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こんな映画は見ちゃいけない! 

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PAN  こんな映画は見ちゃいけない! 

2015/10/31

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2015/10/31   Vol.1699   ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
           「PAN ネバーランド、夢のはじまり」  です。

空飛ぶ帆船と戦闘機の空中戦、露天坑の奴隷たち、トランポリンを使
いこなす森の戦士。それら、上下動が多用された立体的なカメラワー
クは主人公が体感する目くるめく浮遊感と奥行きを再現する。物語は、
かつて孤児院に捨てられた少年が異空間に連れて行かれ、自らの運命
に目覚めるまでを描く。母は生きているのか、自分は本当にヒーロー
なのか。好奇心と正義感が旺盛な彼が勇気と責任感を身につけていく
波瀾に富んだ冒険譚は、イマジネーションあふれるまったくユニーク
な映画体験。おとぎ話だからこそ可能にした超現実的シーンの数々は
細部に至るまでヴィヴィッド、圧倒的な映像の洪水となって3Dメガネ
の奥に迫ってくる。

天井から現れた男に拉致されたピーターは、黒ひげが支配する島に運
ばれ、妖精の粉の結晶掘りに従事させられる。そこで働くフック、ス
ミと共に帆船を奪って脱走、先住民のジャングルに不時着する。

先住民に伝説の救世主と期待されたピーターは、空を飛んで証明しな
ければ命はない。彼を追ってきた黒ひげの艦隊が総攻撃をかけてくる
と先住民は総崩れとなるが、そのときに意外な方法で空中を舞う。強
く願い思い切って行動すれば奇跡を呼び寄せられると実証するのだ。

もう汚れた大人の言いなりにはならない、未来はこの手でつかみ取る
ってやる。彼の決意がネバーランドに永遠の輝きをもたらし、夢を持
ち希望を叶えるために努力し続ける大切さを教えてくれる。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

                   「PAN ネバーランド、夢のはじまり」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20151001
               
          を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
         「エール!」  です。

父も母も弟も耳が不自由、ひとり聴覚が正常な少女は彼らと社会との
懸け橋になっている。牛の世話から商取引、短気でな父と、明るく前
向きな母、シャイだけどませた弟の手話通訳を務め、今では一家を支
える存在。物語は、そんなヒロインが学校で美しい声を“発見”され、
両親の意向を押し切って音楽の道に進もうとする過程を描く。初めて
見つけた夢、与えられたチャンスを追ってみたい、けれど育ててくれ
た父母を残しては行けない。葛藤と逡巡、期待と不安、そして責任感、
年齢以上に精神的に大人になってしまった彼女は胸を痛める。一方で、
父は新たな挑戦を始め、母は彼を全面的に後押しする。障害をハンデ
ィとは決して考えていない奔放な生き方が刺激的だ。

授業でコーラスを選択したポーラは先生に澄んだ高音を褒められる。
その後パリにある音楽学校の受験を勧められレッスンを受けるが、村
長選に立候補した父は協力せず、母には反対される。

鍋やフライパン、食器や足音、果ては喘ぎ声まで、ポーラの家には生
活雑音が満ちているが、ポーラ以外は関知しない。同様に、いくら奥
行きと張りがあっても、彼女のソプラノは家族には分かってもらえな
い。才能を理解させられない寂しさをゆえ、彼女の決意は揺らぐ。

それでも楽しそうに朗唱する姿を見せ、ポーラの人生の主役は彼女自
身であると納得させる。娘の幸せを願わない親などいない、そのあた
り、実はポーラが親離れできていないのだと思わせる。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                  「エール!」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150808

              を参考にしてください。 




 本日はもう一本
 
         「わたしの名前は...」  です。

母は働きづめで疲れている、父は失業中で不機嫌、幼い妹弟の世話を
しながら健気に暮らすヒロインは、誰にも打ち明けられない悩みを抱
えひとりで苦しんでいる。こんな家を出ていきたい、消えてなくなり
たい。海岸沿いに停まっていたトラックに彼女は後先考えず飛び乗っ
てしまう。物語はそんな少女と妻子を亡くした中年男が、失われた関
係を構築していく過程を描く。言葉は通じないけれど、哀しみを胸に
生きる者同士お互いの孤独は理解できる。田舎道のうらぶれた風景が
彼らの未来、前に進めば変わるかもしれないと思わせる。それでも頼
りたい、保護したい。純粋な愛の形がはかなく美しい。

父親から虐待を受けているセリーヌは自然教室を抜け出して長距離ト
ラックに忍び込む。ドライバーのピーターは気づいてもそのまま運転
を続けるが、警察はセリーヌの失踪を事件としてマスコミに流す。

ピーターは新聞やTVにセリーヌの顔が露出しているのを見て、世間の
動きを察知する。しかし彼女の事情を知ってしまったからには父親の
元に返せない。それ以上にセリーヌは自分を信用してくれている。片
言で会話するうちに手をつないでじゃれ合ったり肩車をしたりと、ふ
たりは仲のいい父娘のようになっていく。

いつか別れが来るのは分かっている、だが、この濃密な時間が永遠に
終わらないでほしいと切実に願う。ふたりが小さな幸せを共有するシ
ーンの数々は、切なさと優しさに満ちあふれていた。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                  「わたしの名前は...」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150811

              を参考にしてください。 


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        余|談|
        ━┛━┛

宮崎県で軽自動車暴走、2人が死亡する事故が起きました。運転してい
たのは認知症の老人ということで、危険運転致死傷容疑にもかかわら
ず匿名報道です。

本人には罪の意識などなく、裁判でも弁護側は無罪を主張するでしょ
う。歩道と車道を間違える老人だけに、きちんと保険に入っているか
気になるところです。

被害者に落ち度はないだけに、まったくの殺され損。きっと、本人が
遺族に謝罪に行くこともないでしょう。

高齢ドライバーには自動ブレーキつき自動車を義務付けるべきだと思
います。。。

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      次回配信予定は11/5作品は
         
        「俺物語!!」
         
              です。

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創刊日:2002-12-02  
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