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こんな映画は見ちゃいけない! 

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バケモノの子 こんな映画は見ちゃいけない! 

2015/07/16

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2015/7/16   Vol.1674    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
             「バケモノの子」  です。

ビルの隙間を通り抜けると獣面人身の生き物が闊歩する異界。社会に
順応できない少年は、力は強いが精神的に未熟なはぐれ者に声をかけ
られる。彼らは反発しながらもいつしか分かちがたいパートナーとな
っていく。映画は、バケモノの世界で、主人公が粗野で短気な熊面の
男の下で修行を積むうちに血よりも濃い絆で結ばれていく過程を描く。
顔を合わせれば口喧嘩、だがそれは強固な信頼の証でもある。傷つけ
あっても支えている、思ったことはポンポン口にする2人の歯切れのい
い掛け合いが独特のテンポで楽しませてくれる。誰もひとりでは生き
ていけない、助け合いを学んで心は成長していくのだ。

バケモノ界で次期宗師の候補となった熊徹は、周囲の反対を押し切っ
て人間の子・蓮を弟子に取り、キュータと名付ける。行き場のないキ
ュータも熊徹と寝食を共にするうちに胸襟を開いていく。

父をよく知らず母とも死別したキュータは、世間に「大嫌いだ」と叫
んでバケモノ界に逃げてきた。おそらく独力で育った熊徹も“対人関
係”の距離感がわからずバケモノ界では異端児。気持ちをうまく言葉
にできない不器用な者同士が手探りで疑似父子になっていくあたり、
愛された記憶が少なくても相手に思いを伝える手段はあると訴える。

また、格闘術をマスターするために真似をしていたキュータがやがて
熊徹そっくりに振る舞う姿は、「意味は自分で考えろ」という通り、
体で覚える大切さを教えてくれる。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

              「バケモノの子」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150715

    を参考にしてください。




 本日はもう一本
 
        「ボヴァリー夫人とパン屋」  です。

パリの喧騒に疲れ田舎に逃れてきたのに、待っていたのは退屈な日常。
唯一の愉しみは古典を紐解き、想像の翼を羽ばたかせること。そんな
男の人生に、慣れ親しんだ小説のヒロインそっくりの女が闖入する。
物語はパン屋を営む主人公が隣家に引っ越してきた若くてセクシーな
英国人人妻に夢中になり、彼女に付きまとう姿を描く。アニメやゲー
ムのキャラに萌えるオタクのように胸をときめかせる彼の繊細な感情
がリアルに再現される。バーチャルな存在が突然生身の肉体を持った
驚きと戸惑い。手が届く距離にいるのに口説き落とす勇気がない。そ
して若い男に横取りされても指をくわえて見ている。親子ほど年齢差
の女に恋をするオッサンの切ない気持ちが痛々しくも共感を呼ぶ。

「ボヴァリー夫人」を愛読するマルタンは、隣人のジェマにボヴァリ
ー夫人との共通点を見つけ、彼女が頭から離れなくなる。ある日ジェ
マが蜂に刺され、毒を吸いだすために彼女の背中に触れる。

もはやジェマは神格化され、マルタンは彼女との会話や肌の感触を思
い出しては幸せな気分に浸っている。ハンサムなエルヴェがジェマに
近づいても成り行きを傍観し、自分の欲情に油を注ぐ行動を繰り返す。
このあたり、理想のタイプのAV女優が本番をしているエロ動画を、男
優に己を投影しながら見ている男たちの心理と変わらない。

現実世界での恋愛を避けつつも、欲望を捨てきれない。対人関係に器
用ではないマルタンが身に付けた自虐的な処世術が愛おしくも滑稽だ。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

              「ボヴァリー夫人とパン屋」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150713

    を参考にしてください。 




本日はもう一本
 
             「踊るアイラブユー♪」  です。

重大な秘密を抱えた私はいったいどうしたらいいの? 自分の思いに
正直になるのはいけないことなの? 映画はそんなヒロインの喜怒哀
楽と苦悩や不安、夢と愛を、1980年代の懐かしいポップスに代弁させ、
華やいだ踊りで高揚感を表現する。ところが俳優の口の動きとサウン
ドが微妙にずれ、群衆ダンスもキレがない。心に響く歌声と目を見張
るダンスがあってこそのミュージカルだと思うのだが、この作品はそ
ういった“洗練”とは一線を画し、お祭り騒ぎに徹して差別化を図る。

リゾート地で地元青年・ラフとのアヴァンチュールを楽しんだ英国人
女学生・テイラーは、3年後姉・マディの結婚式で再び当地を訪れる。
だが、マディの婚約者がラフと知り、テイラーの気持ちは揺れる。

恋より学業を優先させたテイラーは、ラフと言葉を交わすうちに彼へ
の未練に火がつく。ラフもまた、ポジティブなマディに惹かれはした
が本当に好きなのはテイラーではないのかと自問する。お互いに意識
しながらもぎこちなく距離を取るふたりは、とうとうトマト祭りで感
情を爆発させる。一方でマディは元カレにしつこく付きまとわれる。

このあたり、設定があまりにも突飛な上、ユーモアや皮肉にも乏しい。
かといってコメディと呼ぶほど脚本が練り込まれてもいない。石造り
の古い街並みと美しいビーチのおかげで、陽光降り注ぐ南イタリアの
陽気な雰囲気は伝わってくるが、登場人物にどこかひとつ共感できる
部分が欲しかった。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

              「踊るアイラブユー♪」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150714

    を参考にしてください。


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        余|談|
        ━┛━┛

10、000円で12、000円分の買い物ができるプレミアム商品券を10万円分
申し込みました。これで新しいパソコンを買おうと思います。

東京都区部でもほとんどの区で発行していますが、台東区では4、500円
で6、000円分(多子家庭のみ)、江東区では10,000円で13,000円分とお
得感があり競争率は高そうです。

逆に文京区など10,000円で11,500円分と、東京ドームシティ以外に大
型商業施設がないためか控えめ。たくさん申し込むと余ってしまい、
かえって無駄なものを買いそうです。

でも、やっぱり家電量販店なのでは「現金特価」が幅を利かせ、結局
思ったほど得しないかもしれませんね。。。

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      次回配信予定は7/18、作品は
         
       「奇跡の2000マイル」
         
              です。

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