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こんな映画は見ちゃいけない! 

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ガールズ・ステップ こんな映画は見ちゃいけない! 

2015/09/12

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2015/9/12   Vol.1687    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
              「ガールズ・ステップ」  です。

最初は嫌々体を動かしていた。リズムに乗せてステップを踏むと心が
解放されるような気分になった。ステージの上では緊張したけれど、
いつしか会場と一体になる高揚感に酔いしれていた。物語は学業もス
ポーツもイマイチな女子高生たちが、ダンスを通じて自信と勇気を取
り戻していく過程を描く。お調子者、ネクラ、KY、ガリ勉、ヤンキー。
そこでは、スクールカースト低位の地味な彼女たちの繊細な悩みが濃
やかに再現される。ひとりひとりは個性的なのに、みなどこかで自分
の本心を抑えて登校している。不器用でも真剣に生きようとする姿は
目標があれば人生は変えられると教えてくれる。

あずさたち5人は単位の代わりに市民祭りでのダンスパフォーマンスを
課せられる。本番後、人前で踊る楽しさに目覚めた彼女たちはダンス
部を結成、NY帰りのケニーにコーチを頼む。

八方美人のあずさ、家族にコンプレックスを持つ環、家計を心配する
葉月、恋人に振り回される愛海、学校嫌いな美香。それぞれが事情を
抱えながらも、踊っている時だけは嫌な現実を忘れられる。ところが、
言いだしっぺで部長のあずさがチア部との人間関係に疲れ脱落する。
そんなあずさに“もっと自由になれ”とアドバイスするケニー。

一見チャラ男なのに傷ついたあずさを一生懸命理解しようとし、決し
て説教口調にならずに彼女の葛藤に寄り添う、その押しつけがましさ
のないキャラに好感が持てた。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

                   「ガールズ・ステップ」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150728

                を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
           「天空の蜂」  です。

パイロット不在の超大型輸送ヘリコプターを無線による遠隔操縦で離
陸させ、その後はGPSと赤外線カメラの認識機能で自律飛行、重要建造
物に墜落させようとする。2015年4月に社会問題になった出来事を先取
りした内容は、不気味なリアリティで空への無警戒に警鐘を鳴らす。
ドローンなら同じことがもっと簡単にできる、と。物語は日本中の原
発停止を目論むテロリストと政府当局、巻き込まれたヘリ開発者の葛
藤を描く。人質は稼働中の原発、映画は関わった様々な人物の視点で
事件を俯瞰し、原発に頼り切った生活に浸る日本人に、“電気は人命
より大切なのか”と問う。

テロリストに乗っ取られ、原発の800メートル上空でホバリング中のヘ
リには、ヘリ開発者・湯原の息子が乗っている。自衛隊員が決死の救
出作戦を試みるが、息子はヘリから足を踏み外し落下してしまう。

実行犯の1人・雑賀は原発の清掃業務中に被爆した仲間を亡くしている。
原発の技術者・三島もまた、息子がイジメで自殺に追い込まれた過去
を持つ。暮らしを豊かにするはずの原発のために働いたのに理想と現
実のギャップに気づき、糺さねばならないと行動を起こした人々の決
意は間違っているのか。

電気という国益・公共益のもと便利さの代償として使い捨てにされる
命と、個人を圧殺する世間の空気。誰もが矢面に立ちたがらない。そ
んな中、湯原は息子のために初めて戦う決意をする。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

                  「天空の蜂」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150606

              を参考にしてください。 




 本日はもう一本
 
           「カリフォルニア・ダウン」  です。

クルマが地裂に落下する。崩落する屋上から女がジャンプする。ヘリ
の前方で高層ビルが倒壊する。駐車場が押しつぶされる。高さ数十メ
ートルの波の壁がボートを飲み込むetc. あらゆるシチュエーション
で登場人物が極限まで追い詰められ、危機一髪の状態から間一髪で難
を逃れるシーンが繰り返される。物語は、未曽有の地震に見舞われた
た大都市に取り残された妻子を救い出す救難救助士の活躍を描く。波
打つ大地、飛散する瓦礫、燃え盛る炎、押し寄せる津波。大災害の渦
中に自ら飛び込む主人公の目を通して再現されたこの世の終焉とも思
える映像はリアリティたっぷりにスクリーンから客席に押し寄せる。

ネバダ州でダムが決壊、さらにカリフォルニア州の活断層にも異変が
起き、西海岸は大きな揺れに襲われる。救助ヘリを操縦するレイは、
任務を投げ出してLAのビルで孤立した元妻のエマのもとに急行する。

近年のビルは耐震設計のはずだが、想定外の震度に耐えられず往復運
動した後次々と中折れし崩壊していく。ケータイはつながらず情報は
入らない、事態がよく分からない場合、とりあえず落ち着くまでは自
分とごく身近な人の安全確保に専念すべきなのだろう。

ダムで少女を助けて死んだ研究生の扱いが小さいのは、逃げ出したエ
マの恋人のほうがこの状況ではベターな選択だったということなのか。
非常時では、わが身を犠牲にしてまで救うべき命は愛する家族だけと
レイの行動は訴える。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                  「カリフォルニア・ダウン」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150805

              を参考にしてください。 




 本日はもう一本
 
           「僕たちの家に帰ろう」  です。

井戸は枯れ、川は干上がり、湖は底をさらす。かつての村は廃墟とな
り、古い寺院も水不足で閉鎖される。ほんの数年前までは牧草地だっ
たのに、農地開拓によって地下水は汲み上げられ瞬く間に砂漠化した。
歴史書に記される以前からこの地で地で暮らす遊牧民の生活基盤を、
政府は近代化の名のもとに奪った。物語は中国西域、両親の待つ家に
2人で帰ろうとする小学生兄弟の旅を描く。乗り物はラクダ、記憶とカ
ンを頼りにひたすら荒野を歩く。兄弟なのに別々に育てられ、お互い
に信頼を結べないまま運命共同体となった2人の姿は、深刻な国内問題
を抱えながらも前に進むしかない中国の“今”を象徴していた。

放牧に出た両親の元を離れ、祖父の家から学校に通うバーテル。寮に
預けられた弟のアディカーはそんな兄をうらやましく思っている。夏
休み、祖父の死を機に彼らは故郷に戻る道を歩み始める

父と遊牧の経験があるアディカーには、帰路の見つけ方も水や休憩時
間の取り方も野営の知識もある。バーテルは弟についていくばかり。
仲の良い兄弟とはいえず、バーテルはアディカーの残り少ない水を盗
んだりする。いよいよ方角に迷ってもバーテルには兄としての責任感
は希薄ですべてアディカー任せ、末子相続制度が受け継がれている遊
牧民だからこその兄弟関係なのだろう。

このあたり、幼い兄弟が力を合わせて難局を乗り切るなどという手垢
のついた展開にせず、2人の間には微妙な緊張感が保たれる。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                  「僕たちの家に帰ろう」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150910

              を参考にしてください。 


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        余|談|
        ━┛━┛

長年愛用してきたバッグの持ち手がぼろぼろになったので、そのブラ
ンドの直営店に交換してもらいました。

店員と仔細に確認し見積もりは32000円。しかし、その後ファスナーも
要交換と電話があり、そちらは18000円と言われました。

でも、交換が終わってショップに行くと、請求は30000円+税。ファス
ナー分を減額交渉しようと思っていたのになんか拍子抜けでした。

やはり、見積もりより高いと後でクレームをつけられるから、最初か
ら少し高めの金額を設定しているのでしょうか。。。

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      次回配信予定は9/17作品は
         
           「ピクセル」
         
              です。

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