輩、部員
は誰もがあの歌を歌いたがっている。ところが顧問の先生は全く別の
知らない歌を課題にする。せっかく志したコーラスの道なのに、心か
ら楽しめず葛藤するヒロインの繊細な感情を、山本舞香が目を大きく
見開くだけの演技で再現する。花びら舞い散る桜のトンネル、ふもと
から頂上まで色づいた山、水平線まで遮るものがない海。豊かな自然
に囲まれた高校を舞台に繰り広げられる青春はきらめきに満ちている。

先輩のハルに気持ちを打ち明けられずに1年が過ぎてしまった合唱部2
年生の未来。ハルたち3年生最後のコンクール曲が、みんなが大好きな
「桜ノ雨」ではなく、難易度の高い曲になたのが不満でたまらない。

先生の指導は妥協を許さず、部員たちは不平を言いながら頑張ってい
る。それでもハルは笑顔を絶やさず部員たちに接している。途中脱落
する者もいるが、未来の計らいで復帰したりもする。

ハルから声をかけられるのを待っている未熟な部分と、後輩ができて
少し大人になった部分が、まだまだ成長途中だがひたむきさは変わら
ない未来のキャラクターを象徴していた。彼女の思いつめた表情がは
かなげで、つい応援したくなる。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

                      「桜ノ雨」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160314

               
          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

「保育園落ちた、日本死ね!」の書き込みが今や社会問題となってい
ます。最初この文言を見たときはあまりにも下品な言葉遣いに嫌悪感
を抱いていました。

でも、国会で取り上げられ、国会前でデモするなど、働く母親にとっ
てはそれだけ切実だということ。

まあ、老人にカネをばらまくよりは保育園を増やした方がよほど有効
な使い道と言えるでしょう。

ただ、保育園も保育士も、こんな感情的になりやすい母親の子供は預
かりたくないでしょうね。。。

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      次回配信予定は3/19作品は
         
          「背徳の王宮」
         
              です。

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