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こんな映画は見ちゃいけない! 

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奇跡の2000マイル こんな映画は見ちゃいけない! 

2015/07/18

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2015/7/18   Vol.1675    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
             「奇跡の2000マイル」  です。

“どこにいても居場所がない”と感じるのは、理解してくれる人間、
信頼できる人間が身近な周囲にいないから。本人もまた積極的に他人
にはかかわろうとせず、濃密な人間関係を避けている。カメラはそん
な孤独なヒロインが乾燥地帯を横断する姿を描く。見渡す限り灌木と
むき出しの岩、赤土や砂ばかりの世界、強烈な日差しが体力を奪って
いく。夜は満天の星の下、たき火のそばで眠る。道中彼女は何度も自
問したはず、“なぜ私はここにいる、なぜこんなことをしている?”
かと。時に挫折しそうになり時に興味本位でシャッターを切る人々に
辟易しながらも、彼女が探していたものは、肉体的にも精神的にもぎ
りぎりまで追い込んだ果てに見えてくる、「生きる意味」なのだ。

都市の生活に馴染めないロビンはオーストラリア大陸中央部からイン
ド洋まで歩き通す計画を立て、ラクダ牧場で調教を学びつつチャンス
をうかがう。8か月後、4頭のラクダを手に入れ、愛犬と共に出発する。

うんざりするほどの単調な毎日、昼間は歩き続け日が落ちると野営す
るだけ。途中、予想された砂嵐や水不足、野生のラクダやアボリジニ
には遭遇するが、命の危機を覚えるような天候の激変や獰猛な野獣に
襲われたりはしない。過酷な道のりだが、スリル満点の冒険というよ
りは、有り余る時間の中で繰り返される自己との対話が旅の目的。

人を寄せ付けない自然は確かにロビンに似たところがある。それに寄
り添うことで彼女はアイデンティティの断片を拾い集めているのだ。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

              「奇跡の2000マイル」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150619

    を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
        「ルック・オブ・サイレンス」  です。

視力検査用のメガネをかけられた老人たちは、記憶の底から遠い過去
をほじくり出される。それは、自分たちの手柄が、実は人殺しだった
という事実。怒る者、弁解する者、言葉を失う者、感情のほんのわず
かな変化も見逃すまいと眼鏡技師は彼らを見つめる。映画は、1960代
後半、インドネシアで発生した共産主義者大虐殺の実態に迫る。100万
人ともいわれる死者を出しながら罪に問われず安穏と余生を送る元民
兵に、犠牲者の弟がインタビューする。彼らは同じ村の顔見知り同士、
加害者側と遺族が50年近くも隣人として暮らしてきた気まずさを、長
い長い沈黙が饒舌に物語っていた。

囚人をナタで斬りつけたときの様子を自慢げに語る2人の老人は、「武
勇伝」をイラスト入りの本にして出版している。そのビデオを見たア
ディは、無料診断を装って、存命中の元民兵や子孫に会いに行く。

老人たちに命を奪われたのはアディの兄。アディは世間話をしながら
徐々に当時の事情を聞きだそうとする。老人たちにとって共産主義者
の粛清はむしろ誇らしい実績、なのに問い詰められる。そして初めて
被害者側の痛みを知る。すでに総括は済んでいる歴史、しかし“やら
れた側”は決して忘れない。もちろんアディは復讐を望んでいるわけ
ではない、元民兵や彼らの家族も根は善良な人だろう。

ではなぜ悲劇が起きたのか。カメラは普通の人間の心の奥に潜む、ち
ょっと背中を押してやるだけで暴走する“残虐な悪意”をあぶりだす。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

              「ルック・オブ・サイレンス」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150716

    を参考にしてください。 

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        余|談|
        ━┛━┛

決して自民党支持者でもなく、本心では安保法案にも賛成しかねます
が、やはりこの法案は「必要悪」のような気がしてなりません。

原因は中国。毛沢東や鄧小平の時代のように、中国が国内安定に手一
杯だった時代とは違い、習近平の海外領土への野心は南シナ海で明ら
かです。

ここで何もしないと、中国が尖閣諸島を取りに来るのは時間の問題。
「やるときはやる」という態度を見せておくことが大切。

デモや集会も結構ですが、反対派は、自分たちの行為が中国を利して
いることに気づくべきです。。。

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      次回配信予定は7/25、作品は
         
       「人生スイッチ」
         
              です。

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