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こんな映画は見ちゃいけない! 

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ピッチ・パーフェクト こんな映画は見ちゃいけない! 

2015/05/28

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2015/5/28   Vol.1660    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
            「ピッチ・パーフェクト」  です。

無伴奏で歌うだけではない。メロディやリズムもすべて人体から発す
る音で表現し、バンドを従えたコーラスのような歌声を響かせる。さ
らに統率のとれたダンスとコスチューム。洗練されたパフォーマンス
は見る者の目を惹きつけて離さない。物語は傷心のまま進学した女子
大生がアカペラと出会い、様々な体験の中で人生と向き合う勇気を取
り戻す過程を追う。個性的な若者たちが団結して全米大会優勝を目指
して努力する定番の設定ながら、アカペラという歌唱の奥深さとすば
らしさが門外漢にもわかるように丁寧に描写されていた。

父の勧めで意に染まぬ大学に入学したベッカは、美声を見込まれて全
国大会出場歴もある名門アカペラサークル・ベラーズに勧誘される。
リーダーのオーブリーの指導の下、厳しい練習が始まる。

ベッカはDJの夢があきらめられず、自分で編曲したりもするがイマイ
チ。一方でオーブリーが選んだ古臭い曲に息苦しさを感じている。元
々人付き合いの苦手なベッカはどちらとも距離を置いている。そんな
ベッカも、彼女に好意を寄せるジェシーのおかげで、ひとりでいるよ
り仲間と協力する方が相乗効果を発揮できると知る。

時には頭を下げる必要もある、そして本心をさらけ出して訴えればき
っと思いは伝わる。団体スポーツ以上にチームワークが重要なアカペ
ラが、ベッカの心を開き成長させていく。セクシー系金髪美女のオー
ブリーが、禁欲的なまでにアカペラにうちこむ姿が新鮮だった。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

              「ピッチ・パーフェクト」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150320

    を参考にしてください。




 本日はもう1本

       「アドバンスト・スタイル」  です。

「50代なんてまだまだ小娘」と言いたげなシックな装いから、原色を
強調した派手な色使いまで、身にまとうもので自己主張する高齢女性
たち。いまだ仕事を持ち経済的に豊かな者もつつましく年金暮らしを
している者も、自身をゴージャスに見せようと考えている。いや、他
人の目などもはや気にしない。自分がときめいて、自分が満足すれば
それでいい。そんな生き方に、フレッシュな精神を保つ秘訣は、好奇
心を忘れずチャレンジを怠らないことだと教えられた。彼女たちにと
って、ファッションとは生活そのものなのだ。

NYの路上でオシャレな年配女性に声をかけスナップを撮り続けるカメ
ラマンのアリ。彼がブログ「ADVANCED Style」で公表した写真は大い
に共感を呼び、写真集として出版される。

登場するのは60代から90代まで様々。体がシャキッとしているハーレ
ム出身の元ダンサーは、そのスタイルの良さから“LANVIN”のモデル
に採用される。輝く若さばかりもてはやされる米国の価値観に対して
一石を投じる、積み重ねた年月にこそ上質を見出すフランス人らしい
選択に、あらゆる老人たちは快哉を叫ぶはず。

オレンジの自髪でつけまつげを作り目元を飾る90代の老婆は、相当の
衰えが来ているのが立ち居振る舞いからわかる。それでも少女の心を
胸に宿している姿が“カワイイ”と思えてくる。“常識”の軛から解
放された自由な発想で人生を楽しむ彼女たちはとても魅力的だ。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                「アドバンスト・スタイル」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150311

    を参考にしてください。




 本日はもう1本

       「サンドラの週末」  です。

自分は周囲からどう思われているのか。他人の生活を犠牲にする価値
はあるのか。失業の危機に立たされたヒロインは、わが身を護るため
同じ職場の労働者一人一人に問うていく。物語はクビを宣告された工
員が、己の雇用と引き換えに同僚にささやかな収入を諦めるように説
得して回る姿を描く。図々しいお願いなのは分かっている。歓迎され
ないのは当たり前。それでも夫と支援者に背中を押され、折れそうな
気持ちに鞭を打って彼女は歩き続ける。一方、選択を迫られた人々も、
彼女と守るべきものを天秤にかけなければならない。それは、次は自
身に起こりうることでもある。映画はそんな、良心とエゴが混在した
心を浮き彫りにし、弱者は切り捨てられる資本主義の真実を糾弾する。

工場に復職しようとしたサンドラは、仕事を辞めないなら16人の従業
員のボーナスはないと会社に告げられる。賛否投票は月曜日、サンド
ラは週末を使って戸別訪問を始めるがなかなか賛同を得られない。

他の工員たちもみな経済的な事情を抱えていてボーナスを“生活給”
とあてにしている。窮状を訴えても、もっと弱い立場の同僚もいる。
皆善良なのだろう、しかし強くはない。厳しい競争にさらされている
経営者や管理職も苦渋の判断だったに違いない。

サンドラの言葉に助けられた人もいる。落胆が絶望に変わる寸前にも
たらされるわずかな希望。日頃から真摯に人生に対峙し人間関係を大
切にしていれば、きっと何とかなるとこの作品は教えてくれる。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                「サンドラの週末」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150525

    を参考にしてください。




 本日はもう1本

       「チャッピー」  です。

自分自身で考え学び、蓄積された経験や知識から独創的なアイデアや
作品を創造する能力だけでなく、知覚を通じて感情を育み、他者への
優しさや思いやりの気持ちをデジタルコードで記述できるものなのか。
物語は“意識”をインストールされたAIロボットが、心の成長と共に
自我に目覚め、守るべきものは何かに気づいていく姿を描く。生みの
親はへなちょこ科学者、育ての親は極悪ギャングという状況で、人間
社会における弱肉強食の掟を学びつつも本質的には善良さを失わない
主人公。過去の“AI映画”のエッセンスを消化吸収しながらも、悪党
に教育される設定が斬新だ。

ロボット警官の開発責任者・ディオンは、完成させた“意識”のコー
ドを廃棄ロボットに移植する。だが、ニンジャ率いるギャング団に誘
拐され、ロボットはチャッピーと名付けられる。

一応、殺人等の禁止事項をディオンと約束しているが、ニンジャに犯
罪の片棒を担がされるチャッピー。一方ニンジャは、見本を見せると
すぐにマスターするチャッピーに父親のような思いを抱き始め、仲間
のヨーランディも孤独を癒してやろうと母性を発揮する。最悪の環境
ではあるが、いつしかチャッピーは大切にされている幸福を実感する。

荒んでいたニンジャとヨーランディ、脅えていたチャッピー。彼らが
疑似親子に変化する過程で、映画は、愛が人にもAIにも良心を芽生え
させると教えてくれる。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

                「チャッピー」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150526

    を参考にしてください。
                      
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        余|談|
        ━┛━┛

全仏オープンでも大活躍の錦織圭。スポンサーであるユニクロが今大
会着用ウエアの限定販売を始めました。

26日からネットでも買えるというので、ずっと楽しみにしていた人も
多いのでしょう。人気のキャップはジョコビッチモデルも国枝モデル
も朝8時には売り切れていました。

さらに驚いやことに、夕方にはヤフオクで倍以上の値段で売られてい
ました。

さいわい明け方に目覚めた時に注文を出していたので錦織モデルをゲ
ット。こんなことならもう一つ買っておけばよかった。。。

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      次回配信予定は5/30、作品は
         
        「ダライ・ラマ14世」
         
              です。

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