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こんな映画は見ちゃいけない! 

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マネー・ショート こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/03/10

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/3/10  Vol.1733     ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
             「マネー・ショート」  です。

様々な資料に示された数字は破綻が近いと警鐘を鳴らしている。実際
に確かめた住宅販売の現場は冷え切っている。欲深いエリートと騙さ
れやすい大衆、次々に生み出される金融商品の複雑な仕組みを正確に
理解している者はプロでもほとんどおらず、繁栄が永遠に続くと思い
込んでいる。物語は住宅ローンの危うさをいち早く見抜き、その未来
を予測した男たちの奮闘を描く。男たちは正義感から真実を訴えるが
耳を貸す者はいない。それでも彼らはウォール街の住人、リーマンシ
ョック後もきっちりと利益を出す。そんな、マネーゲームにどっぷり
つかった金融マンの生きざまがリアルに再現される。

サブプライムローンが債務不履行に陥る可能性が非常に高いと分析し
たマイケルは、暴落時に手に入る保険金に目をつける。一方、銀行家
のジャレッドは投資マネージャーのマークに同様の提案をしていた。

小さな投資会社のボスであるマークですら、専門家に質問を繰り返し
自ら調べまわってはじめてサブプライムローンの実態を知る。そして
住宅ローンを組む一般市民は、ただ頭金なしの低金利ローンという部
分しか見ずに家を買っている。米国人観客はここで描かれたことを実
体験として共有し、わが身を振り返ったに違いない。

新たな産業を育てた後に富を得るのではなく、カネを生むために奇妙
なロジックを振り回し、成功すればそれもよしとされる。映画は歪ん
だ拝金主義に一石を投じる、この国の自由はどこに向かうのかと。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                「マネー・ショート」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160307
               
          を参考にしてください。




 本日本日はもう1本
 
           「幸せをつかむ歌」  です。

夢を追って家を出た自分が今更母親らしいことをしてやれるわけはな
い。そう思いつつもできる範囲で傷ついた娘を力づけようとする。お
互いに内心は複雑、でもやっぱり似た者母娘、和解にさほど時間はか
からない。物語はシニアロックバンドのボーカルを務めるヒロインが、
捨てた家族のために何ができるかを模索する姿を描く。子供たちにと
って、久しぶりに再会した彼女は実の母と思われるのが恥ずかしい格
好をしている。もう若くない母の、子に対する思い。大人になった娘
や息子たちの、身勝手な母への感情。そして別れた夫と後妻の気持ち。
それらが紡ぎ出す人情の機微が繊細なタッチで再現される。メリル・
ストリープはこんなビッチな役まで演じるのかと驚いた。

元夫・ピートの家を訪れたリンダは、離婚でふさぎ込む娘・ジュリー
を外に連れ出し気分転換をさせる。ジュリーの前夫が浮気相手といる
ところに乗り込んだリンダを見て、ジュリーは愛されていると気づく。

最初はリンダに拒否反応を示していたジュリーも、不器用でも精一杯
力になろうとするリンダに少しずつ心を開いていく。確かに継母は立
派な人だがどこか常識にとらわれすぎている。だが、リンダはロック
ンローラーらしくストレートにぶつかってくる。

どん底にいるときに救われたと感じるのは裸の魂が差し伸べる手を見
つけたとき、育ての親の良識よりも生みの親の直感が勝る時もあると
2人の関係は教えてくれる。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

                 「幸せをつかむ歌」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160308
               
          を参考にしてください。




 本日本日はもう1本
 
        「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章」  です。

往来の喧騒にも慣れた。乱暴な運転にも驚かなくなった。値切り交渉
も得意になった。人々のアバウトさも許せるようになった。夢に見た
異国での老後を実現させた老人たちはとりあえず健康で平穏な日々を
送っている。物語は長期滞在型ホテルで暮らすリタイア老人たちのそ
の後を描く。こちらで始めた仕事にかける情熱は衰えていない。気に
なる異性もいる。だが、同じ価値観の英国人だけならわかりあえても、
紅茶の淹れ方も知らない米国人が宿泊すると一気に浮き足立つ……。
老け込むにはまだまだ早い、南国のあふれる陽光と原色鮮やかな街で
繰り広げられる様々な人間模様は、人と人の出会いが人生を豊かにす
ると教えてくれる。一方でホテルオーナーのバイタリティが、経済成
長著しいインドの「今」を象徴していた。

事業拡張を計画するソニーは投資家の「鑑定人を送る」という言葉に
反応、予約なしでやってきた米国人・ガイをもてなす。そんなソニー
を、婚約者のスナイナと副支配人のミュリエルは苦々しく思っている。

同時にイブリンとダグラスがお互いの思いを伝えられずにすれ違い、
キャロルとノーマン夫婦に危機が訪れ、マッジは二股にけじめをつけ
る決心をし、ガイがソニーの母を口説いたりする。いくつになっても
人を好きになることで日常が彩られていく。

恋こそが最高の若返りの薬、老いてもなお気品を失わず男女の駆け引
きを楽しむ姿が羨ましかった。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

              「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160309
               
          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

先日所要で名古屋に行ったのですが、地下鉄に乗って驚きました。同
じ車両にマスクをした人が一人も乗っていません。

その後、地上に出ても歩行者や自転車、屋外作業員など、マスクをし
ている人をほとんど見かけませんでした。

花粉症たけなわのこの季節、東京ではどんな電車に乗っても乗客の半
数近くはマスクで口元を隠しています。

名古屋の人は外出先でマスクはみっともないと思っているのか、それ
ともよく効く花粉症の薬があるのか、そもそも花粉症の人がいないの
か。もし花粉が飛んでいないなら、名古屋に住みたいものです。。。

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      次回配信予定は3/12作品は
         
          「家族はつらいよ」
         
              です。

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