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こんな映画は見ちゃいけない! 

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ヴィンセントが教えてくれたこと こんな映画は見ちゃいけない! 

2015/09/03

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2015/9/3   Vol.1684    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
             「ヴィンセントが教えてくれたこと」  です。

借金まみれで酒浸り、古い一軒家に猫と住み、他人を寄せ付けず他人
からも嫌われている偏屈ジジイの隣に母子家庭が引っ越してくる。物
語は、利発で物分りもいいが体力的に劣る少年が、老人を通じて酒・
タバコ・ギャンブル・女といった大人の世界に触れていくうちに、い
つしかはぐれ者同士友情を育む過程を描く。少年は老人に困難から逃
げない勇気を授けられ、老人は少年から残り少ない時間の生きる希望
を与えられる。お互いに足りない部分を補ううちに少年が老人の本当
の姿を知っていくプロセスは、どんな人でも過去には輝ける時があり、
それらの思い出があるからこそ孤独に耐えられると教えてくれる。

破産寸前のヴィンセントは、マギーの息子・オリヴァーの子守りを引
き受け、競馬場やバーを連れまわす。オリヴァーには新鮮な経験、習
った護身術でいじめっ子を撃退したのを機に信頼関係が深まる。

一方で、認知症の妻を見舞ったり、妊娠中のストリッパー・ダカの面
倒を見たりと、無愛想で毒舌のヴィンセントにも実は優しいところが
あると気づくオリヴァー。おそらく別居中の父は教育には熱心でもワ
クワクするような体験をさせてくれなかったのだろう、口は悪いが相
棒扱いしてくれるヴィンセントに理想の父親像を見出していく。

ヴィンセントもまたひ弱なオリヴァーが自分の背中を見て成長してい
くのが楽しい。愛と呼ぶには照れくさいが、顔を見ないと寂しい。そ
の絶妙の距離感が心地よい。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

                   「ヴィンセントが教えてくれたこと」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150725

                を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
           「わたしに会うまでの1600キロ」  です。

わずらわしい人間関係から距離を置き大自然のなかで限界まで己を追
い込めば、今とはまったく別の世界が開けてくるに違いない。そう思
い立った彼女は、山のような荷物を背負い砂漠の道に一歩を踏み出す。
未経験者の見立てでは刻々と変わる荒野の環境に対応できず、スター
ト早々トラブルに見舞われるが、折れそうになる心に鞭を打ち彼女は
進み続ける。物語は徒歩で米国西部縦断に挑んだヒロインの冒険と苦
難の日々を描く。孤独の中でかつての自分の行状を反芻し、記憶の中
の母に教えを乞い、現実と対峙しようとする彼女は、その果てに人生
の真実を見つけられるのか。乾燥地帯から雪原、岩場から密林まで様
々な顔を見せるに大地に翻弄される彼女を、しっかりと見据えた映像
が美しい。

敬愛する母の死を機に、夫がいるにもかかわらずセックスとドラッグ
中毒になったシェリル。過去を清算するためにメキシコ国境からカナ
ダを踏破する旅に出る。しかし、1日目から後悔の念に苛まれる。

渇きと空腹に耐えて歩き、テントを張り、疲労困憊した肉体に水と食
料を補給する。これぞ“生きていること”を実感できる瞬間だろう。
決して神秘体験をするわけでもないが命とは何かを考えなぜ生まれて
きたかの答えを模索する時間は、神と対話する気分だったはず。

外見は少しずつ汚れていくが心身は内面から浄化されていく、そんな
シェリルの変化をリース・ウィザスプーンがリアルに再現する。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

