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こんな映画は見ちゃいけない! 

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ファンタスティック・フォー こんな映画は見ちゃいけない! 

2015/10/08

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2015/10/8   Vol.1692    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
              「ファンタスティック・フォー」  です。

アイデアを形にし、理論を磨き上げ、何十回もの試行錯誤の末に試作
品にたどり着いた。動物実験は問題ない、あとは人間で安全性を実証
するのみ。ところが、子どものころからの夢がやっと叶うと思ったそ
の時、彼らの成果を大人たちが横取りしようとする。物語は画期的な
発明をした若者たちが、栄光の足跡を残すために自ら実験台となり、
身体に特殊な影響を受けた後に新たな人生に踏み出す過程を描く。図
らずも身につけた能力に、傷つき、恐れ、得意になり、戸惑う。だが、
もう元には戻れない。その変化を運命として受け入れ自分探しに旅立
っていく。怒りと哀しみで胸を満たしたまま軍事利用される青年の、
“ファンタスティック”とは正反対の姿が切ない。

高校の発明コンクールで研究施設にスカウトされたリードは、同じラ
ボで働くスー、ジョニー、ビクターと共に物質転送装置を開発する。
リードの幼馴染・ベンを加え試運転すると異次元惑星に到着する。

そこで未知のエネルギー波に襲われビクターは置き去りにされる。残
りの4人も衝撃波でそれぞれ肉体が変質、岩石並みの頑強なボディに変
化したベンは“兵器”になる。圧倒的なパワーと頑丈さで暴れまわる
ベンの、ティーンエージャーらしい鬱屈がリアルに再現されていた。

“見捨てられた”という恨み、ビクターとベンの共通した感情が激突
するバトルシーンは、視覚効果以上に2人の“ヒーローになれない苦
悩”を訴えていた。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                   「ファンタスティック・フォー」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150919

                を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
             「岸辺の旅」  です。

「おれ、死んだよ」 3年ぶりに戻ってきた夫は靴も脱がずにリビング
ルームに上がってそうつぶやく。状況がよく呑み込めていなくても、
妻は死者としゃべっている事実をすんなり受け入れている。そしてふ
たりは失った時間を取り返すために電車に乗る。物語は、夫が死後に
出会った人々のもとを、彼ら夫婦が訪ね歩く道程を追う。死んでいる
のに気づいてない老人もいる。伝えられなかった思いを届けようとす
る女もいる。現世にしがみついている男もいる。濃厚な死の気配と深
く静かな愛を、浅野忠信が抑制のきいた演技であくまでもさりげなく
表現する。

優介は、失踪期間中に世話になった島影に妻の瑞希を会わせるために
彼女を誘い出す。島影はふたりを歓迎、瑞希に花を印刷したチラシの
切り抜きを披露したりするが、島影の人生は10年前に止まっていた。

その後も中華料理店、山奥の小さな村とふたりの旅は続く。優介はど
こに行っても良好な人間関係を築いていて、それは瑞希には意外な優
介の一面でもある。きっと生前は自分の話をあまりしない男だったの
だろう、一方で不倫がばれ下手な言い訳をしたりもする。

死んだのに死にきれない、でもふたりでいられる期限も迫っている。
そんな優介の気持ちがわかっているからこそ、瑞希はずっとこのまま
でいたいと願う。お互いを慮りながらもストレートに口に出せないふ
たりが、いかにも日本人的な繊細な奥ゆかしさを醸し出す。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                  「岸辺の旅」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20151006

