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こんな映画は見ちゃいけない! 

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ローマに消えた男 こんな映画は見ちゃいけない! 

2015/11/14

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2015/11/14  Vol.1703     ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
             「ローマに消えた男」  です。

重圧に耐えかねすべてを投げ出してしまった政治家。楽天的で教養に
満ちつつも感情を直撃する言葉で話す男。性格は正反対だが2人の見か
けは同じ、長年にわたってお互いの存在を周囲に黙っているほどの断
絶が、彼らを引き裂いた出来事の根の深さをほのめかす。物語は、イ
タリアの左翼政党党首が失踪、双子の兄弟が代役を務める過程で、人
生に本当に大切なものは何かを模索する姿を描く。表舞台を離れて手
に入れたのは忘れていた青春のきらめき。突然脚光を浴びて蘇ったの
は若き日の夢と情熱。立場が入れ替わって見つけた生きる喜び、がむ
しゃらに突っ走る年齢を過ぎた人間は、むしろ“運命の力”に身を委
ねてみるのもいいのではと主人公は訴える。

支持率低下に悩むエンリコは誰にも知らせずパリに脱出、元恋人・ダ
ニエルの家に身を寄せる。秘書のアンドレアは双子の兄弟・ジョバン
ニを探し出して急場をしのごうとする。

レストランで記者の質問を受けるジョバンニは如才なく答え翌日の新
聞を賑わす。ジョバンニの発言は大衆受けしたちまち支持率は回復、
アンドレアはジョバンニにエンリコを演じ続けさせる。

あえて多くを語らず2人の半生を想像させる語り口は、彼らにもう肩の
荷を下ろしてもよいころだと優しく告げているよう。ストレスをため
ずに暮らすのは難しい、時に思いのままに行動することも必要だとこ
の作品は教えてくれる。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

                   「ローマに消えた男」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150907
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
         「ザ・トゥルー・コスト」  です。

いまや一般的なコットンTシャツは500円。グローバル経済の恩恵だが
その製造現場では低賃金の長時間労働が常態化している。映画はそん
な低価格服の背景にある“搾取”の現実を追う。発展途上国に現金収
入の道を提供したと企業側は言う。現地の工場はダンピングに応じざ
るを得ないと答える。しわ寄せはミシンを踏む労働者に行く。確かに
自由な競争が行われている。一方でそれは労働者をコストとしか考え
ない経営者側が儲かる仕組み。娘と一緒に暮らしたいと願う女性工員
の言葉がこのシステムの非人間的な一面を象徴していた。

ダッカの縫製工場が崩落し1000人以上の死者が出た事件をきっかけに、
ファストファッション業界の取材を始めたディレクター。アジア最貧
国貧から輸出された衣類は、米国、英国、日本で大量消費されていく。

バングラデシュ人の日当は3ドル。労組も有名無実。件のビルは事前に
危険性が指摘されていたにもかかわらず管理者は放置していたという。
まさに労働者の命が先進国の安価な衣料を支えている構図、その悲し
みが怒りとなってくすぶり、革命前夜のような熱気さえはらんでいる。

2008年の「女工哀歌」と構造はまったく同じ、舞台がバングラデシュ
に移っただけなのだが、中国の少女はまだ小さな夢を抱けていた。と
ころがダッカの若い母は娘を養うのに精いっぱいで貧困から抜け出せ
ない。こうした現状が遠因となってイスラムの若者をISにいざない、
歪んだ世界に矛先を向けさせているのだろう。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                  「ザ・トゥルー・コスト」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20151017

              を参考にしてください。 




 本日はもう一本
 
         「エベレスト 3D」  です。

眼前に聳立する峻険、足元に刻まれた深淵、頂から望む彼方の高峰、
細いワイヤーが頼りの吊り橋。それら3Dで撮影された“世界の屋根”
の映像は圧倒的な迫力で山々の雄大さと厳しさを体感させる。もちろ
ん客席では寒さも酸素の薄さも感じない、だが出演者の日焼けした顔、
凍りついたヒゲ、重い足取りが彼らの感覚をリアルに伝えてくれる。
物語は1996年にエベレストで多数の遭難者を出した事故を再現する。
混雑するベースキャンプ、ワガママを通そうとする客、渋滞する登攀
ルート、非協力的なガイドetc. 商業化で現地人の“神々の領域”が
いつしかカジュアルな山に堕してしまった。そう、これは自然に対す
る敬意を失った人間が起こした人災なのだ。

ロブが主催するエベレスト登山隊は約1カ月の高地トレーニングを経て、
頂上アタックに臨む。その日は南アや台湾の登山隊の登頂日とバッテ
ィング、それぞれが分業体制を取ることで合意する。

なぜ登るのかの問いに「そこに山があるから」としか答えられない登
山客たち。ほとんどの参加者は他の名峰や過去にエベレストチャレン
ジした経験を持っている。当然彼らなりに人生の目標としてきたはず、
高額の参加料も支払っている。でもやはり世界一高い山を征服した実
績を作りたいのが本音。

ある程度の苦行は覚悟していても、死と隣り合わせの冒険になるなど
とは思っていない。そのあたりの認識が後の悲劇の伏線になっていた。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                  「エベレスト 3D」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20151113

              を参考にしてください。 

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        余|談|
        ━┛━┛

ゴルフの日本ツアーで現在賞金ランキング1位のイ・ボミ、実力もさる
ことながら愛くるしい笑顔で日本のファンを魅了しています。

解決済みの「慰安婦問題」をいまだ喧伝する韓国に対する好感度が急
降下する中、彼女だけは日本人に好意的に受け入れられています。

インタビューで話す流ちょうな日本語、サインを断らないサービス精
神、スタッフへの気配りなど、スターなのに謙虚さを失わないところ
が人気の秘訣です。

かの国の大統領にも、少しは彼女の態度を見習ってもらいたいもので
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      次回配信予定は11/19作品は
         
        「FOUJITA」
         
              です。

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