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こんな映画は見ちゃいけない! 

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ストレイヤーズ・クロニクル こんな映画は見ちゃいけない! 

2015/07/02

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2015/7/2   Vol.1670    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
             「ストレイヤーズ・クロニクル」  です。

望んで身につけた能力ではない。“進化”の実験台として研究室で生
まれた子供たちは、自我の芽生えと共に疑問を抱き始める。自分たち
はいったい何者で何のために存在しているのかと。その答えは皮肉に
も、同様の目的で創造された別系統の若者たちに教えられる。物語は、
脳のポテンシャルを極限まで高めることで感覚と肉体を増強した一団
と、遺伝子操作で野生動物の特性を取り入れたグループが、抗争と和
解を繰り返しつつ彼らを生んだ世界に復讐していく過程を描く。利用
価値があるうちは援助してもらえるが、命令を聞かないと危険視され
る。そんな彼らの、生きづらさがリアルに再現される。

政府高官・渡瀬にアゲハという犯罪者集団の確保を命じられた超能力
者の昴は、かつて一緒に育てられた仲間を集める。遺伝子学者を拉致
したアゲハたちの元に昴らは駆けつけるが、彼らも超能力者だった。

ひとりでは暴走するのをリーダーの学がまとめ、得意分野を生かす戦
術を取るアゲハのメンバーは殺人も厭わない。一方、里親に愛情を注
がれた昴たちは倫理観や人間的な感情を具えている。渡瀬に命運を握
られている昴の逡巡を一瞬で見抜いた学は、奇妙な共闘関係を結ぼう
とする。倒すべき悪は誰なのか、どうすれば生き残れるのか、圧倒的
な能力に潜む致命的な欠陥が更なる地獄に彼らを引きずり込む。

“生きたい”、ただそれだけの願いを叶えるために人目を忍んで戦う、
まっとうな使い道のない特殊能力を持ったがゆえの苦悩が切ない。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

              「ストレイヤーズ・クロニクル」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150225

    を参考にしてください。




 本日はもう1本

        「ラブ&ピース」  です。

夢は、いつまでに何をすべきかを具体的に書き出すことで目標になる。
行動を起こしてこそ手を差し伸べてくれる者もあらわれるのだ。物語
は、うだつの上がらないサラリーマンがミドリガメの力を借りてロッ
クミュージシャンを目指す過程を描く。彼の、ミドリガメへの思いを
綴った歌から始まった“カメの恩返し”は、進むべき道を見定めたら、
あきらめずにチャンスを待つ大切さを説く。ファンタジックだが哀し
みを湛えた地下と欲望渦巻く地上を対比させた独特の世界観は、人生
で成功するには少しの勇気とたくさんの貪欲さが必要と教えてくれる。

ミドリガメを買った良一はピカドンと名付け四六時中かわいがってい
たが、会社でバカにされたためにトイレに流してしまう。ピカドンは
下水溝の奥で、捨てられたおもちゃやペットと暮らす老人に拾われる。

老人は、ピカドンには誤って“願いを叶える飴”を飲ませてしまう。
良一の野心が大きいほど体が成長するピカドンは、プロになったが新
曲を生み出せずに苦労する良一の前に現れ、詞とメロディを与えて去
る。このあたり、ピカドンが助けるばかりで良一は特に努力もしない。

前半、良一のデフォルメされた日常はわずかに共感できたが、自己チ
ューになった彼にはまったく魅力がない。一方で人形たちの悲哀を知
っているにもかかわらず、ピカドンの良一に対する忠誠心は不変。ク
ライマックスはさらに寓話的な展開に“ゆっくりと暴走”するが、そ
こに教訓やテーマは見いだせなかった。。。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

                「ラブ&ピース」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150630

    を参考にしてください。




 本日はもう1本

        「呪怨 ザ・ファイナル」  です。

テーブルの下、スープ皿、ドアの陰、ベッドの脇、背中。どこにいて
も憑りつき、絶対に離れない強い怨念。復讐したいわけではない、平
和な暮らしを享受しているのが許せないだけ。物語は強烈な憎悪をこ
の世に残した母と幼い男の子が、関わった者すべてを呪い殺していく
過程を描く。親切にしても恨みの火に油を注ぐばかり、愛や優しさな
ど一切通じない。静かに背後に忍び寄り、大げさな効果音と共に死角
から突然現れ、ただただ驚かせ恐れさせ絶望のどん底に引きずり込む。
そんな、白パンツの男の子と首をカクカク鳴らす口裂け女の“一発芸”
のオンパレードは、ホラー表現の見本市のようだ。各エピソードから
起承転結の“承転”を省略した潔さがスピード感を与えている。

失踪した妹の荷物を整理していた麻衣は、俊雄という少年が関係して
いると知る。だがそれ以降麻衣の周囲では不気味なことが起き始める。
俊雄は両親の死後、いとこの女子高生・玲央の家に引き取られていた。

その後、玲央の家族や友人、麻衣の夫が次々と犠牲になっていく。最
初は警告程度に存在を知らしめ、何度も姿をチラ見させたのち、相手
が十分に慄いたところで正体を見せてとどめを刺す俊雄と母の伽耶子。

特にマンションのドアポストの狭い空間から伽耶子が侵入してくるシ
ーンは、退路を断たれジワジワと追い詰められる感覚を体験できる。
また、エレベーターの中に何人もの俊雄が乗っている場面は、それぞ
れ微妙に違っているところに、怖さを覚える前に失笑してしまった。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

                「呪怨 ザ・ファイナル」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150627

    を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

いよいよテニスのウィンブルドン大会が始まりました。芝のコートは
他の大会にはない格式がを感じさせます。

プレーヤーのウェアも、他では許されるカラフルなものではなく、白
を基調にしたもののみ着用可。余計にスポンサーのロゴが目立ちます。

女子ナンバー1のセリーナ・ウィリアムズも、以前はパンツだけは紺や
赤を履いていたのに、月曜日の試合では白。

やっぱり大会運営者から、“見えるところは白にしろ”とかと注意を
受けたのでしょうか。。。

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      次回配信予定は7/4、作品は
         
        「ブラフマン」
         
              です。

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