              を参考にしてください。 




 本日はもう一本
 
             「罪の余白」  です。

非の打ち所がない美しさを武器に、巧みに他人の心を操る女子高生。
良心のかけらもなく、命の重さも気にかけず、立場の弱いものをもて
あそぶことで自身の優位性を確かめている。どんな言葉も彼女を傷つ
けない、それ以上の策略を練っているから。どんな事実も彼女を追い
つめられない、大人を騙す演技力を持っているから。物語は、教室の
女王に脅され転落死した生徒の父が、事件の真相を探ろうとして絶望
の淵に堕ちていく姿を描く。厳しいまなざしだけで同級生を威嚇し、
憂いを秘めた瞳で先生や警察も手玉に取る。どこまでも不快感を醸し
出す悪魔のようなヒロインを吉本実憂が怪演、甘い腐臭を強烈に放つ。

ひとり娘・加奈の死に納得できない安藤は彼女の日記を発見、そこに
はクラスメート・咲との出来事が残されていた。安藤は咲を問い詰め
ようとするが警察に通報され、さらに咲を殴って逮捕される。

世間の先入観と己の容姿がもたらす利点を熟知し、巧妙にセルフプロ
デュースする咲。安藤は行動心理学を教えているにもかかわらず、喪
失感から酒におぼれ、咲の知略にはまってしまう。磨き上げた美貌と
洗練された知性、物事を意のままに動かす信念。それら彼女の行動原
理に覚える反感は増すばかり。狡猾な咲の振る舞いは、安藤のみなら
ず彼に思いを寄せる同僚・小沢にも矛先を向ける。

そんな彼女の、世界は自分にひれ伏すために存在するという自信は、
嫌悪感の特異点を超えたピカレスク的魅力に昇華されていく。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                  「罪の余白」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20151005
              を参考にしてください。 




 本日はもう一本
 
      「パパが遺した物語」  です。

やさしかったママはもういない、その分パパがいっぱいかまってくれ
る。裕福な暮らしはできないけれど、パパとふたりだけの小さな世界
は満ち足りている。物語は、大好きだった父親との別れから来る喪失
感から立ち直れないまま大人になってしまったヒロインが、本当に大
切なものは何かに気づくまでを描く。失うことに臆病になるあまり他
人とは距離を置く彼女はセックスで寂しさを紛らわせる。そんな彼女
が父を尊敬する青年や闇を抱えた少女と触れ合ううちに少しずつ変わ
っていく。慈しみに満ちた過去と刹那的な現在、一方で少女への心療
が己の癒しにもなっていく。その姿は、愛された記憶こそが人の心を
豊かにし自己評価を高めると訴える。

父・ジェイクと濃密な少女時代を過ごしたケイティは、心理学を専攻
しているにもかかわらず深い対人関係が結べない。ある日、ジェイク
の著作を愛読しているキャメロンと出会い、胸にときめきを覚える。

セラピーを任された少女・ルーシーのトラウマには親身になれるのに、
キャメロンとの将来には不安ばかりが先走るケイティ。もちろんケイ
ティにも親代わりになって育ててくれた親戚はいたはず、それでも彼
女はジェイク以外の男からの愛情表現は嘘くさく思えてしまう。

学校の送り迎え、ファーストフード店での誕生日、買ってもらったピ
ンクの自転車、それら何気ない日常の思い出は、ケイティにとって最
高の宝物。強すぎた父娘の絆に縛られたまま、自分とキャメロンを傷
つけるケイティのひねくれた弱さが哀しいほどリアルだ。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

            「パパが遺した物語」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20151007

              を参考にしてください。 

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        余|談|
        ━┛━┛

現役選手が野球賭博に手を出したということで、所属チームの巨人を
始め数球団が選手に聞き取り調査を行っているそうです。

自分が出場している試合ではないので八百長には当たらないけれど、
やはり日本のプロ野球の勝敗を賭けの対象にしたのはまずい気がしま
す。

でも、直接関与していない高校野球やメジャーリーグならば、試合を
より楽しむために小銭を賭けるのはどこにでもあること。

やっぱり、プロ野球選手が野球を賭けの対象にしたのが問題なのか。
これがサッカーやラグビーの試合での賭けならここまで大騒ぎされな
かった気がします。。。

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      次回配信予定は10/10作品は
         
        「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」
         
              です。

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