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こんな映画は見ちゃいけない! 

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家族はつらいよ こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/03/12

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/3/12  Vol.1734     ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
             「家族はつらいよ」  です。

電話口では“オレだ”と怒鳴って名乗らない。脱いだ服や下着は散ら
かし放し。自分の稼ぎで養ってきた思いから、妻や嫁を下僕のように
扱う。物語は、そんな老人が50年連れ添った妻から突然離婚届を突き
付けられ、狼狽する姿を描く。彼にそっくりな長男は厄介事に及び腰、
血の気の多い長女はわめき、繊細な次男だけが理由を知ろうとする。
さらに長男の妻は義母に同情している。分かり合おうとしても分かり
合えない男と女、親と子。カメラは多数の登場人物に丁寧に焦点を当
て、人間の愚かさと優しさを浮き彫りにしていく。ワガママを言い合
っても根のところではお互いに心配している、家族の絆こそ人と人の
つながりの出発点なのだ。

3世代7人が暮らすの平田家。富子が周造と別れると宣言したのを機に、
長男一家と同居する家に長女夫婦も集合、そこに次男の庄太が婚約者
の憲子を連れてくる。家族会議が始まるが富子は計画を立てていた。

些細なことで大騒ぎをし、何気ない一言やしぐさで相手の心を刺激す
る。我の強い周造の血を引く長男と長女、穏やかな富子に似た庄太。
その上各々の配偶者がこの時とばかりに胸にたまった澱を吐き出す。

これが遺産相続の場なら不愉快な中傷のオンパレードになったはず。
だが、親子兄弟を持つ者ならだれもが日常生活で抱く「家族」という
最も近しい他人への不満が、共感を呼ぶディテールに満ちていて、思
わず吹き出してしまう。

       お勧め度=★★★★(★★★★★が最高)

                「家族はつらいよ」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20151128
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
           「エスコバル 楽園の掟」  です。

やばいことになってしまった。たとえ“身内”でも失敗したら処刑さ
れる。だが、命令を実行するには見ず知らずの男を殺さなければなら
ない。先延ばしにしようとするが、時間は刻々と過ぎていく。そんな
ジレンマに苛まれながらギリギリの決断を迫られる主人公の焦燥と逡
巡、苦悩と葛藤、不安と恐怖がリアルに再現される。物語はコロンビ
アのカルテルの一員となったカナダ人青年が見た麻薬王の真実を描く。
表の顔は篤志家、裏の顔はコカインビジネスで国家をしのぐのカネと
権力を手に入れた冷酷な人殺し、政治家でも敵対者は容赦なく消す。
そのギャップをベニチオ・デル・トロが愛と狂気の狭間で演じ分ける。

サーフィンを教えているニックは地元の有力者・パブロの娘・マリア
と恋に落ちる。ふたりはパブロの屋敷で暮らし始めるが、ニックにケ
ガを負わせたチンピラが生きたまま焼かれたと兄から知らされる。

動物園も設えた広大な豪邸でマリアとの幸せに浸っていたニックは、
徐々に血の臭いに感づいていく。銃やナタを片時も手離さないボディ
ガードが目を光らせ、あらゆる情報がパブロに筒抜けになっている。
危機感を覚えたニックは兄一家と出国を目論む。自分だけではない、
このままでは親類縁者の身まで危険にさらされる、ニックがそう気づ
いたときはもはやパブロから逃げられない。

執拗で周到な監視網はまさに死神の目。裏切りは決して許さないパブ
ロの恐ろしさを象徴していた。

       お勧め度=★★★★(★★★★★が最高)

                 「エスコバル 楽園の掟」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160116
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
  「アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー」  です。

顔の半分以上を覆うトレードマークの丸メガネ、腕輪のように大ぶり
のブレスレット、修験僧の数珠と見まがうネックレス。派手な服装の
上に重ねられたアクセサリーのおかげでその老婆は圧倒的な存在感を
示す。ファッションは自分のために楽しむものと、独特の感性で選り
すぐられた先鋭的な身なりは、ひ孫世代の女性にとっても刺激的で同
席した人々を驚かす。映画はそんなファッションディレクターに密着、
94歳にして全く衰えない創造性と好奇心、行動力の秘密に迫る。

メトロポリタン美術館の特別展示で一躍有名になったアイリスは、そ
の後も取材やプロデュースなどで大忙し。彼女の原点は、大恐慌時代
に培った安いモノでもオシャレに見せるセンスだった。

夫婦ともども実業家として成功し、パークアベニューの高級アパート
メントに住む。別宅も、買い集めた膨大なコレクションを保管する倉
庫も所有している。にもかかわらず庶民が通うような街の手芸店で生
地や雑貨を値切る。それは、モノの本当の値打ちを知っているから。
売る方も彼女との交渉をむしろ心待ちにしているようにも見える。こ
うした商売の現場で鍛えられたから、彼女の装いに説得力が出るのだ。

一方で第二次大戦直後から夫と共にパリに買い付けに通っていた彼女
は、最後まで仕事を選び、結局子供は設けないまま。若いころのよう
に体が言うことを聞かなくなっても、今が“老後”にならないように
現役でがんばっているのは、寂しさの裏返しなのか。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

          「アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160310
               
          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

東日本大震災歳から5年、昨日も様々なイベントが開かれました。慰霊
や検証が中心ですが防災を目的としたものもありました。

ただ、すでに9月1日が「防災の日」に指定されているため防災イベン
トは関心が薄かった気がします。

震災の記憶をとどめておきたい、というのなら、いっそ3月11日を「防
災の日」にしてはどうだろうか。

関東大震災は100年近く前の出来事、記録には残っていても記憶に残っ
ている人はもうほとんどいないはず。残暑厳しい時期の訓練よりも受
け入れられると思います。。。

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      次回配信予定は3/17作品は
         
          「Mr.ホームズ」」
         
              です。

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