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こんな映画は見ちゃいけない! 

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SHERLOCK/シャーロック こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/02/18

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/2/18  Vol.1727     ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
        「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」  です。

家具調度から登場人物の衣装・立ち居振る舞い、石畳の道を走る馬車。
科学がオカルトを凌駕し、女性が基本的人権を主張し始めた時代のイ
ングランドの雰囲気を細密に再現した大道具小道具の数々は、殺人が
起きるまでもなく映画の世界観を味あわせてくれる。物語は、銃乱射
したのち自殺した女の幽霊が夫を射殺した事件を、主人公が解決する
までを描く。監視モニターも電子機器も科学捜査もない当時、わずか
な証拠と死体だけが手がかり。本当に幽霊の仕業なのか、巧妙に仕掛
けられたトリックなのか。幽霊が身にまとうウェディングドレスが彼
女の怨念の深さを強調し、女をモノ扱いした男たちに復讐の手が伸び
ていく過程は、怪談のようなおどろおどろしさに満ちていた。

花嫁姿の幽霊を見た男のもとに“脅迫状”が届けられる。男の妻から
“夫を守ってくれ”と依頼を受けたシャーロックとワトソンは、彼の
屋敷に向かう。夜、幽霊が現れ、奇妙なメッセージが残されていた。

一度しゃべり出したら止まらない、勿体をつけた言葉の端々に込めら
れたユーモアと皮肉。自分はすべてお見通しだと言わんばかりのシャ
ーロックのスノッブな話し方が楽しませてくれる。そして彼の頭脳を
もってしても理解困難な真実を求めて何日も続く沈思黙考。さらにド
ラッグによって引き起こされる幻覚との格闘。

何より事件自体がワトソンが書くフェイクドキュメンタリー風の伝記
の中の出来事にも思えてくる。そのミステリアスな構成が興味を呼ぶ。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160122
               
          を参考にしてください。




 本日本日はもう1本
 
         「ディーパンの闘い」  です。

人が死ぬのにうんざりしていた。暴力とは縁を切ったはずだった。そ
れでも守るものができると闘わねばならなくなる。物語は内戦で荒廃
した故国を逃れた元兵士がフランスで人生をやり直そうとする姿を描
く。一緒に暮らすのは妻子を装った女と少女、彼女たちもまた身寄り
はなく彼と家族を偽装しなければ新天地への移住は認められない。言
葉が通じない孤独と不安、習慣・宗教や肌の色ゆえの差別。当座の関
係のつもりだったが、お互いを思いやるうちに、本当の家族のような
情がわく。先進国は、入国させた彼らが働いて自立した生活が営める
ようになって、初めて“難民受け入れ”が成功したといえるのだ。

銃を捨てた男はディーパンと名を変え、難民キャンプで見つけたヤリ
ニを妻、イリヤルを娘と偽ってフランスに渡り、郊外の団地で管理人
の職に就く。そこはギャングが麻薬売買する治安の悪いところだった。

清掃や設備の手入れ、住人の手助けなどディーパンは徐々に住民と顔
なじみになり、ヤリニも家政婦で現金収入を得て、イリヤルも地元の
学校でフランス語を学ぶ。3人とも大切な人を戦火で失っている、だが、
深い悲しみと絶望の記憶を封印するのが同居のルールと決めているの
か、過去はほとんど語らない。

だからこそ、ギャング同士の抗争で銃声が聞こえた時のヤリニの過剰
な反応が、彼女の経験した恐怖と悲劇を連想させる。そしてディーパ
ンはヤリニとイリヤルに安全な日常を送らせるのが己の使命と悟る。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

                 「ディーパンの闘い」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160216
               
          を参考にしてください。




 本日本日はもう1本
 
             「スティーブ・ジョブズ」  です。

絶対に妥協はしない。“天才”とは、卓越した記憶の量や計算の速さ
ではなく、理想や目標をあきらめずにやり遂げる精神力のある者のこ
とだとこの作品は教えてくれる。そんな孤高の男でも、一人娘には複
雑な感情を持ってしまう。それは愛されずに育ったゆえのぎこちない
愛。物語は先進的機能とデザインのパソコンで社会を一変させた主人
公が、新製品の発表会直前に見せた葛藤を追う。次々に起きるハプニ
ングと湧き上がるアイデア、そして引きも切らない訪問者。目まぐる
しい展開と膨大なセリフの量が舞台劇のような緊張感を孕む。

1984年、マッキントッシュ発表会に臨むスティーブは“hello”の音声
が出ないのが気に入らず、調整を命じる。一方で他の技術者、マーケ
ティング担当者、経営者との打ち合わせも重なり、焦りが募っていく。

そこに現れたのが元恋人と彼女の娘・リサ。スティーブはリサの認知
を拒み元恋人を追い返そうとするが、リサがパソコンで描いた一枚の
絵だけは大切に保存する。その後も新製品発表会のたびにリサはステ
ィーブの元を訪れて成長した姿を見せ、一緒に暮らせない年月の長さ
と気持ちの空白を埋めようとする。

だが、やはりスティーブは自分が生んだIT製品以上の思い入れをリサ
には抱けない。いや、抱いているのだがどう表現していいのかわから
ない。あまりにも人間関係に不器用なスティーブの対応ぶりが、有り
余る才能のせいで大人になれなかった彼の孤独を象徴する。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

                 「スティーブ・ジョブズ」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160217
               
          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

東京ディズニーランドがまた入場料値上げ、1Dayパスポートが7400円
になるそうです。でも、他国のディズニーランドと比べるとびっくり
ポンでした。

香港7900円、上海9400円、パリ9300円、カリフォルニア11300円、フロ
リダに至っては12000円です(以下すべて日本円換算)。施設内容も微
妙に違うので単純に比較できませんが、なんと東京が最安値。

USJも同じ料金設定ですが、待ち時間少なくアトラクションを楽しもう
とするとEパスを買うので、結局出費は軽く1万円を越えます。

TDLももっと入場料を上げるべき。安くて混んでるよりも、高くても快
適に過ごせるほうが“夢の国”にはふさわしいと思います。

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      次回配信予定は2/20作品は
         
       「もしも建物が話せたら」
         
              です。

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