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こんな映画は見ちゃいけない! 

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もしも建物が話せたら こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/02/20

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/2/20  Vol.1728     ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
          「もしも建物が話せたら」  です。

斬新な音楽ホール、専制君主の勅命で建築された図書館、洗練された
ミニマリズムの刑務所、カネがかかった研究所、モダニズムを究めた
オペラハウス、街並みにそぐわない文化センター。映画は、完成当時
は人目を引くデザインで賛否両論だったけれど、時を経て風景の一部
に溶け込んだ建物と、そこに出入りする人々の顔を追う。建物自身が
自らの来歴を語り存在価値を訴える中、研究所のみそのルールを逸脱
するのは、映画界の大御所には注文をつけられなかったということか。

驚くべきはノルウェーの刑務所。高い壁に囲まれてはいるが、普通の
収容棟ではホテル並みの快適な個室が用意され、看守と囚人が一緒に
なって遊んでいる。さらに男女の警備員が同じロッカールームで着替
えているなど、危険な任務でも性差を取り払っている。

カリフォルニア・ソーク研究所の直線的設計は、新たなインスピレー
ションの源になっている。オスロオペラハウスは、どこでもパフォー
ミングアートの舞台で通用するほど、コンセプトが統一されている。
そしてパリのポンピドゥー・センターは一見醜悪な外観ながら、“世
界文化の中心”としてあらゆる来訪者を受け入れる寛大さも持つ。

それに引き替え、観光客を呼び込めるランドマークとしての威容とコ
ンテンツを誇る建築物がどれほど東京にあるだろうか。スカイツリー
は商業主義に走りすぎている。東京都庁舎は近寄りがたい冷たさがあ
る。ここは新国立競技場に期待すべきなのか。。。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

                「もしも建物が話せたら」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160206
               
          を参考にしてください。




 本日本日はもう1本
 
         「ジョーのあした 辰吉丈一郎との20年」  です。

「ボクシングは人生に似ている」。「いや、人生こそボクシングに似
ている」。さまざまな文脈でボクシングと人生は比喩に用いられてき
た。だが、この男にとってボクシングは人生そのもの。殴られ、倒さ
れ、敗れ、傷つき、衰えてもリングに上がるのをあきらめない。映画
は、そんなボクサーの、ライセンス停止から2014年に至るまでの20年
間をインタビューで綴る。見事に復帰を果たしチャンピオンに返り咲
いたときもあった。ライセンスが失効して国内で試合が組めず海外に
活路を見出したこともあった。どんな苦境でも彼は決して“引退”を
口にしない。カメラはその真意を求めて男の内面に迫ろうとする。

日本でマッチメイクできずラスベガスで再起を飾った辰吉丈一郎は、
S・バンタム級で世界戦に挑戦するも連敗。バンタム級でタイトルを手
中にするが3度目の防衛に失敗し、ほどなく年齢制限に引っかかる。

最後にKO負けした後、「自分の人生おもしろい」と答える辰吉。網膜
剥離を経験し、周囲から何度「もうやめろ」と言われても聞く耳を待
たない。その姿はボクシングにしがみついてるかのようにも見える。
ボクシング以外の事は何もできないと分かっている、そして父として
の生き方を息子たちにも見せたい。

撮影の時は「Joe」の刺繍が入ったスポーツウエアを必ず着用し、いつ
しかそこに妻や息子の名前も併記されるようになっていく。妻子に対
する愛もボクシングをするためのエネルギーに昇華されるのだ。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                 「ジョーのあした 辰吉丈一郎との20年」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160109
               
          を参考にしてください。




 本日本日はもう1本
 
               「探偵なふたり」  です。

専門家も舌を巻くプロファイリング能力を持ち、捜査中の案件に口を
挟んでくる一般市民の男。未解決事件のデータとミステリー小説を精
読し、あらゆる犯罪者の心理に通じている。だが、私生活ではうだつ
が上がらず妻の尻に敷かれっぱなし。物語はそんな主人公が濡れ衣を
着せられた親友の汚名を雪ぐために刑事と手を組んで奔走する姿を描
く。「妻が殺されたら夫を疑え」の“格言”に従い関係者の身辺を洗
うが、アリバイは不自然なまでに完璧。ほどなく第2の殺人が起きるが
全く犯人像が浮かばない。証言と被害者の過去、2人はわずかな手がか
りを求めて街をさまよう。強面の相棒が古女房に怒鳴られ恐縮してい
る場面が哀愁のこもった笑いを誘う。

マンガ喫茶の店主・デマンは泥酔した翌日先輩の妻の刺殺体を発見、
幼馴染の刑事が逮捕される。真犯人は別にいると確信するノ刑事に共
同捜査を持ちかけ、コンビで聞き込みを始める。

現場検証では単独犯と断定されるが、犯行時間前後に目撃されたのは
不審な2人組。怪しげな情報を流してくる同僚刑事もいる。そしてろく
な裏取りもせずに勾留されたままの容疑者。個人的な怨恨以上の動機
があると直感したデマンは数年前の凶悪犯罪との類似点を見つける。

このあたり、現場主義の剛腕で恐れられるノよりも素人探偵ながら博
識なデマンの推理がより真実に迫っているなど、犯人の思考パターン
を研究して先を読む作業の大切さがうまく再現されていた。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                 「探偵なふたり」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160115
               
          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

どの国が優勝したのではなく、どれだけのカネが動いたかが話題にな
るサッカーWカップ。主催するFIFAにマネー理論を持ち込んだ電通との
癒着ぶりを示す「電通とFIFA」を読みました。

オリンピックの商業化に歩を合わせるように利権の温床となったW杯、
その仕掛け人として暗躍したひとりの電通マンのモーレツな仕事術と
しても楽しめます。

「純粋」とは言いませんが、比較的「健全」だったスポーツイベント
が汚されていく過程はミステリーを読むような緊張感。その裏には脅
迫めいたこともあったに違いありません。

これも資本主義と言ってしまえばそれまでですが、夢がしぼんでいく
ことは確かです。。。

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      次回配信予定は2/25作品は
         
          「X-ミッション」
         
              です。

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