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こんな映画は見ちゃいけない! 

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ヘイトフルエイト こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/02/27

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/2/27  Vol.1730     ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
          「ヘイトフルエイト」  です。

見渡す限りの雪原、朽ち果てたキリスト像、よからぬ事が起きるのを
予感させる音楽。銃こそが力、生き残った者が正義、わずかな油断が
命取りになる状況で皆が嘘をつき腹に一物抱えている。そんな世界観
が凝縮されたオープンニングに思わず引き込まれた。物語は、猛吹雪
の中、人里離れた雑貨店に居合わせた男女が織りなす心理ゲームを再
現する。一見ヨタ話のようで実は重要な情報が潜んでいる会話が延々
と続くかと思うと突然の転調、予断を許さない展開はタランティーノ
の真骨頂だ。全員悪人面した彼らの、それぞれの化けの皮が一枚ずつ
はがされる過程は、人間の真実とは何かを考えさせられる。

雪で立ち往生したウォーレンは、女囚・デイジーを移送中のルースの
馬車に便乗する。さらに自称保安官のクリスを拾い、ミニーの店に向
かう。だが店主の代わりに4人の怪しげな男が待ち受けていた。

ウォーレンもルースも賞金稼ぎ、自分の獲物をカネに換えるまで手を
組む。2人は銃の腕を頼りに場を支配しようとするが、やはりどこかで
お互いを信じきれない。その危うさを「リンカーンからの手紙」に象
徴させ、本来この話の語り部であるウォーレン自身もいわくつきの人
物だと匂わせる。そして元南軍将軍に聞かせた彼の息子の最期。

ほぼウォーレンの視点で描かれているが、映像は彼に嫌悪感を発散さ
せ決して同調させない。その巧みな構成が、さらなる疑心暗鬼を抱か
せる。映画を見ている我々が騙されているのではないかと。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

                「ヘイトフルエイト」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160121
               
          を参考にしてください。




 本日本日はもう1本
 
         「ザ・ブリザード」  です。

誰もが自殺行為だと言った。自らも命はないと覚悟した。しかし、助
けを待っている人がいる限り引き返すわけにはいかない。視界を遮る
暴風雪、巨大な壁となって押し寄せる大波。羅針盤を奪われ通信もま
まならず、ただ経験と勇気を頼りに彼らは荒れ狂う冬の海と闘う。映
画は遭難した大型船の救助に向かった沿岸警備隊員の奮闘を再現する。
小さな警備艇は時に海面下に潜り込み、時に木の葉のように波間で翻
弄される。一方で、沈みかかった船に取り残された乗組員たちはあら
ゆる知恵を絞って避難を試みる。どんな苦難が立ちはだかっていても
決してあきらめない。そんな男たちの、生きて陸地に戻りたいという
強烈な意志に、運命は自分の手で切り開くものであると教えられる。

恋人との結婚を間近に控えたバーニーは、大嵐の夜、真っ二つに折れ
たタンカーの救難出動を命じられる。司令官の命令は非常なリスクを
伴うと知りつつも、彼は3人の仲間とともに沖に出る。

タンカーの隔壁構造ゆえ、前半分がなくても船体は浮いている。だが
浸水は止まらず、このままでは沈没する。唯一の士官となったシーバ
ートが指揮を執り人力で舵を動かし浅瀬に座礁させようとするが、思
うように操縦できない。士官の資質が問われる危機的状況下で、彼は
必死で部下たちが暴走しないようにコントロールする。

船乗りは一蓮托生、死と隣り合わせの戦場のごとき職場ではチームワ
ークこそが生き残りに一番必要だと訴える。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

                 「ザ・ブリザード」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160129
               
          を参考にしてください。




 本日本日はもう1本
 
               「女が眠る時」  です。

肩や太ももを無造作にさらして眠りにつく娘を撮影する男。娘が起き
ている時も丁寧に水着の背中に日焼け止めを塗り、うなじの産毛を剃
る。娘は男に警戒心を持たず身を任せている。もちろん父娘ではない、
夫婦や恋人・愛人などでもない。“書けない作家”は、彼らが醸し出
す禁断の香りに、麻薬に似た陶酔を覚える。物語はビーチリゾートに
逗留する年の差カップルに接近した作家が、後戻りできないぬかるみ
に足を取られていく姿を描く。知れば知るほど不可解なふたりの言動
にのめり込み、いつしか創作と現実の区別がつかなくなる。のぞき見
しているのではない、のぞき見されている、そんな作家の心を丹念に
再現した映像は夢とうつつが入り混じり、しっとりとエロティックだ。

海辺のホテルに妻・綾と宿泊する健二は、佐原という男と出会う。佐
原が撮りためた若い娘・美樹の寝姿を見せられた健二は、佐原の瞳の
中に狂気を、美樹の目に宿る絶望を感じ取る。

佐原が美樹を愛しているのは分かった。ところが彼らをよく知る民宿
の男は奇妙なことを口にする。何かが隠されているのでは思った健二
は、佐原の部屋に忍び込み寝姿ビデオを再生する。そこに戻ってきた
美姫が健二に気づかずに下着を脱ぎシャワーを浴び髪を梳かす。逃げ
るチャンスなのに、無防備な美樹に視線が釘付けになる健二。

悪いとわかっていてもやめられない、他人の秘密を本人に知られずに
盗み見る誘惑と快感に、健二はますます溺れていく。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

                 「女が眠る時」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160219
               
          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

「餃子1人前をふたつ」。餃子の王将で隣に座った30代くらいの男性が
奇妙な注文をしていました。

確かにメニューには「餃子1人前6個」と書かれているのですが、普通
は「餃子2人前」とオーダーするはず。

なんかこの店独特の隠語でもあるのかと思っていましたが、出てきた
のは12個が一皿に乗った餃子。

店員が外国人(呉さんという名前からたぶん中国人)だったから、わか
りやすいように言い換えただけなのでしょうか。謎だ。。。

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      次回配信予定は3/3作品は
         
          「虹蛇と眠る女」
         
              です。

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