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こんな映画は見ちゃいけない! 

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俺物語!!  こんな映画は見ちゃいけない! 

2015/11/05

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2015/11/5  Vol.1700     ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
             「俺物語!!」  です。

ゴリラ並みの巨体にしかめ面、もみあげは長く眉は太い。だが困った
人を放っておけず、義理人情を大切にする男の中の男。ところがその
外見から女子にはキワモノ扱いされ、女心の機微も全く通じない。物
語はそんな少年が、熱烈な恋に落ちる姿を描く。自分が好かれている
のに彼女が好きなのは親友だと思い込み、一歩引いた姿勢を崩さない。
一方で彼女への気持ちを持て余す。勘違いとすれ違い、お互い惹かれ
あっているのになかなかかみ合わないふたりの会話が練り上げられた
コントのような笑いを誘う。何より、鈴木亮平のオーバーアクション
がこの作品の世界観にすんなりといざなってくれる。

チンピラに絡まれている凛子を助けた猛男は、幼馴染の誠と一緒にい
るときに凛子からお礼のお菓子をもらう。凛子は猛男が目当てだが、
猛男は凛子が誠狙いと誤解し、凛子と誠をくっつけようとする。

男同士の勝負なら決して背中を見せない猛男は、女子が相手では急に
不器用になる。押しの一手で迫ってくる凛子をむしろ恐れているよう
な臆病さだ。両想いに免疫がないから己に素直になれず、女が選ぶの
は誠と決めつけている。そして、「猛男君はカッコいい」と凛子が叫
んでいるのを聞いてもやっぱり自信を持てない。

見かけはオッサンでも実はまだ15歳、圧倒的な体格と身体能力で根拠
のない全能感にあふれていてもおかしくない年ごろなのに、容姿のい
かつさを自覚しているが故の哀しみが猛男の肩から漂っていた。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                   「俺物語!!」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20151102
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
         「裁かれるは善人のみ」  です。

法も道徳も廃れ、今や権力こそが正義。従わぬ者には報復が待ってい
る。脅しには暴力で応じ邪魔者は排除される。物語は海岸の小さな町、
立ち退きを不服とし行政訴訟を起こした男が次第に追い詰められてい
く過程を追う。主人公が頼れるのは弁護士のみ、彼は秘策を用いて主
導権を奪おうとするが、思わぬところで墓穴を掘る。冗長な語り口は
旧ソ連時代から非効率に慣れた市民の苛立ちを体感させ、判決文を読
む裁判官の早口は上意下達のスピードを象徴する。市長の執務室に飾
られた指導者の肖像、そう、ここで描かれるのは連邦政府公認の腐敗
したシステムであり、周辺衛星国への軍事敵恫喝のメタファーでもあ
る。現代ロシアではプーチンが神なのだ。

修理工のコーリャと旧知の弁護士・ディーマは敗訴するが、ディーマ
はヴァディム市長の犯罪歴をちらつかせ、補償金の増額を要求する。
同時にコーリャの若い後妻・リリアは、ディーマに惹かれていく。

せっかく裏工作がうまくいきかけたのにリリアの誘惑に負けるディー
マ。水産加工場での仕事しかない田舎暮らしに倦み継子とは不仲なリ
リアにとって、ハンサムで知的なディーマは“洗練された都会”その
ものだったはず。しかしふたりの仲はコーリャに知れ引き裂かれる。

荒涼とした大地、朽ち果てた廃船、放置されたクジラの骨。分厚い雲
に覆われた陰湿な風景は、この町に住む人々の未来のように、明るい
光に包まれることはほとんどない。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

                  「裁かれるは善人のみ」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20151104

              を参考にしてください。 




 本日はもう一本
 
         「シーヴァス」  です。

学芸会の主役は村長の息子が指名された。働けない老馬を荒野に捨て
させられた。思い通りにならない日常、少年は上目遣いの険しい視線
で世間を見つめる。物語は、主人公が見捨てられた闘犬と共に、生き
抜く術を学ぶ姿を描く。近代化の遅れた荒涼とした地方、因習が色濃
く残り子供たちはどれだけ背伸びしても半人前扱いされる。そんな中、
彼は先生に直談判し、衣服を脱ぎ、大声でわめいて自己主張を繰り返
す。非力な存在でも理不尽な決定に従いたくはない。一方で現実との
折り合いもつけなければならない。やがて闘犬の訓練が不満を和らげ
る唯一の時間になっていく。そこには犬と人間の友情などという甘っ
たるい感傷は一切ない。生きるのをあきらめない者だけが前に進める
厳しさが映像にみなぎっていた。

小学生のアスランは、闘犬試合で重傷を負った犬を連れ帰りシーヴァ
スと名付けて飼い始める。回復したシーヴァスは闘志を取り戻すが、
アスランの兄が勝手にマッチメークに応じてしまう。

血と泥にまみれ両耳を噛みちぎられたシーヴァスは負け犬そのもの。
アスランに介護され白く美しい毛並みに戻る。それは小さくて弱いア
スランが自信をつけていく過程でもある。だが、彼らの住む世界では、
犬はあくまで家畜、人間の役に立つからこそ大切にされているのだ。

鎖につながれたシーヴァスを見てアスランが激怒したのも、彼の意思
が全く尊重されなかったことへの抗議なのだ。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

                  「シーヴァス」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20151103

              を参考にしてください。 

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        余|談|
        ━┛━┛

日本シリーズが終わり、プロ野球界も契約更改シーズンになりました。
今年も100人以上の選手が自由契約になります。

長く1軍で名を馳せメジャーでも活躍した選手や、アラフォー選手なら
ば“引退”という花道もありますが、多くはまだ20代の若者です。

中には早大時代に斎藤佑樹とバッテリーを組んだ細山田や、甲子園を
沸かせた鵜久森、「宮崎駿」という名の選手もいます。

トライアウトで再起をかける選手もいますがごくわずか、ほとんどは
球界を去り転職するでしょう。守らなければならない家族のためにも、
新天地でもう一花咲かせてほしいものです。

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      次回配信予定は11/7作品は
         
        「起終点駅」
         
              です。

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