                  「わたしに会うまでの1600キロ」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150901

              を参考にしてください。 




 本日はもう一本
 
           「S-最後の警官- 奪還」  です。

幼児の送迎バスと巨大輸送船、ふたつのハイジャックを同時に起こし、
日本の治安を根底から揺さぶろうとする男。端整な顔立ちの警察・海
上保安庁の武装部隊を尻目に、幾度もの修羅場をくぐり抜けてきた孤
高のテロリストを演じたオダギリジョーが圧倒的な存在感を示す。父
祖伝来の島を追われ人生を奪われた怒りと憎しみ・哀しみと狂気が、
国家を道連れにした破滅を呼ぶ。物語は、高度な訓練を受けた特殊部
隊と、権力に復讐を目論む元傭兵率いるならず者軍団の対決を描く。
実弾飛び交う銃撃戦と肉弾相うつ接近戦、反目する4部隊が同じ“戦場”
で命を張りつつ信頼で結ばれていく過程は、熱い“男のドラマ”を感
じさせる。女性隊員もいたけど。最近の狙撃手は「アメリカン・スナ
イパー」のように両目を開けたまま撃つのが主流なのか。。。

乗っ取り事件の首謀者・正木は、政府に首相を含む全閣僚にプルトニ
ウム積載の輸送船に身代金を持参せよと迫る。核拡散を恐れた首相は
要求に応じ閣僚と共に人質となるが、ほどなく特殊部隊が突入する。

テロリストとは交渉しない米国とは対照的に、責任の所在ばかり探る
政府首脳は優柔不断の極み。結局人命尊重の立場から正木の言いなり
になる。しかし、最高司令官でもある首相およびそれに次ぐ地位の者
が出向けば、もし何かあった場合その後は誰が指揮権を引き継ぐのか。

危機的状況下では安倍首相のような断固とした決断を下せる指導者が
必要であると、逆説的にこの作品は訴える。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

                  「S-最後の警官- 奪還」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150902

              を参考にしてください。 




 本日はもう一本
 
           「テッド2」  です。

見かけも中身もクマのぬいぐるみだけれど、最も大切な相棒である事
実を疑ったことはなかった。周囲の知人も世間の人々も“人格”を認
め、友人同様に交流してくれていた。だが、たとえ思考や感情を持っ
ていても、役所から見れば所詮は“モノ”でしかない。物語は、主人
公の親友として長年普通に暮らしてきたテディベアが突然自身の価値
を問われ、アイデンティティを求めて戦う姿を描く。“愛”や“心”
を宿しているだけでは人間とは言えず、より正しく生きる姿勢を示さ
なければならない。ところが不良生活から抜ける気のないぬいぐるみ
には非常に高いハードル。危機的状況に追い込まれてもなお改心せず
悪ふざけするキャラが、小憎らしさの中に愛おしさを感じさせる。

職場の同僚と結婚したテッドは養子をもらおうとするがあっせん機関
が拒絶、それを機に州政府がテッドの市民権を停止する。ジョンはテ
ッドの権利を回復するため弁護士のサマンサを雇い、法廷闘争に臨む。

サマンサが、いかにテッドがジョンにとって重要かを訴えても、テッ
ドの商品化を目論む玩具会社が送り込んだ弁護士はテッドの人権を否
定する。陪審の評決も、テッドはジョンの所有物。テッドへの友情は
個人的な思い入れと判断される。あきらめられないジョンたちは、サ
マンサの尽力でNYの有名弁護士を頼り上訴する決意を固める。

とはいえ、少しは人生に対し真摯な態度を取るかと思われたジョンと
テッドが、相変わらずアホで行為を繰り返し、笑わせるのを忘れない。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                  「テッド2」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150831

              を参考にしてください。 

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        余|談|
        ━┛━┛

不正、ネットでの告発、開き直り会見。。。東京五輪エンブレム問題
は「第二の小保方」と言われるほど事態の構造が似てきました。

根本の原因は、新国立同様、大会組織委員の中で責任を取る人間がい
ないこと。委員会会長の森喜朗など、なぜか被害者面をしている。

あくまでもオリジナルと強弁し、他にも盗用疑惑が暴かれると、「中
傷誹謗から家族や社員を守るために取り下げた」と責任転嫁する佐野
の姿勢には嫌悪感すら覚えます。

まあ、小保方だけは「あんな不細工な男と一緒にしないで」と思って
いるかもしれませんが。。。

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      次回配信予定は9/5作品は
         
         「Dearダニー」
         
              です。

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創刊日:2002-12-02  
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