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こんな映画は見ちゃいけない! 

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フランス組曲 こんな映画は見ちゃいけない! 

2016/01/14

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2016/1/14  Vol.1717      ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
            「フランス組曲」  です。

自国民なのに冷淡な態度をとる。敵なのに好感を持つ。小作人たちは
取り立ての厳しい領主を恨み、占領軍を搾取からの解放者として歓迎
している。貧しさの中では祖国愛は育たない、小作人たちは食卓を豊
かにしてくれる支配者を支持するのだ。パリを舞台にした作品では考
えられない、貴族と農民の身分制が色濃く残る農村部の人間模様が新
鮮だった。映画は第二次大戦中、ドイツ占領下のフランス田園地帯、
満たされない日々を送る若妻とドイツ軍中尉の恋を描く。強欲な義母
よりも音楽を愛する敵に惹かれる。裏切りと分かっていても、ときめ
きは抑えきれず体が反応するヒロインの女心が切なくも共感を呼ぶ。

地主の嫁・リシェルと義母・アンジェリエ夫人が暮らす屋敷がドイツ
軍中尉・ブルーノの宿舎に指定される。窮屈な思いを強いられていた
リシェルはブルーノのやさしさに次第に警戒心を解いていく。

一方、若い男がいない村では、娘たちはドイツ兵と積極的にかかわり、
老人たちはおびえている。ブルーノのもとに届いた密告の手紙の数々
が、いかに村人が貴族たちを憎んでいたかを物語る。当然レジスタン
ス活動もなく、障害で兵役免除されているブノワが妻に手を出そうと
したドイツ将校と衝突してしまうまで、小康状態を保っている。

そんななか、地主の生活にもなじめず小作人とも距離を置くリシェル
は、明確にフランス人のアイデンティティを自覚していない。そのあ
たり、戦争の実感が乏しい田舎の空気が濃密に再現される。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                「フランス組曲」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160111
               
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
              「クリムゾン・ピーク」  です。

決して恨んではいない。注意を促しているだけ。幽霊が伝えたいのは、
無念を晴らしたい気持ちよりも、むしろ生きている者の未来を守るメ
ッセージ。物語は、死者の霊が見える米国人令嬢が体験する恐怖を描
く。朽ちかけた豪邸に彼女の生気が吸い取られていく過程は、まるで
屋敷自体が腐臭をまき散らしているような不快な緊迫感にあふれてい
る。しかし、本当に恐ろしいのは、おぞましい外見の幽霊ではなく、
歪んだ欲望に駆られた人間。あらゆるシーンで強調される赤と黒は血
と死をイメージさせ、ヒロインが直面する危機は暴力と命でしかあが
なえないと暗示する。そして細部にまで作り込まれたゴシック調の映
像が、科学が迷信にとって代わろうとする時代を象徴していた。

米国人経営者の娘・イーディスは英国貴族・トーマスと恋に落ち、結
婚、彼の屋敷で新生活を始める。ところがトーマスの姉・ルシールに
ことあるごとに干渉され、外出もままならない暮らしを強いられる。

少女のころ、疫病死した母親の幽霊から意味不明の警告を受けたイー
ディス。その後も様々な心霊現象を経験したのだろう、小説のテーマ
に選んでいる。ならば幽霊が姿を見せるのは危害を及ぼすためではな
く、話したいことがあるからだとわかっているはず。

ルシールを狂わせたのは愛、トーマスを堕落させたのも愛、だがイー
ディスを救ったのも愛。愛こそが人間にとっていちばん忌まわしく、
いちばん大切な感情であるとこの作品は訴えていた。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

                「クリムゾン・ピーク」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160112
              
          を参考にしてください。




 本日はもう1本
 
      「イット・フォローズ」  です。

裸の女が、白髪の老婆が、見上げるような大男が、あどけない少年が、
まっすぐに歩いてくる。呪いなのか、恨みなのか、それとも安易な快
楽を求める若者たちへの警告なのか。映画は性行為で感染したヒロイ
ンがひたすら逃げ回る姿を描く。“それ”はゆっくりと距離を詰め、
決して安眠させてくれない。仲間といても感染者以外に“それ”は見
えない。一方で他人に伝染させなければ自分が襲われる。セックスか
否か、葛藤と恐怖に苦悩し、絶望に変わる彼女の感情の変化がリアル
だ。固定カメラの長回しのショットが不気味さと不安を煽り立て、正
体のわからぬおぞましさが濃やかに再現された映像に背筋が凍る。

BFのヒューから“それ”をうつされたジェイは、グレッグら幼馴染の
友人たちに保護してもらう。ヒューから“それ”のルールを聞かされ
たジェイたちはビーチに逃れるが、そこにも“それ”は現れる。

真剣に心配してくれる友達を巻き込みたくない。でもやっぱり助かり
たい。“それ”の持つ力を思い知らされたジェイはパニックになる。
そんなジェイを慰めるグレッグは危険が及ぶのを承知で彼女と関係す
る。すぐにナンパした若い女と寝るが、結局それほど時間は稼げない。

銃弾に血は流すけれどほどなく復活する“それ”は、残虐でも凶暴で
もない。だが意志の宿らぬ目で追ってくるしつこさは、人間の理解を
越えた忌まわしさをまき散らす。ここではもはやセックスは喜びや悦
楽ではなく、死の穢れでしかない。。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

          「イット・フォローズ」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20160113
               
          を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

Windows10の目玉機能、コルタナを使っているのですが音声認識に感心
するところとイマイチなところが極端です。

たとえば“follows”という英単語を英語で発声すると、Chromeの音声
認識機能ではきちんと理解してもらえたのに、コルタナは何度やって
も“殺す”としか認識されません。

結局、「フォローズ」とカタカナの棒読みでやっと検索結果が表示さ
れました。

この分野ではまだGoogleの方が先を行っているようですね。。。

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      次回配信予定は1/16作品は
         
           「バーバリアンズ」
         
              です。

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